真城最高役・阿部敦×OPテーマ「Dream　of Life」を歌う伊藤祥平が『バクマン。』スペシャル対談！

　現在、週刊少年ジャンプ」で好評連載中！アニメ第2シリーズもNHK Eテレにて絶賛放送中の『バクマン。』。真城最高を演じている声優、阿部敦さんとOPテーマを担当した音楽家、伊藤祥平さんによるスペシャル対談が実現！！

　「志した掴みたい夢があるから」――プロとしての大きな第一歩を踏み出し、現実の厳しさに直面した最高と秋人だけれど、そこにはいつも背中を押してくれる人たちがいた。夢へとひた走る、そんな2人への背中を押すオープニング「Dream of Life」を歌う伊藤祥平さんも、この曲でデビューという夢をかなえたばかり。最高役の阿部敦さんとともに、お互いの夢について語ってもらいました。

――阿部さんは、伊藤さんのことは「祥ちゃん」と呼ぶ仲なんですよね。

阿部敦さん（以下阿部）：そうなんです。秋人役の日野さんとやっているラジオ（『～バクマン。放送局～ラジマン。』）にゲストで来ていただいたときに、いろいろ話をして、すっかり仲良くなりました。

伊藤祥平さん（以下伊藤）：メジャーデビューを控えて、初めて出させてもらったラジオだったんですが、ずっとアニメを観てきたので、最初は「本物の最高と秋人がいる！」ってビックリしましたよ(笑)。

阿部：スタジオでは生歌も披露してもらったよね。ラジオの収録って、いつもはヘッドホンをつけているんですけど、祥ちゃんが歌ってくれているときは、こっそり外して聴いていました。

伊藤：そうそう、それがものすごくうれしくて！「じっくり聴いてくださってるな？　がんばらないと！」という思いを込めて歌いました(笑)。他にも、阿部さんが隣で番組を進行されているのを見て、言葉選びや即興性も大切なんだな、ってアーティストとしても勉強になりました。

阿部：アドリブはお芝居でも重要だからね。そういう「表現者」という意味では、僕たちは活動するフィールドは違っても、共通するところがあるよね。

伊藤：そうですね。ただ、僕は自分が曲を作って歌えば、そのまま「伊藤祥平」になるけれど、阿部さんは自分の声を使い分けて、いろんなキャラクターを演じていらっしゃるのが、すごいお仕事だなあと思います。ちなみに、キャラによって、気持ちを入れやすかったり、そうでなかったりするんですか？

阿部：いろんな役を演じていると、それはあるかも。でも、最高はスッと入れたよ(笑)。

伊藤：でも、今話してらっしゃる地声とは違いますよね？

阿部：うん、ちょっとだけ高めかな。それに、最高はあんまり感情を強く表に出さないから、それは普段の僕とは違って、「演じて」いるところかもしれない。でも、そんな最高も、連載が決まったときや、亜豆が関係する出来事のときは、「普段のクールさはどこへ行ったの？」というくらい、感情が一気に出るよね（笑）。でも、そういうときにこそ、普段との「落差」が重要になるので、見ている人がハッとするような意外性が出せるように気をつけています。

伊藤：おもしろい！歌詞を書くときや、歌や演奏の表現をするときも、メリハリが本当に大切なんです。今ちょうど、どうやってみんなを惹き付けて、歌を聴いてもらおうか、考えているところなんですよね。

――そんな伊藤さんのデビュー曲、「Dream of Life」は、どんな思いを込めて作られたんですか？

伊藤：僕は音楽という夢をかなえるために福岡から上京してきたんですけど、夢に向かっているからこそ生まれる胸の中の葛藤とか、それでも込み上げてくる情熱というのは、マンガでも音楽でも同じなんです。それを歌詞に乗せることができれば、『バクマン。』にも、それからもっと幅広い人々にも当てはまるんじゃないかと思って、この曲を作りました。

阿部：『バクマン。』は青春ドラマなんですが、その夢に向かって突き進んでいく疾走感や力強さとすごくマッチしていると思います。時には不安になることがあっても、それでも前に進んでいくというところも、『バクマン。』にぴったりですよね。

伊藤：ありがとうございます。あとは、人との出会いの大切さも込めています。『バクマン。』なら、亜豆ちゃんや、同じ志をもつライバルたち、それから中井さんと蒼樹さんの出会いとか(笑)、たくさんあって、そういう人たちに支えられているから、安心して夢に向かっていけるんですが、僕も地元の友達や家族など、多くの人たちのおかげで今ここにいられるんですよね。

阿部：なるほど。『バクマン。』に共感できるところがたくさんあったんだね。最初はやっぱり、原作を読んでから曲を書いたんですか？

伊藤：はい！もう、何回も何回も読み返しました！　実は「Dream of Life」を作るとき、いちばん励ましてもらったのが『バクマン。』なんですよ。最高のセリフって格言みたいで、「僕も負けてられないな」という刺激をたくさんもらいました。

