
「どうして元通りにしちゃだめなの?」純粋な言葉に見る死生観とシーナの決意──TVアニメ『きみが死ぬまで恋をしたい』第9話を振り返り
戦時下を生きる少女たちの“生と死”、そして絆を描くTVアニメ『きみが死ぬまで恋をしたい』。
ドラマチックなオープニングも話題となった第9話「わたしの魔法」。セイランの死をきっかけに、初めて大切な人を失う悲しみを知ったミミを前に、シーナは自分も強くなりたいと決意し、自分にできることを探し始めます。
ミミのそばにいるため一歩を踏み出したシーナの姿が描かれた第9話を振り返ります。
「どうして元通りにしちゃだめなの?」
学校の中庭。祈りの時間を終えたアリにミミが伝えたのは「蘇生魔法を使えば、セイランは戻ってくるし、二度と死んだりなんかしない」という言葉でした。その言葉にアリはかつてセイランと交わした「蘇生魔法を使えたとしたら?」という会話を思い出していました。セイランの魂は彼女自身のものであり、それを好きに扱う権利は誰にもない。「そんなことしたら怒られちゃう」と蘇生を望まないアリは、きっとセイランも同じ気持ちだと答えるのでした。
その後、部屋に戻ったミミはセイランの死を受け止めきれず、「セイランが死んじゃったままでいいの?」「どうして元通りにしちゃだめなの?」と泣き出します。初めて仲良くしていた人を失い、寂しさを知ったミミ。そんな彼女を抱きしめながら、自分がいなくなったあとも、ミミは何度も同じ悲しみと向き合うことになるのだと考えるシーナ。だからこそ、一緒にいられる間は「私の力で役に立ってミミのそばにいたい」とそっと誓うのでした。
泣き疲れてお腹をすかせたミミは、シーナと一緒に食堂へ。初めて出会った日と同じように階段へ座り、今度は二人で作ったおにぎりを頰張ります。ミミの口元についたご飯粒を取って食べるシーナを、じっと見つめるミミ。自分で作ったおにぎりが「しょっぱいから」と、次はシーナが作ってとお願いするミミに、シーナは「一人でもちゃんと作れるように練習しよう」と返します。いつか自分がそばにいなくなる日が来ても、ミミが一人で生きていけるように。
シーナが持つ治癒魔法の力
自分も役に立てるようになりたい。そう決意したシーナはベッドを抜け出し、フラン先生のもとへ。戦力にならない自分にも何かできることがあるはずだと、「私の魔法を見てほしい」と頼むシーナ。植物を元気にするのが得意だと鉢植えに手をかざし、花を咲かせてみせるシーナでしたが、フラン先生に促されてさらに強く願うと、次々と葉が育ち、多くの花が。シーナが持っていたのは、扱いが難しく使い手も少ない治癒魔法の力でした。
喜んだのもつかの間、枯れた薬草などを回復させることはできるものの、人のけがや病を治すには力が足りないと告げられるシーナ。さらに、人間まで治癒できるほどの使い手としてフラン先生が知っているのは、ミミの母親ただ一人。ミミの「シーナからママと同じ匂いがする」という言葉を思い出し、ミミがシーナによくくっついているのは同じ属性の魔法を持っているからでは?と伝えるフラン先生の姿も。
「もう逃げない」と誓うシーナ
宿舎へ戻る前、シーナは突然魔法を見てほしいと頼んだ理由をフラン先生に明かします。人のために迷わず手を伸ばすセイランの隣で、戦場へ行く番が来ないことを願っているだけだった自分を変えたかったと語り、「何もできないわけじゃないとわかって、少しだけホッとした」と率直な想いを。その気丈な姿に、フラン先生は「ごめんね……」とつぶやき、焦らなくていいとシーナの頭を優しくなでるのでした。
今、傷ついているミミのために「自分にできることがあるなら」と前を向くシーナでしたが、そこへ「目が覚めたらいなかった!」と飛び込んできたミミ。「置いていかないで!」と必死に訴えるミミを、シーナは「心配かけてごめんね」とぎゅっと抱きしめます。その後、手をつないだまま眠ってしまった二人に、「今はゆっくりとおやすみ」と毛布をかけるフラン先生。心のなかで「もう逃げない」とセイランに語りかけるシーナ。ミミとつないだその手は、シーナが魔法を使ったときと同じような光がきらめいていました。
『きみが死ぬまで恋をしたい』作品情報
あらすじ
人を殺すための授業、誰が死んでも悲しむことさえままならない日常。
ここは不条理で、常に死と隣り合わせの日々が、「当たり前」な世界。
「どうしてみんな平気なの?」
自分の境遇を受け入れられずにいる14才のシーナはある夜、血まみれの小さな女の子・ミミと出会う――
どんな現実が訪れようとも、生きていく。
これはそんな少女たちが見つける、あどけない願いの物語。
キャスト
(C)あおのなち・一迅社/「きみ死ぬ」製作委員会






























