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細谷佳正さん『デジモンtri.』第3章EDテーマに込めた想いとは

石田ヤマト率いるバンドのボーカルとして歌う声優・細谷佳正さん――『デジモンtri.』第3章EDテーマに挑戦する心境に迫る

 アニメ『デジモンアドベンチャー tri. 第3章「告白」』の劇場上映、劇場限定版Blu-ray先行発売、先行有料配信が2016年9月24日からスタートします。これまで第1章「再会」ではAiMさん、第2章「決意」では和田光司さんがEDテーマを担当してきましたが、第3章「告白」では、劇中バンド「KNIFE OF DAY(ナイフ・オブ・デイ)」が歌うことに決定!

 本稿では、「KNIFE OF DAY」ボーカル&ベース担当の石田ヤマトを演じる声優・細谷佳正さんにEDテーマをキャラクターとして歌うことに決まった際の心境や、楽曲の印象などについて伺ったインタビューをお届けします。

 

■ 第3章EDテーマの第1印象はヤマトのガブモンに対する思い

――EDテーマをKNIFE OF DAYで歌うことになったときいたときの率直な気持ちを教えてください。

石田ヤマト役・細谷佳正さん(以下、細谷):まだ歌う前だったんですけど、映画の終わりでテロップとともに曲が流れるんだなと思うと、ちょっと恥ずかしかったですね(笑)。最近は同じ声優の仕事をされている方でもアーティスト活動をされている方がたくさんいらして、その方々の音楽を聴くと、すごく本格的で……。僕は全然そういうことをしていないので、大丈夫かなという不安がありました。

――AiMさん、和田光司さんと、このシリーズでEDテーマが歌われてきましたが、それに対するプレッシャーはありましたか?

細谷:長く続いてきた作品で、第1章が劇場上映される際もすごいニュースになっていましたし、キャストが変わったこともあって、僕がヤマトを演じるということに対して、マイナス意見のほうが多いと思っていたんです。だから第1章のアフレコの時は、気を張ってる部分がありました。でもその後、参加させてもらったデジフェスというイベントで和田光司さんの手紙が読まれて、会場には色々な年代の方がいらっしゃっていたんですけど、すごく涙している方が多かったんです。

そのときに、好きなアニメが最終回になって、泣いていた自分の子供の頃を思い出して、あぁ、こんな純粋な方たちが見てくれているんだなと思ったら、第2章からプレッシャーに感じ始めました(笑)。今回歌わせてもらったEDの「僕にとって」は、デモを聴いた時にとても楽しい気持ちになったので、ただただ一生懸命歌って、その思いが伝わればいいな、響いてくれたらいいなと思いました。


――楽しみなことというと?

細谷:劇場で流れるということで、規模は違うと思うんです。大掛かりにもなるし。キャラクターソングだけど、劇場のスケールに合わせた音質にもなっていくだろうから、そこは楽しみではありますね。



――EDテーマ「僕にとって」はどんな曲ですか?

細谷:最初に聴いて感じたのは、ヤマトのガブモンに対する思いなのかなって。デジモンたちと離れ離れになってしまう展開があって、そのシーンのアフレコをした後だったので、余計にそう思ったんですよね。ただ、今まで自分が関わらせていただいたキャラクターソングというのは、セリフだったり展開だったりを直接的に歌詞にしたものが多かったんですけど、「僕にとって」はそうではなく、ストーリーの大きな流れを歌詞にしていると思ったし、具体的に語り過ぎてないところが多くの人に共感して頂ける曲になっていると思います。


――歌詞にある〈君〉は、聴く人それぞれの想像に委ねられるというか。

細谷:そうですね。歌詞があまり具体的ではないことで、大衆的に向けた曲になったんじゃないかなって。僕はヤマトの言いたい事として受け入れたので、そういう捉え方をしたけど、いろんなものに当てはめることができると思うし、キャラクターソングでありながらも、アニメの世界に限らなくてもいい曲だと思いました。

――イントロがベースで、すごく印象的だったのですが、ヤマトがボーカル&ベースだからこそなのかなと思ったのですが、完成された楽曲を聴いてみていかがでしたか?

細谷:ベースに関しては、仮歌を聴いた段階でオケはできていたんですけど、本番ではベースを生で収録をするということは聞いていたので、完成版を聴いて、こんなにかっこよくなるとは!と思いました。自分が歌った曲を褒めるのもなんですけど、本当にいい感じに仕上げてもらったなというのが正直な感想ですね。

――最後の〈キミじゃなきゃ〉がセリフっぽくなっているのは、やっぱりガブモンをイメージして?

細谷:いや、実はそこまで考えてないんですよ(笑)。セリフではありながらも音楽に乗っかっているものなので、この楽曲の中で、違和感なく馴染めばいいなって考えながら3テイクくらい録ったもののひとつです。台詞自体はヤマトからガブモンに向けた言葉だなと思います。


■ カップリングの歌詞に共感―すごく親しみを持って受け入れらた

――カップリング曲の「WHICH」はいかがですか?

