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蒼井翔太×七海ひろき、お互いのストーリーの交差が放つ特別な輝き/インタビュー

蒼井翔太×七海ひろき、お互いのストーリーの交差が放つ特別な輝き――コラボミニアルバム『METEORA』での新たな挑戦に迫るインタビュー

共に声優・俳優・アーティストとして多方面で活躍し、キングレコードのレーベルメイトでもある蒼井翔太と七海ひろきが、コラボミニアルバム『METEORA』を8月27日にリリースする。

これまでにもアニメやライブを通じて共演してきた2人だが、ダブルネームでひとつの作品を作り上げるのは今回が初めて。レーベルの先輩であるangelaのatsukoとKATSUが楽曲提供した壮大にして高揚感溢れるリード曲「CosmoS」をはじめ、お互いの持ち味を注ぎ込んだ新曲、そしてそれぞれの楽曲のソロカバーから見えてくるのは、まったく違う魅力を持ったスター同士が巡り合ったからこそ生まれる特別な輝き、奇跡のような瞬間だ。

9月6日には「ドラマティックライブ」と銘打ったコラボライブも控えるなか、2人はどんな思いのもと『METEORA』の制作に取り組んだのか。役者でありアーティストである2人の新しい挑戦にインタビューで迫る。

 

お互いに抱いた第一印象――舞台で見せた圧倒的な存在感と意外な素顔

──お二人は以前にニコニコチャンネルプラスの配信番組「七海ひろき・蒼井翔太 SEA-CRET HEAVEN」でご一緒していましたが、最初の出会いはいつ頃になるのでしょうか。

蒼井:最初の出会いは、アニメ『ヴィジュアルプリズン』ですね。初めて直接お会いしたのは、確か「AnimeJapan 2021」のキャスト登壇の日だったかな。

七海:そうですね。そこでご挨拶したのが最初だった気がします。

──当時、お互いに対してどんな印象をお持ちでしたか?

蒼井:七海さんは宝塚歌劇団にいらっしゃったこともあり、僕にはないかっこ良さやスマートさがある方だなと思いました。その時点で、キングレコードのレーベルメイトになることは伺っていたので、「どんな方なんだろう?」って楽しみにしていたんです。で、実際にお会いしたら、ステージに立っているときの輝きが群を抜いていたので、見習わないといけないなと思いました。僕は普段、結構ふわふわしているので(笑)。でも、意外と僕と似ているところもあるんですよね。時間の流れが少しゆっくりだったり、待ち時間に揺れているところとか。

七海:そう、じっとしているのではなくて、ちょっと動いてるんですよね。

蒼井:ある時、同じタイミングで揺れていたことがあって、「えっ、一緒!」ってなりました(笑)。

七海:私は「AnimeJapan 2021」の前にご一緒した舞台『ROAD59 -新時代任侠特区-』の印象が強くて。蒼井さんは舞台の中で使用される映像で出演されていたので、直接お会いはできなかったのですが、誰にもできないお芝居と表現をされていたので、「これは蒼井さんにしかできない役だな」と思ったんです。

蒼井:そうそう!スケジュールの都合で舞台には出られなかったんですけど、事前に映像を撮っていただいたんですよ。金髪でロン毛のマフィアのボスみたいな役(ベネディクト・ロレンツォ・ヴァザーリ)で、自由気ままに飄々と暴れまわってる感じでした。

 

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七海:その映像で観た蒼井さんがとにかくかっこよくて美しくて。もちろん以前からアーティストや声優として活躍されている姿は知っていたのですが、とにかくその舞台でのイメージが強く、もっと派手な感じの方なのかなと思っていました。でも、実際にご挨拶したら、のどかで話しやすい雰囲気の方で「あ、全然違うんだ、優しい!」と思ったのが最初の印象でした。私も結構オンとオフで違うタイプなので、そういうところは似てるのかも、と思いました。

──そんなお二人が、2024年5月、キングレコード主催のライブイベント「KING SUPER LIVE 2024」にて初コラボレーション。「Preserved Roses」(T.M.Revolution×水樹奈々)をカバーして大きな話題となりました。しかも蒼井さんが水樹さんのパート、七海さんが西川さんのパートを担当されて。

蒼井:あの歌割りは奈々さんが提案してくださったんですよ。姉さんに言われたのであれば、僕も腹を決めて歌うしかないので(笑)。男女のデュエットであるこの楽曲を、こういう形で僕たちが歌うというのは、すごくおもしろい意味が込められているなと思いますし、重大な役割を担わせていただいたなと思いました。

七海:私も初めての「キンスパ」でコラボさせていただけるのが本当に嬉しかったです。しかも蒼井さんと一緒に歌うことができて。1日目のアンコール1曲目だったので、お客さんの盛り上がりもすごくて、前奏が流れただけで大歓声が上がりましたし、誰が歌うかがわかった瞬間にもうひと盛り上がりしていただいて、すごく光栄でした。

