
『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』連載インタビュー第13回:島村二葉役・小清水亜美さん 前編|島村二葉はトラマスターを守りたい。仮面ライダーにも通じる真っ直ぐで強い心を持ったキャラクター
2025年10月より連続2クール放送中の『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』。
「仮面ライダーになりたかったから」 40歳になっても本気で「仮面ライダー」になろうとしていた男・東島丹三郎。その夢を諦めかけた時、世間を騒がす「偽ショッカー」強盗事件に巻き込まれてしまい……。『エアマスター』『ハチワンダイバー』の柴田ヨクサル先生の漫画を原作とする「仮面ライダー」を愛しすぎるオトナたちによる“本気の仮面ライダーごっこ”がここに開幕します!
アニメイトタイムズでは、各話放送後にキャスト陣へのインタビューをお届け! 第13回は、島村二葉役・小清水亜美さんに演じるキャラクターについてのお話を伺いました。
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前回はこちら
二葉は兄に全てを壊されたキャラクター
ーー小清水さんが演じる二葉は、ライダーに憧れているわけでもなく、ショッカーの存在も信じていない、作品の中で特殊な立ち位置にいるキャラクターです。小清水さんからご覧になった二葉のキャラクター像についてお聞かせください。
島村二葉役・小清水亜美さん(以下、小清水):二葉ちゃんは一見すると常識人のように見えるのですが、知れば知るほど、この兄弟ならではと思える部分がたくさんあります。彼女は兄たちとは異なる形でこじらせているんですよね。
ただ、生い立ちや家族間のいざこざもあって、自立心は非常に強い人物です。「自分の人生を生きる」ということがある種の課題と言いますか、そこに囚われているようにも見えます。
ーー厳しい言葉を放つキャラクターでもありますが、個人的には「二葉しかまともな人がいない」という印象を受けました(笑)。
小清水:彼女は少し変わったところもありつつ、ベースはまともというか……。私が作中でまともだなと思うのは、彼女と雲田さんだけです(笑)。怪人の方が若干まともそうに見えてしまいます。
ーー「まとも」な印象は、二葉を演じる中で抱くようになったのでしょうか?
小清水:そうですね。出番自体はピンポイントで登場することが多いのですが、過去の回想シーンで幼い頃の場面も演じさせていただいたので、「この人がどういう人生を生きてきたのか」が分かるんです。
小清水:幼少期は普通の女の子だったのですが、さまざまな事情があって、兄にすべてを壊されてしまい……。その結果、コミュニケーション能力が損なわれてしまいました。
ーーそれが言葉遣いにも表れている気がします。
小清水:はい。コミュニケーション能力って、人と触れ合うことで少しずつ培われていくものだと思うんですが、その機会が奪われてしまった。だから、自分を守るために、ああいった言葉遣いになってしまったという悲しい過去があるんです。
口調が荒っぽいので一見ヤンキーっぽく見えるんですけど、決してヤンキーのような人生を送ってきたわけではない。元々不器用なことに加えて、コミュニケーションの機会を奪われた結果なのだと思います。
ーー経緯を知ると、ますます二葉に感情移入してしまいますね。
小清水:彼女の言葉には嘘がないんですよ。基本的に思っていることをそのまままっすぐに言葉にしているので含みがない。そういった意味では、友達になりたいと思える人ですね。
ーーお芝居の面では、どういったことを考えながら役作りをされているのでしょうか?
小清水:二葉ちゃんが生きる上での大きな感情は、兄への憎しみと怒り、そして殺意です。それが彼女を生かし、強くしていると言っても過言ではありません。しかし、その兄への強い憎しみが結果的に彼女を強くし、守っているという側面もあるんですよね。もしかしたら本人は気づいていないかもしれないのですが……。
小清水:本人にとっては複雑だと思いますけど、兄への怒りや憎しみを感じている時が、やっぱり一番強いんです。ゾーンに入るには、兄の存在が欠かせないのだと思います。
ーー二葉の中では、兄の存在がとても大きいんですね。
小清水:そうですね。あとは、トラマスターという師匠の存在も大きいと思います。彼女の人生は、6割が一葉、3割がトラマスターで占められていて、残り1割に三葉がいるような感じです(笑)。
二葉ちゃんのことを思うと本当に悔しいのですが、演じている時は、一葉さんのことばかり考えてしまうんですよね。
ーー憎むがゆえに、ずっと兄のことを考えている。
小清水:彼女を演じようと思うと、一葉のことばかり考えなければならなくて、「ごめんね、二葉ちゃん。でも、あなたってそうなんだよね」という気持ちになります(苦笑)。
相容れない兄妹の共通点
ーー一葉というキャラクターについて、小清水さん自身はどのような印象をお持ちですか?
小清水:二葉ちゃんや他の人たちは「兄のせいでこうなった」という感覚があるのですが、お兄ちゃんは、何のせいでそうなったのか……。
良い言い方をするならば、“ある種の才能”によって、ああいった人物になったのだろうなと。自分の好きなものや目指すものに対して、非常に一途であったがゆえに、周囲を巻き込んでいったのでしょうね。
ーー思いの強さが裏目に出てしまったと。
小清水:ただ、この兄妹全体に言えることとして、二葉も一葉さんも真っ直ぐさという部分は共通しています。ご両親がどのような人物だったのかは気になりますね。
そして、一葉さんもとても不器用な人です。「妹や家族を守らなければ」と思うあまり、結果的に皆が不幸になってしまった。とはいえ、それも愛情だったのだろうと思いますし、大人になった一葉さんも、そこは変わっていないと感じています。
ただ、もし私の近くに一葉さんがいたら、絶対に近寄りたくないです!(笑)
ーー(笑)。一葉や二葉と同じく、弟の三葉も真っ直ぐな人ですよね。
小清水:でも、私の中では三葉は変態だと思っています。
ーー……そうかもしれません(笑)。
小清水:真っ直ぐ育ってきたように見えて、実は見えないところでこじらせているのではないかなと。もしかしたら一番怖いタイプなんじゃないでしょうか。ただ、すごく一途なところは、お兄ちゃんの性格を色濃く継いでいますよね。だからこそ、二葉ちゃん的には二人とも相容れないのですが……。
私自身は、三葉のキラキラとしたピュアな感じに、何かざわめきのようなものを感じます。本当にその通りの真面目な人なのかもしれないんですけど、やっぱり三葉が一番の変態なのではないかなと。
ーー三葉を演じる斉藤壮馬さんにもインタビューをさせていただいたのですが、その際に「普通は高校生とは付き合わないです」とおっしゃっていました。
小清水:そうですよね! 三葉もやっぱり、この一家の一員なのだと思います。






















































