アニメ『薄桜鬼 黎明録』楽曲歌う黒崎真音&mao対談レポ

テレビアニメ『薄桜鬼 黎明録』OP曲『黎鳴-reimei-』&ED曲『花のあとさき』8月8日同時リリース! 黒崎真音さんとmaoさんの発売記念対談

 7月よりスタートしたテレビアニメ『薄桜鬼 黎明録』のOP曲、黒崎真音さんが歌う「黎鳴-reimei-」、maoさんが歌うED曲「花のあとさき」が8月8日に同時発売!
 
 両シングル発売を記念して、黒崎さんとmaoさんとの豪華対談が実現! 『薄桜鬼』フリークのふたりによる『黎明録』の魅力と、それぞれの曲について語っていただきました。オーディオコメンタリー風の視聴するシーンもあり! 注目です!


(C)IF・DF/「薄桜鬼 黎明録」製作委員会

(C)IF・DF/「薄桜鬼 黎明録」製作委員会

●黒崎さんとmaoさんのお互いの第一印象は?

――まずおふたりが初めて会ったのはいつ頃ですか?

黒崎真音さん(以下、黒崎):初めてお会いしたのは今年2月の『薄桜鬼 雪華録』のイベントです。

maoさん(以下、mao):一緒に楽屋でDSの『マリオカート』で遊んで。

黒崎:優しく話しかけてくださったので、楽しく過ごせました。

mao:かわいい女の子には優しいんです(笑)。

――お互いが歌声を含めた印象を教えてください。

mao:お人形みたいにかわいいなと。とても目の保養になって、ずっと見つめていたくなりました(笑)。また『雪華録』のイベントの後に、吉岡亜衣加ちゃんのコンサートの際に、ふたりでゲスト出演させていただいたりして、何度か真音ちゃんの歌も生で聴かせていただく機会があり、素敵な歌を歌う人だなと。

黒崎:ありがとうございます。私は『薄桜鬼』のテレビアニメを全部見ていて、maoさんのED曲も聴いていました。maoさんの歌声が大好きで、特に『碧血録』のED曲『茜空に願ふ』は涙が止まらなくて、わんわん泣きました(笑)。そして初めてお会いした時も優しく接してくださって、歌にmaoさんの優しさが出ているんだなと、人柄を知って更にmaoさんの歌が好きになりました。



●「初の主題歌に驚き!」(黒崎さん)、「『薄桜鬼』にまた寄り添えてうれしい」(maoさん)

――そんな、ふたりがテレビアニメ『薄桜鬼 黎明録』のOP曲、ED曲をそれぞれ担当することになったのを知った時の感想は?

mao:テレビアニメの決定と同時にED曲を歌わせていただくことをお聞きしました。『薄桜鬼』のテレビアニメでずっとED曲を歌わせていただいていたし、ファンの方からも「テレビアニメが始まったらまた歌ってほしいです」という声もいただいていて。ですから、また『薄桜鬼』の世界に寄り添えることがうれしかったです。そしてOP曲を真音ちゃんが歌うことを知って、またイベントなどお仕事する機会も増えるんだろうなと楽しみでした。

黒崎:私もmaoさんと同じようにテレビアニメ化と一緒に聞いて、まずテレビアニメが始まることをいちファンとして喜びました(笑)。OVAの『雪華録』では全ED曲を歌わせていただいていましたが、まさかテレビアニメのOP曲を歌うことになるなんて思いもしなかったので驚きました。そして『薄桜鬼』ファンの方に納得していただき、好きになってもらえるように頑張らなきゃと身が引き締まりました。

mao:ファンの方の期待の大きさもわかるので、覚悟が必要ですよね。「前回よりもいいものを」とか「前回とは違う驚きを与えたい」ということはテレビアニメに限らず、『薄桜鬼』に関わる時はいつも思っています。

――『薄桜鬼』が多くのファンに愛されている理由や魅力はどこにあると思いますか?

