
『暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが』スペシャル試写会レポート|サラン・ミスレイは“ほぼロボット”!? 羽原信義監督らスタッフ陣が登壇し、制作秘話を披露!
TVアニメ『暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに高いのだが』が2025年10月6日よりテレビ東京ほかで放送開始!
クラスの中でも影が薄い主人公・織田晶がクラスメイトと共に異世界に召喚。職業が暗殺者だった晶は、勇者となった幼馴染の佐藤司よりも自分のステータスが異常に高すぎることに疑問を抱き……。『蒼穹のファフナー』『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』などを手掛けた羽原信義氏が監督を務めることでも話題の作品です。
2025年9月6日(土)、第1話放送に先駆けて、本作の先行上映会が開催されました。上映後には羽原監督、アニメーションプロデューサー・北岡慶子さん、原作(小説)担当編集・大下達也さんによるトークショーも行われ、数々の制作秘話を披露。本稿では、そんな注目の上映会の模様をレポートします。
迫力のバトルと謎が深まるストーリー。観客の心を釘付けにする第1話
第1話の上映が始まると、冒頭から緊迫したシーン、スピード感がある展開が続き、あっという間にAパートが終了。異世界で浮つくクラスメイトを尻目に晶は一人、異世界の様子を探っていきます。序盤から次々に現れる謎、高クオリティの戦闘シーンなど、様々な要素をギュッと詰め込んだ第1話に、会場全体が引き込まれていました。
続いて、羽原信義監督、アニメーションプロデューサー・北岡慶子さん、原作担当編集・大下達也さんが登壇。羽原監督の「皆さまには特別に先行でご覧いただきました。いかがだったでしょうか?」という問いかけには、場内から大きな拍手。「こういう時に“いかがだったでしょうか?”と言うと皆さん拍手してくださるので(笑)、心が温かくなります」とユーモアを交えつつも嬉しそうな様子でした。
異世界の街並みと建造物の美しさ
早速、第1話の映像を流しながら要所要所で解説を挟む、生オーディオコメンタリーのコーナーへ。
まず冒頭のシーンについて、「当初から3Dを使う予定にしていましたが、ちょうど美術さんが3Dのモデルを作っていたので、それをお預かりしてカメラワークを付ける作業をしました。物語の冒頭なので、リッチな感じでいきたいなと思って」と羽原監督。
また、学校のシーンで晶が読んでいる小説にも触れ、「サンライズのラノベ好きの文芸スタッフに作ってもらいました。晶が異世界に行った時、小説のことを思い出すシーンがありますが、その文言もこのシーンに入っています」と明かすと場内から「おお~!」と驚く声が。また、大下さんからは、佐藤司が手にしていた各部活の予算表に記されている学校名は原作の赤井先生に考えていただいたというエピソードも。
晶たちの職業とステータスが映し出されるシーンでは、「日本語で表示されるのもどうかなと思って、異世界の人から観た時は異世界の言葉、晶たちから観たら日本語で表示されるようにしました。異世界文字用のフォントも作りました」と監督が話すと、北岡さんが「2DCGを担当しているスタッフに相談させていただいて、デザインを含めてお願いしました」と補足。原作で決まっていない部分が必要になる場合、大下さんにも相談するそうで、「赤井先生が非常に頑張ってくれました。こちらがお渡しした情報をアニメの中に反映していただいているので、赤井先生も喜んでいると思います」。
さらに、Aパートがそろそろ終わろうというところで、「異世界のお城はフランスのロワール地方にあるアンボワーズ城をモデルにしました。3年前に行った時、いいなと思っていましたがまさかここで使えるとは」という裏話も披露されました。
クセのある独特のサブタイトルはシリーズ構成の岡田邦彦さん作
ここで第1話のサブタイトル「暗殺者はパンを食う」についても言及。「サブタイトルはシリーズ構成・脚本の岡田(邦彦)さんに作っていただいています」と羽原監督が明かし、「独特ですが、1回観たら忘れられないサブタイトルになっていると思います。さすが岡田さん!」と大下さんも絶賛。
レイティス王国騎士団団長のサラン・ミスレイが甲冑姿で登場すると「ご覧いただいた通り、ほぼロボットですね」とロボットアニメでおなじみの監督らしい発言に会場は爆笑。
またダビング(アフレコで収録した音声や効果音、劇伴などを映像に合わせて音声調整する作業)にも立ち会われている大下さんは「監督と音響監督がすごくこだわっているのはわかるんですけど、素人からするとその調整で何が変わるのかな?と疑問に思っていました。でもラッシュ(各カットが完成した時点で繋ぎ合わせた状態の映像)で拝見すると“これがやりたかったのか!”と全て分かりました」とコメント。監督いわく「音楽が出るタイミングが半秒遅れると、ちょっと間延びするので、タイミングがすごく大事なんです。だからコマ単位で調整しています」。
気合が入ったOPとEDにも注目!
その後、来場者からの質問コーナーも実施され、ラストには監督、北岡さん、大下さんからメッセージが送られました。
「9月25日に原作小説第5巻が発売されますので、引き続き応援よろしくお願いします。今後共、『ステつよ』のアニメ、小説、マンガをよろしくお願いします」(大下)。
「TVでも配信でもアニメを観ていただけたら嬉しいです。第2話以降も羽原監督と縁のある皆様やや、サンライズ作品で活躍してくださっている皆様に入っていただいています。そういった部分も楽しんでいただければと思います。」(北岡)。
「OPの「一閃」(VESPERBELL)もカッコいい曲ですが、ED曲 「Like Gravity」(BONNIE PINK)もせつない感じで、きれいな映像も付いていますので、第2話以降も続けてご覧いただければと思います。そして観た後は感想をSNS等でたくさんください。酷評も大歓迎です!(笑) お気遣いなく、素直な感想を聞かせてください」(羽原監督)。
最後までユーモアたっぷりに羽原監督をはじめとしたスタッフの皆さんの『ステつよ』への愛情や制作秘話も知れた満足度が高いイベントとなりました。10月6日からの放送開始をぜひお見逃しなく!
[取材・文/永井和幸]
『暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが』作品情報
10月6日(月)深夜1:30より放送開始!
あらすじ
召喚によってクラスメイト全員にチート能力が付与される中、彼は生来の影の薄さからか平凡な“暗殺者"の能力を得る。だが、ただの“暗殺者”のはずなのにステータス値が、最強の職業“勇者”すら軽々と凌駕していて――!?
そして、召喚の首謀者である国王の言動に疑念を抱いた晶は、自分の存在をひた隠しその陰謀を暴くも、逆にあらぬ罪を着せられ追われる立場に追い込まれてしまう。
国王への復讐を誓った彼は、逃げ込んだ前人未踏の迷宮深層でエルフの少女アメリアと邂逅を果たす――…。
これは“暗殺者”の能力を得た少年が、エルフの少女と出逢い真の”暗殺者”へと至るまでの物語。
キャスト
(C)赤井まつり・オーバーラップ/暗殺者のステータスが勇者よりも強い製作委員会








































