
『名探偵コナン』工藤新一の体を幼児化させた「APTX4869」(アポトキシン)の解説・現在わかっていることのまとめ|板倉 卓のシステムソフトとの関わりは?
青山剛昌先生が描く推理漫画『名探偵コナン』は、週刊少年サンデーにて1994年より連載中。黒ずくめの組織によって体が幼児化した高校生探偵・工藤新一が、正体を隠して「江戸川コナン」と名乗り、組織の動向を探りながら数々の事件を解決に導く大人気作品です。
工藤新一の体を幼児化させたAPTX(アポトキシン)4869。灰原 哀の両親は願いを込めて、開発中のAPTX4869を「銀の弾丸(シルバーブレット)」と呼んでいました。
本稿では組織が秘密裏に開発を進めていたAPTX4869について解説。板倉 卓のシステムソフトも含めて、現在わかっていることをまとめました。
※本稿は『名探偵コナン』のネタバレを含みます。
※4ページ目は原作のネタバレを含みます。未読の方やアニメ派の方はご注意ください。
目次
- APTX4869とは
- 体の幼児化効果
- APTX4869の開発者
- APTX4869のデータ
- 白乾児の成分から解毒薬を調合
- 灰原が抱える秘密
- 人魚伝説の島
- APTX4869の被験者リスト
- 板倉 卓が開発していたシステムソフト
- APTX4869とシステムソフトとの関わりは?
- ベルモットの不老の謎
- コナンの身長が1ミリも伸びていない
- 謎の老人が2人登場、謎の赤ちゃん&ベビーカーを押す老婆は何者?
- 【※原作のネタバレあり】コナンのフラッシュバック
- 【※原作のネタバレあり】APTX4869の“若返りの条件”にラムが強い関心を示す
- 【※原作のネタバレあり】APTX4869の“若返りの条件”に言及か
- これまでの解説記事
- この記事をかいた人
APTX4869とは
遺体に成分を残さない毒薬
APTX4869の開発者であるシェリー(=灰原 哀)の話によると、APTX(アポトキシン)4869の「アポ」とはアポトーシス、つまりプログラム細胞死のこと。この薬はアポトーシスを誘導する効果によって、服用した者を死に至らせます。体内に成分を残さないため、遺体からは何も検出されず、検死や解剖を行っても死因を特定することができないようです。
ジンは組織の裏取引を目撃した工藤新一に、口封じのためAPTX4869を投与。その際、「組織が新開発した毒薬」「遺体から毒が検出されないという完全犯罪が可能なシロモノ」「まだ人間には試したことがない試作品らしい」などと口にしていました。
体の幼児化効果
ジンに薬を飲まされた新一は、体が熱くなり骨が溶けるような感覚の後に意識が遠のいていきました。新一は薬の効果で体が縮んでしまい、正体を隠して「江戸川コナン」と名乗ることに。後にコナンは、自分の体を幼児化させた薬が「APTX4869」であると灰原から聞かされました。
APTX4869について、細胞の自己破壊プログラムの偶発的な作用で、神経組織を除いたすべての細胞を後退させる効果を持つと灰原は説明しています。
幼児化は想定されていた?
灰原がピスコに攫われてホテルの酒蔵で白乾児を飲んだ際、一時的に元の姿に戻り煙突から脱出しますが、その先にはジンが待ち伏せていました。灰原は銃で数カ所撃ち抜かれて窮地に陥るも、コナンの機転で切り抜けると、その直後に白乾児の効果が切れて再び体が幼児化。
ピスコはその瞬間を目撃し、「まさかここまで君が進めていたとは…事故死した御両親もさぞかしお喜びだろう…」と称賛しました。(第176〜178話「黒の組織との再会」(灰原編/コナン編/解決編)(コミック24巻))
灰原はピスコというコードネームを聞いたことがあるという程度の認識でしたが、ピスコは灰原の両親・宮野夫妻と過去に親交があり、開発中の薬についてよく聞いていたといいます。つまり、幼児化はもともと想定されていたのでしょうか?