黒崎:登場人物は魅力的だけど、ただカッコイイだけではなく、人として見習うべきところや尊敬できる言動が見られるシーンが多く、深いメッセージがあって。そんなところに私はひかれます。

mao:キャラたちにいまどきの男子にはないカッコ良さとか、志や潔さを感じます。あれだけキャラがいるのに人気が特定キャラに固まらず、どのキャラにもファンがいて。また各キャラが魅力的で、それぞれに何かを背負っていて、斎藤一だけをクローズアップして描く物語もあれば、沖田総司だけでも成立できる稀有な作品だと思います。だからいろいろな視点から描けるし、末永く愛される作品なのかなと。



●『薄桜鬼』フリークの二人が語る『黎明録』の特長&好きなキャラ

――『薄桜鬼 黎明録』はPSPゲームからのアニメ化ですが、ゲームはプレイされましたか?

黒崎:ほかのシリーズもプレイしていますが、女の子が出てくる回数が少ないのが違いますね。『薄桜鬼』では胸がキュンとしたり、ドキっとすることが多かったけど、『黎明録』は男の友情や絆が描かれていて、歴史小説を読んでいるような感覚でプレイしてました。作品全体から人間愛がにじみ出ていて、違った感動がありました。

mao:新選組ができる前のお話で、これから歴史を動かしていく男達の物語はドラマチックで、大河ドラマを見ているような。だから、『黎明録』は男子でもハマると思うので、ぜひプレイしてもらいたいです。

――『薄桜鬼』に出演する男性キャストの方も『薄桜鬼』が大好きで、休憩中も熱く語り合っているそうです。

黒崎:その男気あふれる言動は男性から見ても魅力的なんでしょうね。私もいち女子として「ついていきたい!」と思っちゃいますから(笑)。

mao:強い意志や揺ぎないものを持っているのがカッコイイです。それで「お前を守る」と言われたら。ヤバいよね?(笑)

――『黎明録』の中でお気に入りのキャラは?

黒崎:主人公の井吹龍之介の戸惑いにすごく共感できて、同じ視点で見てしまいます。あとどんどん好きになっていたのは芹沢さん。最初は見た目も言ってることも怖くて、「この人何なんだろう?」と思ったけど、『黎明録』をずっと追っていくと、ぶっきらぼうな態度の一つひとつにも意味がある事ような気がして。中田譲治さんの声もとても素敵で、アフレコ現場で見学した時、セリフを聴いて思わず、ため息が漏れてしまいました(笑)。テレビアニメでも芹沢さんに注目してます。

mao:私はずっと近藤勇さん押しなので。『碧血録』で近藤さんは亡くなってしまいましたが、ちょっとチャンネルを変えそうになるほどへこんで(笑)。その近藤さんがまた生きてるのがうれしくて。みんなに愛され、慕われている様子や今後の新選組の在り方を語っている姿はきゅんきゅんします。『碧血録』では悲壮な覚悟を近藤さんから感じていたけど、『黎明録』では穏やかな近藤さんがいて。1話で土方歳三さんと縁側で、お茶を飲みながら、お団子を食べているシーンを見るだけで、「明日も頑張ろう!」と思えました(笑)。



●テレビアニメ初回を見ていて具合が悪くなった?


――では改めてテレビアニメをご覧になってみての感想は?

黒崎:アニメが始まるまではゲームをやったり、シナリオを読ませていただいていましたが、なめらかにキャラ達が動いているところは何度見ても感動しますね。第1話は特に感動が深いと思うんです。感動しっぱなしで、ひと言も話せないまま、30分過ぎてました。

mao:1話が始まる前と終わった後、二人でTwitterでお話ししてました(笑)。OPが歌に合わせてキャラたちが動いているのが本当にカッコ良くて。「真音ちゃんの曲、カッコイイよね」とファンの方とRepしたりして。

黒崎:私は楽しむ余裕がなく、緊張のあまり、具合が悪くなっちゃって(笑)。でもTOKYO MXで見た後、テレビ神奈川でも見て、また過呼吸になりそうになって。

mao:真音ちゃんが『薄桜鬼』を愛するあまり、プレッシャーに感じていたのもわかるので、「真音ちゃん、頑張れ!」と思いながら(笑)。

黒崎:maoさんはテレビアニメで自分の曲が流れると緊張しませんか?

mao:私は「どんな感じかな?」とワクワクしながら見てる。あとはみんながどう思ってくれたかなとTwitterのタグを追ってみたり。またTwitterでは『黎鳴-reimei-』の感想を書いてました。「真音ちゃんのしゃくりが好き」とか。

