映画
『コナン』青山剛昌さん、『ちはやふる』末次由紀さんのコラボ実現

【動画あり】 『名探偵コナン』×『ちはやふる』のスペシャルコラボ! 青山剛昌さん、末次由紀さんが一枚の色紙にイラストを描く

 都内某所にて、映画『名探偵コナンから紅の恋歌』の2017年4月15日(土)の公開を記念した、スペシャルコラボが実現! 日本の漫画界を代表する2人の漫画家先生、青山剛昌さん(『名探偵コナン』)、末次由紀さん(『ちはやふる』)によるスペシャル対談がおこなわれました。

 TVアニメ、実写映画共に高い評価を受けた『ちはやふる』の大ファンであるという青山さんが、作者である末次さんと秘密の対談。大ヒット作品の原作者同士ならではの濃厚で貴重なお話が飛び出しました。さらに世界に1枚しかないコラボイラストを作成。一枚の色紙に青山さんは「コナン&大岡紅葉」を、末次さんには「綾瀬千早&若宮詩暢」を描き上げました。

※記事の最後に、二人の先生が書き上げる動画も用意してあります!

コラボイラスト制作開始!
――それでは、コナンと紅葉、千早と詩暢を一枚の色紙に描いていただきたいと思います。

青山剛昌さん(以下、青山):いやあ、見られていうと緊張しますねえ(笑) 

末次由紀さん(以下、末次):私もです。あまりこういう経験ってないんですよね。

青山:道具はどうしますか? 俺けっこう色々持ってきたので、お貸ししますよ。

末次:本当ですか? 実は色を付けることを考えていなくて、白黒で描ける道具しか持ってこなかったんです。

青山:そういうことなら、今回は白黒にしましょうか。

末次:いえ、せっかくのコラボですし、カラーにしてみます。青山先生はカラーで描くほうが多いんですか?

青山:まあ俺のキャラクターって色をぬるのはそんなに難しくないですからね。

末次:でもその方が豪華で良いですよね。私はカラーにすると時間が倍近くかかっちゃうので。

青山:コナンを描くとなると、髪の毛をベタ塗りにするから時間もそんなにかわらないんですよ。あ、でも紅葉を描くなら着物の柄とかはどうしよう……。いつもはアシスタントが描いてくれてるから。

▲末次由紀先生

▲末次由紀先生

末次:それなら、着物は私が描きましょうか?

青山:え、いいんですか? それじゃあお願いしようかな。

末次:こちらこそ。それでは道具お借りします。

青山:どうぞ、どうぞ使ってください。

――漫画家さん同士で使っている道具を見合うのって珍しいですよね。

末次:たしかにあまりないですね。でも漫画家さんって不思議なもので、まったく同じ道具を与えてもぜんぜん違うものが出来上がるんですよ。使い方も絵のテイストも変わってくるんですよね。

 そう話しながら、早速色紙に絵を描いていく末次さん。その様子に、青山さんが困惑した様子を浮かべます。

青山:あれ、下描きとかしないで大丈夫なんですか?

末次:あ、私は大丈夫なんです。

青山:下描きしないで描くんですか!? 俺は絶対に下書きしないと描けないんですよ。へえ、凄いなあ。

――青山先生はイラストを描かれる際に気をつけている点はありますか?

青山:目から描くようにしてるくらいですかね。

末次:え、目から描くんですか?

青山:まず目を決めて、それから輪郭を描きます。末次先生は?

末次:私は輪郭からです。

青山:じゃあ、今日は俺も輪郭から描いてみようかな。

末次:いやいや、いつも通りでお願いします(笑)。そういえば、先生はもう線画をフルデジでされているんですか?

青山:いや、アナログでやってます。デジタルじゃ描けないですよ。

末次:やっぱそうですよね。でも仕上げはデジタルなんでしたっけ?

青山:トーンとかはね。ということは、もしかしてまだデジタルにされてないんですか?

末次:はい。でも最近トーンの廃番が増えてきていて、まだそんな珍しいトーンは使ってないから大丈夫なんですけど、いつかなくなると思うと不安で凄くドキドキしてます。(笑)

青山:あれ怖いんですよね……(笑)。

 
映画『から紅の恋歌』は『ちはやふる』に影響されている?
――お二人ともお互いの作品はどの程度ご覧になってるんでしょう?

