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『勇者刑に処す』阿座上洋平×SPYAIR鼎談|ザイロの叫びと「Kill the Noise」が重なる理由

冬アニメ『勇者刑に処す』阿座上洋平さん×SPYAIR(YOSUKEさん&MOMIKENさん)鼎談|圧倒的作画と人間臭さに衝撃――ザイロの叫びと「Kill the Noise」に込めた覚悟

 

「Kill the Noise」に込めた背中を押すというメッセージ

──阿座上さんが演じるザイロを見て、いかがでしたか?

YOSUKE:めっちゃ、男の憧れだと思いました。

MOMIKEN:寡黙なのがいいんですよね。

YOSUKE:10代はみんなザイロみたいになりたいんじゃないかな。かっこいいし、男ってこういうことだよなと思いました。口に出さずに行動で示すっていう。

MOMIKEN:そして、決めるときは決めるしね。

YOSUKE:王道である強さも感じました。

 

 
MOMIKEN:あと、声が本当に良い!

阿座上:いや、ありがたいです、この声で生まれたことが。

MOMIKEN:本当に羨ましい。転生したら阿座上洋平になりたい。

一同:(爆笑)

阿座上:いやいやいやいや!!(笑)。SPYAIRさんのほうが転生されたい側ですからね! 『転生したらSPYAIRだった』という作品はできますけど、僕はできないですから。

MOMIKEN:いやいや、『転生したら阿座上だった』もいいっすよ(笑)。

阿座上:ホントに、超つまらなくなりますから!

──確かに、ザイロはダークヒーローで、渋くてかっこいいですよね。演じながらも、そのあたりは感じたのではないですか?

阿座上:そうですね。僕も昔からアニメを観ていて、かっこいいと思うのが渋いおじさんとかだったんですよ。それでいて人間臭い、泥臭いキャラクターが好きだったので、こういう役を演じられるようになれたというのは「これまでやってきたことは間違えてなかったよ」と言ってくれているような気がして、この仕事をやっていて良かったなと思いました。

 

 

──次に主題歌「Kill the Noise」についてですが、今回はタイアップの話があって、作品のために描き下ろしたということになるのでしょうか?

MOMIKEN:まさに。僕らは曲を書くときの流れみたいなものがあって、まず作品の資料をいただいて、その資料を読み込んで、作曲のUZが作品のイメージに合った曲を作ってきた後に僕が歌詞を書いて、オケを録って、そこからYOSUKEに息を吹き込んでもらうんです。

──曲先になるんですね。その際、こういう曲が欲しいと、アニメサイドからの要望もあったのですか?

MOMIKEN:ありました。僕たちの曲の中でも激しめのテイストのものがよいという話でした。僕たちとしてもボーカルがYOSUKEになってから、ライブで激しい曲のゾーンに入れられる楽曲が少ないということもあって、補強したいところではあったんです。だから、疾走感とスピード感がある曲を目指して、書いていきました。

──YOSUKEさんのボーカルだと、ヘヴィでラウドな楽曲が増えそうな感じはしますよね?

MOMIKEN:増えていくとは思います。ただ、今まで作ってきた楽曲があり、ライブ終盤で、みんなが知っている激しい曲をやるとなると、どうしても定番の曲が多くなってしまうんです。でも、こういう機会をいただけると、曲が、自分たちだけではなく周りの力も借りて広められるチャンスにもなるので、有難かったです。

──アニメの要望と、自分たちがやりたかったところがマッチしていたのですね。

MOMIKEN:そうですね。もともとラウド楽曲は好きですし、YOSUKEのライブパフォーマンスや歌を考えても、ラウドな感じは似合うと思っているのでやりたいと思っていたんです。

 

 

──歌詞を書くに当たって、作品のどのあたりの要素を抽出して、どう自分たちのメッセージを込めようと思ったのですか?

