『はじめの一歩 New Challenger』宍戸淳監督&喜..

好評放送中のTVアニメ『はじめの一歩 New Challenger』DVD第1巻発売記念企画!宍戸淳監督&一歩役・喜安浩平さん スペシャル対談(後編)

 現在放送中のTVアニメ『はじめの一歩 New Challenger』は主人公・幕之内一歩をはじめとする魅力的なキャラクター達が、四角いリングのなかで熱く激しいファイトを繰り広げつつ、緻密な人間ドラマを描いた人気ボクシング作品。そんな『はじめの一歩 New Challenger』のDVD第1巻が早くも4月22日に発売される。また第一シリーズのDVD、『はじめの一歩 DVD-BOX VOL.2』も3月18日にリリースされた。

 DVD発売を記念して今シリーズから監督を担当する宍戸淳さんと、一歩役の喜安浩平さんとの対談を行なった。『はじめの一歩』に対する熱い想いや印象的な出来事を語り合っていただく本企画だが、2回目の今回は『はじめの一歩 New Challenger』の見どころや、おふたりの印象に残っている試合などについて語っていただいた。


●『はじめの一歩』の魅力はやっぱりかっこいいボクシング!

――ここで改めてお聞きしたいのですが、『はじめの一歩』の魅力とは?

宍戸監督:まずはやっぱりボクシング。誇張しないでレベルの高い部分で実際のボクシングのように消化しているところだと思います。かっこいいボクシングが魅力だと思います。あとドラマがしっかりしていること。今回はどちらかといえば人間ドラマがメインになっています。そして一歩独特のギャグ(笑)。他では見られないおもしろさです。

喜安さん:振り幅が広いですよね。真剣なところからギャグまで。

宍戸監督:何も包み隠さず、すべてをさらけ出していて、勢いもあって。僕としてはその3点がこの作品の魅力かなと思います。

喜安さん:原作の森川先生が、ボクシングの技術的なことも選手の精神的なこともよく研究されていて、そのことが作品中に散りばめられているので、多少演出的な部分はあるんでしょうけど、ボクシングの部分に嘘がないから非常に感情移入しやすいんです。試合の勝ち負けだけでなく、試合の内容にも入っていけるので、実際にボクシングをやったり、見たことがない人でも楽しめる内容になっていることが素晴らしいです。またキャラクター達も個性的で、泣きたくなるくらい切実なものを見せてくれることもあれば、本当にくだらないギャグを見せてくれたり、その人間性に愛着を持てる人達ばかりで。人がいて、ボクシングがあって、というすごくシンプルでど真ん中な作品であり、そこで勝負していることが素敵だなと思います。


――では今回のシリーズの見どころを教えてください

宍戸監督:まさにドラマです。いろいろな試合を通して、それぞれのキャラクターの人間関係、そしてなぜボクシングをやっているのか、続ける意味など、自分がボクシングをしている動機を見せられるんじゃないかと思います。一歩の試合じゃなくても物語を盛り上げるための試合になっているので、じっくり見てほしいです。

喜安さん:試合前後の、戦ってない部分の密度が濃いですね。それぞれの選手の試合にかける想いや、一歩に対する想い、試合を終えての心境の変化など、前フリの部分と着地点がどの試合でも丁寧に描かれています。そこがとりわけ、このシリーズの魅力だと思います。


――一歩を取り巻くキャラも個性的で気になります。まず一歩の所属する鴨川ジムの人々との掛け合いが楽しいんですけど今回は……

宍戸監督:もちろんあります! 

喜安さん:むしろそれしかない回がありますからね。

宍戸監督:そこではハジけて、鷹村、青木、木村の三バカでかなり遊んでみました。

喜安さん:よく考えてみると大の大人が三バカよばわりってすごいですよね。

宍戸監督:彼らは真剣にやっているのがいいですね。青木と木村のケンカとか。


●最近はあまりないウブな感じの恋愛ドラマもお楽しみに

――あと一歩とガールフレンドの久美のロマンスの行方ですが、そういうシーンは今回あるんですか?