青山:最新巻まで読ませていただいています。いやあ、面白かったですよ! (若宮)詩暢ちゃんが良いんですよ。特に周防(久志)名人とのやりとりが気に入っているんです。

末次:ありがとうございます。そんな新しいところまで読んでくださっているなんて。私も去年公開になった『名探偵コナン 純黒の悪夢』を観て凄く気持ちが高ぶりました。これから見る『名探偵コナン から紅の恋歌』もすごい楽しみなんです。

青山:あれ実はまだ完成したのは僕も見てないんですよ(笑)。

末次:そうなんですか!?

青山:絵コンテや脚本の監修はしているので内容はわかってるんですけど、やっぱり映画になったのを見るまでは不安で。それにほら、今回は百人一首ですから(笑)。

一同:(笑)。

末次:実はティザービジュアルが公開されたとき、『ちはやふる』のファンの子たちから「先生大変です。『コナン』で百人一首をやるみたいです」という報告がたくさんもらったんですよ。それで私は「なんだって?」と思いながらも、実は凄く楽しみにしていました。“これならしゃしゃり出ても良いんじゃないか?”と思って、めちゃめちゃスタンバってたんですよ(笑)。

▲映画『名探偵コナンから紅の恋歌』キービジュアル

▲映画『名探偵コナンから紅の恋歌』キービジュアル

青山:ちょうど昨年『ちはやふる』の実写映画があったじゃないですか。その後だったから『コナン』が乗っかるのも大丈夫かな、と思っていたんです。そしたらね、また続編があるということがわかったので。あ、これはやっちゃったかなって心配していたんです(笑)。

末次:確かにちょうど挟む形になっちゃいましたね。でも、これで競技かるたが盛り上がれば、うれしいですよね。映画でも競技かるたをやる場面はあるんですか?

青山:紅葉と和葉が戦うシーンがあります。謎解きに関わってくるシーンではあるんですけど、『ちはやふる』のファンの方が見たら、ちゃんちゃらおかしいことになっているかもしれません。監修しているとはいえ、俺はまだまだ素人ですから(笑)。

▲遠山和葉(CV:宮村優子)

▲遠山和葉(CV:宮村優子)

▲大岡紅葉(CV:ゆきのさつき)

▲大岡紅葉(CV:ゆきのさつき)

末次:そんなこと! 『コナン』のメインは謎きですから。それに『コナン』は映画になるとアクションが派手になって、そこも見応えがあって好きなんですよ。今回はどうなんですか?

青山:今年は競技かるたとラブコメ重視になっているので、そういう意味ではアクションが少なめかもしれないですね。それと先に謝っておきます。実は『ちはやふる』っぽいシーンをやっちゃったんですよ。すいません(笑)。

末次:いやいや(笑)。そういうことなら『ちはやふる』のファンの子も「なにぃ?」と思いながらも見に行ってくれると思いますよ。きっと。

青山:いやあ、恥ずかしいなあ。

▲江戸川コナン(CV:高山みなみ)

▲江戸川コナン(CV:高山みなみ)

▲写真左、服部平次(CV:堀川りょう)

▲写真左、服部平次(CV:堀川りょう)

――映画の際は、青山先生は毎回かなり深いところまで関わっていらっしゃいますよね。

末次:ストーリーを作るところから加わっているんですか?

青山:そうですね。ちなみに今回だと、スタッフの中で俺が一番競技かるたに詳しかったんですよ。

末次:それじゃあ、競技かるたを物語に絡めようということになったのは、もしかして。

青山:僕がいったからです。『ちはやふる』が大好きだったもので。

一同:(笑)。

青山:それに加えて、和葉のライバルキャラを出すなら京都の子にしようとずっと思っていたんですよ。それが映画に出そうということになり、さらに競技かるたをやっていることになり、気がつけばクイーンくらいに強いという設定になっていました。

末次:その話を聞いてから、私の頭の中の詩暢ちゃんがメラメラ闘志を燃やしているんですよ。「高校生クイーン? はあ?」って(笑)。

青山:そりゃあ、そうですよね(笑)。

末次:でも紅葉はまだクイーンにはなってないんですよね?

青山:そうですね。未来のクイーンとは呼ばれていますけど。まあ、なれないんじゃないかな。

末次:ちなみに私の中の詩暢ちゃんは「そんなに甘くない」といっています。

一同:(笑)。

青山:そういえば紅葉ってネイルをつけているんですよ。もちろん試合では外しますけど、指を守るためという勝手な設定を作ってね(笑)。そんな人実際にいるのかな? 冷静に考えると恥ずかしいですね。

末次:伸ばせないだけで、ギリギリの当たらないラインでネイルするのはかまわないと思いますよ。逆に補強にできていいと思います。だから紅葉ちゃんはありです。

青山:そういってもらえると気が楽です(笑)。そういえば、末次先生が一番すきな句ってなんですか?

