映画
『アギト—超能力戦争—』井上敏樹×白倉伸一郎インタビュー

「仮面ライダーアギト」が背負った“ヒーロー論”としての宿命とは――『アギト—超能力戦争—』井上敏樹さん×白倉伸一郎さんスペシャルインタビュー

仮面ライダー生誕55周年記念作品『アギト—超能力戦争—』が 2026年4月29日(水・祝)より全国公開されます。

今作は特撮史に残る金字塔「仮面ライダーアギト」の新作映画。人々が“超能力”に目覚め始める世界で、理解を超えた“不可能犯罪”を起こす者たちとの戦いが描かれます。鍵を握るのは、かつて「仮面ライダーになろうとする男」と称された氷川誠(演:要潤)。しかし、小沢澄子(演:藤田瞳子)率いるGユニットに彼の姿はなく……。

プロデューサー鼎談に引き続き、今回は脚本の井上敏樹さんとエグゼクティブプロデューサーを務める白倉伸一郎さんの対談をお届け。ヒーローとの距離が近づく時代に生まれた「仮面ライダーアギト」とは何だったのか? 25年の時を経て、その“真価”に迫ります。

関連記事
アギトー超能力戦争ー
半凍死、半焼死──相反する死が、一つの遺体に刻まれていた。それは、超能力を操る者たちの暴走が生んだ、誰も見たことのない“不可能犯罪”だった。警視庁未確認生命体対策特殊武装班=通称<Gユニット>が出動。若手隊員・葵るり子(ゆうちゃみ)は、最新鋭の特殊強化装甲服<G6>で超能力者たちに挑むが、その強大な力の前に撤退を余儀なくされる。Gユニット管理官・小沢澄子(藤田瞳子)は確信する。この事態を打開するには、氷川誠(要潤)の力が必要だと。しかし彼は今、とある罪で刑務所に囚われていた。氷川の不在に、小沢が思い至ったのは、かつて<アギト>という未知の力でアンノウン(未確認生命体)と戦った男・津上翔一(賀集利樹)。だが、翔一はすでにその未知の力を失っていた。作品名アギトー超能力戦争ー放送形態特撮シリーズ仮面ライダーアギトスケジュール2026年4月29日(水)キャスト氷川誠:要潤葵るり子:ゆうちゃみ小沢澄子:藤田瞳子北條透:山崎潤尾室隆弘:柴田明良風谷真魚:秋山莉奈美杉太一:田辺季正大山:駒木根隆介黒谷:今井悠貴ルージュ:岩永洋昭鬼頭春馬:鈴之助渋川:青島心速見:金田哲(はんにゃ.)美杉義彦:升毅村野かすみ:ベッキー木野薫:樋口隆則津...

“普通の頑張り屋さん”が報われていく物語

ーーいきなりで恐縮なのですが、今のおふたりにとって「仮面ライダーアギト」はどのような作品になっていますか?

井上敏樹さん(以下、井上):「仮面ライダークウガ」が終わった後じゃない? ある意味、俺にとっては最初の一歩だったんだよね。だから、非常に燃えていたよ。それは間違いない。

最初はあまり自信もなかったね。『クウガ』に比べると、かなり複雑な話にしたから「視聴者がついてこられるのか?」という懸念は少しあったかな。

白倉伸一郎さん(以下、白倉):「1万人に1人〜2人分かってくれればいい」というような言い方をしていましたね。もちろん視聴率は取りたいですし、ビジネスとしても成立させる必要があるので、多くの方に観ていただく工夫は入れています。

そのうえで、大先生(井上先生)が物語の中に込めたテーマじゃないですけど、一般の人には分かりづらいかもしれない部分を、流さずにきちんと仕込んでいる。そういう意味で、さらっと楽しめる大衆性がありつつも、芯の部分が分かるのは「1万人に1人くらいかな」という感覚がありました。

井上:そうなの? 俺は10人に1人くらいだと思っていたけど(笑)。

ーー25年ぶりの新作『アギト—超能力戦争—』では、氷川誠を中心とした物語が描かれます。TVシリーズ当時、G3ユニット周りのストーリーをどのように膨らませていったのでしょうか?

井上:細かいことはよく覚えてないんだけど、氷川誠という男は、“普通の頑張り屋さん”なんだよ。そういう人間をどういうふうにイジると揺さぶれるか。ある意味で、氷川は主役にしやすいね。逆に津上翔一は主役にしづらい。ああいう「のほほんとした仙人」みたいな奴は。だから、記憶喪失くらいインパクトのあることをしないといけなかった。

ーー小沢澄子や北條透などのキャラクターは、井上先生自身も楽しんで書かれていたのではないでしょうか?

井上:そうだね……観たら分かるだろ?(笑)

ーーはい(笑)。台詞のやり取りが印象に残っています。

井上:あの2人はドラマがあるわけじゃないんだよ。ただセリフが面白いだけ(笑)。

一同:(笑)

白倉:「キャラが立っている」ということですよね。当時から「大先生は優しいな」と思っていました。氷川誠は“普通の頑張り屋さん”という話がありましたけど、そういう人が報われていき、ヒーローになっていく筋立てになっているじゃないですか。

いわゆるヒーローらしい、“1号ライダー”の津上翔一がヒーローとしてチヤホヤされるなら、普通の話なんですよね。そうではなく、どちらかと言うと脇にいるはずの氷川誠にスポットが当たっていくというのは、大先生の人を見る目の優しさ・温かさがあると感じました。

井上:でも、そういう風にしなきゃいけないんだよ。優しさというよりも、ドラマとしての成立条件みたいな感じがするけどね。氷川誠がズタボロになったら、それはそれで面白いかもしれないけど、誰もついてこない(笑)。

白倉:いつまでも報われないという方向もあるじゃないですか。

井上:ある。どちらかと言うと、葦原涼の方だね。

ーー新作において、そんな氷川誠は刑務所に収監されているようですが……。

井上:あれは俺の優しさだよ(笑)。あの程度ではもうへこたれないから。

白倉:強くなりましたよね。25年も経って、強くならなかったら駄目なんですけど(笑)。今回は「どん底から日の当たるところまで這い上がっていく」というヒーロードラマなのですが、氷川自身で「なにくそ」と言って這い上がるのではなく、周りが入れ替わり立ち替わり手を差し伸べるんです。「氷川さんじゃなきゃ」と言って、引きずり出してくれるという構造が面白いなと。

井上:そこで“25年ぶり”というところに意味が出てくるんだよ。25年前の功績が役に立っているということだね。

©2026「劇場版アギト」製作委員会 ©石森プロ・東映
おすすめタグ
あわせて読みたい

アギトー超能力戦争ーの関連画像集

おすすめ特集

今期アニメ曜日別一覧
2026年春アニメ一覧 4月放送開始
2026年冬アニメ一覧 1月放送開始
2026年夏アニメ一覧 7月放送開始
2026年秋アニメ一覧 10月放送開始
2026春アニメ何観る
2026春アニメ最速放送日
2026春アニメも声優で観る!
アニメ化決定一覧
放送・放送予定ドラマ作品一覧
平成アニメランキング