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- 五六七八千代
- 徳島出身のフリーライター&歌人。現在は、特撮、アニメ、DOMOTOが生きがい。

2025年2月より放送中のナンバーワン戦隊ゴジュウジャー。スーパー戦隊シリーズ50周年を記念したアニバーサリー作品で、動物や恐竜=「獣(けもの、ジュウ)」をモチーフにしたヒーローが大活躍しています!
ゴジュウジャーはもちろん、敵組織・ブライダンのキャラクターたちの魅力も本作のポイント。ブライダンが活躍すると、SNSでキャラクター名やセリフがトレンド入りするほど話題になることも少なくありません。
今回、魅力をご紹介するのは、ブライダンでリングハンター・ガリュードとして暗躍していたクオン。彼は、遠野吠/ゴジュウウルフと血の繋がった実の兄・久光(ひさみつ)でありながら、弟の前に敵として現れます。本記事では、主人公と敵対する兄という複雑な立場だったクオンの、奥深い魅力をいくつかピックアップして解説していきます。
読み終わるころには、彼と“結婚”したくなっているかも……⁉
クオンはAI企業の社長として、社会的地位も財力も手に入れています。表向きは非の打ちどころのない完璧なエリート。しかし、その根底にあるのは、弟・吠に対する執拗なマウンティングでした。自分の優位性を誇示するためなら、吠の心を壊しかねない外道な行為すら、ためらいなく実行します。
その象徴的なエピソードが第19話。吠が敬愛していた女性・嶺をめぐる一件。クオンは嶺を一度生き返らせたうえで、吠の目の前で再び消し去るという、あまりにも残酷な仕打ちを行います。しかし、絶望の底から吠は、「負け犬上等! 何度負けても、その度にテッペン目指せるんだからな!」と立ち上がり、逆にクオンは追いつめられることになったのです。
こうして振り返ると、クオンの魅力の1つは、「吠へのマウンティングがことごとく失敗する」という皮肉な構造にあったのかもしれません。
異常な執着心を燃料にして行動する一方で、自己肯定を満たすことはできない。その循環が、彼を単なる冷酷な悪役ではない、強烈な存在感を放つキャラクターへと押し上げていました。この“弟に執拗に執着する兄”という構図こそが、「次はどんな手で吠に勝とうとするのか」と視聴者の興味を引きつけるのだと思います。
☝️来週の #ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー は!
— ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー【東映公式】 (@Gozyu_toei) June 22, 2025
第19話「ふたつの心でホワイトバーン!」❤️💥🤍
吠は、かつてノーワンワールドで行動を
共にしていた女性・嶺と再会。
なんと2人はデートをすることに!🫶
しかし、その裏には恐ろしい企みが隠されていて…
予告: https://t.co/EFjFvogXJZ pic.twitter.com/cD9Jvvnj1r
クオンを突き動かす原動力は、心の奥底に深く刻まれた悲しみと傷でした。少年時代、彼は吠を追ってノーワンワールドへ足を踏み入れ、そこで生き延びるため、テガジューンと命を賭した契約を結びます。
しかし、その代償はあまりにも重いものでした。クオンの体はテガジューンに徐々に侵されていく“呪い”を負い、背中に刻まれた毒々しいバツの傷は、その進行を示す逃れられない証となったのです。
では、なぜ彼は自ら悪の道を選んだのでしょうか。第38話で明かされたクオンの思いは、救われずに放置され続けた過去への怒り、そして大切なものを二度と失いたくないという強烈な恐怖。彼が求めたのは、誰にも踏みにじられない力、ただそれだけだったのです。
さらに第43話では、クオンが胸に秘めていた吠への「羨望」が語られました。幼い頃から“優秀であること”を求められてきたクオンは、あるがままで生きる吠の姿を、心のどこかで羨ましく思っていたのです。「本当は昔からお前がうらやましかった」「赤点を取っても気にしない……そんなお前がな」という告白には、彼の弱さと本音が滲んでいます。
吠を倒し、吠になることでその想いを晴らそうとしたクオン。しかし「許せない」と言いながらも、キングキャンデラーの流れ弾から吠をかばい、命を落としてしまいます。羨望ゆえに憎んでいたはずの弟を庇ってしまうその姿に、多くの視聴者が胸を打たれたのではないでしょうか。
来週の #ゴジュウジャー は!
— ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー【東映公式】 (@Gozyu_toei) December 14, 2025
第43話
「決戦クオン!天使からの贈り物」❌🎁🐺
女王を取り込み最強となったクオン。
兄の暴走を止めるため、弟吠が立ち上がる。
聖なる夜に、
兄弟の最終対決が幕を開ける…!
予告: https://t.co/6uN69E8Rnp pic.twitter.com/i40V975lo8
クオンというキャラクターを語る上で欠かせない魅力といえば、吠に向けられた異常なまでの執着です。彼は吠に対して、冷たい言葉や支配的な態度を繰り返し、自分の思いどおりに操ろうとしてきました。また、吠の周囲にいるゴジュウジャーのメンバーに対しても、敵意とは少し異なる嫌悪感を隠しません。こうした“歪んだ独占欲”こそが、クオンの狂気性を際立たせています。
その狂気が一気に注目を集めたのが、第15話で描かれたテガジューンとテガソードの「結婚」シーンです。巨大ロボット同士のバトルの最中、クオンが突如放った「ハハハハ…! 結婚しようよ、吠!」という一言は、視聴者の度肝を抜き、SNSでは「最高にクレイジー」「想像の遥か上をいった」といった声が相次ぎ、大きな話題になりました。
その後、第43話で命を落としたクオンは、テガソードの力によって“ガリューデカリバー”として復活。再び吠の前に姿を現した際の「これでずーっとお前と一緒にいられるね、吠」「お前へのプレゼントはこの僕さ!」といったセリフからも、ねっとりとした重たい愛情は健在のようで、この場面もまたSNSで大きな反響を呼んでいます。
💍❌見逃し配信絶賛配信中!❌👰♀️
— ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー【東映公式】 (@Gozyu_toei) June 5, 2025
話題沸騰!!#ゴジュウジャー 第15話
衝撃の結婚式はもう見たワン!?
特別に台本の、あるシーンを公開しちゃいます!😳
今からでも間に合う!
来週から新章です!
最新話見逃し配信は
TVer・Abema・東映特撮ファンクラブ(TTFC)・Amazonプライムビデオに急げ!👀 pic.twitter.com/QbViAcrclO
一見すれば、危うさと狂気ばかりが目につくクオン。しかしその内側には、救いの手が差し伸べられなかった少年時代や「もう二度と自分を踏みにじられたくない」という切実な叫びが、幾重にも積み重なっていました。
吠への歪んだ愛もまた、傷だらけの心が必死に家族を求めた末の形だったのかもしれません。敵として立ちはだかりながらも、ときおり見せた“兄”としての行動。その一瞬一瞬は、彼の中に兄・久光が生き続けていたことを物語っていました。無意識で吠をかばったのも、狂気の奥に残った、消えきらない家族への想いゆえだったのではないでしょうか。
彼はこれからどんな形でゴジュウジャーの未来に関わり、どんな役割を果たしていくのか。その行く末には、まだ多くの可能性が残されています。
物語はいよいよ終盤戦へ。ブライダンとして残されたのは、ファイヤキャンドルただ一人。彼が背負うもの、吠とのライバル関係の行方、そしてクオンの存在がもたらす影響――最終回まで、一瞬たりとも目が離せません!
2025年最後の放送、ありがとワン✨
— ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー【東映公式】 (@Gozyu_toei) December 21, 2025
ということで!
東映公式HP #ゴジュウジャーナル
更新だワン✍️
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決着のついた43話🐺❌
ぜひHPで振り返りを!!! pic.twitter.com/F9Mbex09D6
[文/五六七 八千代]
