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『楽園追放 心のレゾナンス』11.13公開前リレーインタビュー連載  第6回:アニメーションスーパーバイザー・荻田直樹【後編】

『楽園追放 心のレゾナンス』11.13公開前リレーインタビュー連載 第6回:アニメーションスーパーバイザー・荻田直樹【後編】|「アニメーターは俳優」CGアニメで追求するキャラクターの芝居

 

キャラクターに動きをつける、アニメーターも役者

──ちなみに荻田さんの中で、“かわいい”はやはり大事なのですか?

荻田:この作品ですから、やっぱり女の子はかわいくないとダメだと思っていて、前作が当たった理由のひとつとして、アンジェラ・バルザックのキャラクターデザインのかわいさはあったと思うんです。あとはアーハンの奇抜なデザイン。かわいいキャラクターと変形する丸いロボットがうまく重なって成功したところがあると思ったので、『心のレゾナンス』でも、キャラクターのかわいさが落ちてしまったら、がっかりされてしまうと思うんです。

これはアニメに限らず映像作品すべてに言えることですが、最初に観るときは、どうしたって顔に目が行くと思うんです。多少ポーズが変でも顔に目が行くものなので、自分としては、どんな作品でも顔はとにかく気をつけています。

──そうなると、今作のライバルは、前作のアンジェラでもありますね。

荻田:それは目標ではありましたね。しかも今回の映画全体のコンセプトとして、前作を踏襲しつつ、それを超えるものを作るというものです。前作は基本メインの女の子がアンジェラだけで、あとはディンゴとフロンティアセッターだったんですけど、今回は女の子が何人も出てくるので、そのバランスもこだわりを持ちながらやっています。

──顔以外でもかわいさって、表現できるのですか?

荻田:少し話はずれてしまうかもしれないですが、自分で動きをつけるときのこだわりとして、「わざとらしくしたくない」というのが大前提としてあるんです。これは別に否定するわけではないのですが、アニメの技法として「大げさに描く」というのがあると思うんです。

例えば、ちょっと振り向くだけのところで、大げさな予備動作が入ったり、大きく跳ねたりする。動きを大きく見せて、かわいく見せることもできるのですが、それをどんなシーンでもやってしまうと、個人的には冷めてしまうんですね。演技っぽく見えてしまうというか……。なのでそこは気をつけていました。動きを大きくしてかわいく見せることが合わないシーンなら、たとえばポーズでかわいく見せたりする。それは全然いいので、なよなよさせ過ぎないことは考えていました。

──3Dアニメだと動きにリアルさがあるので、作画アニメよりそれが目立つかもしれないですね。

荻田:そこは自分が作る上での指針としてありました。演技っぽさ、予定調和っぽさをなるべく潰す。もちろん全部が全部ではないですよ。そういうことをしたほうがいいコミカルなシーンはもちろんあるので。

──ただ、キャラクターの動きって、ある意味アニメーターによる芝居でもあるじゃないですか。それが声の芝居と合わさるのがアニメだと思うのですが、アニメーターもお芝居の勉強をする必要があると思いますか?

荻田:それで言うと、アニメーターは俳優であると思っているので、スーパーアクション以外は、極論、全部自分でお芝居ができなければいけないと思います。人間ができない動きはキャラクターもできないので、それは上がってきたものを見ればすぐにわかるんです。この人、自分で動いて確かめていないなと。

──そうなんですね。

荻田:たとえば映画で動きを客観的に見ても、あくまでその方向からの視覚情報でしかないんです。なので、実際に自分で動いてみる必要がある。そうすると、意外とこの関節は動くなとか、思ったよりも体って歪むんだなというのがわかるんです。なので、全アニメーターは絶対に自分で動け!というのが信条としてあります。

──自分で動いたのを映像で撮ったりもするのですか?

荻田:撮るのはマストだと思います。経験でわかるところもあるので、経験が浅いほど実際に動かなければ、良いものは作れないと思います。

──アニメーターでもお芝居のワークショップとかに通ったほうがいいかもしれない。

荻田:そのほうが質は向上すると思います。で、そこで難しいのは、逆にそれを意識し過ぎると、今度は演技をしだすんです。その塩梅が難しいんです。

──表情の芝居についてはいかがですか?

荻田:表情に関しては動きとは逆で、映像を参考にすることは多いと思います。先人の方が積み上げてきた、いろんなアニメの崩し方があるので。それは表情だけでなく、“タメツメ”の表現、動きに対するオバケだったりも参考にします。

──オバケは、残像みたいなことですよね。

荻田:そうです。動いたときに、少しグニャッとした伸びた絵になるカットを入れることです。それもアニメの作画方法であるんですけど、3Dでやるとそうはならないので、そこだけ実際に描いて、そういう感じにするみたいなことはしています。それで印象も大きく変わるんです。リアルなところは自分でやったほうがいいですが、誇張するところや、記号気味になるところは、今まで見てきたいろいろな作品を参考にしています。

──日本の作画アニメも最近すごいクオリティになってきていますが、それに対してはどう思っていますか?

荻田:本当にすごいですよね。自分は作画アニメが大好きなんですよ。作画集とかも買っていますし(笑)。線が本当に素晴らしいです。何であんなことができるんだろうといつも思っています。

──作画アニメも含めて、これまでのアニメ業界が積み上げてきた技術やノウハウを取り入れつつ、制作をしている『楽園追放 心のレゾナンス』だと思いますが、最後に、どんなところを観てほしいですか?

荻田:その答えとしていいかどうかはわからないのですが、前作に負けないように作っているという話をしましたが、前作と比べて違和感が出ないような作り方にも注力しているんです。前作を作ったチームと、今回作っているチームの人は全然違うんです。続編で制作会社が変わって、テイストも大きく変わってしまうアニメって、これまでもたくさんあったと思うのですが、それはしたくないと個人的には思っていて。基本的には前作をリスペクトしたまま、そのバージョンアップを目指して作っているんです。なので簡単に言うと、チャレンジしつつ、がっかりさせないように作っていますので、期待してください。

 
[文・塚越淳一]

 

作品情報

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楽園追放 心のレゾナンス

楽園追放 心のレゾナンス

あらすじ

アンジェラ バルザックは 知ってるよね―?

人類が肉体や地球を捨て、電脳世界ディーヴァで暮らすようになった西暦2400年。フロンティアセッターのハッキングを発端に、ディーヴァ捜査官アンジェラ バルザックの叛逆が起こる。事件時彼女にハッキングされ、地上に脱走した大勢の保安局のエージェントは、マテリアルボディと共に、パーソナルデータも収納するハードウェアを強奪。その姿・存在を地上に潜め、ディーヴァへの脅威と化した。

アンジェラにより、もたらされた”彼ら”の名は、
”フォールン”

ディーヴァからの捜索命令を受け、ガブリエル達エージェントは、フォールンの正体を追う。未だ地上に遺るナノハザードの影響を乗り超え、彼女達は、フォールン、そして、その謎に辿り着けるのか。

『楽園追放』の物語が、今、再び動き出す−。

キャスト

ガブリエル:佐倉綾音
アルマ:早見沙織
ダネル:青山吉能
ラグエル:天城サリー
ぺネム:諸星すみれ

(C)東映アニメーション・ニトロプラス/楽園追放ソサイエティ2

 

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