黒崎:私も読ませていただいて本当に優しい方だなと。

mao:いえいえ。でも私、元々、緊張しないタイプだから。ライブ前も楽屋とかいろいろなところに遊びに行ったり、メイクさんに「ヤッホー!」って言って見たり。

黒崎:確かにステージの時も凛とされてました。私は本番直前になると立っていられなくなって、徘徊したり。

mao:そういえば、「あれ? 真音ちゃんがいない?」と。

黒崎:トイレに閉じこもってました(笑)。

――黒崎さんは今回初めてテレビアニメのOP曲だったんですね。意外です。

黒崎:ずっと夢見てたんですけど、それが現実になることが放送を見るまで信じられなくて。だから緊張してたんです。

mao:これから回を重ねるごとに真音ちゃんの緊張がどう変わっていくのか、見逃せないね。Twitterで実況したり。5話くらいで過呼吸が治ったとか(笑)。

黒崎:治るかな(笑)。



●恒例となったEDのテーマカラー、今回は「青」

――maoさんは『薄桜鬼』のテレビアニメのED曲は3回目ですし、OP曲も『ドラえもん』で経験されているから余裕が感じられますね。

mao:EDで、のほほ~んとお茶を飲んでました(笑)。始まったという高揚感から本編が終わり、「第1話よかったな。また『薄桜鬼』の世界観を見ていただけるんだな」とじんわり、ほのぼのしてました。両脇にわんこを抱えて。

――EDの映像をご覧になっての感想は?

mao:テレビアニメのEDには作品ごとにテーマカラーがあって、『薄桜鬼』のED曲『君ノ記憶』ではピンク、『碧血録』のED曲『茜空に願ふ』では濃い目の赤、今回は何色かなと思ったら、青を貴重としたさわやかなカラーだったので新鮮でした。



●maoさんによるOP曲『黎鳴-reimei-』評は「しゃくりポイント満載でツボ!?」

――ではOP曲『黎鳴-reimei-』をmaoさんが聴いた感想は?

mao:『雪華録』のイベントや吉岡亜衣加ちゃんのコンサートではしっとりしたバラード曲を歌っていて、しなやかで女性らしい歌声だなと。本番前にファルセットの練習している声だけ聴いててもきれいで。隣りの楽屋で事務所の社長と二人で聴いてて「すごいきれいだね」と小声で言い合って(笑)。しゃくり上げる声もセクシーで。

 今回の『黎鳴-reimei-』はテンポも速いし、激しい曲なのに、しゃくりポイントがたくさんあるので私的にはツボでした。人見知りタイプでおとなしいのに、歌うとカッコ良くて、華もあって。私も『黎鳴-reimei-』を覚えてカラオケで歌いたいと思います。

黒崎:それを私も聴きたいです! 

――ではふたりでカラオケへ(笑)。『黎鳴-reimei-』は黒崎さん自身が作詞されていますが、どんな想いで詞を書かれたのでしょうか?

黒崎:まず作曲のデワヨシアキさんに「“始まり”をテーマにした、疾走感と爽快感のある曲にしたいです」とお伝えして。曲をいただいたらドラマチックで、闇の中で前に進んでいく強い気持ちやみんなに支えられて培ってきた経験が今の自分を突き動かしてくれるというポジティブな気持ちを詞に込めました。

 また『黎明録』らしく、ところどころに作品で出てくるような言葉も入れて。「浅葱の夕闇」は『薄桜鬼』のイメージで、「黒き闇」はゲーム中の言葉、「信念の炎」はパラメーターだったり。そして龍之介目線で、これから物語が始まるという気持ちで書きました。



●龍之介に共感して作詞。自分とリスナーの背中を押す「始まりの歌」

――龍之介に共感できたり、重ね合わせることができたからこそ、書けた歌詞では?

黒崎:龍之介は複雑な環境の中でいきていて。そこでみんなと出会い、知らなかったことを教えてもらって、自分自身を見つけられたり、進むべき道をつかんでいくところを見て、私も「人から勇気をもらうことがあるな」と自分の想い出をリフレインすることが多かったので、感情移入しています。

 自分で書いた歌詞なのに、「頑張れ!」と背中を押してもらっている気持ちになったり、この曲を歌う時、サビのほうで泣きそうになって、歌えなくなりそうになったこともあって。不思議なパワーのある曲で、大切な1曲になりました。

――宣伝コピーの「鳴り響く始まりの歌」の通りですね。

黒崎:これから始まる物語を歌で鳴らすという意味で、この曲を聴いた誰かの始まりの歌になれたらいいなという想いで、曲名を『黎鳴-reimei-』にしました。

――ご自身的に気に入っているフレーズは?

