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『追放者食堂へようこそ!』ヴィゴー役 鈴木崚汰インタビュー【連載第10回】

『追放者食堂へようこそ!』連載インタビュー第10回:ヴィゴー役 鈴木崚汰さん|仄暗く心の中に渦巻く感情をキャラクターの言葉に乗せて──デニス役・武内駿輔さんとの戦闘シーンは「結構良い戦いをしていたという自負があります(笑)」

2025年7月3日より好評放送中のTVアニメ『追放者食堂へようこそ!』。超一流の冒険者パーティーを追放された料理人・デニス(CV:武内駿輔)が、憧れだった食堂を開店し、看板娘のアトリエ(CV:橘茉莉花)とともに、お客さんに至高の料理を提供するという“新異世界グルメ人情ファンタジー”です。

アニメーション制作をてがけるのはOLM Team Yoshioka。食欲をそそる料理作画に加え、笑いあり、涙ありのストーリー展開がSNSを中心に話題をよび、第1話はXで日本トレンド1位を獲得するなど、“深夜の飯テロ人情アニメ”として注目を集めています!

アニメイトタイムズでは、アニメ放送後に掲載されるインタビュー連載を実施。連載第10回は「銀翼の大隊」隊長のヴィゴーを演じた鈴木崚汰さんが登場です。

ついに明かされるヴィゴーの過去。彼の心の底には、特権階級に対するとてつもない憎悪がありました。仄暗く渦巻く感情を、鈴木さんはどのように表現したのでしょうか──。

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追放者食堂へようこそ!
超一流冒険者パーティーを追放されたデニスは、元奴隷の美少女アトリエと出会い、夢であった自分の食堂を開店することに。しかし、その扉を叩くのはなぜか問題を抱えたクセ者ばかりだった!お人好しのデニスは、“至高の料理”でお客の腹を満たし、“最強の料理スキル”で彼らの抱える問題の解決に挑むのだが……。肉切り包丁で悪党をなぎ倒し、中華鍋で仲間を守る!?ここは、心もお腹も満たされる場所――『冒険者食堂』!!作品名追放者食堂へようこそ!放送形態TVアニメスケジュール2025年7月3日(木)~2025年9月18日(木)TOKYOMX・CBCほか話数全12話キャストデニス:武内駿輔アトリエ:橘茉莉花ヘンリエッタ:鈴代紗弓ビビア:伊瀬茉莉也バチェル:松田颯水ヴィゴー:鈴木崚汰ケイティ:安済知佳ジーン:甲斐田裕子スタッフ原作:君川優樹原作コミック:つむみ監督:志村錠児シリーズ構成:赤尾でこキャラクターデザイン:大和葵プロップデザイン:大河しのぶ 東海林康和美術監督:加藤賢司色彩設計:佐藤直撮影監督:佐藤敦(StudioShamrock)編集:渡辺直樹音響監督:小沼則義音楽:甲田雅人音響制作:ビットグルーヴプロモーション制作:OLMTeamYoshioka主題歌OP:「ユニーク」DannieMayED:「まごこ...

仄暗く心の中に渦巻く感情をヴィゴーの言葉に乗せて

──TVアニメ『追放者食堂へようこそ!』の、ここまでの印象をお聞かせください。

ヴィゴー役・鈴木崚汰さん(以下、鈴木):ヴィゴーの登場頻度自体はそこまで高くないので、すべてのアフレコに参加していたわけではありませんでした。なので物語全体の話をすると、ヴィゴーによって「銀翼の大隊」を追放されたデニスが食堂を始めて、デニスと同じとまではいかないまでも似たような境遇の人たちが集まり、それぞれ理不尽な目に遭いながらも強く生きていく……。人間の強さが描かれているアニメだなと思いました。

あと、ご飯が本当に美味しそうに描かれていますよね。アトリエとデニスのやり取りもほっこりするし、魅力がたくさんある作品だと思います。

──本作は“深夜の飯テロ人情アニメ”とも言われています。

鈴木:美味しそうですよね。僕も炒飯がとても好きで、一番好きな食べ物を聞かれたときは「おばあちゃんが作る炒飯」と答えるくらいです。

──“おばあちゃんが作る”が重要なのですね。

鈴木:おばあちゃんがぶっちぎりですね。一緒に暮らしていたので、よく食べていたということもあるのですが、あるとき、某有名な中華調味料ペーストを覚えたらしいんですよ。そうしたらより美味くなったんです。