MOMIKEN:SPYAIRの曲の軸となるのは「背中をグッと押す」ことなんです。どんな言葉の表現であっても、明るいにせよ、力強く決意するにせよ、背中を押せるところに持っていく。今回は、『勇者刑に処す』というタイトルから、大枠のテーマを“罪と罰”にして、そこからどう背中を押すところに持っていこうかなって、連想ゲームみたいにパズルをはめていった感じになります。

それで、〈時効〉だったり〈囚われたまま〉だったり、“罪と罰”を連想されるようなワードを散りばめていったんですけど、今作は、どストレートにわかりやすい感じの内容ではないので、言っていることが、一聴してわからなくてもいいと思いました。全体として、ふわっとそれが伝わればいいのかなと…。

──2番になるんですけど〈無駄だから。と 無理だから。と言って 別にやらない 理由にはならない〉は、本当にそうだなと思いながら聴いていたのですが、ここの歌詞に関しては、どんな思いがあるのでしょうか。

MOMIKEN:僕としては、むしろそのあとの2行を言いたくて入れた言葉なんです。〈うつむくたび 神頼みしたって 救えるモノも 救えないから〉というところなんですけど、これを1番に入れると、《女神》が出てくる作品だし、おかしくなると思ったんです。ただ、どこかに使いたいとは思っていたので、2番に入れることにして、そこからその手前に入れる言葉をどうしようかと考えたときに出てきたワードなんです。そうやって逆算していくと、書けるワードが限定的になって、書きやすくなるんです。

──全体としても、背中を押すというところから、テーマを決めて逆算しているところもありますしね。阿座上さんは、この曲を聴いていかがでしたか?

阿座上:これだよね!という疾走感と爽やかさ。もちろん重さもあるんですけど、どこかしらで希望があってほしいと思うので、その人にとっての大事なものを感じさせてくれる楽曲になっていると思いました。

歌詞に関しても、僕らは日本語を使うので、言葉を信じたいというか。日本語を信じたいというのがあるので、この曲も、そういう想いもあって歌詞を書かれているんだろうなというのが伝わってきたんですよね。言葉の持つ力がストレートに伝わってくる歌詞だったので、それが楽曲を盛り立てていると思いました。重いところから始まるけど、最後は上を向いている。そして、何かを肯定してくれているのが感じ取れたので、きっと、この作品を盛り上げてくれるだろうなと思いました。

 

 

──背中を押す、最終的に希望に向かうというのは、SPYAIRとしてのメッセージでもあるのですね。

MOMIKEN:僕が書く歌詞に関してはそうですね。軸がブレるのはあまり良くないなと思っているので、僕が書くメッセージは、こういうものであるというのはあります。だって、さっきはこう言っていたのに、気分が違うからって、それが変わったら、どうなんだ?ってなるじゃないですか。10年以上やっていると、僕らが発信するメッセージを信じて付いてきてくれるファンがいるので、そこは大事にしています。

──そういう意味では、〈繋がれた未来を 解き放てるまで 何十回だって 何百回だって 挑むよ〉というサビは、作品にリンクしつつ、希望も感じますね。

MOMIKEN:何回死んでも蘇生されるという刑ですからね。

阿座上:何度死んでも戦い続けなければいけないという世界観につながっていますよね。

 

ザイロとYOSUKEどちらの叫び(シャウト)も聴け!

──それにパワーを与えているのが、YOSUKEさんのボーカルですが、歌う際に、どんなことを意識して歌ったのでしょうか?

YOSUKE:この曲を歌ったときは、あばらにヒビが入っていたんです。フェスで客席にダイブをした時にやっちゃったんですけど。そこから1ヶ月経たないくらいだったので、めちゃめちゃ痛かったんです。ただ、普段歌えているのに歌えない、自分の満足点が出せる状態じゃないときだからこそ、出せたテイクがあったのかなというのはあるんですよね。それがうまく、曲とアニメの世界観に合ってくれた気がします。

 

 

──ザイロも、ぼろぼろになりながら戦っていますからね。

YOSUKE:そうなんです。本当に、結果オーライなんですけど、それがマッチしていたんです。だから、このタイミングでレコーディングをしたのは良かったなと思いました。

そして、この曲のシャウトは、本当に覚悟を決めて臨もうと思いました。シャウトだけで、1時間くらい時間を使ったんですけど、きれいなシャウトというよりかは、ちょっとトゲが多いというか。刺さるような感じにしたかったので、それはより意識したし、あばらの痛みが背中を押してくれたと思います(笑)。

MOMIKEN:分かりづらいな(笑)。

阿座上:あはははは(笑)。

MOMIKEN:でも今、ふっと思い出したんですけど、シャウトでやってほしいことがあって、それがリンキン・パークの新しいアルバム(『From Zero』)でのエイミー・アームストロングのロングシャウトなんです。YOSUKEに「このロングシャウトをやってよ」って、あばらが痛いのにお願いしました(笑)。でも、本人はノリノリにやってくれたから良かったです。

