
「これが令和の『北斗の拳』です!」と言えるような作品を目指して――『北斗の拳-FIST OF THE NORTH STAR-』ケンシロウ役・武内駿輔さん&ジャギ役・高木 渉さん&トキ役・最上嗣生さん&ラオウ役・楠 大典さん「北斗四兄弟」キャストインタビュー
1983年に連載開始、1984年にアニメ化された漫画『北斗の拳』(原作:武論尊、漫画:原 哲夫)。連載から40年以上の歴史の中で実写映画化や舞台化も果たし、現在まで長く愛されてきた作品です。
そんな『北斗の拳』が令和に再アニメ化を果たした、『北斗の拳-FIST OF THE NORTH STAR-』が2026年に放送・配信開始となります!
今回、主人公のケンシロウを演じる武内駿輔さん、北斗の長兄・ラオウ役の楠 大典さん、次兄・トキ役の最上嗣生さん、三男・ジャギ役の高木 渉さんによる「北斗四兄弟」座談会が実現!
今改めて感じる『北斗の拳』の魅力やキャラクターの印象、収録現場の雰囲気、そして“令和版『北斗の拳』”ともいえる本作にかける意気込みを伺いました。
『北斗の拳』は大人になってから読むと「壮大な愛の物語」と気付く
──原作やアニメをご覧になった感想と、魅力を感じた点をお聞かせください。
武内駿輔さん(以下、武内):原作のコミックスから触れさせていただきましたが、どんな世代にも共通するテーマを持っている気がします。僕が初めて触れた時はまだ子供でしたが、荒廃した世界の中で人類はどう再生していくのかという物語であり、友情や恋愛など、いろいろな人間ドラマが魅力的な作品だなと感じていました。
もちろん、北斗神拳や南北六聖拳などのバトルアクションにもワクワクしましたが、僕が最初に感動したのはケンと彼の兄弟との関係性や、ユリアへのひたむきな想いに心ひかれました。
楠 大典さん(以下、楠):子供の時にそんなところまで見ていたのはすごいね。
武内:触れたタイミングが小学校の高学年だったからかもしれません。
楠:そうだとしてもすごい感性だね。
高木 渉さん(以下、高木):“完成”しているね!
最上嗣生さん(以下、最上):さすが! 一子相伝(笑)。僕はまだ小学校に入っていないくらいの子供の頃に、ちょうどTVアニメが流行っていて、純粋に「ケンシロウって強いな」と憧れたし、惚れた女のために命をかけるなんてカッコいいなと。
そして大人になってから改めてコミックスを読み直してみたら、「『北斗の拳』は愛の物語だな」と思いました。ユリアもケンシロウたち四兄弟だけでなく、南斗のシンなどたくさんの人に愛されるというのもすごいですね。
高木:僕は、学生の頃『お前はもう死んでいる』が周りで流行っていたので、友達から漫画を借りたりして読んでいましたね。闘いの中にある男たちの生き様が誌面から強烈に伝わってきて、その表現力のすごさに強い衝撃を受けたのを覚えています。
楠:僕はアニメから触れたんですが、格闘アクションの部分にひかれて、描かれていた人間愛までには関心がなくて。出てきた新技をどれだけ友達に掛けるか、みたいなのが楽しみで(笑)。
でも今回ラオウを演じるにあたって、もう一度アニメを観返してみたら、多くの悲しみを背負いながらも乗り越えた人間の強さや友情、愛のすごさを感じました。最終的に「『北斗の拳』は大きな愛を描いた話なんだな。すごい作品だな」と改めて思いました。
ケンシロウの魅力は「クールな印象と燃えるような熱意」。トキは「なるべく前へ出ない」ことを意識
──ご自身が演じるキャラクターの印象と、演じる時に意識した点をお聞かせください。
武内:ケンは一見、寡黙で硬派な印象がありますが、ちょっと天然なところがあるのもかわいいなと(笑)。体つきはすごいけど、中身はまだ成熟し切っていない一人の青年なんだなという印象も持ちました。兄弟に対する想いや、ユリアへの愛情などには熱い感情があるので、クールな印象と燃えるような熱意という対照的な面が魅力的なキャラクターだなと思いました。
演じる時は、相手に対して自分を強く見せようとしたり、なるべく背伸びをしないで、ケンの純粋さを感じてもらえる芝居ができたらいいなと。例えば、驚いた時も「なっ!?」とか「んっ!?」など「っ」が入るリアクションも多くて、その時は本当に驚いた感じにしようと。わかりやすくいえば、「えっ!? そんなことが!?」という素っ頓狂な気持ちもあまり取り繕わず、素の心でケンを表現できればいいなと意識しながら演じています。
最上:トキを演じる時のイメージは「なるべく前へ出ない」でしょうか。トキはあまり前へ出ようとしないけど、決して消極的な人間ではないので、自分の死期を悟っていますし、彼が前へ出る時は「兄を超えたい」と思う時までとっておこう、というつもりです。
武内:僕はあのシーンが好きなんです。「みんな、ユリアを彼らは愛していた。ラオウもケンも。そして私も」と言ったところが。
(全員爆笑)
最上:原(哲夫)先生のマンガの中で、トキはあまり表情が変わらないんですよね。口がほとんど開かなくて、だいたい閉じていて。気持ちを前へ強く出すのではなく、ずっとのみ込みながらしゃべっているのが先生のイメージなのかなと思って、そこも意識しています。
武内:ケンに対して、サウザーの「お前の秘密なんてトキが知っておるわ」といきなり振られるのも僕は好きです(笑)。
最上:(笑)。基本的にトキが達観していて、前へ出ないようにしているけど、かといって引いているわけでない、そんな力加減やバランスも大切にしています。
高木:ジャギは「北斗神拳の伝承者の1人にこんなヤツがいてもいいんじゃないかな」というつもりで演じました。
武内:勝手に設定を変えないでください(笑)。
高木:どんな手を使っても勝ちゃぁいいんですよ〜。
(全員爆笑)
高木:兄より優れた弟なぞ存在しねぇ!って気持ちでね。武内くんも理論派で、身長があってハンサムで、芝居はできるし、いろいろな声を出せるから、そんな彼に妬みや嫉妬する気持ちで演じました(笑)。
ケンシロウとの真剣勝負は何度もやるものでもないので、テストを終えたらもう本番は一発で決めてやるって気持ちで集中しました。勝つか負けるかの一点集中。もしかしたら本番ではジャギが勝つかもしれない、絵が変わるかもしれないって気持ちで演りました。勝つわけないんですけどね(笑)。ただ、ジャギなりの貫く気持ちは持って本番に臨みました。
楠:まず僕は『北斗の拳』に出演できるとは思いもしなかったので、ラオウ役に決まった時はプレッシャーも大きかったです。これまでいろいろな先輩たちがラオウを演じられていますが、僕にとっては特に内海賢二さんの存在が大きすぎるので、いまだにどうすればいいのかわからないままで。
オーディションでも「楠さんのラオウをやってください」と言われたので、超えるとか超えないとかではなく、新たなラオウとして何かを生み出そうと必死にやっています。頑張ります!
