APTX4869の開発者
宮野厚司&宮野エレーナ
宮野志保(=灰原 哀)の両親・宮野厚司と宮野エレーナは、APTX4869の開発者。厚司は学界から追放された「マッドサイエンティスト」、エレーナは「ヘルエンジェル」(地獄に堕ちた天使)の異名を持ちます。
宮野医院を経営する傍ら研究を続けていた厚司は、誘いを受けて烏丸グループがスポンサーを務める研究所へ。烏丸グループの悪い噂を聞いていた厚司は誘いの話を断るつもりでしたが、当時妊娠していたエレーナの後押しで研究所に移る決意をしました。
そして19年前、厚司とエレーナは研究施設へ。APTX4869の開発を進めていましたが、宮野夫妻は研究中に事故死したと言われています。
ラボの仲間が夢のような薬と浮かれるなか、宮野夫妻は願いを込めてその薬を「銀の弾丸(シルバーブレット)」と呼んでいました。エレーナは「その薬を完成させるには、父さんと母さんはあなた達とお別れしなきゃいけない」と、志保へのメッセージに残しています。
宮野志保が両親から薬の研究を引き継ぐ
灰原は元黒ずくめの組織の科学者で、コードネームは「シェリー」。本名は宮野志保。両親からAPTX4869の開発を引き継ぎ、組織で天才科学者として重用されていました。研究所は火事になり薬の資料とともに両親が死亡したため、灰原は焼け残った資料をかき集めて復活させたと明かしています。
しかし、試作段階の薬を勝手に人間に投与し、姉の宮野明美を殺害して理由すら教えない組織に歯向かって研究を中断。研究所のガス室に拘束されるも、死を覚悟して飲んだAPTX4869の効果により体が幼児化し、小さなダストシュートから脱出します。
工藤新一が幼児化していると推察していた志保は、新一なら自分の境遇を理解してくれると考え、彼を頼りに逃げて倒れていたところを阿笠博士に保護されました。現在は阿笠博士の庇護のもと「灰原 哀」として生活しながら、APTX4869の解毒薬の研究を進めています。
APTX4869のデータ
灰原がいた研究所は組織の手により炎上し、現在APTX4869のデータは灰原の手元には残っていないといいます。
そこでコナンと灰原は、薬のデータや薬の開発に関わった人物の情報が入ったフロッピーディスクを、南洋大学の広田正巳教授の家で入手。しかし、データは文書ファイルに偽装されており、閲覧にはパスワードが必要でした。
外部PCで立ち上げるとコンピューターウイルス「闇の男爵(ナイトバロン)」によりデータが消滅する仕掛けとなっており、手に入れかけた薬の情報は闇の中へと消えてしまいます。
後に、ピスコに監禁された灰原は、APTX4869のデータを組織のコンピューターからMOにコピーすることに成功。ちなみに、そのパスワードは「Shellingford」(シェリング・フォード)でした。
組織の人間は、試作段階の薬をシリアルナンバーの「4869」をもじって4869シャーロック……「出来損ないの名探偵」とたまに呼んでいたのだとか。「シェリング・フォード」は、コナン・ドイルが自分の小説の探偵を「シャーロック」と名付ける前に仮につけた名前……つまり「試作段階の名探偵」というわけです。
こうして灰原が入手したAPTX4869のデータですが、監禁されていたホテルの酒蔵の火災により焼失してしまったといいます。
白乾児の成分から解毒薬を調合
服部平次が風邪気味のコナンに中国酒の白乾児(パイカル)を飲ませたことで、コナンが元の姿に戻ったことがありました。その後、灰原もコナンの助言で白乾児を飲んで一時的に元の姿に戻っています。
これをきっかけに、灰原は白乾児の成分から解毒薬の調合を進めることに。ただし、試作段階の解毒薬の効果は一時的なもの。連続服用で効果の持続時間は短くなります。薬のデータがないため、今のところ完全な解毒薬は作れないようです。
灰原が抱える秘密
人を殺す毒薬を開発していたとしてコナンに責められた際、灰原は「毒なんて…作ってるつもり…なかったもの…」と返しています。(第129話「黒の組織から来た女 大学教授殺人事件」(コミック18、19巻))灰原はいまだコナンにも秘密にしていることがあり、これまで意味深な言葉を残してきました。
自分の研究の目的は「死者を蘇らせる秘薬」などという夢のような薬ではなく、「この地球のほとんどの人間にはその価値を見いだせない愚かしい代物…」「そう…この小さな国の女の子にしか必要とされない…雛人形のような物だもの…」と説明。(第312~313話「夕陽に染まった雛人形」(コミック38巻))
研究所は火事になり薬の資料とともに両親は死亡し、灰原は焼け残った資料を搔き集めて復活させたと語っていますが、「まあ、私が本当に作らされていたのは…別の薬なんだけどね…」と独白しています。(第861〜862話「17年前と同じ現場」(コミック89、90巻))
さらに灰原は、コナンの前であまりにも意味深な言葉を呟いていました。この時の灰原の姿を、コナンは後にフラッシュバックします。
「時の流れに人は逆らえないもの…それを無理矢理ねじ曲げようとすれば…人は罰を受ける…」
灰原は、組織が半世紀前から極秘プロジェクトを進めていることにも言及していました。「工藤君…? あなたは夢にも思っていないでしょうね…あなたはすでに…我々組織が半世紀前から進めていた極秘プロジェクトに…深く関わってしまっているなんて」と、心の中で語りかけています。(第130~131話「競技場無差別脅迫事件」(コミック19、20巻))






