黒崎:サビの歌詞はせつないメロディなのに、前に向かっていく様子を描いていて、前進していくパワーをもらえるようなフレーズになっていて好きです。また、一番最初が「もう戻れない」という後ろ向きな言葉から始まるところも好きです(笑)。

 曲頭でマイナスな要素を持ってくるのはダメと言われていたのに、どうしても下向きなところから段々と上に向かっていく描き方をしたかったんです。1曲の中でストーリーを作りたかったので、物語のように詞を読んでもらえたらと思います。



●ED曲『花のあとさき』の黒崎さん評は「これぞ、maoさん! これぞ、『薄桜鬼』のED曲!」

――ではmaoさんの歌うED曲『花のあとさき』を、黒崎さんが聴いた時の感想は?

黒崎:これぞ、maoさん! これぞ『薄桜鬼』のED曲だなと。CDで聴いた歌声も好きなんですけど、ステージでのエモーショナルな歌声が好きで。きれいだけど、力強さや感情が前に出てくる歌い方がいいんです。でも、今回もせつないですね。

mao:そうだね。でもせつなさの中にも始まりの希望も感じていて。今までの『君ノ記憶』、『茜空に願ふ』は終わりに向かっているけどもう止まれないというせつなさがありました。『花のあとさき』にもせつなさやはかなさのテイストは入っているけど、時代が始まる予感があって。

 OPで始まりの勇気や前を向く強さを感じていただいて、本編が流れて、EDでまた次のお話に対しての希望や期待感を持ってもらえたらいいなと。私が歌わせていただいた『薄桜鬼』の曲の中ではなかった感情であり、maoとしても新しく一歩を踏み出せたかなと思っています。

――『君ノ記憶』と『茜空に願ふ』では情感を込めて歌い上げるような感じでしたが、『花のあとさき』ではさわやかな歌い方ですね。

mao:そうですね。前の2曲は千鶴ちゃんの主観での愛する人達への気持ち、『君ノ記憶』では「寄り添いたい」、『茜空に願ふ』では「いつまでも待っているから。あなたの帰ってくる場所になりたい」で。『花のあとさき』に関してはもうちょっと客観的に見ているかなという感じがしていて。「今後、あなたはこうやって歩んでいくんでしょうね。私は後ろからそっとついていきます」という気持ちなのかなと。

 そこで主観で、感情をぐっと入れてしまうと、物語の広がりが狭まってしまう気がして。ニュアンスはいろいろあっても聴いた人が聴いたように感じるのが一番だと思うので、そんな余白を残す意味でも悲痛な叫びみたいな仰々しいニュアンスより、さらっと歌うことを心がけてレコーディングしました。



●「よるべなき想ひ 苦しみに寄り添ひたい」がお気に入り&ターニングポイント

――『薄桜鬼』ではみんなが戦っている中で何もできない自分へのもどかしさや焦りもあったけど、『黎明録』は前日譚のお話なので千鶴もそこまで切迫していないこともあるのかなと。

mao:そうですね。この『花のあとさき』から『君ノ記憶』、『茜空に願ふ』と順番に聴くことで『薄桜鬼』の世界を垣間見えると思っていて。だから今までを振り返ることができた気がして、ちょっとゼロからのスタートでまた新しいことを表現したいという気持ちもありました。

――maoさんが歌うED曲は全部、千鶴目線なので、女性ファンにとっては投影しやすいかもしれませんね。

mao:そうだとうれしいですね。

――ご自身的に気に入っているフレーズは?

mao:1コーラスのサビで、「よるべなき想ひ 苦しみに寄り添ひたい」という言葉があるんですが、メロディラインがすごく難しいんです。ブレスするところもなくて。レコーディングしている時に今回は感情をあらわにしない分、ピッチを気にし過ぎてしまって。でも言葉をもう一度見た時、「誰かをこんな風に思うことができたらどうなるのかな」と考えた時、ニュアンスで仰々しくしないけど、感情を表したいと思ったんです。

 そしてこのフレーズをまた歌ったら、最後までスムーズに歌えて。「この曲の世界観の中で私はこんな風に寄り添いたいんだな」と気付けたフレーズであり、私にとってもターニングポイントになりました。

黒崎真音さん。

黒崎真音さん。

maoさん。

maoさん。

●『黎鳴-reimei-』のカップリング『比翼-Contract with you-』はOVA『薄桜鬼 雪華録 第六章~風間千景~』のED曲!

