
劇場版『魔法科高校の劣等生 四葉継承編』ジミー ストーン監督×アニプレックス黒井瞳制作P×エイトビット小菅秀徳アニメーションP鼎談|物語の節目となる『四葉継承編』……その主軸となる司波深雪の心情を描く上で特にこだわったシーンとは
相手が強いことをしっかり見せた上で勝利する……達也の戦いを描く上でのこだわり
──達也は今回、新発田勝成と戦うシーンがあります。視聴者的には意外と苦戦しているように見えるのですが、本人的には余裕がある。戦闘シーンにおける達也の強さを表現する上で意識されていることもお教えください。
小菅:ドラマを作る上で、達也に余裕に見え過ぎても盛り上がらないので、余裕はあるけれどピンチでもある……そう見せられるよう監督が悩んでいらっしゃいましたね。
ジミー:勝成はこの『四葉継承編』において達也の戦闘面での最大の障害になるので、原作小説からかなり活躍を増やしています。佐島先生にご相談しつつ、勝成の活躍を盛らせていただきました。
ちゃんと勝成が強いことを見せた上で、最終的に達也が重傷を負うことなく勝利する。やっぱり達也の強さを見せるためには、相手を盛り上げてあげる必要があるんです。戦う相手の強さが理解できるほど、そんな相手に余裕をもって勝利する達也の株もあがる。達也の戦闘シーンに関しては、そうやって考えてやってきた部分ですね。
──視聴者的にも達也は絶対に負けないという信頼と安心感がありますよね。そして、そんな勝成のガーディアンである堤 琴鳴&奏太はある意味、絶対に勝てない相手に果敢にも挑戦するような雰囲気がありました。
ジミー:琴鳴はここでヒロインかのごとく活躍しますからね。あくまで『四葉継承編』の主軸は深雪で、それを支える達也とのダブル主人公的な形になっています。ですが、他の当主候補たちにもそれぞれの人生がある。原作小説からそうではあるのですが、勝成と琴鳴なんて実は恋人同士で結婚まで考えている。
そのふたりの関係性が、後に深雪や達也の物語にも関わってくるんです。このシーンで急に出てきたように思ってしまうかもしれないのですが、最終的には司波兄妹の話にも繋がっていく。やっぱり原作小説の構成が上手いなと思いつつ、制作でもこだわった描写のひとつです。
──戦闘シーンでいうと冒頭の真夜の報復のために四葉家が総力を挙げて大漢に攻め入ったシーンも凄まじいものがありました。
ジミー:「映画が始まった」「これは劇場版なんだ」と見せるために、頭にドカンと大きなインパクトが欲しかったんです。冒頭は、エイトビットのみなさんはもちろんアクションパート担当の作画の方々にも頑張っていただいた部分です。気合が入っていることがわかってもらえるのではないかと。
このパートが入っていることは公開までシークレットにしていた部分です。原作の『四葉継承編』には本来存在しない『アンタッチャブル編』パートとして楽しんでいただけたら嬉しいです。
──毎回アクションは力が入っていますし、魔法が発動する時のエフェクトや効果音なども『魔法科』らしさに繋がっているように思います。アクションパートについても伺えますか?
ジミー:アクションパートを担当してくださっている方々は、第1シーズンから担当してくださってる方がおられます。みなさん長く『魔法科』に携わってくださっているので、勝手知ったるところがありますね。大変心強いです。もちろん、自分も演出の立場で、原作小説の設定と矛盾しない範囲でアクションを盛るようにしています。また、撮影班の力も大変心強いです。撮影の面からどういう風にアクションを表現できるのか常に相談しています。毎回スタッフみんなの力で最大限カッコいい画面になるように頑張っています。
作画・画面のことから離れますが、音の力…音響班の力も重要になってきます。ダビングの時に効果音やタイミングなど、色々な提案をいただきつつ、良いシーンに仕上げるために凄く粘ってくれます。そういうこだわりでできた部分がたくさんあると思っています。
──先ほど伺った冒頭のシーンなどで、四葉真夜の背景の大部分が遂に明かされたかと思います。収録では演じられている斎藤千和さんにどのようなディレクションをされたのでしょうか?
ジミー:『魔法科』に出演されている役者さんたちは全員上手い方ばかりなので、基本的な部分は結構お任せなことが多いんです。ですが、これだけ真夜がメインで出ずっぱりなのは今回の『四葉継承編』が初めてだったので、真夜が話の主軸になる部分は「このシーンの主役は真夜だと思ってください」とアフレコの最初にお伝えしました。そのつもりでお芝居していただきましたし、上がってきたものはもう最高でしたね。
──実は以前キャストインタビューをさせていただいた際に、監督がめちゃくちゃ褒めてくださったとおっしゃっていたんです。また、真夜は自分の壮絶な過去を語る時もなぜか楽し気というか。そういう部分に思わず引き込まれてしまいました。
ジミー:真夜はやっぱり少し狂ってしまったのだろうなと感じられる部分がありますが、当然それを理解した上で斎藤さんは演じてくださっています。その上で仮に自分のディレクションに足りない部分があったとしても、佐島先生が「こうした方がいいかもしれません」と補足してくれるので、アフレコ時は万全の体制で安心感がありました。
──ありがとうございます。最後に公開を楽しみにしている『魔法科』ファンのみなさんへのメッセージをお願いします。
ジミー:原作小説ファンのみなさんが最大限楽しめるよう、頑張って制作に打ち込みました。もちろんまだ『魔法科』をご存じではない方や、これから触れたいと考えている方にも楽しんでもらえるようになっています。ぜひご覧になっていただけると嬉しいです。
黒井:原作小説からのファンの方はもちろん、アニメから追いかけてくださっている方も、今回から初めて魔法科に触れる方々も、みなさんが「面白かった!」という気持ちを劇場から持って帰ってくれたら嬉しいなと思っています。あそこのシーンをもう一回見たいとか、気に入ってもらえるところがあったのなら、ぜひ何回でも劇場に足を運んでいただけると嬉しいです。
小菅:最初の話にも繋がるのですが、原作小説ファンも含めてみなさんが『魔法科』を応援してくださったおかげで、ここまでの長期タイトルになったと思っています。みなさんの応援のおかげでここまで辿り着けたという想いが強いです。そんな感謝の気持ちを込めましたので、ぜひ劇場で楽しんでいただけると幸いです。
作品情報
あらすじ
とある兄妹が高校二年の冬を迎えようとしていた。
魔法師として致命的な欠陥を抱えて産まれた兄・達也。
魔法師として稀有な才能を持ち、容姿・頭脳ともに完璧な妹・深雪。
劣等生と優等生、立場は違えど二人は仲睦まじい兄妹として過ごしてきた。
一通の手紙が届くまでは――――。
その手紙は四葉本家で開かれる元旦の集まり〈慶春会〉への招待状だった。
当主の四葉真夜と分家の当主たちが一堂に会するこの集いで、四葉家次期当主が指名されることに。
そこで衝撃の真実が告げられる。
シリーズ累計2500万部の大人気シリーズの中でも屈指の人気を誇る《四葉継承編》が、満を持して劇場映画化!
ファンに長らく待ち望まれたエピソードがついに幕開く――!
キャスト
(C)2024 佐島 勤/KADOKAWA/魔法科高校四葉継承編製作委員会
































