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TVアニメ『桃源暗鬼』浦 和希×超学生が作品の魅力と“声の表現”を語り合う!【インタビュー】

TVアニメ『桃源暗鬼』スペシャル対談! 一ノ瀬四季役・浦 和希と第二クール・練馬編オープニング主題歌「阿弥陀籤」担当アーティスト・超学生が作品の魅力と“声の表現”を語り合う!

誰もが知っている昔話「桃太郎」に登場する“鬼”と“桃太郎”、それぞれの血を継ぐ者たちによる抗争を鬼側の視点から描いた新世代ダークヒーロー作品『桃源暗鬼』。

2025年7月よりTVアニメの放送が開始し、現在は第二クール・練馬編が絶賛放送中の本作より、鬼の血を引く主人公・一ノ瀬四季役を演じる声優の浦 和希と、第二クールのオープニング主題歌「阿弥陀籤」を歌唱する歌い手・超学生によるクロストークが実現! 直接対面するのはこれが初めてながらも、お互い“声”を扱う表現者として共鳴する部分も多い二人が、ますます熱く激しく加速する『桃源暗鬼』の魅力と「阿弥陀籤」に込めたこだわりについて語り合う!

 

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桃源暗鬼
「お前は鬼の血を継いでいる……」 一部の人間に脈々と受け継がれる「鬼」と「桃太郎」の血。はるか昔、自らの凶暴性を自覚するが故にひっそりと暮らしていた「鬼」だったが、そこに「桃太郎」が攻め入った。それぞれが「桃太郎機関」「鬼機関」を組織し、抗争すること何千年。突然の“桃太郎”の襲撃で、自分が“鬼”だと知る主人公・一ノ瀬四季。自らの血に棲む“鬼”と出逢った四季の宿命とは———。———新世代ダークヒーロー鬼譚、ここに開幕!作品名桃源暗鬼放送形態TVアニメスケジュール2025年7月11日(金)~日本テレビ系「フラアニ」枠にてキャスト一ノ瀬四季:浦和希無陀野無人:神谷浩史皇后崎迅:西山宏太朗屏風ヶ浦帆稀:石見舞菜香矢颪碇:坂田将吾遊摺部従児:花江夏樹手術岾ロクロ:三浦魁漣水鶏:愛美花魁坂京夜:木村良平桃宮唾切:岸尾だいすけ桃草蓬:伊瀬茉莉也淀川真澄:田丸篤志並木度馨:石谷春貴桃巌深夜:沢城千春桃寺神門:土岐隼一桃華月詠:浅沼晋太郎桃角桜介:小野友樹一ノ瀬剛志:小山剛志桃屋五月雨:増谷康紀校長:緒方恵美スタッフ原作:漆原侑来(秋田書店「週刊少年チャンピオン」連載)監督:野中阿斗監督補佐:橋本裕之シリーズ構成・脚本:菅原雪絵キャラクターデザイ...

 

“声”と“歌”――表現者ふたりが語り合う創作の哲学

──浦さんと超学生さんは、この取材が初対面らしいですね。

超学生さん(以下、超学生):そうなんです。僕の場合、そもそも声優さんとご一緒すること自体が珍しいので、本当にありがたい機会です。

浦 和希さん(以下、浦):いえいえ、僕も出演作品の主題歌を担当しているアーティストさんとお話する機会はほぼないので、すごく楽しみにしていました。実は、いつもヘアメイクをお願いしている事務所が一緒らしいんですよね。

超学生:僕もメイクさんづてに教えてもらいました(笑)。

 

 

──意外なご縁ですね。では早速、作品のお話に。まずは『桃源暗鬼』との出会いについてお聞かせください。

浦:僕はオーディションを受けるタイミングで初めて原作コミックを読ませていただきました。“鬼”が登場する作品はいろいろあるなかで、“桃太郎”を題材にしている漫画は今まで意外となかったなと思って、珍しく感じましたね。でも、誰しもが知っているお話だからこそ、世界観に没入しやすい。しかも本来なら桃太郎が正義側で鬼が退治される側ですけど、この作品は逆の視点になっていて、鬼側が主人公として戦っていく。昔話の「桃太郎」へのリスペクトを込めつつ、新しい視点で現代化された話だなと。テンポ感もすごく良くて、夢中で一気に読み終えてしまいました。