末次:王道に在原業平朝臣の「千早(ちはや)ぶる 神代(かみよ)もきかず 龍田川(たつたがは) からくれなゐに 水くくるとは」も良いんですけど、個人的には権中納言敦忠の「逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり」の歌が、意味的には一番好きですね。細胞からすべてが入れ替わるような出会いを、上手く表現してある句だと思うんです。

――『ちはやふる』が実写化された際は末次先生も脚本の監修をされたんですか?

末次:脚本に意見をいわせてもらうことはありましたけど、ほとんどはプロの方たちに任せることになりましたね。私の出来ることといったら応援しているくらいでした。

青山:漫画では(綿谷)新(主人公・千早の幼馴染で、競技かるたを教える)が自転車で追いかけてくる場面があるじゃないですか。あれが映画になかったのがちょっと残念だったんですよ。

末次:だってアレを本当にやったら時速80キロとかで走らないといけませんからね(笑)。普通のバスくらいならまだよかったのかもしれないですが、特急しらさぎが相手では流石に。実写では本当にそれをしなければならないのが難しいですよね。

青山:確かに、そうかもしれませんね。

末次:キャストのみなさん、競技かるたの練習を凄く頑張ってくださったんですよ。だって「なぜかるた?」と疑問に思うのが普通じゃないですか。『ちはやふる』ではかるただったけど、作品によってはバスケをしたり、バイオリンを弾いたりしてて、毎度何か違うものに変身しているのって凄いことだと思うんです。

青山:漫画だったら、バイオリンを弾いている人が出てきて「素晴らしい曲だ」と描けば、それは素晴らしい曲になっちゃいますからね。

末次:それを現実に表現できるからこそ、実写にする意味がありますよね。お客さんもそこを楽しみにしてくれているので。

 
ここから青山先生のターン。コナンと名探偵ホームズの以外な接点とは?
――長年連載を続けていくうえでの悩みってあったりするんでしょうか?

末次:私の場合だと、キャラクターが多いことですかね。『コナン』ほど多くはないんですけど、やっぱり全員を出すっていうのは難しくて。

青山:ああ……。わかります、それ。

末次:よくファンの子たちから「◯◯を出してください!」というメッセージをもらったりするんですけど、描いている身としては「無理です!」としか応えられなくて。本当に申し訳ないんですよね。それにいざ出すとなっても、久しぶりすぎてどんなキャラクターだったのか忘れちゃっていたりして。自分の漫画を自分で読み返したりしています(笑)。

▲青山剛昌先生

▲青山剛昌先生

青山:俺なんてたまに確認しないで描いちゃって、ファンから「全然違いますよ」と指摘されることもあったりしましたよ。

一同:(笑)。

――お二人とも、それぞれの作品ではどのキャラクターが気に入っていますか?

青山:俺はですね、(真島)太一(千早の幼馴染のひとり。千早の事を想い続けている)くんが好きなんですよ。

末次:やっぱり。太一は男性からの人気も高いんですよね。

青山:どうにも彼が不憫でね。でも最新刊は凄くかっこよかった。

末次:出番も多かったですからね。私は『コナン』だと京極(真)が好きですね。園子ちゃんとのお話をもっと見たいと思っているんですけど……。

青山:やっぱり京極って人気があるんですよね。まあ、そりゃそうか(笑)。

末次:漫画やTVアニメだと、どうしても少しずつしか出番がないので、「もっと見たい!」という方が映画を見に来るのかもしれませんね。映画なら一人ひとりも濃く表現されているし、キャラクターもいっぱいで豪華ですから。私の友達にも多いんですよ。子供の頃から『コナン』が好きで見ていたけど、大人になって毎週のTVアニメは追えなくなったから映画だけは観る、という人。だからこの時期になるとみんなでキャッキャしていますね。

青山:そういう考え方もあるのか。ありがたいですね。

末次:映画の時期はやっぱり忙しくなるんですか?

