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- 五六七八千代
- 徳島出身のフリーライター&歌人。現在は、特撮、アニメ、DOMOTOが生きがい。

単なるバトルものでは終わらない深みを与えているのが、吠と仲間たちが抱える「願い」の対比です。
指輪争奪戦に参加するゴジュウジャーのメンバーは、それぞれに譲れない願いを持っています。再起を懸けた野望、家族への想い、自分の存在を証明するための夢。それらは単なる欲望ではなく、彼らのアイデンティティそのものと言えます。
しかし、主人公の吠だけは違います。幼少期のトラウマによって「願うこと」を禁じ、心を閉ざして生きてきた彼には、叶えたい夢も、信頼できる仲間もありません。何も望まず、誰にも頼らない。吠は、どこか空虚さを抱えたまま生きている青年でした。
そんな彼が、クセの強い仲間たちとぶつかり合い、ときに背中を預けながら、仲間という存在を受け入れていく。その成長の物語こそが、『ゴジュウジャー』の物語の核だったのではないでしょうか。そして、その積み重ねの先に描かれた最終回は、まさに圧巻でした。
指輪争奪戦の果て、望まぬ勝利によってたった独り残された吠。そんな彼がテガソードに放った願いは、「バトルのやり直し」という驚きの決断でした。
そして、仲間を呼び戻し、再び激戦を勝ち抜いて「真のナンバーワン」となった彼が、最後に求めたもの。それは地位や名誉ではなく、「山盛りのフランクフルト」だったのです。
かつて何も望まなかった青年が辿り着いたのは、「山盛りのご馳走を仲間と分け合って笑う」という、あまりにもささやかな願い。命を懸けて戦ってきた敵幹部・ファイヤキャンドルさえも受け入れ、ゴジュウジャーの仲間たちとフランクフルトを囲むラストシーンには、大きな願いを叶えること以上に、「その先の日常を誰と生きるのか」という答えだったのかもしれません。
1年間の旅路の果てにたどり着いたその結論は、あまりにもシンプルで温かいものでした。
“個”の力を前面に押し出し、それぞれが“ナンバーワン”を目指して走る『ゴジュウジャー』。一方で、“個”を大切にしながらも、1つのチームとして強く結ばれている『ブンブンジャー』。色が異なる2つの戦隊が出会うとき、どんな化学反応が起こるのか。想像するだけでドキドキです!
さらに、歴代戦士の登場も告知されています。明石暁/ボウケンレッド、キャプテン・マーベラス/ゴーカイレッド、風切大和/ジュウオウイーグル。それぞれの時代を支え、駆け抜けてきたヒーローたちが、どんな言葉をかけ、どんな背中を見せてくれるのでしょうか。
頂点を目指してぶつかり合ってきた者たちと、チームとして走り続けた者たち。その出会いは、きっとただの共闘では終わりません。この春、ナンバーワンに楽しめる『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVSブンブンジャー』をお見逃しなく!
[文/五六七 八千代]
