
「お兄ちゃん」として、人と呪霊の狭間に立つ“脹相”を全力で遂行する――TVアニメ『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」連載インタビュー第4回:脹相役・浪川大輔さん
復讐から守るための戦いへ
ーー「死滅回游」のアフレコ現場について、お聞かせください。
浪川:マイク前での集中力には磨きがかかっている気がしますし、全員が命を削って、キャラクターに魂を吹き込んでいるような現場です。
あとは遊佐さんが自然すぎました(笑)。ずっと前からいるキャストのような感覚で、それは遊佐さんの強さであり、直哉というキャラクターの強さだと思います。世界を一気に牛耳ってしまう力があるんです。
ーー脹相を演じるうえで、「渋谷事変」と変化した部分はありましたか?
浪川:真っ直ぐさはそのままですが、これまでとまた目的が変わっています。今までは弟たちに対する愛情を全力で敵にぶつけていました。例えば「渋谷事変」では、愛情を怒りや憎しみに変えて、虎杖にぶつけていた。
ーー壊相や血塗の復讐ですね。
浪川:そうです。一方で今回は、愛情を愛情のままにしておく必要があります。弟である虎杖が目の前にいる以上、しっかり守りたい。そうなった時に、角度がこれまでとは変わってくると思うんです。
全てをかなぐり捨てて、「こいつだけ倒せれば自分はどうなったっていい」という訳にはいかない。脹相自身が死んでしまえば、虎杖を守ることも難しいので、僕自身も考え方を変えなければいけません。兄弟愛は変わっていないですが、矢印が増えたようなイメージです。
ーー実際に脹相のそういった一面が伺えるシーンはありますか?
浪川:階段で腰掛けている虎杖に「悠仁、悠仁」と声を掛けるシーンですね。
2回名前を呼んでいるのは、無意識に虎杖を慮っているからなのかなと。1回目は心配な気持ちからだと思いますが、2回目は少し気遣っているような気がします。そういうところが今までの脹相ではなかった部分だと思っていて、彼の繊細な部分を大切に演じていきたいです。
ーー同じ場面で、虎杖の訥々とした話し方も印象的でした。虎杖を演じる榎木さんのお芝居はどのような印象がありますか?
浪川:かなり特殊な表現をしていると感じます。教科書には載っていないですし、習ったことも、教えられる人もいないのではないでしょうか。
榎木くんはそれだけ自分のことを信じているんでしょうね。ただ小さい声でセリフを言っているわけではないですし、大きな声を出そうと思えばいくらでも出せる人ですから。
ーー虎杖は叫ぶシーンも多いですよね。
浪川:そういう意味で、綺麗に喋ろうとか、作ろうという気がない。「虎杖の心の声を話したい」という思いがビンビンに伝わってきます。
榎木くんって、掛け合うキャストの方を向いて演じたりするんです。もちろんマイクは正面にありますが、かなり視線を感じます(笑)。彼の隣に立つ時はいつも圧があって、だからこそのリアリティ、嘘がないお芝居なのだと思います。
人と呪霊の狭間に立つ“脹相らしさ”とは?
ーー脹相の呪霊でもあり、人間でもあるという特性について、どのように感じていますか?
浪川:面白いタイプですよね。ただ、特殊ではあるものの、加茂憲倫のような難しさはないキャラクターだと思っています。
加茂憲倫はそもそも得体が知れないですし、この世の全てを知っているように話す。複雑な世界観の中で、あの掴みどころのないキャラクターを演じることは難しいと思います。
それに比べると、脹相はシンプルです。考え方は常に一直線。「助ける」「守る」「倒す」とか。そういう迷いのなさが彼の魅力ですし、僕自身も脹相に助けられていると感じています。
ーー花御や漏瑚も純粋で一貫性のあるキャラクターでした。そういう意味で、脹相の真っ直ぐさは、呪霊としての側面があるからなのかもしれませんね。
浪川:そうかもしれません。人間は複雑に悩んだり、「こんなことして大丈夫かな?」って心配したりしますが、(脹相は)そういうの無いです! 守れるなら何でもやりますよ、彼は。
ーー最後に浪川さんから見た『呪術廻戦』という作品について、お聞かせください。
浪川:誰もが持つ“負の部分”を全力で表に出している作品だと思います。つまり「綺麗なこと」ばかりではない。その上で「汚いことが悪いこと」という訳でもない。
呪術師、呪詛師、呪霊。キャラクターそれぞれの正義がぶつかり合う中で、ルールに縛られない素晴らしさを描いている気がします。ルールを守ることも大事ですが、逸脱したところにある何か。それを様々な方向で表現している作品なのかもしれません。
なので「答えは出ない」というのが回答になります。 「『呪術廻戦』とは?」って1番難しい質問ですから!(笑)
ーー失礼いたしました……!
浪川:いえいえ(笑)。そうですね……『呪術廻戦』は世界に羽ばたく作品です!
一同:(笑)。
浪川:海外からの応援も凄いですから。津田健次郎さんもおっしゃっていましたが、世界中の皆さんからの支えを感じます。全世界が認める『呪術廻戦』であることは間違いないので、そんな作品に関わることができて幸せです。
[インタビュー/タイラ]
『呪術廻戦 死滅回游』作品情報
イントロダクション
廻れ呪え 死の遊戯の中で
「渋谷事変」を経て、羂索により呪霊が蔓延る魔窟と化した
全国10の結界(コロニー)。
戦いは、呪術を持つ者達による殺し合い「死滅回游」へ。
加速していく混沌の中、伏黒の姉・津美紀が巻き込まれたことが発覚する。
五条の復活と津美紀救出の術を見出すべく動く虎杖たちだが…。
果たして、羂索の目的は何なのか。
「死滅回游」平定のためゲームに参加する彼らの行き着く先とは―。
キャスト
虎杖悠仁:榎木淳弥
伏黒恵:内田雄馬
禪院真希:小松未可子
パンダ:関智一
乙骨憂太:緒方恵美
脹相:浪川大輔
九十九由基:日髙のり子
天元:榊󠄀原良子
秤金次:中井和哉
星綺羅羅:榊原優希
禪院直哉:遊佐浩二
日車寛見:杉田智和
髙羽史彦:鶴岡聡
レジィ・スター:青山穣
コガネ:ニーコ
夏油傑(加茂憲倫):櫻井孝宏
スタッフ
原作:「呪術廻戦」芥見下々(集英社ジャンプコミックス刊)
監督:御所園翔太
シリーズ構成・脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:矢島陽介 丹羽弘美
副監督:高田陽介・佐藤 威
美術監督:東潤一
色彩設計:松島英子
CGIプロデューサー:淡輪雄介
3DCGディレクター:志賀健太郎(モンスターズエッグ)
撮影監督:伊藤哲平
編集:柳 圭介,ACE
音楽:照井順政
音楽プロデューサー:小林健樹
音響監督:えびなやすのり
音響制作:dugout
制作:MAPPA
















