青山:その関係で少し休みが増えたりはしちゃってますね。でも嬉しいこともあって“私は蘭ちゃんみたいに待ってますから”というメッセージをもらったりするんですよ。だから頑張らなきゃなって。

末次:そうなんですよね。みんなファンの子たちも優しくて、「先生無理をしないでください、ちゃんと終わることが大事なことです」とね。

青山:まあ厳しい人もいるんですけどね。「そろそろ、あの方の正体ばらしてもいいんじゃね?」とか、「早く新一と蘭のキスがみたい」とか(笑)。

末次:それは全ファンの正直な気持ちですよ(笑)。だからお願いします。どうか青山先生が元気でいてください。長く続いている作品を読んでるといつも思うんですよ。どうか生きている間に完結してほしいって。

青山:生きている間って(笑)。

一同:(笑)

末次:いつまででも待っているので、とにかく無事に完結して欲しい。ファンの方はみんなそれだけ強く思っていると思いますよ。もうラストの展開は考えてらっしゃるんですか?

青山:それは、秘密です。

いよいよ完成間近! 究極のコラボ色紙誕生
 ここから青山先生の色塗り作業に入っていきます。紅葉に関しては本当に末次先生が担当することになり、青山先生の絵に末次先生が色を塗るという衝撃のコラボが実現することに。

末次:青山先生は普段どこのカラーインクを使っているんですか?

青山:「ドクターマーチン」というやつです。

末次:あ、お揃いですね。私も「ドクターマーチン」なんですよ。色が鮮やかでいいんですよね。コナンくんの服の青ってどれなんですか?

青山:たしか21Bのウルトラブルーだったかな。ホームズが住んでいる住所がベーカー街221Bだから、実はほとんど一致してるんですよ。

末次:え、それってたまたまなんですか?

青山:偶然なんです。これ知ったとき“コナンの色だ!”って凄くビックリしちゃいましたよ。

末次:青にも色々あるのに、そんなことってあるんですね(笑)。

青山:それでは、紅葉の着物は本当にお願いしちゃいます。

末次:任せてください。

青山:やあ、着物の模様をかけるって凄いですね。昔『剣勇伝説YAIBA』って漫画を連載していたんですけど、あれで着物が出てきたときは折り紙を使ってましたから。

末次:折り紙って、あの和紙みたいな模様のついてるやつですか?

青山:そうそう、綺麗だったんで使えるかなって。

末次:漫画って意外となんでも利用できるんですよね(笑)。

 そしてついにコラボ色紙が完成となりました。紅葉と詩暢がクイーンの座を争うように火花を散らし、それを困惑した様子で見守る千早とコナンという構図。コラボにふさわしい、豪華絢爛な一枚となりました。

動画でも、その様子を再度確認してみてください!


――では最後はお互いの作品へ向けてのエールをお願いします。

末次:公開を凄く楽しみにしています。どんなLOVEミステリーなのか、今からドキドキしています。

青山:ミステリーのシーンが多いかもしれないけど、飽きないでください(笑)。僕は千早ちゃんと詩暢ちゃんのクイーン戦を楽しみにしています。がんばってください。

[取材・文・写真/原直輝]

 
『名探偵コナン から紅の恋歌(からくれないのらぶれたー)』作品概要

【ストーリー】
 大阪の日売テレビで、爆破事件が発生!その時、百人一首界を牽引する「皐月会」が開催する会見が行われており、大パニックに!崩壊していくビルの中、西の名探偵・服部平次とその幼馴染・遠山和葉だけが取り残されるが、間一髪の所でコナンによって無事救出される。時を同じくして京都・嵐山の日本家屋で、皐月杯の優勝者が殺害される事件が発生。果たして大阪での事件とのつながりは? 

 そんな騒動の中、コナンは平次の婚約者だと言い張る女性と出会う。その名は、大岡紅葉。紅葉は、なんと皐月会に所属する競技かるたの高校生チャンピオンだった。コナンと平次は大阪府警・京都府警とともに、2つの事件に関係する皐月会の捜査を始める。東西の名探偵を翻弄する、古からの歌。時を越えて読み継がれるその歌は秘めし想いが綴られた“恋歌”か、復讐に血塗られた“哀歌”か―。

【スタッフ】
原作:青山剛昌「名探偵コナン」(小学館「週刊少年サンデー」連載中)
監督:静野孔文
脚本:大倉崇裕
音楽:大野克夫

【キャスト】
高山みなみ
山崎和佳奈
小山力也
堀川りょう
宮村優子 ほか

>>『名探偵コナン から紅の恋歌』公式サイト
>>『名探偵コナン から紅の恋歌』公式Twitter(@conan_movie)

(C)2017 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
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