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『葬送のフリーレン』第38話「美しい景色」振り返り

故郷への想いと受け継がれる人の想いが描かれた第2期がついに終幕──2026年冬アニメ『葬送のフリーレン』第38話(第2期10話)「美しい景色」を振り返ろう! 2027年10月放送の第3期【黄金郷編】の見どころもご紹介します。

小学館の少年漫画誌「週刊少年サンデー」にて連載中の漫画『葬送のフリーレン』(原作原案:山田鐘人/作画:アベツカサ)。勇者が魔王を倒した後の世界を描いた独創的な世界観を舞台にした人気のファンタジーです。

2023年にファン待望のアニメ第1期が2クールにわたって放送され、物語はもちろん、映画さながらの美しい作画や音楽も大きな話題に。そんな本作の第2期が3月27日に最終回を迎えました。

本稿では、第38話(第2期10話)「美しい景色」の注目シーンやファンが盛り上がった話題の場面をSNSに寄せられたファンの声とともにその内容を振り返っていきます。

※本稿には第38話のネタバレ要素が含まれます。

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葬送のフリーレン 第2期
勇者ヒンメル一行によって魔王が倒された世界。ヒンメルらと共に平和をもたらした千年以上生きるエルフの魔法使い・フリーレンは、寿命を迎えたヒンメルの死を受けての涙とその想いから、“人の心を知る旅”に出る。道中に出会った、かつての仲間ハイターに育てられた魔法使いフェルン、同じく仲間のアイゼンの弟子である戦士シュタルクと共に、魂の眠る地《オレオール》を目指すフリーレン。旅の中で出会う人々との交流、狡猾な魔族や魔物との戦い。時に穏やかに、時にくだらなく、時に激しく、時に胸に迫る…。その全てが、その一瞬一瞬が、3人のかけがえのないものとして積み重ねられていく。この旅の先に待っているものは、果たして――――。作品名葬送のフリーレン第2期放送形態TVアニメシリーズ葬送のフリーレンスケジュール2026年1月16日(金)~2026年3月27日(金)日本テレビ系にて話数全10話キャストフリーレン:種﨑敦美フェルン:市ノ瀬加那シュタルク:小林千晃ヒンメル:岡本信彦ハイター:東地宏樹アイゼン:上田燿司ゲナウ:新垣樽助メトーデ:上田麗奈レヴォルテ:三木眞一郎スタッフ原作:山田鐘人・アベツカサ(小学館「週刊少年サンデー」連載中)監督:北川朋哉副監督:原科大樹監督...

ゲーエンの橋が繋ぐ岸と岸、過去と今、人と人

最終回の本話でもフリーレン一行の旅が2つの物語で描かれましたが、前後半どちらのストーリーも故郷を想う人の姿や時を超えて繋がる人と人の想いが感じられるものでした。

まず、前半パートで登場したのは、大陸で一番深い渓谷に200年かけて橋を造ったドワーフ・ゲーエン。ゲーエンは自分の村を魔族に襲われ、渓谷を渡る橋がなかったために対岸の都市に駐屯していた軍が助けに来れず、村を滅ぼされてしまった過去を持っています。その悔しさから橋の建設を始めたのです。

しかし、建設資金が底を尽きて途方に暮れていたところ、ヒンメル一行と出会いを果たしました。彼の話を聞いたヒンメルは、貴族からの依頼で得た報酬の大金を「対価はこの橋を架けること、そのとき自分が寿命で死んでいたとしてもフリーレンが受け取る」とゲーエンに差し出したのです。

ゲーエンは約束通り丈夫で立派な橋を完成させ、フリーレン一行もその地を訪れたものの、ひとつ問題が発生していました。大型の鳥の魔物が近くに大きな巣を作り、橋を渡ろうとする者を強風で吹き飛ばしてしまうようになっていたのです。

ゲーエンは“パンケーキを上手にひっくり返す魔法”を報酬として提示し、魔物討伐をフリーレンたちに依頼しました。甘い物好きのフェルンが静かに喜んでいたのがかわいかったですね。

