
声優ユニット・SparQlewが贈る“日常からのちょっとした逃避行”を楽しめる音楽たち――4thミニアルバム『escape』リリースインタビュー
仲の良さが止まらない、SparQlewの関係性
──せっかくの機会なので、今お互いに褒め合ってもらってもよろしいでしょうか。
上村:堀江くんのいいところは、僕のあげた服をずっと着てくれていることですね。ここ1か月くらい、その服を着ている姿しか見ていない(笑)。
──それは上村さんと会う日に合わせて着ているってことですか?
堀江:いえ、会わない日もずっと着てますね。週5くらいで着てるので(笑)。生地感も良くて、すごく着やすい服なんですよ。保住さんからも服をいただいたことがあるんですけど、それは……。
保住:彼、服をもらうためだけに僕の家にまで来て、いっぱい持っていったんですよ(笑)。
吉永:流れで僕も瞬さんの褒めポイントを挙げると、紹介してくれる漫画が面白いところです。音楽もいろいろ教えてくれるんですけど、独特のセンスを感じるものが多くて、しかも情報が速いんですよね。最近教えてもらったものだと「住みにごり」という漫画がめちゃくちゃ面白くて。
保住:俺も読んだけど、あれ、面白いよね。
吉永:「キミはHappy」とは程遠いアンハッピーな物語です(笑)。
保住:あと瞬は家がめちゃめちゃ綺麗です。この間、遊びに行ったら、玄関で服を脱いでパジャマに着替えさせられて、素足で歩くのも禁止だからってスリッパと靴下を渡されて。俺、無菌室に来たのかなと思った(笑)。
堀江:うちに来た人には、最初に風呂にも入ってもらいますから(笑)。
──そんなに潔癖なんですか?
堀江:気づいたらそうなってました。前はそんなこともなくて、どちらかと言うと家も散らかっているタイプだったんですけど。多分その反動です。
保住:面白かったですけどね。めっちゃ綺麗なので、いつ泊まりに行っても大丈夫なはず。
堀江:ただ時間差で来ていただかないとダメです。一気に来ちゃうとお風呂に入ることができないので(笑)。
──保住さんの褒めポイントは?
吉永:料理を作るのがめっちゃ上手なんですよ。
保住:それは本当にそう(笑)。老後は小料理屋でも開こうかなと思っているくらいなので。
堀江:前に麻婆茄子を振る舞ってもらったことがあるんですけど、それがめちゃくちゃ美味しくて。久しく食べてないから、ひさしぶりに食べたい。
保住:いいよ、今度作ってあげる。
吉永:あとはパスタを作る時の乳化が上手いですね。
上村:肉を焼くのも上手だしね。
──料理の話ばかりですね(笑)。上村さんに対してはいかがですか?
保住:パンをくれるよね。
堀江:パンおじさんだから(笑)。
上村:パンを作るのが好きで、よくメンバーにも差し入れしてるんですよ。
堀江:話しているとたまに「今度、パン屋のレセプションパーティーにお呼ばれして行くんだ」みたいな話になって。パン業界の関係者の人しか行けないようなところにも出入りしているんですよね。
保住:メディア向けの発表会にまで足を運んでいて。(上村に向けて)一体何の人なの?(笑)。
上村:会場になぜか役者がひとりだけ混じっているっていうね(笑)。
堀江:新しくオープンするパン屋さんの情報とかも教えてくれるんですよ。
吉永:僕は祐翔さんの時間の過ごし方がすごいなと思っていて。イベントで地方に遠征した時に、よく朝早くに起きて一人で行動しているんですけど、この間は遠征先で早朝にジムに行ったらしくて。そんな人、初めて会いました(笑)。
上村:最近流行りのコンビニエンス的なジムだけどね。よく行きます。
──最後は吉永さんの褒めポイントをどうぞ。
保住:拓斗は……元気ですね(笑)。元気いっぱいで天真爛漫。
堀江:あと若い。
上村:でも最近は大人になりましたね。出会った当時はまだ18歳とかだったけど、ここ数年で一気に落ち着いた感じがあって。
吉永:(鼻をつまんで声色を変えながら)大人になりました。
──ミニアルバムの話に戻りまして、1曲目の「Heart Song」はポップで陽気なドライブソングです。
上村:イントロから車に乗り込むような音が入っていますし、歌ありラップありセリフありで、とにかく表情が豊かなところがいいですね。アルバムの中でも後半の方でレコーディングしたんですけど、歌い終わって改めて聴いたら、絶対に1曲目がいいなと思って、この並びにしました。
