
彼女にとっての“大好き”が重なる──「このすべてが、金目さんの心を揺らしたんだろうなって」TVアニメ『綺麗にしてもらえますか。』金目綿花奈役・鈴代紗弓さん最終回インタビュー
2026年3月に最終回の放送を迎えるTVアニメ『綺麗にしてもらえますか。』(以下『きにして』)。熱海の街で「キンメクリーニング」を営む金目綿花奈の日常は、少しずつ心を洗い上げていくように、多くの視聴者の日々を柔らかく照らしてきました。
アニメイトタイムズでは、アニメ『きにして』をさらに楽しむためのインタビューを実施。金目綿花奈役・鈴代紗弓さんに、アフレコ現場の空気感や作品づくりの思い出などを、改めてたっぷりとお話を伺いました。
朗らかな思い出の中に見える、ふと涙がこぼれそうになる瞬間。鈴代さんの言葉とともに『きにして』がくれた優しい時間を振り返ります。
「心のシミ抜きですね」
──最終回を迎えた今、TVアニメ『綺麗にしてもらえますか。』とともに歩んだ日々の振り返りをお願いいたします。
金目綿花奈役・鈴代紗弓さん(以下、鈴代):『きにして』のアフレコをしていた時期は、普段よりも少しだけせわしない時期でした。そんな状況も相まって、なんだか急いてしまう気持ちもありながら現場に向かうことも多かったんです。
でも、いざ現場に行ってみると大西(健太)監督をはじめとしたスタッフのみなさんが本当に温かく、笑顔で迎えてくださって。第1話のアフレコはさすがに緊張していましたが、以降は良い意味でお仕事すぎないといいますか。「熱海の街に日常を過ごしに行こう」ぐらいの気持ちでいられるほど、アフレコブース内がほんわかしていたんです。
なので張り詰めていた気持ちが落ち着くといいますか、心も綺麗にしてもらえるような空気感の中で収録をさせていただきました。
──作品の空気感をそのまま持ってきたような現場だったのですね。豪華キャスト陣による掛け合いも印象的でした。
鈴代:まさか水田(わさび)さんや小清水(亜美)さんと掛け合いさせていただけるなんて! ゲストキャラのキャストさんも豪華で、先輩方がこれまで培われてきたものを、休憩中などにお話ししてくださったんです。何よりみなさんがお芝居されている背中を直に見ることができたのもとても嬉しくて。その上で、同世代ぐらいの方々とも掛け合いをさせていただけたことも、本当に楽しかったなと思います。
私自身としては、前回のインタビューでもお話しさせていただきましたが、最初は金目さんの声やお芝居感がいまいち想像しきれていない部分があって。原作などからさらに深く掘り下げていったのですが、第1話の収録でスタッフさんから「金目さんの声が想像できていなかったけれど、鈴代さんの声を聞いてそうだと思った」という言葉をいただいて。
また、自分も実際に演じ、掛け合ってみて、一人で練習している時の想像と違うような感情の乗り方をしたときもありました。そんなときに「金目さんってこういう思考回路だったんだ」と掴めたような気がしたり。徐々に私の中の金目さん像が深まっていったのですが、それは本当にキャストのみなさんのお芝居に乗せていただいたところもあったと思います。
──アフレコから一歩踏み込んで、アニメ制作についての思い出はありますか?
鈴代:一度ダビング収録の瞬間も見学させていただいたことがあったのですが、スタッフブースでの「ここはもっとこうしよう」「音はもう少しズラそう」という会話から、作品にかけるこだわりや熱量を肌で感じました。
また、ティザーPVでは「主演 鈴代紗弓」というムービーを作ってくださいました。これまでも何度かメイン・主役のキャラクターを演じさせていただく機会はあったのですが、あのように「主演」という言葉を直に背負うのははじめてだったんです。改めて「主演」に意気込んだことを覚えています。あのPVからも「この作品は金目さんを中心に動いていくんだ」と強く再認識しましたし、より頑張ろうという気持ちになりました。
──そうして形作られたTVアニメ『きにして』の魅力を今一度教えてください。
鈴代:漫画でも素敵だった熱海の景色が彩られることで、実際に熱海に行きたくなるのはもちろん、見ていると突然時間の流れがゆっくり感じられるような気がするぐらい綺麗でした。オンエアを見ていて思ったのですが、ゆっくりなのにあっという間なんですよね(笑)。あの毎週の30分を毎回楽しみに見ていました。
また放送の曜日も月曜なのが良いんですよね! また一週間頑張ろうという気持ちにもなるし、自分のペースでいいんだと思えるような癒されポイントもあって。心が洗われるようなシーンがたくさんあったので、この期間の月曜日はいつもより明るく過ごせたかなと思います。
──完成映像をご覧になっていかがでしたか?
鈴代:本当に毎回感動していました。まず、キャラクターの動き方や表情のつけ方が本当に素敵で、動きや所作の一つひとつが丁寧だなと。『きにして』ではクリーニングをしている最中の描写も出てきますが、毎日やっているからこその手慣れ感がありつつも、そつなくこなしていく流れがテンポよく描かれていて。漫画とはまた違った、アニメの良さがあるなと思って見ていました。
舞台である熱海の街もリアルに描かれていますが、リアルかつ色彩がしっかり出ているイメージもあって。でもこれはあえてだろうなと思うんです。
──というと?
鈴代:熱海に行くとゆっくりとした流れで落ち着く気持ちもありながら、楽しいワクワクする空気感も広がっています。彩りをより鮮やかにしてくださっていることで、そんな明るい気持ちを擬似的に体験できるんですよね。天気など、日常だからこそ見ることができる時間の移り変わりなどもシーンごとに違いがあって、これは金目さんの日々なんだとわかるような気がして素敵でした。
あと、感動したのがシワや汚れの描写です。特に矢柄(麻未)さんの墨汁シミのシーン! よく見てみると「これか!」とわかるぐらいの薄いシミですが、あの微妙な汚れをアニメで表現されるとは……。「シミがちょっと残っちゃったときって、本当にこんな感じだよな……」って思っていました(笑)。
──最終回の見どころを教えてください。
鈴代:第12話は、記憶がない金目さんを救ってくれた存在でもある安治さんにスポットライトが当たります。安治さんとの掛け合いが見どころですし、恐れ多くも大変光栄なアフレコでした。これまでの日常の柔らかい雰囲気とは違った、日常だからこそ起きる楽しいだけじゃない部分も出てきます。でも最後は『綺麗にしてもらえますか。』らしい温かい終わり方なので、是非最後まで注目していただけたらなと思います。大団円的に、様々なキャラクターが出てきてくれたりもする、かも……?
全話通して、本当に……見ているとふと涙が出てくるような。染みるんですよね。シミができたら、綺麗にしなきゃいけないんですけど(笑)。
──(笑)。おっしゃったとおり、この作品が月曜日の活力になっていた方も多くいらっしゃるのではないかと思います。
鈴代:「こんなリフレッシュしたいなぁ、そのためにも頑張ろう」「みんな頑張ってるな、頑張ろう」のような気持ちになるんですよね。インパクトあるバトルものではないのに、同じぐらいの力をもらえるといいますか、不思議なエネルギーがある作品だと思います。心のシミ抜きですね。
































