
声優ユニット・SparQlewが贈る“日常からのちょっとした逃避行”を楽しめる音楽たち――4thミニアルバム『escape』リリースインタビュー
上村祐翔、保住有哉、堀江瞬、吉永拓斗によるKiramuneレーベル所属の声優ユニット・SparQlew(スパークル)が、待望の4thミニアルバム『escape』をリリースした。“旅”をコンセプトに掲げた本作は、メンバーが「どれがリード曲になってもおかしくない」と語る通り、個性の際立ったバラエティ豊かな6曲が揃っている。アッパーなEDMサウンドで新境地を拓いたリード曲「Knock」や、ボカロP・ナノウ提供の「キミはHappy」など、聴き手を新しい景色へと連れ出す本作の制作背景について、メンバー4人にたっぷりと語ってもらった。
日常からの小さな逃避行──“旅”をコンセプトにした『escape』
──2024年12月にリリースした前作『Dear』以来、約1年ぶりのミニアルバム、どんなものを届けたいと思いましたか?
保住有哉さん(以下、保住):前作の『Dear』以降も音楽制作は絶えず進めていて、先行配信した「キミはHappy」や「Knock」と並行して次のアルバムはどんなものがいいかを話し合う中で、よりたくさんの人たちに届くものになれば、という思いで考えたコンセプトが“旅”。そこからメンバーみんなで話し合って『escape』というタイトルにしました。
上村祐翔さん(以下、上村):『Dear』は僕たちを身近に感じていただけるようなミニアルバムでしたが、今回の『escape』はそれとはまた別のアプローチとして、「僕たちと一緒に旅に出よう」みたいなイメージで考えていて。2025年は上半期からライブやイベントを含め活動が充実していたので、僕たちを見ていただける機会がたくさんあり、そのうえでまたみんなを違う場所に連れて行きたい、というイメージです。
堀江瞬さん(以下、堀江):完成した今、改めて収録曲を並べてみると、『escape』というタイトルにぴったりの曲が集まりました。『escape』という言葉には“逃げる”という意味がありますが、僕たちとしては、もっとフラットな“日常からのちょっとした逃避行”というラフなイメージでつけました。
吉永拓斗さん(以下、吉永):自分は個人的にポジティブなパワーを感じる曲と出会いたい気持ちがあったので、それが“旅”というテーマを通して、色んな表情で皆さんの日常を彩るような曲ができたかなと思います。
──皆さんの中にも“旅”をしたい気持ちがあったのでしょうか?
保住:色んなことから逃げたかったのかなあ(笑)。
上村:どこかに遠出したい気持ちは常にあるよね。
堀江:メンバー間でも一緒に旅行に行く計画が立ち上がったり、実際に行ったりもしているんですよ。
上村:今年(※取材は2025年に実施)は行けなかったけど、去年は4人で奈良に遊びに行って、シカにせんべいをあげたりしました。堀江くんはあげすぎてなかったっけ?
堀江:悲しい想いをするシカを生み出さないために、すべてのシカに平等にあげたかったので。
吉永:優しい(笑)。
──皆さんとても仲が良いんですね。
保住:そうなんですよ。
吉永:よく驚かれます(笑)。
上村:その意味ではメンバー同士で同じ景色を見てきたので、“旅”という意識は何かしらあったのかもしれないですね。それをファンの皆さんとも一緒に楽しみたいっていう。
──本作のリード曲にもあたる「Knock」は、これまでのSparQlewにはあまりなかったタイプのアグレッシブなナンバーですが、どんなイメージで制作を進めたのでしょうか。
保住:今までやったことのないジャンルの曲に挑戦したくて、最初は“アッパーレゲエ”を作ろうと話していたんですけど、コンペで楽曲を集めてやり取りを重ねていく中で僕らの中でこの曲が良いねと選んだEDMサウンドの楽曲になりました。ここまでアッパー系の曲は今までなかったですし、ライブで前のめりにパフォーマンスしてみんなで一緒に盛り上がれる曲が欲しかったんです。あとは、今までにはない雰囲気の楽曲でMVを撮影したいということでリード曲になりました。
上村:この曲に限らず、今回のミニアルバムは全体的にお客さんがコールやクラップなどで参加できる曲が多いです。「Knock」はその最たるもので、サビの盛り上がりを含めずっと音楽にノッていられる曲になったと思います。今までありそうでなかった曲だよね。
保住:スンとなるようなところがなくて。その意味では、このアルバムはライブ想定で作った曲が多いかもしれないですね。
堀江:ただ、サビの音がめちゃくちゃ高いのでレコーディングは大変でしたね。
吉永:MVの撮影も、アーティスト写真とジャケット写真の撮影と並行して行ったので、結構ヘトヘトになってしまって。もしこの曲がしっとり系だったら寝ていたかもしれない(笑)。でもEDMだったからこそパワーを湧き起こされる感じがあって、撮影も頑張ることができました。車にも乗ったりして、パリピなSparQlewって感じです。
堀江:あの車が結構高いらしくて。僕は車の中に入って、座席に足をかけたりするポージングを担当したんですけど、アテンドしてくれたスタッフさんに「この車、絶対に傷つけないようにしてください……!」って口酸っぱく言われました(笑)。
保住:(堀江は)車の免許を持ってないからか、車の扱いに対しての信頼がない(笑)。
堀江:あ、そういうことか(笑)。
上村:ゴンドラみたいな足組みを使って、上からとか下からとか、色んな角度から撮影してもらって面白かったですね。ドラマ仕立てになっているシーンは、僕が歩いてきてドアをノックするところから始まるんですけど、監督がかなり細かく演出をしてくださって。あのノックは「葛藤を打ち破る」というイメージがあったらしく、監督から「叫んでもらっていいですか?」と言われたので、朝一番から扉を叩きながら「ウワーッ!」って本域で叫びました(笑)。
堀江:今までのMVにない感じの撮り方だったよね。ソロシーンをメンバーそれぞれ撮っていたので監督から言われたことを自分の頭の中であまり想像することができなくて。結局終わりまで「これはどういう映像になるんだろう?」と思っていたんですけど、完成したMVを観たら「あれはこういうことだったんだ!」って世界が繋がりました。
ストリート感が光るビジュアルとスタイリング
──スタイリング的にもストリート感があって新鮮でした。それぞれアピールポイントを教えてもらえますか?