巣までの道は険しく、魔物の群れはかなりの数だったものの、神技のレヴォルテや竜の群れを倒してきたフリーレン一行には造作もない相手。難なく依頼を遂行しました。

その後、橋を架けるという人生の目的を果たしたゲーエンに「これからどうするつもりなの?」とフリーレンが訊ねると彼は「村でゆっくり老後を過ごすさ」と。

村は無くなったとばかり思っていたため、呆気に取られるフリーレンに「200年もあればまた新しく村もできる」とゲーエンは続けます。故郷でこそありませんが、ゲーエンにとって大切に思える村がまたできていたのです。

「対価はフリーレンが受け取るっていう台詞が良すぎる」「粋で格好良いドワーフだなゲーエン」「交通インフラの重要性がフリーレンの寿命の長さでわかりやすくなってるのがいい」「ヒンメルはいつも自分の人生のその先を見てるよね」など視聴者からは様々な感想が寄せられています。

個人的に印象に残ったのは、建設資金を受け取った後のゲーエンが橋を建設する様子を描いたシーン。ヒンメルとの出会いから計算すると80年ほどの年月になるでしょうか。

初めはたった一人で作業をしていたのが、通りすがりの冒険者と思われる人々が加勢に加わり、交流が生まれている場面はとても温かな気持ちになりました。もしかしたらこの時に出会った中の誰かの子孫が、今の村の住人になっているのかもしれませんよね。

もしまた魔族が襲ってくるようなことがあっても、あの橋があればきっと大丈夫。ゲーエンはこの村の、そしてこの地を訪れる人々にとって英雄ともいえる存在だと思います。

かつての仲間と今の仲間──重なる旅路に感動

今期を締めくくる後半パートは、フリーレン一行が高価な鉱物・聖雪結晶の取れる雪原で鉱脈に巣くう魔物の討伐と対人結界の設置を依頼されるという物語。冒頭で路銀を浪費して叱られるしょんぼりフリーレンと頬を膨らませて怒るフェルンのシーンに癒された方もきっと多いことでしょう。

小さく座り込むフリーレンの後ろに並べられた無数の魔道具と魔導書に笑ってしまいました。そりゃこんなに買ったら路銀もなくなるわけです。

討伐対象の魔物はかなり大型の狼のような見た目。スピードもパワーも魔力察知能力も備えており、歴戦を潜り抜けてきたフリーレン一行でも一筋縄ではいきません。

しかし、シュタルクが引きつけ、フリーレンが動きを制限し、最後はフェルンの超遠距離射撃でトドメを刺し、討伐完了。最終回を飾る戦闘シーンに「3人で戦い慣れしてるのを感じた」「パーティとして成長してるよね」「フェルンの長距離射撃、あんな出力で出せるの!?」「戦闘シーン格好良くて何回も見ちゃった」など見応えある戦闘シーンに視聴者は釘付けに。

また、魔物の咆哮を受けた際に「フェルンとシュタルクは目閉じちゃってるけどフリーレンだけ開けてて強さを感じる」と細かい描写に気付く視聴者も。魔王との戦闘経験がある彼女は大型魔物に吠えられた程度では怯まないのだと感じました。

魔物を討伐したフリーレン一行はそのまま野営し、翌朝、鉱脈に結界を張ることに。朝日に照らされた聖雪結晶の鉱脈はこれ以上ないほど美しく、その光景を前にフリーレンはかつてヒンメルたちとここを訪れた時のことを思い返します。

その際、フリーレンの瞳とヒンメルの瞳を介してシーンが切り替わる演出となっており、80年前にヒンメルも同じ光景を目にしていたことが表現されていました。最終回で改めて昔の旅と同じ旅路を辿っていることが感じられ、聖雪結晶の美しい作画も相まってその感動はひとしお。

しかし、そんな美しい景色も人の手によって切り崩される運命。そう思っていたフリーレンでしたが、依頼者は採掘するためではなく、景観保存を目的として対人結界を依頼したことが明らかに。

