
『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』連載インタビュー第11回:中尾役・津田健次郎さん 前編|中尾の人生が本格的にスタートした瞬間。「自分はどう生きていくのか」という問いを突きつけられていく
2025年10月4日(土)より放送中の『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』。
「仮面ライダーになりたかったから」 40歳になっても本気で「仮面ライダー」になろうとしていた男・東島丹三郎。その夢を諦めかけた時、世間を騒がす「偽ショッカー」強盗事件に巻き込まれてしまい……。『エアマスター』『ハチワンダイバー』の柴田ヨクサル先生の漫画を原作とする「仮面ライダー」を愛しすぎるオトナたちによる“本気の仮面ライダーごっこ”がここに開幕します!
アニメイトタイムズでは、各話放送後にキャスト陣へのインタビューをお届け! 第11回は、中尾役・津田健次郎さんに演じるキャラクターについてのお話を伺いました。
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前回はこちら
空虚感を抱えた中尾の在り方は、ある意味で現代的
ーー津田さんは『仮面ライダー鎧武』のレデュエや『仮面ライダーリバイス』のベイル、劇場版 『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』の鳴海荘吉などで仮面ライダーシリーズに出演されていました。今回は全く違うタイプのキャラクターですね。
中尾役・津田健次郎さん(以下、津田):そうですね。今まで演じた中だと、本作で演じている中尾は、全体的なポテンシャルは低い方だと思います(笑)。
ーーポテンシャルが低い(笑)。
津田:極道という部分はしっくりはきますけど、ただのヒールとも言い切れない役です。もちろん中尾も一般人よりは強いですが、東島たちがとんでもない鍛え方をしていますから。
ーー子供の頃、仮面ライダーシリーズはご覧になっていましたか?
津田:もちろん知識としては知っているものの、特定の作品にハマるということはなくて。でも、『仮面ライダーアマゾン』のフォルムは好きですね。この作品に出ているキャラクターたちは、初代(『仮面ライダー』)や『仮面ライダーV3』にドップリですけど……(笑)。
ーー(笑)。中尾も中尾でショッカーに憧れるまでの過程には複雑な事情があります。
津田:そうなんですよね。幼少期からアウトローの道を辿っていますし、端から見ていても大変な人生だなと。
ーー放送も第11話を迎え、それぞれのキャラクターが様々な変化を迎えています。津田さんの中で印象に残っている回はありますか?
津田:やっぱり中尾がショッカー戦闘員になるエピソードですね。お当番回でもありますし、演じていても「本物になるんだ!?」と驚きました。彼を取り巻く状況が大きく変化したエピソードだったと思います。ただ、中尾はショッカーでありつつ、ショッカー側に味方しているという訳でもないんですよね。その辺りも含めて、今後も幾つかのターニングポイントがあると思います。
ーー初登場時の中尾は、ショッカー強盗として活動していました。
津田:そうですね。言ってしまえば、ちっちゃいチンピラでした(笑)。特に大物でもなく、組に属しているただ喧嘩が強い人というか。
津田:ただ、それと同時に、どこか空虚感を抱えている人間でもあるんです。伊藤、石毛、佐藤といった子分たちと楽しく過ごしているようでいて、彼らのこともどこか見くびっている。最初は「ただつるんでいるだけ」という捉え方をしている節がありました。そんな気持ちを抱えながら、「つまんないなあ、強盗でもやるか」みたいなノリで行動していて。それがある意味では現代的だなと感じます。
ーー現代的ですか。
津田:例えば、SNSの募集に乗ってしまって犯罪に手を染めてしまうとか、このあたりは宝石強盗の事件にも通じるところがある気がします。そういう点でも、非常に興味深いキャラクターです。
ーー演じる上で、彼の心境の変化はどのように表現されましたか?
津田:彼の空虚感の根底にあるのは「生きるとは何か?」みたいな問いだと思うんです。物語の中で、「自分はどう生きていくのか」ということを突きつけられていく。幼少期から憧れていたショッカーという存在に、追い込まれながらも目覚めていく。そこから本格的に中尾の人生がスタートするという解釈をしていました。
ーー仮面ライダーに憧れる丹三郎たちとは違ったベクトルですね。
津田:ああいった組織に所属している以上、気質がアウトローと言いますか。性格的に周囲と上手くやっていけない部分もあって、結果的にそういう道を選んだという側面はあると思います。ただ、仮面ライダーを見ていて、ヒーローではなくショッカーに憧れるというのは、やはり中尾の生まれ持った感性がはっきりと目覚めたからなんだと思います。
ーーある意味では、東島丹三郎と対になる存在なのかなと。
津田:そうですね。丹三郎は、自分の意思で鍛え続けていた訳ですが、具体的には動き出してはいなかったという見方もできると思います。そんな彼が色々な出来事をきっかけとして、本気で仮面ライダーを目指し始める。時を同じくして、中尾もまた本物のショッカーになっていく。それがヒーロー側なのか、ヒール側なのかということなんだと思います。
ーーショッカーの実在によって、それぞれの人生が動き出していく訳ですね。
津田:中尾にしても、丹三郎にしても、ショッカーの実在に対して、ある種の感動みたいなものを覚えているのは印象的です。「本当にいたんだ!」って。それが彼らの人生を大きく動かしていった気はしますよね。


















































