
「熱」と「冷静」の狭間が映し出す複雑な関係性――TVアニメ『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」連載インタビュー第10回:秤 金次役・中井和哉さん×星綺羅羅役・榊原優希さん
「星 綺羅羅 CV. 榊原優希」に混乱!?
ーーこれまでの登場人物とはかなり毛色が違う秤と綺羅羅。キャスト発表時の反響はいかがでしたか?
榊原:原作を読んでいると、みなさんそれぞれ脳内の声のイメージがあるじゃないですか。特に綺羅羅さんに関しては、「男性が演じるのか、女性が演じるのか」という部分で、色々な考え方ができるキャラクターだと思っていました。ただ、発表されたときに「榊原優希」という名前を見て、「女性声優さんかな?」って思った方もいたみたいで……(笑)。
ーーそうだったんですね。
榊原:そういうふうに、混乱してくださってる方もいらっしゃって。
中井:「混乱してくださって」(笑)。
榊原:(笑)。恐らく『呪術廻戦』の世界の中で、綺羅羅さんを初めて知った人たちも、同じように混乱したんだろうなって。「榊原優希」という名前を見てもなお混乱している人がいて、改めて綺羅羅さんを演じられて良かったと思いました。
中井:僕はSNSを一切やっていないのですが、ジャンプフェスタのスーパーステージで発表された際に、集英社の方が「会場、湧いてましたよ」と教えてくれたんです。「ああ、それなら大丈夫か」と安心しました。
ーー秤に関しては、序盤から言及されていたこともあり、登場を待っていたファンも多いと思います。
中井:プレッシャーといえばプレッシャーなんですけど、「そんなに期待されても……」という気持ちもあります(笑)。今のところは、比較的好意的に受け止めていただいているようで、非常にホッとしています。ありがたい限りですし、あとは頑張るだけだなと。
秤と綺羅羅、ふたりの世界
ーー秤と綺羅羅について、どのようなイメージを持ってお芝居に臨まれたのでしょうか?
中井:本人も言っていますけど、人生においての一か八かの局面みたいなものが好きというか、そこで「生きている」と実感するタイプの人なんだろうなと。
僕自身はできるだけ穏やかに生きたいタイプなので……(笑)、ある意味で真逆の人間なんですよね。だから、僕からすると「怖いな」「あんまり近寄りたくないな」と思うタイプの象徴みたいな存在でもあって。
ーー別世界の人と言いますか。
中井:だからこそ、その考え方の一端に触れてみると面白いんです。だって、誰しも「ここで人生変えてやろう」みたいな瞬間が全くない訳じゃない。近づいてみると「少し分かるな」と思える部分もありました。そういう意味で、危うさも含めて、惹かれる人がいるのも分かります。
榊原:最初に綺羅羅さんを知った時は、やっぱり見た目から入って、率直に「可愛いな」と思いました。一方で、言動を冷静に見ていくと、実はかなりクールに状況を把握している人でもあって。戦いの最中に「ということは、つまり……」みたいなことを常に考えている。
それと同時に「状況を冷静に見られる子が熱に浮かされて、秤の側にいるんだな」と思うと、すごく説得力を感じたんです。ふたりの関係性って、やっぱり深いものがあるんだなって。綺羅羅さん自身の内面と同じくらい、「秤への思い」や「秤がどういう人間なのか」という要素が、彼を形作るうえですごく大切でした。
ーー綺羅羅を演じるうえでは、秤とセットで考える必要があった。
榊原:そうなんですよね。冷静だからこそ、自分の世界を打ち破った存在=秤に強く惹かれているんだろうなという背景が見えた気はします。そのうえで、「金ちゃんが好き!」という純粋な気持ちも大切にしたくて。
ーーそんな中で、ふたりの関係性をどのように演じられたのでしょうか?
中井:あまり深く考えず、感じたままにやろうと思いました。ふたりの登場シーンは、かなりの“接近戦”じゃないですか。あれだけ見ると「悪い男が連れている女の子」みたいな距離感に見えるので、そこはナチュラルに演じたいなと。
ただ、その後は「秤が綺羅羅をあてにしている」ことが少しずつ分かってきます。自分以外は信用しなさそうな秤が、電話一つで緊急事態だと察する。その時点で「ただ近くに可愛い子を置いている」という関係性ではないですよね。
榊原:そうなんです。このインタビューを読んでくださっている皆さん、綺羅羅さんはただの取り巻きではありません(笑)。
中井:(笑)。僕自身は場面や状況に反応して、感じるままにお芝居をしたいと思っています。そういう意味で、皆さんに色々と考えていただく方が面白いだろうなと。

















































