
『おそ松さん』10周年:第4期の“日常”と“夏”のデザインアプローチ|キャラクターデザイン・安彦英二さんインタビュー
2015年10月にスタートしたTVアニメ『おそ松さん』。10周年を迎える2025年7月からは、第4期が放送されています。これまで監督を務めていた藤田陽一さんから、小高義規さん(『おそ松さん〜ヒピポ族と輝く果実〜』監督)へとバトンタッチし、これまでと異なるアプローチで『おそ松さん』を描き出しています。
アニメイトタイムズでは、『おそ松さん』第4期について放送開始目前に行われたイベントレポートのほか、小高監督へのインタビューを公開してきましたが、今回はキャラクターデザイン・安彦英二さんへのインタビューをお届けします。第1期から参画し、第3期よりキャラクターデザインを務めている安彦さんは、今期の『おそ松さん』とどう向き合ったのでしょうか?
“日常”“夏”がベースにある第4期――デザインにどう反映した?
──小高監督へのインタビューで「第4期では日常を描いている」と聞きました。それを受けて、安彦さんはどのようにデザインに反映しようと考えましたか?
安彦英二さん(以下、安彦):小高監督と松原さんが話し合いを進める中で、(日常をベースにした)ドラマになることはわかっていたので、それに合わせた形にしようと思っていました。具体的に言うと、6つ子の頭身を少し伸ばしています。ただ、第3期までと印象を変えたくなかったので、本当に少しだけですけどね。第3期までの漫画っぽいフォルムから、ほんの少しだけリアルな人にバランスを寄せたようなイメージです。
──では、6つ子に合わせて他のキャラクターの頭身も変えたのでしょうか?
安彦:いえ、そちらは変えていません。6つ子に関しても本当に少し変化をつけただけなので。ただ、6つ子以外は描く機会が少ない上にバランスが極端なキャラクターが多いので、たまに描くと「バランスが難しいな」と思ったりします。
──例えば、ダヨーンだとか。
安彦:そうですね。ダヨーンはわけのわからないバランスですから(笑)。あそこまでいくと、逆にバランスを気にせず描いても成立するのかもしれませんが、ちゃんと描くといまいち掴みどころがなくて難しいですね。
──また、今期は夏アニメということで、スイカを食べたり夏祭りを楽しんだりと、夏を舞台にしたエピソードがほとんどです。季節感に関しては、どのようにデザインに落とし込みましたか?
安彦:わかりやすいところで言うと、やはり服装ですね。夏なのでTシャツを着ていますが、これがなかなか難しかったです。これまで6つ子がよく着ていたパーカーは、フードもあって首と体の境目があまりわからないのに対し、Tシャツは薄いので体と首と背のバランスが結構とりづらいんです。「6つ子にTシャツを着せるのは思ったより大変だな」「パーカーってすごいデザインだったんだな」と、今改めて感じているところですね。
──しかも、6つ子それぞれに姿勢が違いますもんね。
安彦:そのへんも難しいです。(原画や作監のなかには)苦労している方もいるんじゃないかなと思います。





























