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- 万木サエ
- 旅行、グルメ、テーマパーク系のライターを経て、アニメのジャンルへ出向。ネコとハワイと『バクテン‼︎』が大好き☆

シリーズ累計150万部超えの大ヒットBL、月刊マガジンビーボーイ連載の楢島さち先生が描く「コスメティック・プレイラバー」。糖度高めの純愛・お仕事ラブストーリーが、2月に発売される10巻をもってついに完結を迎えます。
2024年に実写ドラマ化され、2026年1月からシーズン2の放送もスタート。最近では連日のように主演の2人の仲睦まじい様子がSNSにアップされ、ファンの間で悶絶が止まらない今大注目の作品です。
仕事が大好きで真面目な先輩・間宮棗と、器用でなんでもできるのにどこかやる気のない後輩・佐橋斗真の二人が、仕事に向き合いながらお互いの気持ちを深めていく、ビューティーアドバイザー(通称BA)の仕事をテーマにした作品。読んでいると自分も「仕事を楽しもう!」と思わせてくれるストーリーが個人的には大好きなポイントです。
実写化で盛り上がる今、ぜひとも原作を読んでもらいたいと思い、見どころをご紹介させていただきます。
「ロミーフェリーク」でBAとして働く間宮棗と佐橋斗真は、W王子と呼ばれ、“ペア売り”をさせられていました。棗にも仕事に対してもナメた態度をとる斗真にイライラする棗でしたが、ある時ゲイであることがバレて脅され、無理やりセフレの関係に。
ムカついているのに放っておけない棗は、自分に話しがきたイベントの仕事を斗真に譲ります。能力を認めている、もっと上を目指してほしい、と斗真に伝える棗。その言葉は、本気になることを避けていた佐橋の覚醒スイッチを押したようで——。
「俺、棗さんに本気になっていいですか?」
母親がBAをやっていた影響で、自分も美容部員になりたいとこの仕事を目指す。お客様第一主義で、担当したお客様が購入したものやその時の会話などを「顧客メモ」として記録するほど真面目で仕事熱心。棗が困っていると自然と手を貸したくなる人柄で、人に好かれる天然人たらし。BAという仕事が大好き。
モデル時代にメイクに興味を持つ。大抵のことはこなせてしまう性質で、同性の先輩から妬み嫉みを抱かれることが多く、男が少ないことにメリットを感じてBAの仕事を選ぶ。NYでアパレルブランドを手掛ける父と、それを手伝う母と兄がいる。人に興味のなかった斗真が、棗に出会い、尊敬するようになる。
棗のいる東雲有楽町店に配属された斗真。同性の先輩は自分の足を引っ張るもの——斗真の中でそう根付いていたものが、棗との出会いで一変。
自分が今まで会ってきた人とは違い、人を陥れようという発想がなく心の底から自分を育てようとしている棗に疑心になりながらも、どこか信じたいと思っている斗真。セフレにまでなったのにそれでも「もっと上を目指してほしい」と言って仕事を譲ってきた棗のことを“手に入れたい”と思うように。
棗の代わりに行ったイベントで売り上げ1位をあげ、ご褒美が欲しいと言ってキスをし「棗さんに本気になっていいですか?」と告げた斗真。その後は仕事も真面目に取り組み、棗に対しても甘さを含んだ接し方へと変わります。
BAとして腕を上げ、センスも良く店舗の売り上げもトップ。料理をさせれば手際よく美味しいものをサッと作り、部屋もおしゃれ。元モデルの顔の良さで棗を見る眼差しは熱を帯び……。ツンとした態度だった斗真が見せ始めた柔らかい表情、そのギャップはずるい。(笑) 本領を発揮したスパダリ斗真にキュンとくるのは、棗だけではないはずです!
