
歌い続けてきた名曲が新たな光を放つ。活動20周年を迎えたMay'nのゴージャスなベストアルバム『TWENTY//NEXT』が誕生。輝き続けた“その先”へ見据えているものとは【インタビュー】
May'n自身の想いを軸に選ばれたメインテーマたち
──今作は20曲+新曲1曲という構成になっています。でも200曲以上の持ち曲があるMay'nさんが収録曲を20曲に絞るというのはかなり難しかったのでは。
May'n:迷いに迷ってこのラインナップに決めました。普通のベストアルバムなら、曲数にそこまでこだわらなくてもいいと思うんですけど、今回は「TWENTY//NEXT」というタイトルにした以上、数字に意味を持たせたくて。20周年のベストアルバムだし、リアレンジで新たな命を吹き込むというまた違う意味を持ったアルバムだったので、数字にはすごくこだわりたくて。それでどうしても「20+NEXT=21曲」にしたかったんです。
そこから選曲を考えたときに、「この曲を入れられないじゃん!」という葛藤がどうしても出てきました。シングル曲でも入っていない曲があったり、「このタイアップ曲を外すの?」と迷ったり……でも、アルバム曲の「Phonic Nation」など、絶対に届けたい曲もあるし。もしこのアルバムをきっかけに初めて聴いてくれる人がいたら、「未来ノート」も聴いてほしいな、と思ったり……。
それと、「キミシニタモウコトナカレ」から始めたいという流れは、歌詞に込められたメッセージも意識してのものでした。「前に向かって進んでいきたい!」という想いは「ViViD」や「graphite/diamond」で表現できるし、「大丈夫、これからもありのままでいいよね」という気持ちは「Belief」や「未来ノート」でも伝えられる。そうやって、いちばん届けたいMay'n自身の想いを軸にしながら、選曲をしていきました。
──今おっしゃっていた流れの部分でいうと、ディスク2が「You」から始まるというのも印象的でした。
May'n:そうなんです。ちょうど「With you」のライブ制作と同時期だったこともあって。もともと大好きな曲でしたし「You」はとても大切な曲だなと思っていました。歌う使命を感じるというか……。
この曲には「あなたはあなたのままでいいんだよ」というメッセージが込められていて、「Ready Go! 」とタイプは違うけれど、私が一番自分自身にも言いたいし、誰かに伝えたいことなんです。生きていると、誰かに合わせなきゃいけない場面が多いし、自分の信念があっても「これで良いのだろうか」とぐらぐらしてしまったり、嫌なのに無理して合わせてしまうこともある。
そんな中でも、せめて自分だけは自分を認めてあげたりとか、自分に優しくしたりってすごく大事だと思っていて。だから「You」をディスク2の最初に持ってくることで、「あなたはあなたのままでいいんだよ」というメッセージをとにかく伝えたかったんです。
振り返ると10周年のときには、こういう「これを伝えたい」という強い思いをまだ言葉にできていなかった気がします。感じてはいたけれど、あの頃は「みんなで楽しもう!」「盛り上がろう!」という気持ちのほうが強くて、メッセージという意味ではそこまで深く考えられていなかったというか。
当時は年上のファンの方も多かったので「宜しくお願いします頑張ります!」みたいな気持ちが強かった気がしています。もちろん今もその気持ちがないわけじゃなく、変わらず年上の方にも応援してもらっていますが、じゃあ歌手として何を伝えたいか?というところまで意識するようになりました。10周年のとき以上に「今回は何を伝えようかな」と考えて活動しているからこそ、「You」から始めるという選択は、個人的にすごく気に入っているというか。10代のときの自分にはできなかったことだなって。
だから、当時の自分だったら「おりゃー! みんなようこそー!」って感じだったと思う(笑)。でも「You」はあえて「たった一人のために歌います」という気持ちで歌った曲だったので。これはまさに、20年経った今だからこそできるスタートだと思っています。
──ディスク1の「キミシニタモウコトナカレ」で始まるのも良いですよね。
