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- 五六七八千代
- 徳島出身のフリーライター&歌人。現在は、特撮、アニメ、DOMOTOが生きがい。

2025年8月、チームはぴぱれの大団円で最終回を迎えた『仮面ライダーガヴ』。その熱は冷めるどころか、11月公開のVシネクスト『仮面ライダーガヴ ギルティ・パルフェ』が大きな話題を呼び、1月から上映が始まる劇場が出るほどの盛り上がりを見せています!
そんな『仮面ライダーガヴ』の世界から、TTFCオリジナルスピンオフ作品『仮面ライダーヴラム ルートストマック』が、12月21日より配信スタートしました。
今回スポットライトを浴びるのは、仮面ライダーヴラム/ラーゲ9(ラキア・アマルガ)。TVシリーズ本編では、ショウマの言葉に背中を押され、ストマック社のバイトという立場から仲間へと歩み出した彼ですが、本作で描かれるのは、まったく異なる選択をした“もう1つの可能性”です。
「もし、あのときラキアがストマック社を裏切らなかったら?」本作は、そんな問いから始まる完全なIFルートの物語。
この記事では、『仮面ライダーヴラム ルートストマック』の見どころをご紹介します。「TTFCに入るか迷っている」「どんなストーリーなのか知りたい」「観た気持ちを誰かと分かち合いたい」という方は、ぜひ読んでみてください!
先述した通り、本作はラーゲ9がストマック社を裏切らなかった“もしも”のルートを描いた物語です。弟・コメルを殺された復讐のため、ストマック社にバイトとして潜り込んだラーゲ9。その入社理由をニエルブに見抜かれた彼は、「ショウマがコメルを殺した」という嘘を吹き込まれます。
しかしラーゲ9は、その言葉を鵜呑みにしません。「ニエルブのことも、まだ信用できない」と冷静に状況を見極める姿は、本編でショウマの仲間となったラキアと同じく、彼の高い分析力と慎重さを感じさせるものでした。この時点で、物語の軸が本編としっかり地続きであることが伝わってきます。
真実を探るため、ラーゲ9は他のストマック社のバイトたちから話を聞きます。そこで明かされるのが、「出来の悪いバイトはグロッタに殺される」という事実。弟の死にグロッタが関わっている可能性に辿り着いたラーゲ9は、ショウマとグロッタを戦わせ、その戦いの中で“本当の敵”を見極めようとします。
見終わって、強く心に残ったのは、「ショウマは最後までラーゲ9の手を取ろうとしたヒーローである」ということ、そして「ラーゲ9は最期まで弟想いの兄だった」ということでした。
ショウマと手を取り合わなくても、ひとりで仇に辿り着くラーゲ9の姿は見事で、同時に胸が締めつけられます。
正直、あらすじを見た段階では「仇も討てずショウマに殺されてしまうのでは」と身構えていました。だからこそ、ショウマの正義が揺らがず、ラーゲ9の兄としての想いも否定されない結末に、「これは美しいIFだ」と感じずにはいられませんでした。ただ1つ言うなら……25分では足りなさすぎます……!
本作のかっこよさを語るうえで、まず外せないのが挿入歌「Bitter Poison」です。
ラーゲ9とニエルブが歌うこの楽曲は、バトルシーンで使用されており、事前に聴いていると、映像の中で曲が流れ出した瞬間に思わず「来た……!」と声が出てしまうはず。物語の緊張感と感情を一気に引き上げてくれる一曲です。まだ聴いていない方は、ぜひ先にチェックしてみてください。あわせて、本作の主題歌「A ray of light」も必聴です。
そして本作最大級の見どころと言えるのが、新フォーム「ゼリーカスタムノアール」で挑む、グロッタとのバトル。ミルクのかかったコーヒーゼリーをモチーフにした「ぷるゼリーノアールゴチゾウ」で変身するこのフォームは、黒みがかった赤と白を基調としたカラーリングで、甘さと苦みが同居するような独特のカッコよさを放っています。
さらに注目したいのが、その能力。ブラックホールのような黒い渦を生み出し、光やエネルギーを吸収するという、これまでのフォームとは一線を画す特性。ストマック家の中でも屈指の実力者であるグロッタを1対1で追い詰めていくラーゲ9の戦いぶりは、思わず唸ってしまうほどでした。
音楽、新フォーム、そしてバトル演出。そのすべてが噛み合った戦闘シーンは、まさに圧巻の一言。物語のIFという切り口だけでなく、「仮面ライダーとしてのかっこよさ」を全力で叩きつけてくるパートでもあります。
#仮面ライダーヴラム のifの姿
— 仮面ライダーおもちゃウェブ公式 (@bandai_ridertoy) December 22, 2025
「ゼリーカスタムノアール」に変身☕
ぷるゼリーノアールゴチゾウが
おしゃべり仕様で登場!
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要チェック👀#仮面ライダーガヴ pic.twitter.com/nwmxIy5fwQ
本作でもう1つ嬉しいポイントが、多彩なゲストキャラクターたちの登場です。TVシリーズ本編のショウマやラーゲ9はもちろん、ニエルブ、グロッタ、そしてファン人気の高い酸賀研造まで顔を見せてくれます。さらに回想シーンでは絆斗の姿もあり、世界観の繋がりを感じさせてくれました。
『仮面ライダーガヴ』は、主人公サイドだけでなく、敵キャラクターにも強い支持が集まった作品です。中でも酸賀さんは印象に残っている方も多いキャラクターだけに、今回の登場を嬉しく感じた人は少なくないはず。
ニエルブと酸賀さんのやり取りも健在で、相変わらず研究者仲間として息の合った様子を見せてくれます。その姿は、物語の中だけでなく、TTFCの公式Xに公開されている動画でも楽しむことができます。
このように物語としての満足感はもちろん、「また会えた」という喜びをしっかり届けてくれるゲスト出演も、本作ならではの魅力の1つです。
『仮面ライダーヴラム ルートストマック』がTTFCで大好評配信中!
— 東映特撮ファンクラブ(TTFC) (@tokusatsu_fc) December 23, 2025
まだ入会していない方のために、酸賀によるTTFC会員登録方法解説動画のアナザーver.をお届け!
ニエルブと一緒に会員登録しよう!
再検証の結果は『仮面ライダーヴラム ルートストマック』でお確かめください!… pic.twitter.com/2lQIc5qqs9
TVシリーズとは対照的に、ビターな結末を迎えた本作。その余韻があるからこそ、改めてTVシリーズのハッピーエンドが胸に沁みてきます。あの結末が、決して当たり前ではなかったことを思い出させてくれる作品でした。
『仮面ライダーガヴ』の物語は、まだ終わったわけではありません。TTFCで、TVシリーズを振り返ったり、ファイナルステージの【石川公演トークショー】やクランクアップの様子に触れたりすることで、作品への愛情はさらに深まっていきます。そうした「好き」の積み重ねが、次の何かにつながっていくのかもしれません。
実際に、『東映特撮ファン大賞2025』での大賞受賞や、仮面ライダーヴラムの変身ベルト『DXヴラスタムギア』再販決定など、ファンの声が形になった出来事も生まれています。こうした反響が重なっていけば、新たなスピンオフや続きの物語が描かれる可能性もゼロではないはず。
だからこそ、これからも『仮面ライダーガヴ』が好きだという気持ちを、無理のない形で届けていけたらいいなと思います。まだまだ、この作品を一緒に盛り上げていきましょう!
[文/五六七 八千代]