初めてのメンズの後輩が嬉しい棗は、自分へのナメた態度に腹を立てながらも、タッチアップの上手さや効率の良さなど斗真の技術を認め、もっと仕事に対して本気になれるようにと自分のところにきたイベントの仕事を譲ります。棗の言葉がスイッチを押し売り上げ1位を上げるほど頑張った斗真ですが、そんなことは全く気付いていない棗は、自分のことのように喜びます。
その後セフレとして棗で遊んでいた斗真の態度が激変。体を求めてくることもなくなり、今まで見せなかった表情で接してきたり、棗が大事で欲しいという男の顔を見せるようになった斗真。本来の良さも相まって棗の心はかき乱されるばかり。さらには棗の接客が疑われるようなクレームが起きてふさぎ込んでしまった時もずっと棗の隣にいて助けてくれるのです。
すでに斗真に絆されかけていた棗が、この瞬間に落ちるのは必然。斗真の言動に振り回される棗は可愛らしいですし、両想いになって初めて体を重ねたときの斗真は甘々でメロさが溢れていました。甘ったるい関係に慣れない棗が、斗真の顔を見るたびにドキっとするところも可愛くてたまりません。
棗はチーフに昇格し、斗真はメイクに特化した有楽町店に異動。棗は急遽決まった初めてのイベントに追われ、斗真はパリで研修があったりと忙しい日々を過ごす二人。なかなか会えずに心がすり減ってしまったとき、恋人にひと目会えるだけで安心し、頑張れることに気付き同棲を始めます。
お互い「すごい」と思われたいという思いを持ち影響しあって成長できる。恋人に「がんばれ」と言われるだけでパワーがもらえて頑張れる。恋人だけどライバルという二人の関係が素敵で、とても眩しく感じます。
その年の社内表彰で新人賞に選ばれた二人。この時の棗のスピーチを聞いたメンズの新人BAに「間宮さんみたいになれるように頑張ります」と声を掛けてもらえたことをきっかけに、棗にロミーで一番のBAになりたい、自分が悩んだり迷ったりしている誰かの力になれたら、という新しい目標ができます。
一方斗真は、ロミーのトップアーティストのエマ・ローレンに後継者にならないかと言われます。今まで仕事も本気でやりながら、棗のそばにいられることだけを考えて道を選んできた斗真は、悩んだ結果、棗のいる日本のロミーでトップアーティストになるという目標を定めます。
斗真にカッコよすぎる夢ができて喜ぶ棗でしたが、その夢への第一歩として斗真はパリにいるエマのところで最低2年間学ばなければならず、二人は遠距離になってしまうのです。
棗と離れるなんて考えられないと珍しく駄々をこねる斗真。棗ももちろん寂しくて不安な気持ちはあるものの、それ以上に斗真の夢を応援したい。自分の気持ちは微塵も顔に出さずに背中を押します。その時の棗の笑顔は、いつも斗真に支えてもらっているから今度は自分が支えるという思いで溢れていました。大好きな人と離れても上を目指す道を選ぶ。離れていても支え合う。そんな二人の生き方がカッコよく、「コスラバ」のいちばんの見どころだと思っています。
斗真の兄がNYに斗真を連れていこうとしたとき、「家や家族に興味がない」と言う斗真に、家族は大事と思っている棗は「家族との時間を作ってほしい」という思いをぶつけケンカをしてしまいます。自分にあって斗真にないものを持っているなら、いくらでもあげると思っている棗ですが、家族の時間はあげられないと心を痛めていると、棗だけいればいいと言う斗真。そんなの危ういと思いながらも斗真がそれでいいと言うなら、と気持ちを受け止め「俺がお前を幸せにしてやる」と約束します。
二人に迫る遠距離恋愛。物理的に離れたら自然と心の距離も離れてしまうのかと不安が過る棗は、“心の繋がり”があれば……と考えます。お互い安心できる、大丈夫って思える繋がり。それは棗にとって“結婚”なのかもしれないと思うようになり、口約束でいいから結婚したいと話すのです。斗真が帰ってきたその先の人生も一緒にいるという約束——。
ケンカをしても、壁が立ちはだかっても、それを乗り越えお互いが大事だと再確認する二人。いい年した男がする口約束の結婚……私はピュアで美しいなと感じました。幸せそうに笑い合う二人を見ていると、こちらまで幸せな気持ちになる。二人を応援したくなる印象的なエピソードです。
BLと一口に言ってもいろいろある中で、「コスラバ」はBL初心者でも読みやすい作品だと思います。攻と受の恋愛事情だけでなく、日常や家族のことも丁寧に描かれ、ストーリーがしっかりしていて読み応えもあります。
体を重ねるシーンを外しても物語として楽しめる。そこがドラマ化されシーズン2まで製作されるほどの人気の要因でもあると思います。そして何より「ハイスペックなイケメンの攻」と「無自覚に煽る可愛らしい受」っていいですよね!
シリーズが完結するということで少し淋しい気持ちもありますが、きっと最後まで幸せに満ち溢れた二人が見られるんだろうなと楽しみです。

アニメイトタイムズのお仕事のほか、旅行、グルメ、ウェディング、テーマパーク系のライターをしています。 旅行に行けなくなって、漫画やアニメにハマリ、今はもっといろんなジャンルを知るべく武者修行中! スポコンアニメを見て、一緒に泣いたり熱くなったりするのが最近のストレス発散方法。 ネコとハワイと『バクテン‼︎』が大好き☆