超学生:僕は偶然、2年ほど前に何かのきっかけで知って原作を読んでいたんです。しかも自分の生配信で「『桃源暗鬼』っていう漫画が面白いよ」と話していたくらい、普通にファンとして楽しんでいました。その本当に数ヶ月後に主題歌のお話が決まったので、匂わせみたいになるといけないから、逆に配信で作品のことを話せなくなってしまって(笑)。

浦:あー、誰かに怒られるかもしれないですものね(笑)。

超学生:そうそう(笑)。なので、僕にとっては本当に夢のようなお話でした。僕もこの作品のテンポ感が好きで、第1話から一気に世界へと引き込んでいくスピード感がすごく印象的ですし、あとは絵力も強いですよね。漫画なので基本はモノクロで表現されるなか、鬼の能力は血液がメインだったり、シチュエーションも森や学校などあちこちに移り変わっていくじゃないですか。それをしっかりと線で描き分けている技術に惹かれました。あんなに激しくアクションしているのに、何をやっているのかがちゃんとわかるところがすごいなと思います。

──原作からのファンであれば、アニメ化への期待も大きかったのでは?

超学生:もちろんです。僕は音楽をやっているのもあって、声フェチというか、好きな作品がアニメ化される時は、キャラクターがどんな声になるのかがすごく気になってしまうんです。「このキャラはあの声優さんが担当するのかな?」と想像したり、インターネットでファンの方が声優予想しているのを見て楽しんでしまうくらいで。

 

 
浦:そのお話、立場的にちょっと身が引き締まりますけど(笑)、めちゃくちゃ嬉しいですね。大きな括りで同じ「声を扱う職業」として、声の部分に注目してもらえるのは、声優としてより頑張ろうという気持ちになりますし、期待してくださっている作品のファンの方たちを一人でも多く喜ばせなくてはいけないなと、改めて思いました。こうやって一緒に作品を盛り上げる仲間として参加してくださる方が、ちゃんと温度感高くいてくれることは作品の勢いにも繋がると思いますし。

超学生:ありがとうございます。僕はもう、歌をやってるだけのオタクなので。つい先日も、普通にアニメイトさんへ買い物に行ったんですけど、『桃源暗鬼』のコーナーに人が集まっていて最初は近寄れなかったんです。空いたタイミングを見計らってグッズをいっぱい買って帰りました。それくらいこの作品に対しては熱量があります……というか、僕がただのオタクなだけなんですけど(笑)。

──先ほどの声優予想の話でいうと、主人公の一ノ瀬四季役が浦さんに決まった時はいかがでしたか?

超学生:絶対にどこかで耳にしたことはあったと思うのですが、恥ずかしながらそれまで浦さんのことは存じ上げていなかったので、まずはどんなお芝居をされる方なのか、すごく気になっていました。そして、いざアニメの放送が始まったら、もう本当にぴったりで。お芝居も素晴らしいですし、浦さんが担当してくださって良かったなと、勝手に厄介オタクみたいに感謝していました(笑)。今では漫画を読んでいても浦さんの声で脳内再生されますし、僕の中では四季の声は浦さん以外にあり得ないです。

浦:原作からのファンの方にそう言っていただけて、本当に嬉しいです。

──超学生さんは、浦さんが演じる四季の声のどんなところが「ぴったり」と感じたのでしょうか。

超学生:僕はお芝居に関しては素人なので滅多なことは言えないですけど、四季の魅力は柔軟さと素直さだと思うんです。一見、やんちゃですごく頑固者に見えますけど、意外と誰かに教えられたことはすぐ取り入れるし、相手がすごいと感じた時は「なんで自分にはできないんだろう?」と考えて、すぐ切り替えられる。その四季の素直さをお声に乗せるのが浦さんは得意なんだろうな、と思いながら聞いています。きっと浦さんご本人の人柄もあると思うんですけど、そういう柔軟さ、純粋さみたいなものが、熱を持って込められていたのがすごく印象深いです。