堀江:今回のアルバムの中で聴いていて一番楽しい気持ちになれる曲かも。途中で急に曲調が変わったりするので、聴いていて飽きないし、1曲を通して色んな面を見せてくれる曲だと思います。
──4人で「ちょっと乗ってかない?」とドライブに誘うセリフがいいですよね。まさにSparQlewとの“旅”がこれから始まることを感じさせます。
保住:一人、免許を持ってない人がいますけどね(笑)。
上村:堀江くんだけ「ちょっと乗せてくれない?」でよかったんじゃない?(笑)。
堀江:いやいや! それで助手席に座るの、すごくない?(笑)。
保住:音源では4人でセリフを言っているけど、ライブでは持ち回りで担当制にするのもいいかもね。セリフの内容を変えても面白いだろうし、いろいろ遊べるかも。ミニアルバムの“旅”というコンセプトがわかりやすい曲になりました。
“どうでもいいや”に寄り添うポップソング
──アルバムの2曲目は「キミはHappy」、3曲目は「Knock」と先行配信曲が続き、4曲目は後ろノリのゆったりしたグルーヴが心地いい休日ソング「SUNDAY」です。
上村:この曲は最後にレコーディングした曲で、他の5曲が揃った段階で、アルバム全体としてまとまりが出る曲が欲しいということで、(作詞・作曲・編曲を担当した)渡辺拓也さんと楽曲打ち合わせをして制作しました。ちょうどいい感じがしますよね。ゆるさとちょっと気怠い感じがあって。
保住:このアルバムの中で箸休めっぽい感じがあるよね。お洒落でグルーヴィーかつ力が抜けている感じだけど、前向きであるっていう。
吉永:この曲は覚えやすいと思うので、みんなと一緒に歌えたら嬉しいですね。
上村:どこかのパートをみんなだけに歌ってもらうのも良さそう!
──“旅”をテーマにした作品のなかに、こういった何もしない休日の曲があるのもいいですよね。
上村:旅行だからって予定を詰め詰めにしなくてもいいですもんね。ホテルでゆっくりする時間があってもいいじゃんっていう。僕らもそういう年になってきました(笑)。
──5曲目の「We'll be」は2025年のワンマンライブ『Kiramune Presents SparQlew LIVE 2025 “JACKPOT”』のアンコールで初披露した楽曲ですね。
上村:ライブの最後で皆さんに何かお届けしたくて制作した楽曲になります。ライブのリハーサル中に思いついて。
保住:なので本当に急ピッチで制作して、ライブの直前に完成したんですよ。
吉永:コール&レスポンスがあるのがいいですよね。
堀江:レコーディングした時、コーレスが複雑で言葉数も多いので、ライブでいきなり歌ってもみんな対応が難しいかもしれないなと思っていたんですけど、いざ披露したらみんな完璧に歌ってくれて。皆さん本当にすごいなと思いましたし、嬉しかったです。
保住:「ライブに来てくれた人に届ける定番的な曲にしたい」という思いで制作した曲なので、当初は今回のミニアルバムには収録しない選択もあったんですよ。ライブに行かないと聴けない曲があるとかっこいいなと思って(笑)。でも、せっかくなので出し惜しみなく収録することにしました。
──そして本作の締め括りとなる「Frontier」は晴れやかなロックナンバー。
保住:バンドサウンドでノレる曲が欲しいということで制作しました。とはいえ、少し落ち着いた感じの曲調でもあって。コンペで楽曲を集めた時に、もっと激しい曲もあったんですけど、こういう激しすぎない盛り上げ方もあるよねという話になって。あとは耳心地が良くてどこか懐かしさもあって、この曲にしました。
上村:懐かしさは大きいよね。世代的に僕たちの青春時代はバンド全盛期だったので、そのニュアンスが感じられるだけでエモくなるんですよね。なので歌っていて一番楽しかったかもしれない。文化祭みたいな気持ちになりました(笑)。
堀江:昔に観ていたスポーツ系のアニメのオープニングテーマ、みたいな感じもするよね。
吉永:この曲はライブでさらに輝く気がしていて。熱量で声がうわずったり、気持ちがこもりすぎて力んでしまうのも味になる曲だと思うので、ライブで披露できる日が楽しみです。
──以上、“旅”をテーマにしつつバラエティ豊かな曲が並ぶ作品になりましたが、皆さんとしてはどんな手応えを感じていますか?