――せっかくですので、シングルのカップリング曲についてもお話しいただきたいと思います。まず黒崎さんの『黎鳴-reimei-』のカップリング『比翼-Contract with you-』はOVA『薄桜鬼 雪華録 第六章~風間千景~』のED曲になっています。

黒崎:これまで『雪華録』の5作すべてのED曲の作詞と歌を担当させていただいて、『五色詠-Immortal Lovers-』というミニアルバムを出させていただきましたが、それぞれのキャラのストーリーを描いた作品だったので曲もキャラごとのストーリーを描いてきました。

 今回もそんな風にしたいなと思って、風間千景のテーマソングとして書かせていただきました。OVAの内容を盛り込んで、この曲を聴いたらOVAの内容を思い出してもらえるようにと。
彼の口調も意識しながら書いたので、千鶴に話しかけているような深い愛情と同属愛を表現しました。

――片想いしてる男性が聴いたら、「わかる、わかる」と。

黒崎:そうですね。自分を重ねてしまうとちょっとツライかも(笑)。

mao:逆に女子が聴いたら、こんなに熱く愛してくれてると思うとキュンとくるんじゃないかな。

黒崎:また妖艶な感じも出していて、彼がすーっと歩いているのが想像できたり、端々に彼らしさが出ているかなと。最初がストリングスとピアノでゆったりと始まって、サビになるとロックバラードになり、激しさも入っていて。サウンドでも彼の心の中の強弱や抑揚も表現されています。自分がイメージした風間らしい曲になったと思います。



●『花のあとさき』のカップリング曲『繭』はmaoさん作のネガティブな(?)オリジナル曲

――maoさんのカップリング曲『繭』は自分の殻に閉じこもった女性を描いた、かなりディープな曲で驚きました。maoさんはどうしてこんな詞を書いたんだろうと(笑)。

mao:ちょっとしたいたずら心で。「何かあったんですか?」とよく取材で心配されるんですけど、そう思ってもらうことも狙いなので(笑)。人前では「私でも実現できたんだから、夢をあきらめないで」とか前向きな発言をしていますが、実はネガティブなところがあるんです。そんなポジティブを公言している私と、ネガティブな私のせめぎ合いがいつもあって、歌詞を書く時、天使と悪魔みたいに悩むんです。

 でも、ものすごくネガティブな歌詞を書いたらおもしろいんじゃないかと思って書き始めて。結末でちょっと救われますが、最初は最後まで救いがない、どこまでも悲しい詞だったけど、歌詞を読んだら自分がかわいそうになっちゃって(笑)。

黒崎:そんなに(笑)。

mao:そう。自分を1ミリも愛せないみたいな暗い歌詞になっちゃって、自分で救いが欲しくなっちゃって(笑)。だからうつむいてても、前は向こうよという意味で、あのフレーズになりました。

――そういえば『君ノ記憶』のカップリング『センチメント』もネガティブな曲だったような。

mao:あの時は本当にプライベートが「センチメント」な気分だったので素直に書き記したんです(笑)。でも今回は「センチメント」な気分じゃないので、いたずら心で舌を出して「てへっ」という気持ちで書き始めたら、持ち前のネガティブさを発揮して思った以上に暗い曲になっただけで。

 でもネガティブな私だからこそ書ける歌詞があるはずだし、ここまでいろいろな曲を歌わせていただいて成長した私が自信を持って書いたネガティブソングです。逆にすごく悲しい時に聴いてほしいです。深く掘っていって地面までついてしまったらもう底はなくて、上がって行くしかないですから。

――最後の「この手で繭をはがそう」のために、それまでの歌詞があったように思えました。

mao:じゃあ、そういうことにしておきましょう(笑)。



●突然の試聴会開催にドキドキするmaoさん

――でも感傷に浸る秋や冬に合う曲という気も。なぜ夏に?

mao:秋冬ものだなと私も思いましたが、そこはあえて(笑)。

黒崎:私、ネガティブな歌詞が好きなので、maoさんが書くネガティブソングは気になりますね。

mao:自分の殻の中に閉じこもっているから「繭」なの。その殻をはがそうという。

黒崎:曲調はどんな感じですか?

mao:『花のあとさき』よりはスローなバラードで、曲もあの詞が載ると悲壮感が漂ってくるの。

宣伝担当者:じゃあ今、聴いてみますか?

mao:ええ~! 