細谷:この歌詞がすごく好きで! この歌詞の主人公は、自分を探すことにあがいているんですよね。デジモンで言うと、太一や周りのみんなが大人になっていて、デジモンたちと共に戦うことで、自分たちの街を壊してしまうかもしれないと。これまで敵が出てきて、デジモンと戦うことが当たり前になっていたのかもしれないけど、普通の人からしたら、ビルが壊れたりしたら大変なことだし、そういうことを考え始めたみんなと、昔のように全力で熱く戦いたいんだっていうヤマト。変わらない彼だからこそ、周りが冷めているように感じてしまい、それにあがいているようなお話(歌詞)だなと思いました。


――この歌詞も、アニメの世界だけで完結していない歌詞ですよね。

細谷:そうですね。大人になるっていうことは、社会性を身につけたり、空気を読んだりして、本当の自分の意志みたいなものがわからなくなってしまうことだと思うんです。僕はフリーになって2年、関わるいろんな人のおかげで、ありがたいことにまだやれていて、自分一人だけでやってるわけじゃないこともわかってくる。でも、人って、本来もっと勝手な生き物なんじゃないかと思っていて、そことどう折り合いをつけていくのか、というか。

たとえばアドバイスを受け入れて、自分が望む結果にならなかったとする。でもアドバイスを受け入れる選択をしているのは自分なわけだから、そこで考えることをもっともっとしていかないといけないっていうか。アドバイスをはねのけるのではなく、本当の自分はどう思っているんだろう、何をしたいんだろうっていうのを見つけていかないといけないんだろうなと34歳にして思うようになりまして(笑)、そんなときにこの歌詞は、すごく親しみを持って受け入れられました。


――ある意味、誰にも当てはまることというか。

細谷:この歌詞の主人公は、確実に信じられる人からの〈「いつもそばにいてやるさ」〉っていう言葉によって、やっと自分の立ち位置を把握して走り始めるんですよ。それはすごくリアルだと思うんですよね。わからないことだらけだし、味方にいてくれる人がいないと、壊れてしまうから。

でも、2コーラス目になると、〈追い越される現実に 一人立ち止まる/背中越し聞こえた さよならのエール〉っていう歌詞があって。いろんなことを経験すると、ある時期にいてほしい人っていうのはいるんですけど、その時期を過ぎて、ずっとその人と一緒にいると、今度は自分が成長できなくなってしまったりするから、一旦のお別れが必要だったりする。思えばそういうことをずっと繰り返して、今まで生きてきたなって思ったので、すごく深い歌詞だなと。思春期真っ盛りの歌詞かもしれないけど、これは結構普遍的なテーマなんだなって思いました。だから個人的に、この曲はすごく刺さりましたね。


――では最後に、ファンの方へメッセージをお願いします。

細谷:『デジモンアドベンチャー』という長い歴史のある作品の中で、EDテーマを歌わせていただくということは、アニメに関わらせていただいている者として非常に大きな出来事だと思います。石田ヤマトとして僕を選んでいただいたというのは、制作陣の方々、スタッフの方々など、いろんな人の意志があるし、EDテーマを歌うことを想定して選んでいただいたと思いますし、それはすごくありがたいし、感謝しています。 

ですがエンターテイメントは見られて、そして聴いてもらってなんぼなので、ここからだと思うんですよね。だからその第一歩として、『デジモンアドベンチャー tri. 第3章「告白」』を見ていただいて、EDテーマを聴いたお客さんに喜んでいただけることが、僕を選んでいただいた方が望んでいることだと思うので、まずは劇場で、いい音響で作品の一部としてのEDテーマを楽しんでいただければと思います。そこで僕もやっと胸をなでおろせると思いますので、ぜひ劇場に足を運んでいただけたらと思います!


――最後に、第3章の見どころをお聞かせください。

細谷:リブートという出来事を阻止するためにデジモンたちが戦いに行くんですが、そこで子どもたちとデジモンたちが離れなければならないシーンがあるんです。そういうシーンは、デジモンっぽいんだろうなって。「デジモンアドベンチャー」って子ども向けのアニメではありますが、別れも含めたシリアスな展開やメッセージがあったからこそ、今でも心に強く残っている人が多いと思うんです。この第3章は、そういう展開がこれまでの章の中で一番出ていると思うので、そこが見どころだと思います。

<リリース情報>
■デジモンアドベンチャー tri.第3 章「告白」
 ED テーマ KNIFE OF DAY「僕にとって」

【発売日】2016 月9 月21 日(水)
【定価】1,300円(税込)
【収録内容】※全4 曲収録予定
M-1 僕にとって 作詞・作曲:Junxix 編曲:かずぼーい
M-2 WHICH 作詞:鳥海 雄介 作曲:佐藤 晃 編曲:かずぼーい
M-3 僕にとって(Original Karaoke)
M-4 WHICH(Original Karaoke)


■公開情報

デジモンアドベンチャー tri. 第3 章「告白」
3週間限定劇場上映/劇場限定版Blu-ray 先行発売/先行有料配信
2016年9月24日(土)同時スタート!

上映館:新宿バルト9、渋谷TOEI、T・ジョイPRINCE 品川、横浜ブルク13、梅田ブルク7、T・ジョイ京都、109シネマズ名古屋、T・ジョイ博多、札幌シネマフロンティア、広島バルト11、MOVIX仙台

一般販売版Blu-ray&DVD 2016年11月2日(水)発売!
【CAST】花江夏樹 坂本千夏 ほか
【STAFF】監督:元永慶太郎 シリーズ構成:柿原優子 キャラクターデザイン:宇木敦哉

■発売情報

『デジモンアドベンチャー tri. 第3章「告白」』一般販売版Blu-ray&DVD
11月2日(水)発売
Blu-ray:8,000 円 (税抜)
DVD:7,000 円 (税抜)
発売元・販売元:株式会社ハピネット

<初回生産分限定特典>
・宇木敦哉描き下ろしジャケット<透明スリーブ&デジパック仕様>
・スペシャルブックレット(16P)
[通常特典]ライナーノーツ
[映像特典]
・第3章「告白」ノンクレジットED映像
・第2章「決意」CM集 他

>>『デジモンアドベンチャー tri.』公式サイト

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