もともとは味薄めで健康志向だったのですが、その調味料を使い始めたら格別になったんです。それが美味いのかもしれません(笑)。

──偉大ですね(笑)。作中に登場するデニスが作る炒飯も美味しそうです。

鈴木:第1話の収録の時点で画ができている状態で、炒飯も出てきたので本当に美味しそうだなと思いました。

──では、鈴木さんが演じるヴィゴーについても教えてください。

鈴木:第1話の段階では「悪役としてのヴィゴーを全面に押し出したい」というお話だったので、僕の演技の中でも節回しなどをクドい感じにしていました。よりイヤな奴に見えるような表現で演じています。

その後もちょくちょくヴィゴーの姿は見えたものの、ようやくがっつりヴィゴーが登場したのが第10話。そこで、彼がどのような生い立ちでここまで来たのかが深く描かれていたので、ヴィゴーも可哀想な奴なんだなと思うようになりました。

やはりこの回は大きかったですね。それまでは“イヤな奴”というイメージが先行していたので、生い立ちを知ってからは、キャラクターを愛しながら演じることもできた気がします。

──どうして歪んでしまったのか、という核心が描かれていましたからね。

鈴木:特権階級への復讐心。あいつらに一矢報いたいという気持ちでずっと強くなり続けてきたんですよね。

だからデニスと出会ったときは、自分の気持ちを理解してくれる人に会えたという気持ちもあったんでしょうね。でも意外とデニスはそんなことはなくて。ヴィゴーの中では、ある意味裏切られた気持ちもあったのかな?と思います。その当てつけのような形で、デニスに対して振る舞ってきたというか……。

──確かにデニスも、特権階級に恨みを持っていてもおかしくない生い立ちですよね。加えて、ケイティ(CV:安済知佳)との関係においても何かありそうです。

鈴木:そうですね(笑)。第10話のヴィゴーが国王になっている妄想で、ケイティが横に座っていましたからね。

……多分、ヴィゴーはケイティのこと、好きっすよね(笑)。でも彼女はデニスのほうへ行っちゃったから、それも気に入らなかったんだろうなぁ。

──最初は「悪役であることを全面に出す」というディレクションがあったとのことですが、悪役を演じる楽しさ・面白さについて教えてください。

鈴木:最近、少しずつ敵役を演じることも増えてきています。どうしても正義では出せない雰囲気ってあるじゃないですか。悪役にしか出せないものがあるので、新たな自分の引き出しを開ける感覚があって面白かったです。

「キャラクターを嫌いになってもらう」というのは、新しい経験でしたね。これまでは傾向的に正義側を演じる機会が多かったので。このような役をやらせていただけたことはありがたかったです。

──「嫌いになってもらう」というイメージを持った上で、第10話の台本を受け取ったときは、驚いたのではないですか?

鈴木:ここまで辛い経験をしてきたんだ!という驚きがありました。なので、この10話をきっかけにして、もっと仄暗い何か、心の中に渦巻く感情のようなものをヴィゴーの言葉に乗せたほうがいいんだろうなと。

──特権階級への憎悪という、彼のコアの部分ですね。

鈴木:デニスの食堂を燃やした黒幕の男たちと話しているときも、心の中ではバカにしているというか。「どうせこいつらも、いつかは……」という想いがあったので、かしこまって話しているシーンでも、本心はかしこまっていない。そのニュアンスが声に乗っていたらいいなという気持ちでした。

──ただ、第10話で描かれた少年時代の彼らについては、中々の所業なのではないかとも思いました。

鈴木:確かに。それで弟も離れていってしまいましたからね。でも、幼い頃のヴィゴーには選択肢がなかったんだと思います。

特権階級に付き従う奴隷みたいな気持ちでいたし、大人になっても、特権階級への復讐が選択肢の一番大きなところにある。だからその復讐を果たして、力を手に入れてからのヴィゴーを想像すると……もっと恐ろしいなと思いました。

──隊長をハメて「銀牙団」を乗っ取ったというエピソードもありましたが、そんな彼でも付いてくる人もいるという意味では、カリスマ性もあるんでしょうね。

鈴木:才能には恵まれていて、何より強いですからね。でもその才能があっても、特権階級の前では無力……とは言わないまでも、身分が重要視される世界ですから、それに対して思うところはあるんでしょうね。

ほかにも第10話だと、鷹が羽ばたいている描写が印象的でした。あれも、ヴィゴーが持つ気高さのようなものを表しているんだろうなと思います。

(C)君川優樹・オーバーラップ/「追放者食堂へようこそ!」製作委員会
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