May'n:「キミシニタモウコトナカレ」は、私にとってのファーストシングルなので、始まりとしてすごく意味のある曲で。「May’n☆Space」とどちらを一曲目にするか迷ったんですが、「May’n☆Space」は(1枚目の)最後に持ってくることにしました。
私としては「キミシニタモウコトナカレ」のイントロのSEのような音が、過去と今を繋ぐように感じるんです。すごく「TWENTY//NEXT」な音だなって。アルバムのコンセプトそのものを表していると感じています。
「20年の歴史がここでちゃんとつながった」
──リアレンジされずに原曲のまま収録された曲もありますよね。特に原曲の「Crazy Crazy Crazy」(中林芽依名義のデビュー曲)が収録されているのも、このアルバムの特色のひとつです。
May'n:基本的に原曲で収録している曲は、比較的新しい曲なんです。「未来ノート」などもそうですが、2023年やそのあたりの楽曲なので、リアレンジというより「このままでいいかな」と思ったというか。
もちろん、リアレンジしている曲も原曲の良さを失わないようにこだわっていますが、年月が経っている曲ほど「今ならこうしようかな」「ライブではこんな風に変わっているよね」という部分が多いので、アレンジする意味があるかなと。逆に新しい曲は、すでに今の自分の気持ちが詰まっているので、そのままの形で残しました。
で、「Crazy Crazy Crazy」は10周年のとき(『May'n 10th Anniversary BEST ALBUM POWERS OF VOICE』)に「-May'n ver.-」として収録していて。で、今回のベストアルバムは「キミシニタモウコトナカレ」から始めるという強いこだわりがありつつも、本名名義から数えての20周年なので本名の曲も入れたいなと。
ただ、「Crazy Crazy Crazy」をまた「-May'n ver.-」で収録するのは違うなと思ったんです。本当は「-May'n ver.-」を入れてしまったほうが大人の事情を考慮すると楽なんですけども(笑)。だけど10周年でやってしまっているし、再度リアレンジしたらまた「-May'n ver.-」になってしまうし(笑)。かと言って、10年前の曲をまた収録するというのは、私のなかでなんか違って原曲を収録することに。
──レーベルの垣根を越えて収録するというのは、それこそ大人的には大変なことがいろいろとあるんだろうなと。
May'n:そうですね。当時のレーベルスタッフさんも今は別のところにいらっしゃるので、スムーズに「収録OK」とはならず、ずっと「本当に収録できるのかな」という状態が続いていました。でも、たくさんの方が協力してくださって、最終的に収録が実現したんです。今回のアルバムはリレコーディングにはすごくこだわったんですが、15歳のときの本名時代の歌声をこのアルバムに収めることができたのは本当に嬉しいです。
しかも、当時は配信がなかったので、今回が初めての配信リリースでもあって。当時のシングルを持ってくれているMay'nのファンの方もいるようなのですが、ほとんどの人は初めて聴くと思います。20年の歴史がここでちゃんとつながったな、と感じています。
──個人的にはディスク2に「アオゾラ」が入っているのが嬉しいなって。
May'n:あっ、やっぱりさすがですね(笑)。部員からも言われました。「アオゾラ」はタイアップ曲ではありますけど(TVアニメーション『BTOOOM!』EDテーマ)シングル曲ではないので、入ってくると思わなかった方が多かったみたいですが、私の中では全然意外じゃなくて。むしろ「シングルじゃなかったんだ」と並べたときに気づいたくらいでした。もちろん、シングルのバラード曲にも好きな曲がたくさんあって、入れたかった曲も多かったんです。例えば「Re:REMEMBER」とか。
でも「アオゾラ」は当時から歌詞が本当に大好きで。究極の愛だと思っていて、年齢を重ねるごとにその意味の重みが増して、より伝えられる曲になっていったんです。プラス、この曲は海外でもすごく人気があって、ツアーでイントロが流れるととても大きな反響があるんですよね。ファンの皆さんに愛されている曲だと実感しています。だからこそ、今回この曲を収録しました。













