保住:僕は短パンですね。なぜか短パンで記者会見の壇上に立つっていう(笑)。
堀江:前回のキラフェス(Kiramune Music Festival 2025)の時から、短パンキャラが定着しているよね。
──短パンが好きなんですか?
保住:いや、特にそういうわけでもないんですけど(笑)。
堀江:足がツルツルで綺麗だから、出させたくなる足をしているんですよ(笑)。
上村:それで言うと、僕は前回の「コースター」のMVからベストっぽい服を着ていて。今回もベストにロングTシャツを合わせているんですけど、そのロンTの袖口がハートの模様になっているんです。硬さの中に甘さもあるのがお気に入りポイントです。
堀江:僕はレオパード柄と髪の色が近いので、その親和性ですかね。
吉永:この時期、珍しい髪色してましたよね。
堀江:友達とかに会うと「全然似合ってない」って言われて。でも、確かに今思うとオレンジはちょっと違ったかもしれない。
保住:いやいや、似合ってたよ!
上村:この衣装には合ってるんじゃない?
堀江:確かに。こういうストリート系には合ってましたね。
吉永:僕は……結構古着っぽい感じだったと思います。
保住:それはただの感想じゃん(笑)。
吉永:でもカモフラージュっぽいパンツはお気に入りです。無理やりひねり出したみたいな感じになっちゃいましたけど(笑)。
──ありがとうございます(笑)。もうひとつの先行配信曲「キミはHappy」はボカロPでもあるナノウさんが提供。ご一緒するのは「今日も世界の片隅で」(2024年)に続いて2度目ですが、どんな楽曲になりましたか?
保住:同じフレーズが繰り返し続くので耳残りが良くて覚えやすいですし、コール&レスポンスできるパートや振り付けもあるので、トラックの雰囲気も含めて全体的にキャッチーな曲になりました。色んな方たちに好きになってもらえそうな曲だと思います。
堀江:ナノウさんからいただいたデモを聴いて僕たちの意見を出し合って相談しながら作りました。僕らもどんな形にして欲しいのか、言語化するのが難しかったのもあり、イメージのすり合わせの部分で苦労をおかけしてしまったのですが、ナノウさんがそれをしっかり形にして仕上げてくださいました。
──どんな部分を調整してもらったのですか?
吉永:最初にいただいた音源はもっとバンドサウンドの要素が強かったので、もう少し打ち込みを使ったポップな音使いにしてみたい、という相談をしました。
保住:幅広い方たちに聴いてもらえるような曲調が理想としてあって。音をもう少し明るくしていただきつつ、歌詞の面で調和を保ってもらって、絶妙なバランス感をナノウさんとやり取りしながら積み上げていきました。
上村:その甲斐もあって、学生や社会人を問わず、色んな人たちに聴いてもらえる曲になったと思います。この曲は学習塾・九大進学ゼミさんのCMテーマソングで、実際に受験生を応援する曲としても聴いてもらえると思いますし、歌詞にある“「どうでもいいや」”っていう、ちょっと諦めたくなるような気持ちは学生に限らずどんなタイミングでもあると思うんです。そんな気持ちに楽しく寄り添える曲になったので、こだわって一緒に作ることができて良かったです。
──プラスしてこの曲は、お互いのことを“キミはHappy”と素直に褒め合う素晴らしさが描かれていますが、皆さんはお互いを褒め合うことはありますか?
保住:もちろん。常に褒め合っていますよ。
堀江:そ、そうですね。
保住:いやいや、その反応はどういうこと?(笑)。
上村:僕は、この間のリーディングライブで拓斗が頑張っていたので、それを手放しで褒めている期間です。
保住:逆に褒めない期間もあるんだ(笑)。
吉永:その褒め期間、終わってほしくねー!(笑)。祐翔さんはお芝居のことに関しても忖度なしに的確なアドバイスをくださるんですよ。いつもありがとうございます。
上村:拓斗とは同じ事務所(劇団ひまわり)の先輩・後輩でもあるので。














