宍戸監督:ありますけど、全体的にはピンポイントになっちゃいますね。

喜安さん:まだ原作でもじれったい展開が続いていますが、ここまで二人の関係の中では、一番頑張る瞬間がありますよね。

宍戸監督:そういう意味では一番、二人の関係が近づくかも。

喜安さん:これ以降、いろんな試合に押されて、「二人の恋の行方ってどうなっちゃうの?」みたいになるので。

宍戸監督:お互いが意識し合っているのがよく見れますよ。

喜安さん:この二人のようなウブな感じの恋愛ドラマも最近なかなかないですよね。それもいいんじゃないかなと。

宍戸監督:中学生の恋のような(笑)。

喜安さん:ホッとしますね。


――二人のじれったい恋や、一歩のお母さんやワンポとのシーンなどほのぼのとするシーンもいいですね

宍戸監督:ファイトや練習シーンなどの、男くさいボクシングシーンとのギャップがいいんじゃないかと思います。


●いよいよDVD第1巻リリース!第1話を前回と見比べてください!

――さて4月22日には早くも『はじめの一歩 New Challenger』のDVD第1巻がリリースされます

喜安さん:第1話から3話まで収録されています。ストーリー的としては、宮田君の東洋太平洋フェザー級のタイトルマッチがメインになっています。
 実はこのシリーズでうれしかったことがあって。第1話の最初の始まり方が前シリーズとほとんど同じ始まり方になっていて、「すごい!」と感動しました。

宍戸監督:あれは前作を見ていた方には「あっ!」と思っていただけるかもしれないですね。しかもちょっとした部分で違うところもありますけど。

喜安さん:だから演じる時、最初は「よいしょ! よいしょ!」と頑張ってる感じにしようかなと思ったんですけど、絵が同じだったらむしろ一歩に変化がないとおもしろくないなと思って、「よいしょ!」という息の部分を、前よりも余裕をもって運んでいる感じにしています。

宍戸監督:微妙に絵的にも軽々持ち上げてる感じにして。力がついているということがわかるように。


――それは気付かなかったです。改めて前シリーズと今シリーズの第1話を見比べてみたくなりました

VAP宣伝担当:そんな方には今回のDVDと前シリーズのDVD-BOXを。 3月18日に『はじめの一歩 DVD-BOX VOL.2』が発売されたのでよろしくお願いします!

宍戸監督:前シリーズがあってこその今シリーズなので、見ていただきたいですね。

喜安さん:なんであんなに一歩が「宮田君」っていうのかもわかりますよ。ちょっといい過ぎかなと思うけど(笑)。

宍戸監督:前シリーズ見てこその「宮田君!」ですから(笑)。


――宮田がなぜウェイト的にもキツイ、フェザー級にとどまる意味もわかります

宍戸監督:すさまじい減量苦にあいながらもなぜフェザー級なのか。それは一歩と戦うためで。宮田にとっても一歩の存在は大きいですからね。

喜安さん:あと伊達さんのハートブレイクショットってどんなブローなのか、ハンマー・ナオの本来の姿も描かれています。

宍戸監督:自分は仕事として関わってきましたが、いちファンとして見て損はない、ファンなら見るべきという完成度になっています。

喜安さん:すべてが今シリーズにつながる内容になっているので前シリーズのDVD-BOXもよろしければぜひ見てください。


――あと『はじめの一歩 New Challenger VOL.1』には特典映像も入っていて、前シリーズの総集編が収録されているそうですね

宍戸監督:一歩が鷹村と出会い、プロボクサーを目指す道のりと、ライバルの一人、千堂武士との新人王戦、伊達との日本タイトルマッチの模様が収録されています。

喜安さん:いいシーンばかりですね。

宍戸監督:よく60分にまとまったなと思います(笑)。

喜安さん:一歩と伊達さんがタイトルマッチをした時のエピソードは今回のシリーズではあまり描かれていないので、特典映像でどんな試合だったか見ていただくと、このシリーズで描かれる伊達さんの試合の意味や、一歩の想いなどがより伝わると思います。


――千堂もストレートで人気の高いキャラでファイトシーンも見応えがありますね

喜安さん:これも重要な試合ですね。千堂さんとの試合は芝居がしやすいんです。

宍戸監督:どつき合いですからね。

喜安さん:千堂役の小野坂(昌也)さんも僕もずっと叫びまくってましたから。


――今回から『はじめの一歩』を見始めた人には親切ですね

喜安さん:新シリーズを楽しみつつ、一歩の成り立ちも振り返ってもらえれば。DVD第2巻にも総集編映像が収録されるそうなので楽しみです。


●前シリーズ第1話と最終話の時のことは、スタジオの風景などすべて鮮明に覚えています

――前シリーズも含めて『はじめの一歩』で思い出深いシーンや試合を挙げていただけますか?