黒崎:やった~!

(「繭」を流す)

mao:すごい空気になりますよ。

黒崎:すごくいいです! 歌詞も曲も好きです!

mao:ありがとう。

黒崎:maoさんの歌声が女性っぽいから怖い感じがしないし。

mao:よかった!

――でもアッパーな曲を歌うmaoさんを知ってる人はバリエーションと思うけど、このシングルから知った人は「どこまで暗い人なんだろう?」と思うのでは?(笑)

mao:そうかも。入口はどこからでも興味を持ってくれたらOKなんです。

――この曲のほうがmaoさんっぽいかも。mao節が炸裂してるし。

mao:レコーディングでも「お好きに歌ってどうぞ」と言われて、1~2テイクくらいしか歌ってないです。3~4テイク目になると濃すぎちゃって。

黒崎:エモーショナルさもよく出てますね。この曲、ヤバいです!



●『黎鳴-reimei-』のPVを撮影した屋久島トーク

――ここでmaoさんだけ試聴というのもなんですから、『黎鳴-reimei-』のPVもここで見ていただきましょう!

mao:わ~い! CMで見たんだけど、あれ、どこで撮ったの?

黒崎:屋久島です。

mao:やっぱり、そうか! そんな気がしてたから。

黒崎:CMではわかりにくいけど、1カメ1カットで撮影してるんです。

mao:そうなんだ! 屋久島ってパワースポットで、絵力が元々すごいのに。

黒崎:バックの杉も樹齢二千年なんです。

mao:もはや、ただの木じゃなくて、何か宿ってるよね。

黒崎:屋久島ってほとんどが岩でできている島で、その上に植物が根を伸ばして岩の上に立とうとするから、どの木もまっすぐじゃなくて、枝もオバケみたいな形に成長していて。生命力も他の場所で育った木よりも強いみたいなんです。

mao:それが神秘的なオーラを出すんだね。

黒崎:ぜひ皆さんに一度行っていただきたい。

mao:でも行くのは大変でしょ?

――でも片道3時間の登山はキツイですよね。

黒崎:でも皆さん、意外に平気でしたよ。

黒崎さんのマネージャーさん:帰りは黒崎さんのほうがボロボロだったけどね。

黒崎:髪もボサボサで。その様子までメイキングに残されてしまうという(笑)。



●オーディオコメンタリー風にPV視聴

――では視聴開始です。

(PV映像を見ながら)

黒崎:1コーラス目は顔のアップがすごく多くて、大画面で見たらビックリすると思う。

mao:映像もすごいけど、サビのキーのトップがすごく高いよね。

黒崎:そうなんです。ギリギリまで出してます。曲を出すたびにキーが高くなっていくんです(笑)。

mao:「真音、まだまだ行けるんじゃない?」という話がスタッフさんの間でされているんだよ。引きになると全体が見えて、またきれいだね。

黒崎:ここでクレーンを使っていたことがわかりますね。

mao:絵に合わせたように、ラストのサビのオケもドラマチック! 最後も色のコントラストが素晴らしいです。

黒崎:実は最後に撮影したテイクで。もう空港に行かなくちゃいけないギリギリの状況で、しかも1カメノーカット撮影は私もスタッフさんも失敗が許されないという、極限状態の中で撮れた奇跡の映像です。

mao:いい映像を見せていただいて、ありがとうございました!

黒崎:こちらこそ、見ていただいてありがとうございます。



●CD発売記念のツーマンイベントを東京&大阪で開催!

――ではシングル以外のインフォメーションがあれば。

mao:8月19日(日)に渋谷DUO MUSIC EXCHANGEに、やなぎなぎちゃんと一緒に出演します。他のアーティストも出演予定ですが、たっぷり歌えるようなので、ぜひネガティブな私とポジティブな私を見に来てください!