蒼井:「キンスパ」でのコラボがあって今回のミニアルバムに結びついたわけですから、すごくありがたい機会でしたね。

 

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──そのミニアルバム『METEORA』ですが、お二人の初コラボ作品として、どんなコンセプトで制作を進めたのでしょうか。

蒼井:タイトルの「メテオラ(METEORA)」はギリシャ語で「空中に浮いているもの」という意味があるのですが、僕たちの解釈としては、「キンスパ」での奇跡的なコラボレーションを経て、普段はそれぞれが個人で音楽活動をしている2人が一緒に作品を作る、なかなか交わることのない二人が巡り合って共演する「奇跡」がテーマになっています。

七海:「メテオラ」には「流星」という意味もあるらしくて。星が流れる瞬間を見られること自体が奇跡ですし、奇跡の出会いによって生まれたもの、一瞬の輝き、そういうコンセプトも今作には込められているのかなと。その輝きを皆さんと一緒に共有したいな、という思いがこのアルバムにはあります。

蒼井:星が輝くまでのストーリーみたいなものも込められていると思うんですよね。星は爆発したり砕ける時にひと際強く輝くと言われているじゃないですか。そういう刹那的で、儚い物語も重なるものになっていて、それを僕たちが歌だったり、また別の形でストーリーを紡ぐ作品になっています。

──確かにアルバム全体がひとつのストーリーになっているように感じました。特に前半に収められた新曲3曲は、歌詞に繋がりがあるように感じられて。

蒼井:実はこの『METEORA』という作品の中で、僕たち二人はそれぞれ登場人物として演じているようなイメージで歌っていまして。まだ、そのストーリーの全貌を明かすことはできないのですが、この作品を手に取っていただくと、わかるのではないかなと思います。

──なるほど。ここからは各収録曲について詳しくお聞かせください。リード曲「CosmoS」は、レーベルの先輩であるangelaのお二人が詞曲を提供した、angela節全開のドラマティックなアップナンバー。

 

 
七海:めちゃくちゃ素敵な曲で、最初に聴いた瞬間から「早く歌いたい!」という気持ちが溢れました。デモはatsukoさんが歌われていたので、もうangelaさんのサウンドそのもので。しかもレコーディングではatsukoさんがディレクションしてくださって、「この音はこうだよ」って実際にその場で歌ってくださるんですけど、それが超美声なんです。キングレコードの大先輩に曲を作っていただいて、ディレクションまでしてもらえるなんて、本当に貴重な機会になりました。。

蒼井:僕は一足先にコラボシングル(angela×蒼井翔太「晴れのちハレルヤ!」)でご一緒したことがあるのですが、angelaさんの曲って難しいんですけど、歌いこなせるようになるとめっちゃ気持ちいいんですよ。だからレコーディングは伸び伸びと、羽が生えたかのように歌わせてもらいました(笑)。まさにangela節の楽曲だったので、それをどう僕たち色に染めていこうかと、レコーディングもワクワクでした。

七海:先に蒼井さんが録って、次に自分が歌う順番だったので、蒼井さんの歌を聴きながら、自分のオリジナリティを出していくのがすごく楽しかったです。

蒼井:1番最後に入っている七海さんのラップが聴きどころです。

──そういえば、七海さんはご自身の最新アルバム『Crystal』(2025年)でも、リード曲「Skyward」でラップに挑戦していましたね。

 

 
七海:そうなんですよ。前々からラップやってみたいと思ってたんですけど、なかなか機会がなくて、「Skyward」がアーティスト活動の中で初挑戦だったので、今回が2回目なんです。これもatsukoさんが歌ってらっしゃるのを聴いて「かっこいい!」と思って練習しました。でも、そのラップに被さる蒼井さんのボーカルが、最後に向かってより気持ちを上乗せしていくような歌い方だったので、私もそれに引っ張られながらラップすることができました。

──蒼井さんはレコーディングでこだわったポイントはありますか?

蒼井:僕は聴いたものをトレースしてしまう癖があって、ビブラートの波長がatsuko姉さんとすごく合うんですよ。だからサビを歌っていると、まるでatsuko姉さんと一緒に歌ってるみたいな感覚になって。声帯でコラボしてる、みたいな(笑)。すごく面白い体験でした。

──先ほどのアルバム全体のストーリーの話にも関わると思うのですが、この楽曲の歌詞についてはどのように受け止めながら表現しましたか?

蒼井:この曲のMVを観てもらうとわかると思いますが、各々が別の星に住んでいて、お互い孤独を感じているなか、奇跡が起こって出会いを果たすまでのストーリーになっていて。その出会いの序章みたいな部分を描いた曲が「CosmoS」になります。

七海:蒼井さんは砂漠の星に一人で住んでいて、私は宇宙船でさまよっていたところ、奇跡的にコンタクトを取ることができて2人が出会う、というストーリーが軸になっています。そのストーリー性に沿った歌詞を書いてくださっているので、歌っている時も物語性みたいなものを感じながら、演じるように歌うことができました。

 

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