
『無自覚聖女は今日も無意識に力を垂れ流す』高橋李依さん×古川慎さん×白石晴香さんインタビュー|登場するキャラクターたちの色々な側面から“人の成長”を描いた物語
姉妹の確執の原因を分析……その結論はふたりだけの問題ではなく?
──テオドールやマリッサといった脇を固めるキャラクターの登場が明かされています。みなさんがサブキャラクターで気に入っているのは誰になりますか?
古川:僕はエドワードの父のエリックと母のヴァネッサです。カロリーナが実家を出たあとの陽だまりとして、エドワードやその両親が存在している節があるんです。そういった陽だまりってすぐに壊れるイメージを持ちやすいと思うのですが、東地宏樹さんと大原さやかさんのお芝居は安心感があるんですよ。
白石:私はフローラに健気に尽くしているイリスですね。カロリーナの状況が良くなるにつれて、フローラの孤独がより一層深まっていきます。そんな中でも側にいてくれるので、きっとイリスが心の支えになっているのかなと。
ただフローラはそれを表に出さないと思うので、終盤までイリスの重要性は見えてこないかもしれません。フローラの中でその実感が湧くような場面も出てくるので、ぜひ最後まで見届けていただきたいです。
高橋:今のカロリーナの周囲にいる人たちは、それぞれ本当に優しい印象を裏切らないメンバーばかりだと思います。でも掘り下げてみると、実はみんなその姿勢に至るまでの過去が重かったりする。今の姿だけじゃなく、一歩深いところまで踏み込んでいくのがこの作品なんですよね。こうなるまでにどんな選択をしてきたのか。各キャラの人生まで、ぜひ注目していただきたいです。
──今後の見どころについてもお教えください。本当はそんなことはないのに、野蛮で残酷無比だと言われてしまっているエドワードですが、今後はなぜそんな噂になっているのか、その原因に迫っていくのでしょうか?
古川:実は国内の政争に関わる形で悪評を流されているんです。エドワード自身はそんなつもりはないのだけれど、そう見られても仕方のない振る舞いをしたのは事実だからと、彼は受け入れてしまっているんです。それはそれで良くないのだけれど、自分にも悪いところがあったと考えてしまうのは理解できます。
不器用でそういうところをどうにもできないからこそ、隣国のカロリーナの下にも届くくらいにその噂は大きくなってしまった。なので、どうにもできずにいるエドワードよりも、そんなエドワードの人となりを信じてくれる周りの人たちが見どころになってくるのかなと。先ほど挙げたエドワードの両親も、ウチの子がそんなことをする訳がないというスタンスで構えてくれています。
彼は自分から発信するのが苦手なのですが、自ら声をあげないことで、悪評が自分に降り注いでくれれば兄のギルバートの立場が良くなるんじゃないかとも考えているので、そういうところが彼の生き様や信念なのかなと思います。
──カロリーナとフローラについても、仲が悪い原因に踏み込んでいくかと思います。そちらについてはいかがですか?
高橋:個人的にこのふたりの関係性については、父親であるレイモンドさんがフォローしきれていなかったんじゃないかと思っています……。
古川:ずっと言っているよね、それ。
高橋:第1話でレイモンドさんが「お前は大切な娘だ」とカロリーナに言うのですが、それを聞いた彼女がめちゃくちゃ驚くんです。私個人としては、「そんな言葉もかけてこなかったの!?」と衝撃を受けました。カロリーナとフローラの問題は、きっとふたりだけの問題ではないよなと。
古川:なぜふたりにフォローを入れなかったのかを考えると、仲違いした原因の一端はレイモンドさんにもあるように思えるよね。
白石:フローラは大好きだったお母さんが亡くなったことで心境の変化があり、カロリーナはそもそもお母さんとは会ったことがない。お父さんはお父さんなりに頑張ったのだろうけれど、ふたりとの接し方はもう少し何かがあったかもしれませんね。フローラはそういう素振りをお父さんには見せなかったので、上手いこと蚊帳の外に置かれていたのかもしれません。
高橋:視聴者目線だと、もっと娘たちに関わってくれていたら……と思っちゃいます。
白石:そんな状況になってからようやく動き出すので、ある意味フローラとカロリーナのお芝居にも影響がありました。けれど最初の段階でのフローラはカロリーナのせいでお母さんが亡くなったと思っているし、自分にとって唯一の味方を奪われたに等しいので、どんな形であっても恨み続けてしまう。
古川:フローラからレイモンドさんにそういった感情について相談できていたら、また違った未来があったかもしれないね。
高橋:レイモンドさんは気づいたかな?