浦:いや、めちゃくちゃ嬉しいです! まさにそこはすごく大事にしているところで。オーディションの段階から「四季の可愛げのあるところや愛嬌を大事にしてほしい」というお話をいただいていたんです。作品の内容的に戦闘シーンが多いので荒々しい部分が目立ちますけど、日常会話でのちょっと抜けたところとか、普通の高校生らしい愛嬌を意識してアフレコさせてもらったので、そう言っていただけると、ちゃんとやれていたんだなと思えて、自信になりました。ありがとうございます。

超学生:こちらこそありがとうございます!

 

 

──四季というキャラクターは、浦さんにとってどんな役でしたか? やりがいや難しさを感じた部分があればお聞きしたいです。

浦:四季はとにかく自由度が高くて、戦う時はかっこよく決めるけど、普段は情けない部分やふざけてる部分もあるし、素直に人を褒められる素敵な部分もある。その幅がすごく広いんです。キャラクターを演じる上で「ここまでやると、このキャラクターではなくなるよね」というラインがあったりするんですけど、四季くんは本当にどの色を出しても四季くんになってくれる。だからこそ、普通にやると全部が似たり寄ったりになってしまうので、意識的にどう変えるかが大変でした。デフォルメされた絵柄のかわいい顔の時はどう表現したらかわいさが出るか、真剣な表情の時はどうやったらキリっと見えるか、そこのメリハリが本当に大変でしたね。普通に読み解くだけでは引き出せない、自分から生み出していかなくてはいけない部分がたくさんありました。

超学生:それは、キャラクターから逸脱してはいけないけど、ゼロから生み出さないといけない部分もある、ということですよね。

浦:はい。「声をつける」ことは結構な情報がついてしまうので、たった1音だけでも元気なく聞こえたら全体的にそう聞こえてしまう。声が与える影響はすごく大きいからこそ、一つ一つのお芝居に対して責任をもって、四季という人間を作らなくてはいけないなという気持ちでした。

超学生:今のお話、音楽アーティストとしてもすごく通じる部分があるなと思いました。僕の場合は、元のボカロ曲があって、それを歌わせていただくことが多いので、「この曲の主人公だったらこの歌い方はしないよな」という考え方をするんです。楽曲の主人公になりきった上で、その人が「しないこと」をまずマイナスして削いでいく。でも、それだけでは100点の箱の中にしか収まらないので、そこを120点にするために自分の内側から押していくのが、今おっしゃっていた「ゼロから生み出して足していく」部分だと思うんです。セリフのお芝居にも歌と似通った部分があるんだなと、すごく興味深かったです。

浦:うわあ、嬉しいです。僕もこんな話が聞けていいのかなって。アーティストさんのアプローチの話はなかなか聞ける機会がないですから。

 

 

──では、アニメ第一クールを振り返って、特に印象深いシーンや大変だった演技はありますか?

浦:シンプルに大変だったのは、京都編の(桃宮)唾切との戦闘シーンですね。戦っている最中に重力をずっと感じなくてはいけないのが本当に大変でした(※四季は唾切が操る桃部真中の能力によって通常の何十倍もの重力で圧迫され続ける攻撃を受けた)。

超学生:面白い!

浦:ずっと重力を感じている声を乗せてないといけなくて。でも、声を乗せすぎるとくどくなるし、ダメージ感を出しすぎると、視聴者の皆さんに「俺はいまダメージ食らってます」というのを押し付けてる感じになってしまう。そもそも声を出していない瞬間もあるはずなので、引き算をちゃんと意識して、なおかつ心のこもったセリフはちゃんと届くように、すごく計算しました。家で「ここはこうして……」とプランを組み立てて、ある種、自分で演出を考えるぐらいまでやりましたね。ここは一辺倒に演じると絶対に面白くなくなるなと思ったので。

