
一周回って時代が来た! 令和ならではの新感覚型アニメ『ハイスクール!寄面組』関智一さん、武内駿輔さん、松岡禎丞さん、小林千晃さん、戸谷菊之介さんインタビュー│先代声優からの安心の一言が明らかに
視聴者がツッコミを入れるアニメ
――今作はテンポが速いと感じましたが、皆さんはどのように感じられていますか。
武内:会話は被り被りになったりする時もあったりして、外画(外国作品)っぽいテンポを感じますね。
関:なるほどね。監督さんやスタッフさんがこういうテイストにしようと、作品のテンポを作ってきてくれているので、我々はそこに乗っかっていくんです。ちなみに、僕はこの作品が面白そうだなと思ったのは、第1話のアフレコ時にスタッフの人たちが何人か体調を崩してしまい、リモートで参加する事態になってしまって。
で、最後の挨拶でスタッフのひとりが「今日の収録を楽しみにしていました。元気に行きましょう!」と、ものすごく具合が悪そうに挨拶していて、「それが面白いな」と……。
武内:そこですか?(笑)
関:そう。病気の人が「元気にいきましょう!」って、「身体を張って、すごいギャグしてるな」と思ったんです(笑)。
小林:一番元気じゃない人が言っているから、元気にやらざるを得ないですよね(笑)。
関:でもそういう人たちが作っているから、面白い。その時に、この人たちに乗っかっていけばいいのかなと思いました。
それとテンポに関して言えば、80年代のアニメを見ていると、『うる星やつら』あたりで速くなり始めたというか、ああいう作品を新感覚のギャグみたいに感じていました。
ものすごい謎の空中戦とか、ミサイルのくだりとか、原作にないエピソードを足したりして、アニメ独自の派手な表現もどんどん登場し始めましたから。板野一郎さん(※1)のいろんなアングルのミサイル空中戦とか、そのテンポ感が面白かった。それが今回の作品にも活かされていると感じました。
今作のイメージMVにも、当時のアニメのOPを少しオマージュしたような雰囲気があります。唯ちゃんのカットが入ったり、原作もアニメもいいところは全部引き継いで、よりいい作品にしようという気概を感じますね。
(※1板野一郎:アニメーター。TVアニメ『機動戦士ガンダム』に原画で参加し、『伝説巨神イデオン』のメカシーンの作画を担当。『超時空要塞マクロス』では、主に戦闘やメカニック作画監督を担当し、アクロバティックな戦闘シーンは「板野サーカス」と呼ばれた)
武内:僕はその点において、監督がMV監督出身というところも大きいんじゃないかなと勝手に解釈しています。カメラアングルにこだわりを感じることが多いんですよね。
小林:第1話のラップするシーンとかも、ちょっとMVっぽいね。
武内:今作のイメージMVで使用された劇中歌、うしろゆびさされ組(※2)も、当時の映像と比べて唯ちゃんのアングルでカメラが回るようになっているんですよね。同じ演出ではあるんですけど、今作の方が360度回るような形になっていて、そういうところに令和ならではの見せ方を感じます。
(※2:女性アイドルグループおニャン子クラブに所属していた高井麻巳子と岩井由紀子で結成されたアイドルユニットおよび同名の楽曲。85年版TVアニメの初代オープニングを飾った。今作でも河川 唯(CV:白石晴香)と宇留千絵(CV:長谷川育美)がカバーしている。
関:多く回れるようにね。
武内:今は3Dが発展して、昔の平面的なものよりも、立体的なアングルを作れるようになりました。そういうところでオマージュやリスペクトをしつつ、令和だからこそ生まれる作品のテンポ感も含めて、アニメーターというよりも、文化的背景になじみがある映像作家出身というニュアンスが出ているのかな、と勝手に解釈していますし、面白いところですね。
松岡:僕は台本を読み込んでから、映像と照らし合わせてチェックするタイプの人間なんです。ギャグというラインでいくと、頭からお尻まで全てがギャグでいっぱいのアニメーションだと、ノリとテンションで突っ切り、言葉の殴り合いみたいなものに発展する作品を今までたくさんやってきたんです。
だから「今回の作品もそうなるのかな?」と思っていたら、意外と勢いでいくところもあれば、ゆっくり使うところもあるんだなと。緩急の具合が面白いと思いました。
武内:セリフというより、展開で笑えるような作りかもしれないですね。特別面白いこととか、気の利いたことを言っているわけではないですね。
関:気の利いたことも、たまには言っています。
小林:関さんをフォローに回させるなよ!(笑)
一同:(笑)。
小林:そのテンポの話で言うと、みんなでワーッと喋っている中で、視聴者が「耳が疲れてきたな」「ちょっと速いかも」と感じた時に、仁が緩和してくれるというぐらい、僕のセリフの拍がゆっくり作られているんです。だから、仁はわりとテンポを緩くしてくれる存在なのかなと思いつつ、一方で5人揃って騒ぐ時は一緒に騒ぐ。その要所でしゃべりのテンポ感を変えられるのは、やっていて楽しいですね。
普通のアニメはわりとスローテンポなジャズだとして、この作品は割と高速なメタルぐらいのセッションというイメージがあるかもしれません。
戸谷:僕は関さんのアフレコを見ていて、めちゃくちゃ笑わせてもらっています。関さんはスタッフの作ったものに乗っかるだけとおっしゃっていましたけど、関さんのセリフや掛け合いでめちゃくちゃ笑っているんです。
関:えぇ~、本当ですか。それはありがたい。
戸谷:キャストのセリフを聞いたりテンポ感を受けて、個人的には「何してるんだ?」「何これ?」って思ったりするんですけど、展開とか……(笑)。
関:おかしな展開とかね。「どういうこと?」みたいなね。
戸谷:それも含めて「全部がしっちゃかめっちゃかで面白い」と常に感じていますね。だから、いつもアフレコ現場の後ろで笑いをこらえています。
小林:視聴者がツッコミを入れるアニメ!
戸谷:まさにそうですね!
小林:キャラクターたちだけでボケとツッコミで完結させずに、ボケのまま終わったりとかするんです。唯ちゃんが「一人になっちゃった」って言って終わるとか。
武内:あれ、やばいよね(笑)。切なくさせたいのか、おかしくさせたいのか、わからないですよね。
小林:わけがわかんない(笑)。
関:一緒に作る参加型アニメなんですよね。
小林:ハラハラしたり、笑ったり、それはすごく思いますよね。
関:ツッコミとかコメントとか、いっぱい流れそうですよね。
武内:体感型!













