依頼者はこの地方出身で、故郷の美しい景色を守りたかったのです。故郷への想いが感じられる本作らしいストーリーで第2期は幕を下ろしました。

第2期の主題は「故郷を守ること」と「受け継がれる人の想い」

最終話のストーリーを経て感じるのは、今期のテーマが「故郷を守ること」と「受け継がれる人の想い」だったのだということ。

思い返すと、今期では多くのキャラクター達が故郷を守るために行動する姿が描かれていました。

ヴィアベルは自身の故郷である北の果てを守りたいためにシュタルクを勧誘していましたし、南の勇者は3人の七崩賢を倒したことで多くの人の故郷を守ったことでしょう。

ゲナウとメトーデが再登場した「神技のレヴォルテ編」でも、ゲナウの故郷への想いが丁寧に描かれており、多くの視聴者が彼の人柄に惹かれることとなりました。

第32話はタイトルそのものが「誰かの故郷」。自身の故郷を守りたくて勇者になったヒンメルが「誰かの故郷も守りたい」と語るシーンが印象に残っている方も多いはず。

そしてそんなヒンメルの想いはフリーレンに受け継がれており、今度は彼女がフェルンとシュタルクにその想いを伝えています。

最終話のラストで「故郷を守ること」について語り合う2人の姿や「フリーレン様ならそうするからですよ」というフェルンの台詞からは、ヒンメルの想いが確実に次世代に繋がっていることを感じられました。

また、これは個人的な考えなのですが、ヒンメルと出会う前のフリーレンであれば、きっと短命の人間に何かを教えたり伝えたりしようとは思わなかったのではないかと思うので、彼女もヒンメルと出会ってからの約80年ほどで大きく変化したのだと思います。

「世界に優しい風が吹いたら何か変わるのでしょうか」というOP主題歌「lulu.」の歌詞のように、ヒンメルの想いは人々を、ひいては世界を変え、これからもこの星の子孫たちに受け継がれていくのだと私は確信しています。

 

今回のアニメオリジナルは?

原作の世界観が忠実に再現されている本作ですが、アニメオリジナルのシーンも続々登場! ここからはアニメだけのカットをご紹介していきます。もちろん、下記のもの以外にも細かな部分で違うところやアニメだけの台詞もあるのでぜひ原作と見比べてみてくださいね。

鳥の魔物を射ち落とすフェルン

フリーレンに対して強風を起こす鳥の魔物をフェルンが射ち落とすシーンは原作にはありません。近距離とはいえ一撃で仕留めるフェルンが格好良かったです。

“パンケーキを上手にひっくり返す魔法”を喜ぶフェルン

ゲーエンから“パンケーキを上手にひっくり返す魔法”を提示されて目を見開いたり、依頼を受けるフリーレンを見て小さくガッツポーズするフェルンもアニメだけのもの。ほかほかのパンケーキを思いっきり頬張ってほしいですね。

橋を造るゲーエンの日々

橋を建設するゲーエンの姿は原作には描かれていません。“パンケーキを上手にひっくり返す魔法”で作ったと思われるとてもおいしそうなパンケーキが出てきていたのも素敵な演出でした。

魔物とのバトル

前後半パートそれぞれで描かれた魔物とのバトルは、原作では2コマでしか描かれておらず、戦闘の詳細はアニメだけで楽しむことができるものです。どちらも迫力があり、3人の連携が素晴らしかったですね。

狼の魔物の群れとノルム騎士団の援護

周辺一帯の主と思われる巨大な魔物を討伐した後、同類の魔物の群れに囲まれるシーンと、そこへノルム騎士団が援護に来るシーンはアニメオリジナルカットです。銀鉱を見つけてあげたことがこのような形で帰ってくるところも人の想いが巡っているように感じられました。

故郷について話すフェルンとシュタルク~ラストにかけてのシーン

依頼遂行後にフェルンとシュタルクが故郷について話すシーンはアニメ独自の演出。さらに、フリーレンが浪費しないよう旅の資金を半分隠したフェルンとそれを褒めるフリーレンもアニメオリジナル。胸がじんわりと温かくなり、最後にクスッと笑える最高のエンディングでしたね。

2027年10月より放送決定! 第3期【黄金郷編】の見どころは?