阿部：ただ、お互い夢を追って今、この仕事をしているわけだけど、『バクマン。』って、すごく励まされるいっぽうで、「自分は、今のままではまだまだ甘いな」って思う部分もあるんだよね。アニメになると、セリフの力強さだったり、音として耳に入ってくるので、そんな「刺さる」セリフがよりじかに伝わる気がして……まあ、しゃべってるのは僕なんだけど(笑)。

伊藤：分かります。僕も念願のデビューが決まってすごくワクワクするいっぽうで、逆に身が引き締まる思いがしているし、今はもう先のこと、「次に何をしたらいいのか」ということばかり考えていて。そのために、曲作りを進めたり、できることはどんどん挑戦していきたいんです。

――ちなみに、『バクマン。』のなかで、お2人が気になるキャラクターは？

阿部：僕は、編集長がカッコいいなと思っています。今回の最高の入院と、一連のボイコット騒ぎがあって、「上に立つものの孤独や強さ」を感じたんですよね。最高や秋人は見た目も中身も熱いけど、編集長は見た目はすごく静かでも、胸の内には最高たちに負けないくらいの炎が燃えてる気がして、それが垣間見える瞬間がいいんだよね。祥ちゃんは、やっぱり蒼樹さんが気になる？（笑）

伊藤：はい、大好きです(笑)。あのほんわかしたとこがいいですよね。それに、やっぱり恋愛からもらえる力って、ものすごく大きいと思うんです。中井さんにとっての蒼樹さんもそうだし、最高と亜豆の関係性もそうで、夢に火をつけてくれる。では、阿部さんの好きな女性キャラは誰ですか？

阿部：亜豆、と言いたいんですけど(笑)、そこにウィットがプラスされて、それでも少女らしさや清楚な部分は失っていない亜豆のお母さんが、「中の人」も含めて好きです（笑）

伊藤：お母さん、いいですよね。あと、僕はやっぱり亜城木夢叶が好きです。僕が音楽をやっているせいかもしれないけれど、なんだか2人合わせて1人のシンガーソングライターのように見えるんですよね。最高くんが歌詞を書く人で、秋人くんがメロディを書く人。

阿部：それはおもしろいね。秋人役の日野さんとは、2人で声を揃えて反応したり、返事をしたりするっていうシーンが多いんですけど、けっこう息がぴったりなんですよ。だから、2人で1人という感覚はよく分かります。

――お2人のこれからの夢や、いま夢に向かっている人へのメッセージがあれば聞かせてください。

伊藤：まず、僕はたくさんの人に自分の音楽を知っていただきたいです。それから、やっぱりずっとギターを弾いてきたので、テクニックを磨いて、スタイルを築き上げること。あとは、大きなステージに立つことも夢です。人前で歌うことが好きだし、生楽器を演奏しているので、生で音を聴いてもらうことはすごく大切にしています。
　僕にとってこの「Dream of Life」は決意表明でもあり、次に繋がるパワーになって、自分の背中を押してくれてもいます。だから、みなさんにとっても、夢に突き進むための力になる曲になったらないいと思っています。

阿部：僕はやっぱり死ぬまでこの仕事をやっていきたいので、そのために滑舌を良くしたり、演技の幅をもっと広げたり、いろんな人生経験を積んだりしていきたいです。自分が好きだからこの仕事をやっていて、好きだから一生懸命やっているだけなんですけど、それでみなさんの琴線に触れるようなお芝居ができたら、もっと幸せだなあと思っています。
　今は、なりたいものがわからない不安を抱えている方もたくさんいると思うんですけど、僕も同じでした。でも、今この仕事をしていられるのは、やっぱり最初の一歩を踏み出したからなので、そこはみなさんにもあまり怖がらないでほしいですね。この『バクマン。』という作品が、そのための後押しになればいいなと思っています。

――今後の『バクマン。』の見どころを教えてください。

阿部：第2シリーズになって、新しく登場してきたキャラクターたちが、ライバルなんだけど互いに助け合ったりする場面もあって、熱い展開が続いているし、みんなそれぞれ人間臭いので、すごく感情移入していただけると思います。あとは、これから最高と亜豆との恋愛に、大きな波乱が訪れたりも……、今までとは違った魅力も感じていただければ嬉しいです。

伊藤：これからストーリーが進むにつれて、僕の「Dream of Life」も聴きどころが変わっていくと思うので、観ているみなさんに、どんどんイメージを膨らませていただきたいです。『バクマン。』ともども、これからもよろしくお願いします！

――ありがとうございました！

NHKアニメワールド　バクマン。
伊藤祥平オフィシャルサイト