喜安さん:う~ん……難しいですねぇ……強いて挙げれば前シリーズの第1話と、最後の千堂さんとのタイトルマッチでしょうか。自分のなかで自分の演技がどう変化していったのかつかみ切れない部分はありますが、最後のタイトルマッチは絵と自分の芝居がしっかりシンクロしていく感覚が気持ちよくて、すごく楽しかったんです。1話目の時は地に足がついていなくて、フワフワした状態でした。第1話と最終話の時のことは、スタジオの風景などすべて鮮明に覚えています。

宍戸監督:千堂との新人王戦です。個人的なことですが、初めて演出を担当したエピソードで、試合のゴングが鳴って、千堂がスマッシュを打つところまで死ぬ思いをして作ったのを覚えてます(笑)。完成した時の達成感や満足が大きくて。あといちファンとしてはどの試合も大好きなんですけど、千堂とのタイトルマッチは盛り上がりもすごくて、単純などつき合い、強い者が勝つというのは燃えますね。


――緻密に張り巡らされた戦略的なファイトも味わい深いですが、シンプルで熱い試合は確かに燃えますよね

喜安さん:あとスタジオで、一歩のデンプシーロールを初めて見た時も印象深いですね。当時はまだリハVを事前に配られるシステムになっていなくて、初見でみんなで通し見をするというやり方をしてたんですけど、デンプシーロールが始まった瞬間、出演者みんなで「お~っ」と声を上げたんです。「こんなふうに動くんだ」と。

宍戸監督:実際にもデンプシーロールという技があるんですけど、それとはちょっと違うアニメ的な見せ方をしていますが、まさかこんなふうになるとはと驚きました。すごくかっこよかったです。


――原作で見たスペシャルブローの数々が、実際に動いてる様を見られることも、アニメの醍醐味ですね

喜安さん:そうですね。デンプシーロールなんて、音も人を殴る音じゃないし(笑)。

宍戸監督:モーター音が鳴ってますからね(笑)。


●喜安さん「輝きを失わない普遍的な作品」 監督「珍しいくらい気持ちのいいスポ根アニメ」

――『はじめの一歩』は今のアニメには骨太で熱い作品だと思いますので、これからも一歩達の熱いファイトを期待しています

宍戸監督:ありがとうございます。今の時代には珍しいくらい、気持ちのいいスポ根アニメだと思います。ボクシング、そして男達のかっこよさが見られるのが魅力であり、見終わった後に爽快感や満足感が得てもらえるように作っていますので、原作ファンの方、ボクシングファンじゃない方にも見ていただきたいです。もやもやした時代ですが、この作品を見てすっきりしてもらえたらうれしいです。

喜安さん:イケメンというか、見た目がかっこいい人達が出てくるわけでもないし、内容も裸の男達が殴り合って、汗まみれになっているものだから、今の時代的にどうなんだろうと思う方もいるかもしれません。でもずっと輝きを失わない普遍性を持った作品だと思っています。今シリーズの収録前に改めて、前シリーズを見直してみたんですけど、8年前に始まって随分時間が経っているのに、全然古い感じがしないです。たぶん今後、見直してもみずみずしいまんまなんだろうと思います。この作品は王道というか、直球ど真ん中で勝負してて、キャストからもスタッフからも正面突破しようという意気込みがひしひしと伝わってきます。こういうアニメがあって、そんな作品に自分が参加できていることを誇らしく思います。この作品はボクシングファン、男性はもちろん、ボクシングに興味がない方や女性にも見てほしいんです。ボクシングという単純な殴り合いだけでなく、選手や回りの人の想いなどが描かれた良質な人間ドラマになっているので、それぞれのキャラに感情移入しやすいと思います。原作ファンの方々の期待を裏切らないように監督とスタッフ、我々、キャスト一同で精一杯頑張って作っていきますので、これからもよろしくお願いします!


『はじめの一歩 New Challenger VOL.1』
2009年4月22日発売
3,990円(税込)
発売:VAP

<映像特典>
「はじめの一歩」第1シリーズ ダイジェスト 全3話(約60分)
1:鷹村との出会いからプロボクサーへ
2:vs 千堂 新人王戦
3:vs 伊達 日本タイトルマッチ

『はじめの一歩 DVD-BOX VOL.2』
2009年3月18日発売
26,250円(税込)
発売:VAP
※『はじめの一歩 DVD-BOX VOL.1』も好評発売中

(C) 森川ショージ/講談社・VAP・マッドハウス・NTV・D.N.ドリームパートナーズ/
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