エンディングの後に登場したのは、一級魔法使いレルネンと精神魔法の使い手エーデル、そしてデンケン。さらに、今期のストーリーの中で時折話が出ていた「黄金郷」について明かされました。

デンケンは故郷を黄金に変えられており、それを救うために七崩賢のひとり「黄金郷のマハト」に立ち向かうと言います。レルネンいわくマハトは「最後にして最強の七崩賢」なのだとか。魔族らしからぬ紅茶をたしなむ姿が映し出されましたが、その佇まいと重厚な劇伴から只者ではないことがうかがえます。

デンケンの古くからの友人であるレルネンは、1人でマハトに立ち向かおうとする彼の身を案じ、フリーレン一行に彼を手伝ってほしいと個人的に依頼。しかし、マハトはフリーレンがこれまでの長い人生の中で負けたことのある11人の魔法使いの1人なのです。

見どころはそんなマハトにどう立ち向かうのかということだけでなく、意外なデンケンとマハトの関係、そこから深掘りされていくデンケンの人生や人柄も注目すべきポイント。さらに、マハト自身も人を殺して喰うばかりだったこれまでの魔族とは一線を画す思考の持ち主です。

他愛ない旅の日常と故郷への想いが描かれた第2期に対し、故郷への想いという部分は変わらぬまま壮大な物語が描かれる第3期。2027年10月からの放送を楽しみに待ちましょう!

作品情報

葬送のフリーレン 第2期
作品名 葬送のフリーレン 第2期
スケジュール 2026年1月16日(金)~2026年3月27日(金)
日本テレビ系にて
あらすじ 勇者ヒンメル一行によって魔王が倒された世界。ヒンメルらと共に平和をもたらした千年以上生きるエルフの魔法使い・フリーレンは、寿命を迎えたヒンメルの死を受けての涙とその想いから、“人の心を知る旅”に出る。道中に出会った、かつての仲間ハイターに育てられた魔法使いフェルン、同じく仲間のアイゼンの弟子である戦士シュタルクと共に、魂の眠る地《オレオール》を目指すフリーレン。旅の中で出会う人々との交流、狡猾な魔族や魔物との戦い。時に穏やかに、時にくだらなく、時に激しく、時に胸に迫る…。その全てが、その一瞬一瞬が、3人のかけがえのないものとして積み重ねられていく。この旅の先に待っているものは、果たして――――。
話数 全10話
キャスト フリーレン:種﨑敦美
フェルン:市ノ瀬加那
シュタルク:小林千晃
ヒンメル:岡本信彦
ハイター:東地宏樹
アイゼン:上田燿司
ゲナウ:新垣樽助
メトーデ:上田麗奈
レヴォルテ:三木眞一郎
スタッフ 原作:山田鐘人アベツカサ(小学館「週刊少年サンデー」連載中)
監督:北川朋哉
副監督:原科大樹
監督協力:斎藤圭一郎
シリーズ構成:鈴木智尋
キャラクターデザイン:高瀬丸 小嶋慶祐 藤中友里
コンセプトアート:吉岡誠子
デザインワークス:小橋弘侑 原野瑠奈 瀬口泉 原科大樹
美術監督:高木佐和子
美術設定:杉山晋史
色彩設計:大野春恵
3DCGディレクター:今垣佳奈
撮影監督:伏原あかね
編集:木村佳史子
音響監督:はたしょう二
音楽:Evan Call
アニメーション制作:マッドハウス
主題歌 OP:「lulu.」Mrs. GREEN APPLE
ED:「The Story of Us」milet
電子書籍 『葬送のフリーレン』電子書籍(コミック)

(C)山田鐘人アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。

この記事をかいた人

わたなべみきこ
出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。

担当記事

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