超学生:ファンみたいな質問ですみませんけど、重力で押さえつけられて伏せている姿勢の時は、どうやってアフレコをするんですか? アフレコスタジオのマイクは動かせないと思うんですけど。

浦:基本的には自分の方が動いちゃいますね。例えば、這いつくばって上半身だけ起こしている姿勢の時なら、マイクに向かってそういう体勢になるように体を動かしたり。あとは、家で本当に這いつくばってみて、体に毛布とかをいっぱい乗せて重みを感じながら、「こういう状況の時はどこの筋肉を使ってしゃべってるんだろう?」というのをシミュレーションしました。それをやると、ちょっと体勢を変えるだけで声の出し方がめちゃめちゃ変わることがわかるんですよね。声に乗るものも全然違って差が生まれるので、その時の筋肉の使い方を覚えておいて、アフレコでは立ち上がった状態でそれを再現するっていう。

超学生:えー! 声優さんってすごいですね! いつもアニメを観ていると、取っ組み合いになったりするシーンとかはどうやって録っているのか気になっていたんです。

浦:そういうシーンも立った状態で録っていますね。でも、重力のシーンは本当に大変でした。家で毛布を被りながら練習している時に、たまに冷静になって、「俺、何でこんなことしてるんだろう?」と思ったりして(笑)。

──超学生さんが第一クールで印象に残っているシーンは?

超学生:浦さんがいる前で言うのもアレですけど、僕は(手術岾)ロクロくんが推しキャラクターでして。

浦:おお!

 

 
超学生:なのでロクロの名場面になってしまうんですけど、瑠々との回想シーンの後に、アグリと戦って初めて血蝕解放をする場面のセリフ、瑠々を纏って敵に立ち向かう時の「大丈夫じゃなくても大丈夫だ」という言葉に、ロクロらしさが詰まっているなと思って大好きなんです。極度の不安症だけど、敵と戦うために自分を奮い立たせないといけない。でも、彼は賢さもあるから、自分を奮い立たせるためのロジックが必要なタイプだと思うんです。まず「自分はいま大丈夫じゃない。でも、瑠々がそばにいるから大丈夫なんです」と自分に言い聞かせて、「僕は無敵だ」と自己暗示をかけていく。あの流れに彼の人間性や過去、そしてこの不利な状況をどうにか脱したいという熱意、いろんなロクロらしさが詰まっていて、すごく印象的なシーンでした。

浦:これは原作者の漆原侑来先生とお話しした時に聞いたんですけど、実は、もともとプロットを練っていた段階ではロクロが主人公だったらしいんですよ。

超学生:えっ、そうなんですか!?

浦:でも、ロクロはすぐ逃げ出してしまう性格なので、それだと話が広がらないということで、四季が主人公になったという話で。なので先生的には、一番自分を投影しているのはロクロだとおっしゃっていました。「自分の性格とめちゃめちゃ似てます」って。

超学生:そうだったんですね。僕がロクロを好きなのは、多分、自分に重ねられるところもあるからだと思うので、もしかしたら先生とシンパシーを感じるところがあるのかもしれない。いつかロクロが主人公の番外編とかも読んでみたいですね。

浦:いいですね、それ。

超学生:ちなみに浦さんは、四季以外で推しのキャラクターを挙げるとしたら誰ですか?

浦:うわあ! この質問、たまに聞かれるんですけど、難しいんですよね。その時によって毎回変わるんですけど、今はやっぱり(桃寺)神門が好きです。彼は自分を貫くための強さを持っているけど、まだ青いところがあるからこそ、いろいろな問題が起こることになって……第二クールのネタバレになるので、どこまで話していいかわからないですけど(笑)。でも、そういう人間臭さみたいなところが、見ていて応援したくなります。

超学生:揺らぎのあるところがいいですよね。固まりきっていて「俺はこれ以外認めない!」みたいなキャラクターもいるなかで、神門はふとした衝撃で揺れてしまいそうな繊細さがあって。

浦:うんうん、ちゃんと周りにも目を向けられるし、自問自答しているところが、本当にいいやつなんだろうなっていう。彼の今後の成長がすごく楽しみです。

 

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