白石:フローラが自分を受け入れてくれるのはお母さんだけだと言っていたくらいなので、お父さんには弱みを見せられなかったのかも。あれ、レイモンドさん……!?
古川:やっぱりレイモンドさんの責任は重そうですね。
高橋:愛情の伝え方が苦手だった説、あるかもしれません。
古川:不器用過ぎるし、言葉にしないとわからないこともあるんだぞと思います。
白石:結局、自分の考えていることなんて、しっかり言葉にしないと伝わらないですからね。
──ありがとうございます。最後に放送を楽しみにしている視聴者のみなさんへのメッセージをお願いします。
高橋:聖女作品をあんまり見たことがない方でもきっと凄く見やすい物語ですし、私たちも、常にわかりやすさを心掛けて、アフレコに挑みました!!
カロリーナの“無自覚聖女”な一面をはじめ、登場人物たちは何かしらの自己否定を抱えています。日頃、自分自身に引っ掛かりを覚えたことのある方なら、きっとこの作品から力をもらえるのではないでしょうか。ぜひ、お気軽にご覧になっていただけると嬉しいです。
古川:フィクションの娯楽作品としてアニメーションは存在していると思うんですが、そう思いながらも、僕はひとりの人間としてそこに登場する彼ら彼女らを見てくださるとうれしいなとも思っています。どちらも本音ではあるのですが、やっぱりそれは作品をみなさんがどう受け取ってくれるか次第なんです。
この物語から何かしら自分の中でのヒントが見つかるのであれば作品冥利につきますし、作品全体が持っている何らかのメッセージ性を受け取っていただけるのであれば、凄く良いことだと思います。ひょっとしたら見てくださった方の何かを変えるかもしれませんし、そんな期待も少しだけ持っています。糧にして下さい……とまでは言えませんが、もしよろしければご覧になっていただいて、何かを感じてもらえたら幸いです。
白石:カロリーナとエドワードのやりとりはキュンキュンしちゃいますし、色々なキャラクターたちが自分のコンプレックスと向き合うような、人の成長を描いた物語でもあると思います。不器用なふたりならではのピュアさで恋愛面はとても丁寧に描かれていますし、ふたりはお互い無自覚なところがあるから、見ていてときめいたりするかもしれません。素敵な作品になっていますので、ぜひ楽しんでください!
[インタビュー・撮影/胃の上心臓]
『無自覚聖女は今日も無意識に力を垂れ流す』作品情報
あらすじ
姉のフローラは才色兼備な聖女候補。
妹のカロリーナは地味で才能もない落ちこぼれ……。
カロリーナは優秀な姉と比べられ、劣等感を抱える日々を送っていた。
ある日、カロリーナのもとに隣国との関係調整のため第二皇子との縁談が舞い込む。
ただし、皇子は“野蛮”で“残酷無比”と噂の人物。
「お役に立てるなら」
国を守るため政略結婚を受け入れるカロリーナだったが、
この決断が人生を一変させる──。
噂に反して紳士的な皇子や新しい家族に正当に評価され、
少しずつ自分を認められるようになっていくカロリーナ。
さらに、不思議な力が宿っていることが判明する。
一方、王国に残されたフローラは不調続きで……。
キャスト
(C)あーもんど/アース・スター エンターテイメント/無自覚聖女は今日も無意識に力を垂れ流す製作委員会































