
『ONE PIECE』ロキの友達「モサ公」は「しらほし」って本当? 3つの根拠とミスリードも考えるべきポイント
尾田栄一郎氏原作のマンガ『ONE PIECE』。エルバフ編連載中の第1167話の内容から、謎の人物「モサ公」の正体に関する考察が注目を集めています。
※本記事には『ONE PIECE』最新話(第1167話)のネタバレを含みます。コミックス派やアニメ派の方等、ジャンプ未読の方はご注意ください。
モサ公とは
モサ公とは、第1134話と第1151話で登場した、エルバフの王子・ロキの通話相手です。登場したとはいってもその姿は描かれておらず、手がかりとなるのはロキとの雪電伝虫での会話内容のみ。
第1134話で、ロキはモサ公について見たことも会ったこともないものの、「何の因果か……お前とは長ェこと友達(ダチ)なんだ」と語ります。モサ公はとある“恐怖体験”を引きずっているそうですが、ロキはその場にいたならモサ公に代わって戦いたかったという旨の発言までしており、かなり信頼のおける存在である様子。
しかし照れくさいのか、モサ公に「乱暴な言葉の裏にあなたの優しさがある」と言われるとロキは「極めて心外だ!!!」「調子に乗るなよてめェ!!!」「錠が外れたら覚えてろよ!!!」とまあまあな勢いで怒りをみせます。
さらに第1151話では、ふたたびモサ公からロキに電伝虫が。モサ公は「最初は恐かったけどあなたとのお話の時間がいつの間にか何ものにも代えがたい安らぎの時間になっていました…」「今まで…!!──本当にありがとうございました!!」と今生の別れかのような挨拶を言い残します。ロキは、ただならぬ様子のモサ公の身を案じるのでした。
いつも丁寧な口調のロキの通話友達・モサ公。立て込んでいるとのことで、なんだかよからぬできごとに直面していそうな様子のこの人物は、いったい誰なのか。
そんななか、最新話の第1167話で、ロキの父・ハラルドとしらほしの父・ネプチューンの交流が描かれました。
2人の話題はこれから生まれるネプチューンの娘(しらほし)について。古代兵器“ポセイドン”の力をもって生まれてくることを匂わせつつ、ネプチューンは娘をロキの許嫁にしようとハラルドに提案しています。
そして、かつてロジャーが「モジャモジャした娘」と言っていたように、ハラルドは「モサモサした娘」とネプチューンの娘をからかいました。
そこで浮上したのが、今回のモサ公=しらほし説です。
モサ公=しらほし説の根拠となるポイントは大きく3つ
1.しらほしらしい丁寧な口調
荒っぽいロキの口調に対し、モサ公はつねに丁寧な口調を保っているのが印象的です。
とくに「ご迷惑でしたか?」「おやめください」という言い回しは、かなりしらほしっぽいですよね。
「そ…そこまでは」と話すときにひるむような点もしらほしの声で再生しても違和感はなさそう。
「乱暴な言葉の裏にあなたの優しさがある」「最初は恐かったけど」と前置きするあたりも、しらほし感があります。
さらに、モサ公がロキのことを「ロキ様」と呼んでいる可能性があるのもポイント。モサ公からの電伝虫では「ロキさ」と呼びかけているところで驚いたロキの声に遮られていますが、「ロキさ」までくれば考えられるのは「ロキさん」「ロキ様」のいずれかでしょう。様づけで呼んでいるのであれば、しらほしの可能性がかなり高そうです。
2.忘れられない恐怖体験
なんらかの恐怖体験を引きずっているというモサ公。
モサ公がしらほしなら、バンダー・デッケンからの執拗な求婚や、世界会議(レヴェリー)でマリージョアを訪れた際にチャルロス聖に捕らえられてしまった事件などがぴったり当てはまりそうです。
とくにマリージョアの事件は、長く続いたデッケンの求婚よりも直近のことなので、ロキとの会話に出てきてもおかしくないでしょう。ロキが言う「取り逃がしたバカは再起不能にしねェと復讐に来るんだ!!」というのも、チャルロス聖に当てはめられそうです。
3.ハラルドとネプチューンの会話内容
先述のとおり、第1167話で描かれたハラルドとネプチューンの会話もモサ公=しらほし説を強力なものにする手がかりです。
ここでハラルドとネプチューンの会話を描き、昔から両家に繋がりがあったことを匂わせることで、ロキがモサ公に言う「何の因果か…」というひと言が際立ちます。
さらに、ロジャーのように「モジャモジャ」ではなく、あえてハラルドにモサ公と同じ「モサモサ」のワードを使わせるのも意味深ですね。
互いの親が許嫁にしようとしていたぐらいなので、会ったことはないにせよ昔から友達だったとしても違和感はありません。実物を知らないからこその、親子揃っても「モサ」呼びも納得できます。モサ公につながる雪電伝虫の目元がぱっちりまつ毛つきで女性らしいのも、ひとつのヒントといえるかもしれません。
モサ公=しらほしはミスリード?
しかし一方、モサ公=しらほしはミスリードではないかという意見も広まりつつあるようです。
1.しらほしらしい口調だけど……
先ほど挙げた「おやめください」をはじめ、丁寧な口調はしらほしっぽくもあるのですが、一方で「しらほしにしては話し方が強そう」という声も。
たしかに、私たち読者の知るしらほしであれば、「調子に乗るなよてめェ!!!」「錠が外れたら覚えてろよ!!!」なんて言われたらきっと泣き出してしまうでしょう。
ルフィたちとの出会いを経て強くなったとはいえ、しらほしは強い言葉を向けられたときにはもっと動揺しそう……というのがミスリード派の意見。そもそもロキと長い付き合いならば、しらほしがルフィの言葉にすら耐性がなく泣いてしまうのもちょっと変かもしれません。
2.「お話し相手はメガロだけ」
ルフィと出会ったとき、しらほしは「わたくしのお話し相手はメガロだけ…大切なお友達なのです」
と語っていました。
しかし、モサ公がしらほしなら、長い付き合いのあるロキとはすでに友人関係にあるはずですよね。
もしかすると、「リアルで話せる相手はメガロだけ」「知り合ったばかりのルフィに、わざわざロキの話はしなかった」というからくりかもしれません。しかし、ロキとの会話が「あなたとのお話の時間がいつの間にか何ものにも代えがたい安らぎの時間」とまで言い切っておきながら、他方では友人がメガロだけと断言することは、しらほしに限って考えにくいのです。
考えられる可能性とノアの修繕
しらほし=モサ公説肯定派と否定派、どちらの意見も取り上げてきましたが、やはり現時点ではしらほしがモサ公であるという予想が多数派なようです。
SNSでも、モサ公に関するここまでの描写から「たしかにしらほしの口調だ」「ハラルドが言ってたモサモサからモサ公が来てるのか…!?会ったことも見たこともないんだもん、モサモサだと思ってても仕方ない」「ふたりともでかいし、差があるとはいえ体格的に合うよね」などの声が挙がっています。
宝樹アダムの元にいるロキと、陽樹イブのある魚人島に暮らすしらほし。2人の出会いは、約束の船「ノア」の修理にも絡んでいきそう。箱舟ノアを直せる“一族”として巨人族の名が挙がり、巨人族の船大工集団「大槌船団(ガレイラ)」が実在したことも明らかになったいま、エルバフと魚人島の繋がりは重要になってると予想されます。
モサ公の正体はしらほしなのか、それともほかの誰かなのか。アニメで声を聞けるのが先か、原作で正体が明かされるの先か、新たな情報が待たれます。
[文/まりも]









