保住:これは毎回言ってますが、僕らの作品は1つのジャンルではなくて曲ごとに色々な温度差があるので、「これって1アーティストの作品なのか?」と思えるくらいの内容になるんですよね。なので今回も色んなシーンに寄り添えると思いますし、何回リピートして聴いても飽きない、バランスの良い作品になったと思います。あとはライブの盛り上がりも気にしながら作ったので、今後のライブの定番を張れる6曲、どれがリード曲になってもおかしくない、主役級の楽曲が集まった作品になりました。
上村:また新しいSparQlewらしさが見えるアルバムになったと思いますし、今お話しをしながら、改めて『escape』というタイトルにして良かったなと思いました。“逃避行”という意味合いを込めていて、「別に逃げてもいいじゃん」っていう余白の部分を感じられるからこそ、ずっと聴いていられるアルバムになった気がしていて。全体としてまとまりがあるだけでなく、聴いた人それぞれの感じたものが乗っかる作品になったと思いますし、なおかつ聴く度にそれが重なっていく。保住くんが言ったように1曲1曲がメインを張れる曲という意味では、曲の力とラインナップがすごくいいと思いますし、「Knock」のちょっと尖った感じを含め面白いアルバムになりました。
──SparQlewとしては今後も色んな楽曲に挑戦していきたい思いがある?
吉永:そうですね。これまでいろんなジャンルの曲をやってきたなかで、今回のミニアルバムも完成度の高いものになったので、今後もSparQlewとして、どの部分をより押し出していくか、どんな楽曲を挑戦として捉えるかということを、みんなで道筋を決めてやっていければと思っています。どんどん新しいことをしたいので、楽曲に関しても新しい要素やジャンルを取り入れて、自分たちの色や方向性をさらに出していきたいですね。
堀江:僕もその意見に近くて。今までの楽曲はライブを意識したり、みんなで一体感を得られる曲が多かったですけど、例えばそこからひとつ外れて、もう少しアグレッシブだったりプログレッシブに攻めた楽曲があっても面白いと思うんですよ。そういった追求もできればと思います。
──堀江さんは昭和歌謡が好きというお話しなので、そういう曲調に取り組むのも面白そうですよね。
堀江:確かに。そういうのをやってもいいと思うんですよね。
上村:昭和歌謡、いいよね。
保住:各々がプロデュースする楽曲を1曲ずつ作るとかね。
吉永:それ、面白そう!
上村:『escape』を経て今後ライブをやるとなった時に、楽曲は相当揃っているので、十分なセトリが出来ると思うんですよね。だからこそ、今二人が言ったように、今後もっとコンセプトをガチガチに作り込んだ曲とか癖の強い曲を出しても、それはそれで面白がってもらえる気がします。
保住:1ジャンルに絞ってシングルを作るとかね。
上村:そうそう。これまでは多ジャンルな作品が多かったので、特定のジャンルに絞って狙い撃ちする感じの作品をやるのもいいかもね。
──余談ですが、昨年、Kiramuneに新ユニットのIXISが加入して、レーベル内に初めて後輩ができました。何か変わったことはありますか?
堀江:今のところ、特にはまだないかもしれません。
上村:もちろん個々人で面識のある人はいますけど、現状、まだ全員には会えていないので……なのでまだ後輩ができたという実感がないんですよね。
吉永:実は最近、IXISのメンバーのうち何人かと会う機会があったんですよ。でも、年上の人たちから「SparQlewさん」とか「SparQlew先輩」と呼ばれることに対して不思議な気持ちで(笑)。ただ、その時に皆さんが活動に対して熱量の高い会話を繰り広げているのを見て、表には出さないですけど「俺らも負けないよ?」みたいな気持ちが沸々と生まれたんです。それと同時に混ざれる面白さも感じたので、いつか一緒に何かできればいいなと思います。
保住:ジョイントライブとか面白そうだよね。僕らとしてはライブの頻度をもっと増やしていきたいなと思っています。お客さんの前で歌うことで見えてくるものもありますし、次の制作のきっかけにもなるので、より広く知ってもらえるように、SparQlewも変わらず活動できればと思います!
[文・北野創]
楽曲情報
【発売日】2026年2月4日
【価格】
豪華盤:5,500円(税込)
通常盤:2,750円(税込)
【収録内容】
≪CD≫
全6曲収録
「Knock」
「キミはHappy」(九大進学ゼミ CMテーマソング)
「We'll be」
他、新曲3曲収録
≪Blu-ray≫※豪華盤のみ
「Knock」MUSIC CLIP、Making of “Knock”、TRAILER収録















