黒崎:私は夏のフェスへの出演が決まっています。8月26日(日)は「アニメロサマーライブ2012」と。またシングル発売当日に新宿ロフトプラスワンで私と川田まみさん、流田Projectさんの3組でトークライブを行います。そして10月14日には2周年記念ライブがあります。SHIBUYA-AXという大きな会場でのワンマンは挑戦であり、人生をかけたようなライブになると思うので、すべてを出し切って「今日は最高にいい日だったね」と言えるライブにしたいです。

mao:私も見に行きたいです。あと私と真音ちゃんとふたりで、シングル発売イベントを行います。8月12日が代々木アニメーション学院東京本部校、8月18日(土)が代々木アニメーション学院大阪本部校です。

黒崎:私は8月19日(日)、アニメイト京都店でもお渡し会があります。

mao:真音ちゃんとふたりでトークしたり、ミニライブできるのが楽しみで。

黒崎:私はふたりきりというイベント自体が初めてでドキドキしてますが、大好きな先輩のmaoさんを頼りにしてます。

mao:一緒に頑張ろう! 『黎明録』のOP曲とED曲がそろって聴ける機会はなかなかないと思うので、お聴き逃がしなく!



●『黎鳴-reimei-』で始まりを告げ、『花のあとさき』で次に向かう始まりを

――では最後にメッセージをお願いします。

黒崎:『黎明録』は男の物語という感じで、人と人との絆がテーマになっている気がするので、これまで『薄桜鬼』を見てくださった方はより楽しめるし、まだ見たことがない方にはここから楽しんでいただけると思います。女子だけでなく、男子にもオススメの作品なので、新選組の始まりと生き様を見てください。

 また今回初めてOP曲を歌わせていただくにあたって、自分の気持ちものせているけど、『薄桜鬼』の曲になることを一番意識して『黎鳴-reimei-』を作りました。毎回聴いていただくことで、皆さんの心の中にすっと入ってもらえたらうれしいです。フルで聴くと違った見え方もしてくると思うし、PVも自信作ですので、曲と映像、そして『黎明録』を合わせて楽しんでください。

mao:『黎明録』は始まりの物語で、真音ちゃんの『黎鳴-reimei-』は幕開けにピッタリです。またスタートや旅立ちを祝う意味もあって、何かを始める人達へのエールが詞の中に詰まっているので、パワーを注入してください。そして本編で『薄桜鬼』の世界にがっつり入っていただき、瞬きする間もない時代を生き抜く男達のドラマはアニメを超えて、もはや歴史ロマンに昇華したと思います。最後は私の『花のあとさき』で次の物語に向かう始まりを感じていただければうれしいなと思います。

 私と真音ちゃんが1話を見ながらTwitterをしていたら、皆さんが喜んでくださったので、これからもできる限り、実況でつぶやきたいと思うので、私達と一緒に楽しみましょう!



◆『黎鳴-reimei-』/黒崎真音
発売日:2012年8月8日(水)
価格:
DVD付き初回限定盤1,890円(税込)
通常盤1,260円(税込)
発売:ジェネオン・ユニバーサル

◆『花のあとさき』/mao
発売日:2012年8月8日(水)
価格:1,260円(税込)
発売:ジェネオン・ユニバーサル

●黒崎真音&mao『黎明録』OP&ED曲シングル発売記念イベント
8月12日(日)東京・代々木アニメーション学院 東京本部校 声優館 15:00開演
8月18日(土)東京・代々木アニメーション学院 大阪本部校 声優館 15:00開演

●黒崎真音『黎鳴-reimei-』リリース記念お渡し会
8月19日(日)お渡し会 <1回目> 開演14:30 <2回目>開演16:30


>>黒崎真音公式ブログ
>>黒崎真音公式サイト
>>mao公式ブログ
>>薄桜鬼(はくおうき)OFFICIAL SITE


<b>『黎鳴-reimei-』/黒崎真音</b><br>発売日:2012年8月8日(水)<br>価格:<br>DVD付き初回限定盤1890円(税込)<br>通常盤1260円(税込)<br>発売:ジェネオン・ユニバーサル

『黎鳴-reimei-』/黒崎真音
発売日:2012年8月8日(水)
価格:
DVD付き初回限定盤1890円(税込)
通常盤1260円(税込)
発売:ジェネオン・ユニバーサル

<b>『花のあとさき』/mao</b><br>発売日:2012年8月8日(水)<br>価格:1260円(税込)<br>発売:ジェネオン・ユニバーサル

『花のあとさき』/mao
発売日:2012年8月8日(水)
価格:1260円(税込)
発売:ジェネオン・ユニバーサル

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