
『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き』カート役:内山昂輝さんインタビュー|「過去には何かあったんだろうけど、それが今のセリフに重くのしかかるわけではない」
「疲れていて態度は少し悪いけれど、気が利くタイプのバイト先の先輩」
──カートというキャラクターを演じる際に意識していたことを教えてください。
内山:キャラクターを深めることはもちろん意識していました。あとは、収録の序盤では作品全体の雰囲気作りを結構重視していたと思います。
今回はプレスコ形式で皆で一緒に収録していたので、テストを重ねながら、この作品ならではのノリや会話のリズム、テンポ感をつかむことをまずは大切にしていましたね。そこで完成した雰囲気をベースにしながら、カートというキャラクターをどうアレンジしていくかを考えました。
──カートというキャラクターはどのような人物だと思いますか?
内山:正直なところ、オーディションも収録ももう2年以上前になるので、当時どう捉えていたのか、はっきりとは覚えていないんですよね。オーディションの時は、「疲れていて態度は悪いけど気が利くタイプのバイト先の先輩の感じ」と、キャラクターの情報というよりは、声のイメージのメモが参考用についていました。。
それがそのまま正式なキャラクターの設定になっているわけではないと思うんですが、少なくともオーディションの時はそのイメージを参考にして演じていたと思います。
──少し気だるい先輩感のあるキャラクターですよね。
内山:そうですね。元気はつらつというタイプではなくて、基本的には少しダウナーな雰囲気です。その中で、マックスと一緒に働いてきたんだろうな、というところが垣間見えるキャラクターだと思います。物語が進むにつれて、内に秘めている想いが少しずつ明らかになっていく、そんなキャラクターでした。
──亀山監督がカートのことを「低血圧イケメン」と表現していましたが、どう思われますか?
内山:言い得て妙ですね。(カートは)整った顔立ちですから。
──演じていて、カートとご自身との共通点や共感できる部分はありましたか?
内山:カートは作中ですべてが事細かに語られるわけではなく、「いろいろあったんだろうな」ということがだんだん見えてくるキャラクターです。なので単純に自分が共感できるかというと、はっきり言い切れないかなと思います。まだどんな人物なのか見えきっていない部分もあるので、何とも言えないですね。
──カート役のオーディションで、印象に残っている出来事はありますか?
内山:オーディションの後に別の仕事があって、さらにその後に友人の家でホームパーティーの予定があったので、手土産を持っていたんですよね。それについて話した気がします(笑)。
「過去には何かあったんだろうけど、それが今のセリフに重くのしかかるわけではない」
──マックスというキャラクターや、マックス役の山谷祥生さんのお芝居についてお聞かせください。
内山:(山谷さんの声は)加工が入ったセリフの音の印象も含めてマックスというキャラクターの性質にすごく合っていて、キャラクターにぴったりだったと思います。キャラクターとしては、雰囲気が重くなり過ぎない、良い意味の軽さがすごく良いなと思っていました。
──マックスとのコンビを演じる上で意識されていたことはありますか?
内山:一緒に連携して動く場面もあるので、そこでの“こなれた感じ”がとても大事だったと思います。そこは意識して演じていましたね。
作中で事細かに二人の過去が語られるわけではなく、ちょっとした会話の端々から「こういうふうに生きてきたんだろうな」と背景が垣間見える作りになっているんです。“一緒に働いてきた”という前提は頭に入れつつも、それを重くし過ぎない。そのバランス感が『ミルキー☆サブウェイ』という作品には合っていると思いました。
過去には何かあったんだろうけど、それが今のセリフに重くのしかかるわけではない。そのくらいの温度感が大事だったのかなと思います。
──過去などの細かい設定は、キャストの皆さんに共有されていたのでしょうか。
内山:そこまで深くは知らなかったと思います。セリフを言う上で「ここはどういう意図ですか?」と確認することはありましたが、細かい歴史をあれこれ聞いた記憶はないですね。
──ちなみに、カートやマックスのほかにお気に入りのキャラクターはいますか?
内山:リョーコさんですね。序盤特に、皆をまとめて、話を引っ張っていく存在だったと思います。もちろん物語の中心はメインの二人ですが、それ以外で物語を動かしていたのは実はリョーコさんだった印象が強くて。
──リョーコがカートとマックスに自白させる第6話の尋問シーンも印象的でしたが、あの時のリョーコに対してはどう感じましたか?
内山:コミカルな展開が印象的ですが、リョーコさんは冒頭からずっとしっかり仕事をこなしているキャラクターなので、そのためにいろいろ頑張っているなと思いました。
「『ミルキー☆サブウェイ』は世界で戦えるCG作品だと思います」
──キャスト目線から見て、本作が話題になっている理由はどんなところにあると感じますか?
内山:一人の人がこれだけたくさんのことを担当している作品は、我々がキャストとして関わるような作品に限れば、中々ないと思います。亀山さんがクリエイターとして、本当に作品の隅々まで関わっている。その点は、かなり珍しいのではないでしょうか。
──亀山監督に対するクリエイターとしての印象を教えてください。
内山:とんでもなくすごい、の一言に尽きますよね。そして、コミュニケーションを大事にするタイプのクリエイターだと感じました。寡黙に作る職人タイプのクリエイターもいらっしゃいますが、亀山さんは「こうしたい」「こう作りたい」というビジョンがはっきりしていて、それをちゃんと共有してくれるんです。
日本のアニメファンの間ではCGに対していろいろなイメージ、意見があると思いますが、『ミルキー☆サブウェイ』は世界で戦えるCG作品だと思います。単純にすごいなと感じました。
──収録現場での監督とのやり取りで印象深かったことはありますか?
内山:監督はもちろん現場にいらっしゃっていましたが、長々とお話を聞くことはなかったですね。現場には技術的な部分を担当されている方もいて、その方から録り方やその手順の調整を色々としていただいていた印象です。
──劇場版の見どころを教えてください。
内山:やはり新要素が気になりますよね。もともとは短い尺のシリーズ作品でしたが、映画として再構成されて、新しい映像も加わっています。まとまって観ることで感じられる良さもありますし、劇場環境で観ることで音や絵の印象が変わる部分もあると思います。
新キャラクターも登場しますので、どんな人物なのか、どんなエピソードが追加されているのかも注目していただきたいです。
──最後に、劇場版を楽しみにしているファンの方へメッセージをお願いします。
内山:シリーズをまったく知らない方が初めて観る作品としても、なんの問題もなく楽しめる作りになっています。作品のファンの方はもちろん、まだ作品を1ミリも知らない方にも、まずは劇場に足を運んでいただけたら嬉しいです。
[取材・文:柴山夕日]
作品情報
あらすじ
同じタイミングで警察に捕まった、強化人間のアカネとカナタ、サイボーグのカートとマックスらクセのあるコンビを集め、警察官・リョーコが全員に課したのは、奉仕活動として惑星間走行列車・通称”ミルキー☆サブウェイ”の清掃をすること。
簡単な任務だったはずが、突如暴走し始める”ミルキー☆サブウェイ”!
車内で慌てふためくメンバーたち。リョーコも同僚のアサミとともに解決に向けてあれこれするが、やがて一行は大事件に巻き込まれていくことに......!
キャスト
(C)亀山陽平/タイタン工業
