YOSUKE:2番の終わりくらいかな。

MOMIKEN:そこは、この曲でも聴きどころになっていると思います。

──後半だからこそ、痛みを忘れてノッてきた感じですね。

YOSUKE:普段のレコーディングだったら、マイクをどうするとか、ノリ方を、テンポより後ろにするか前にするかとかのディスカッションがあるんですけど、この日は「コルセットを外したほうが良くね?」とか、そういう会話をしていたんです(笑)。

MOMIKEN:したなぁ、そんな会話(笑)。「コルセットを外したほうが声が伸びるね」みたいな。だから、YOSUKEの魅力がいろいろ出ていると思います。サビ頭でちょっとミックスボイスみたいなところから入る感じとかも含めて、全部この曲に詰められたんじゃないかな。

 

 

──世界で人気が出そうなアニメだという話がありましたが、この曲も世界で響いてほしいですよね。

MOMIKEN:ですね! 

──阿座上さんは、YOSUKEさんのシャウトを聴いていかがでしたか?

阿座上:話を聞いても思ったんですけど、僕もザイロを演じているとき、ずっと叫びっぱなしなんですよ。でも、明日のことは考えずにやり切ろうと思って叫んでいるんです。中でも一番苦しいシーンで、それまでにあまりにも喉を使いすぎて、途中でひっくり返ってしまったんですね。ただ、それがむしろ良かったと監督からOKをいただいて、そういう泥臭さとか、偶然の産物を大事にしてくれる現場なんだなと思ったんです。

それがアフレコでも印象的な思い出になっているんですけど、さっきのコルセットの話とか、自分を追い込んで追い込んで出していったというのが歌からも伝わってくるし、それがあのシャウトに乗っていたんだなという思うと、これは噛み締めながら聴かないといけないなと思いました。

──では最後に、この曲が流れるアニメーションを観ていかがでしたか?

MOMIKEN:そのままこの曲のMVにしたいなと思いました。そのくらい完成度が高すぎて。で、その映像の端っこに、僕らメンバーの写真を載せておけばいいのではないかと(笑)。そのくらい素晴らしかったです。

阿座上:アニメのOP/EDって、声優が関わらないところなんです。だからファンとして純粋に観られるし、ワクワクするんですけど、今作も、SPYAIRさんの楽曲と映像のプロフェッショナルの方々の相乗効果、総合芸術がいかんなく発揮されていて、「これで世界を獲るぞ!」くらいの熱量を感じられて、嬉しかったです。

YOSUKE:本当に圧倒されましたね。ここまであっという間に終わる1分半はないだろうと思うくらい目を奪われました。最初に観たときは、すっげー!と思っているうちに終わったので。やっぱり、アニメーションが映えているし、このアニメーションがあることで曲も力強く聴こえたので、すごく良い映像でした!

 
[文・塚越淳一]

 

作品情報

勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録

あらすじ

勇者とは、この世で最悪の刑罰である。
大罪を犯した者が「勇者」となり、魔王と戦う刑罰を科されるのだ。
殺されようとも蘇生され、死ぬことすら許されない。
勇者刑に処された元聖騎士団長のザイロ・フォルバーツは、
性格破綻者たちで構成された懲罰勇者部隊を率い、戦いの最前線を駆け抜けていた。
過酷な状況の中、ザイロは最強の生体兵器の一人、
《剣の女神》テオリッタに出会う。
「敵を殲滅した暁には、この私を褒め讃え……そして頭を撫でなさい」
生き抜くため、自らを陥れた者へ復讐を果たすため――。
《女神》と契約を交わしたザイロは、
絶望的な世界で熾烈な闘争と陰謀の渦中に身を投じていく。

キャスト

ザイロ・フォルバーツ:阿座上洋平
テオリッタ:飯塚麻結
パトーシェ・キヴィア:石上静香
ドッタ・ルズラス:堀江瞬
ベネティム・レオプール:土岐隼一
ノルガユ・センリッジ:上田燿司
タツヤ:松岡禎丞
ツァーヴ:福島潤
ジェイス・パーチラクト:千葉翔也
ニーリィ:日笠陽子
ライノー:中村悠一
フレンシィ・マスティボルト:大西沙織

(C)2024 ロケット商会/KADOKAWA/勇者刑に処す製作委員会

 

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