
夏アニメ『逃げ上手の若君』第二期:結川あさきさん×中村悠一さんインタビュー|約2年ぶりのアフレコで感じた成長と、変化した時行と頼重の関係
2026年7月17日より放送中のTVアニメ『逃げ上手の若君』第二期。足利高氏(尊氏)の謀反によって滅亡した鎌倉幕府。すべてを失った幕府の正統後継者・北条時行は神を名乗る神官・諏訪頼重の手引きで鎌倉を脱出し、鎌倉奪還の機会をうかがっていた。鎌倉を奪還するために何を成せばいいのか、成長を続ける北条時行を演じる結川あさきさんと、時行を諏訪に匿い、道を指し示す諏訪頼重を演じる中村悠一さんに、第二期の見どころを聞いた。
約2年ぶりのアフレコで感じた成長
──第一期を通して感じた、この作品の魅力を教えてください。
北条時行役 結川あさきさん(以下、結川):アフレコをしながら「ここは絵にお任せください」という箇所がありました。アドリブをそもそも入れなくてもいいところもあれば、台詞を言ったあとにキャラクターの表情が変化するシーンもあり、キャスト側がお芝居で変化を付けなくても「絵でそれを伝えるくらい描き込んでくれますので」と音響監督さんが言ってくださいました。
改めて第一期が放送されているのを観ると、とても細かくキャラクターの心情を拾ってくださっており、きっと私たちのお芝居を聞いて、絵を細かく調整をしてくださったのだろうと思いました。それによって作品がより魅力的になり、キャラクターもより生き生きしていったと思うので、第二期もキャラクターの表情には注目していただきたいです。
諏訪頼重役 中村悠一さん(以下、中村):やはり色味ですね。カラーページ以外、漫画はモノクロで進行するので、そこから膨らみイメージもあると思いますが、色が付いてみると、雅な色鮮やかな世界なんだなと感じます。でもその中で血なまぐさいことが起きて、追いやられていくというドラマなので、そこのアンバランスさというのは、アニメの魅力として、はっきり見えていたなと思いました。
また、第一話を観たときに、これほど大きくアレンジを効かせてくるんだなと驚いたことを覚えています。原作通りではあるけど、ちょっと組み合わせを変えたり、行間を埋める動きや話を入れたりして、アニメならではの伝え方・見せ方をしていたんです。アニメになったことで、この原作の特にここをピックアップしたいというのが際立ったイメージがあったので、そこは非常に印象的でした。
──第一期の放送が24年7月だったので、約2年ぶりの第二期となるのですが、アフレコではすぐにキャラクターに戻れましたか?
結川:個人的には、みなさんすんなり戻れていたんじゃないかなと感じています。私自身もすごく久しぶりでしたが、時行のお芝居を忘れるとか、それが薄れたこともなく、作品全体のテンポ感やギャグの濃さ、雰囲気を、アフレコをしながら「そうだそうだ、こうだった」と感じながら収録していました。久々に収録ができて嬉しい気持ちでした。
中村:スタジオも第一期と同じところでしたし、時間帯が午後から午前開始という変化はありましたが、僕は24時間、いつでも同じパフォーマンスを提供できるはずと自分を信じていました(笑)。なので自分も取り組むに当たって困ることはなかったんですが、キャラクターのアプローチとしては第一期よりも諏訪頼重が見守り型になったと感じています。
第一期は導入部分でもあるので時行の手を引き導いていくくだりがあり、いろんなことを教えていくことが多かったのですが、第二期の時行は自分で考えて動くことができるようになったので、そういう点で、キャラクターへのアプローチは少し変わったのかなと思いました。それは演出でも言われまして、ところどころ「父親目線とか保護者目線が強いので、そうではなく作戦として助言をする形で言ってみてください」とディレクションを受けることがあったんです。だから、時行との関係値の変化に合わせて、自分も変化をつけていかないとなと思いました。なので第二期は、時行を一人前の大人として見始めているのだと感じました。
結川:出会いが胡散臭いおじさんスタートでしたからね(笑)。そこから信頼の過程も描かれていましたし、逃若党のみんなと出会い、新しい仲間ができたワクワクが強かった第一期。そこからの第二期は、すでに仲間がいる状態から始まるので、連携もより自然になっています。普段のやり取りも雑ではないのですが、作中の時間でいうと1年以上経っているので、ずっと横にいる存在として話をしている感じになっています。頼重に対しても、真剣に自分の野望を助けてくれようとしていることは理解している状態ですので、第二期は「また何か言ってるけど、何とかしてくれるだろうな」のような、信頼があるが故のやり取りが増えてきたのかなと思いました。そのあたりは掛け合いにも表れていると思います。
──第一期のとき、結川さんは声優として駆け出しの時期だったと思いますが、2年経って、自身の成長を感じたところはありますか?
結川:第一期のときは、わからないことが何かもわからない状態でしたので、お芝居のいろはから皆さんに助けていただき、いろんなことを教えていただきました。ただその頃は、教えてもらったことに対し、どうしたらそれができるのかというのを掴み切れてはいませんでした。必死過ぎて。
そこから第二期までの期間で、他の作品にも出演させていただき、アフレコの経験も多少は積ませていただいたので、前よりも指示してくださることの本質みたいなものに近づくことができた感じがしました。第一期のときは、言われたことをそのままやるというのを頑張っていたのですが、第二期は言われたことに対し、これって要するにこういうことだなというのがわかるようになった気がします。
ですので、ディレクションに対しての応えやすさはありました。でも、実はすごく緊張していて、アフレコ序盤の頃は内心焦っていました。ただアフレコ中に、第一期より良くなったねという言葉をいただくこともありましたので、多少は成長できたのかなと思いながら、前向きな気持ちで取り組むことができました。
──そんな結川さんを見て、中村さんはどんな成長を感じていましたか?
中村:本作の音響監督の藤田亜紀子さんは熱血タイプの方でして、熱い演技指導が入るんです。今回、第二期第一話で、最初に結川さんが言われていたのは、「この2年間で、どんな現場に行って、何を学んできたかはよく分かった。だから一回それを捨ててほしい」だったんですよ。
要するに、時行というキャラクターを考えたとき、経験値ではなく、まだ探り探りやっていた、その手探り感が求められていたのだと思います。それをもう一度出してほしいための、一回リセットしてほしいという指示で、僕も「そうか」と聞きながら思っていました。単純に役者として成長していることが、キャラクターにとって必ずしもプラスになるわけではない。一度引いてみるということは、僕も通ってきた道だったので役者の経験としては大事な学びです。
そのディレクションを受けてから、もともとの時行ってどういうアプローチだったかというところに戻っていたので、技術的な成長はもちろん、勘どころの良さやバランス感覚を感じました。僕はジャッジする立場ではないのですが、この2年間でお芝居の塩梅を表現できる経験を積んできたんだなと実感しました。
結川:確かにギャグのシーンなどで、アドリブで誇張してみるとか、コメディものに出て学んできたものをやってみようという気持ちがあったかと思います。でも、時行はそこまでやらなくて大丈夫、ということで。
ただ、そのディレクションをいただいたときも「やっちゃった!」という感じではなく、第一期のときより引き出しが増えた上で、どれを出してどれを引こう、みたいなことができるようになったのだと逆に成長を実感しました。その後は肩の力を抜いてやろうというふうにシフトしていきました。















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