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『攻殻機動隊 新劇場版』舞台挨拶レポート

25年の歳月を青い薔薇にのせて。坂本真綾さんをはじめとしたキャストの結束力を感じられた映画『攻殻機動隊 新劇場版』舞台挨拶レポート

 1989年に士郎正宗先生による原作『攻殻機動隊』が誕生。その後、1995年に押井守監督による映画『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』が公開されるなど、国内外の様々なクリエイターに影響を与えたシリーズの25周年記念作品『攻殻機動隊 新劇場版』が、来る2015年6月20日(土)より公開となる。それに先駆けて6月9日(火)に開かれた完成披露上映会 舞台挨拶の模様をレポートする。

【登壇者】
坂本真綾さん(草薙素子役)
塾一久さん(荒巻大輔役)
松田健一郎さん(バトー役)
新垣樽助さん(トグサ役)
咲野俊介さん(イシカワ役)
中國卓郎さん(サイトー役)
上田燿司さん(パズ役)
黄瀬和哉さん(総監督・キャラクターデザイン)
冲方丁さん(脚本)
野村和也さん(監督)
石川光久さん(製作総指揮)

【ゲスト声優】
NAOTOさん(EXILE/三代目J Soul Brothers)

【MC】
吉田尚記さん

 辺りが暗く静まり返ると、観客席の青く光る電脳空間を思わせるライトの中を登壇者の方々が順番に登場し、壇上へ。キャストが檀上へと勢ぞろいすると、早速トークコーナーへ。

■映画のラストシーンとアフレコが終わった後のリンク、そして達成感
 まずは主役の草薙素子を演じた坂本さんが、アフレコが終わった際の達成感やホッとした気持ち、映画のラストシーンとアフレコ後に桜並木の下を歩いたときの作品と現実とのリンクを語り、完成した作品へと想いを馳せた。
 続いて黄瀬総監督が、前シリーズ『攻殻機動隊 ARISE』の製作と並行しつつ今回の新劇場版、そしてTV放送版の『攻殻機動隊ARISE ALTERNATIVE ARCHITECTURE』の作業も進めていた話を挙げ、今の「清々した」という率直な気持ちを語り、野村監督は自身がアニメの道を志したきっかけとなった作品に参加できたことに驚きと達成感を語ってくれた。

 監督たちのトークが終わると、脚本を務めた冲方さんのターンへ。今でこそ様々な作品を手がけてきた冲方さんは、『攻殻機動隊』という作品は自分自身にとってもデビュー時の教科書のような作品で、この話をいただいた時はかなり悩んだという。しかし、いつの間にかやることになっていて今回ようやくこの劇場版で、次の世代へとバトンを渡せたのではないかとコメント。黄瀬総監督と思いを一つにし「清々した」と言葉を残し笑いを誘った。


■『攻殻機動隊』で青春と卒業を描く
 監督とのやり取りの中で、劇場版ではコンセプトを定めて第4の攻殻を描こうということで、青春と卒業にそのコンセプトを定めたと語った冲方さん。そのコンセプトがサイボーグ物に面白いマッチをしたそうだ。しかし、そういった物語は10年、20年前にはまだネットやサイボーグといったものが一般的ではなかったので描けなかったという。だからこそ、この現代だからこそ届けられる攻殻になったと作品への絶対の自信を露わに。

 クリエイター陣のトークパートが終了すると、続いてキャスト陣が作品への感想や思い入れを語った。

坂本真綾さん(草薙素子役)
 凄くボリュームのある作品で、アフレコをしている時は何の音も入っていない状態でやるので、台本を読んで理解したうえで収録に臨むつもりなのですが、やっぱり完成したフィルムを見てはじめて見て気づくことも多く、自分が出演していることを忘れて見入ってしまうような感じがありました。

塾一久さん(荒巻大輔役)
 「一人壁ドン」見ていただけたでしょうか? この作品の台本をはじめて貰った時は、訳分らない、大丈夫なんだろうかといった印象でした。しかし、一生懸命この世界を勉強し、回を重ねるごとにこの作品の面白さに気づいていきました。本当に素晴らし出来になっています。この作品に参加できて嬉しく思っています。

松田健一郎さん(バトー役)
 僕の攻殻の原点はコミックなのですが、自分がずっと触れてきた作品でバトーという役をいただけた時は、自分が演じていいのだろうかというプレッシャーと葛藤の中にいました。ですが、やっと劇場にまでたどり着いた達成感、そして僕のバトーへの想いはすべて出し切りました。皆さんに納得いただけたかは自信ありませんが、僕はバトーを演じきったという気持ちで一杯です。
 桜のシーンは、コミックから見ている僕としても演じられて本当に嬉しく思っています。

新垣樽助さん(トグサ役)
 トグサという役をやらせて貰うことになってから、あらゆるプレッシャーとの戦いだったと新劇場版の収録を終えた時に感じました。本当に最後まで来られたんだなとホッとした事と、本当にやったんだろうか? 夢だったのでは? と思うくらい一瞬一瞬全力で演じました。
 新劇場版の中でトグサは大分いじられていますが、その辺りも人間的ですごく好きだなと感じています。

咲野俊介さん(イシカワ役)
 僕は『攻殻機動隊 ARISE』のborder:3からの参加になったのですが、それまでは僕の近しい先輩がイシカワを演じられていました。そこでこの役をいただいた時にどうしようと考え、僕の考える彼のフィルターを一枚通して役作りをしました。僕としては、この『攻殻機動隊 ARISE』シリーズに関しては代役のつもりで劇場版まで駆け抜けました。

中國卓郎さん(サイトー役)
 サイトーはborder:2からの参加だったのですが、事務所に台本を取りに行く時は正直気が重く、どんな怖い事が書いている台本なのかと思っていました。しかし、物語が進むにつれてキャスト陣との信頼関係を感じられ、アフレコ現場が自分にとって居心地のいい場所になっていました。
 新劇の収録の際には寂しい気持ちを感じながらも、気持ちよく良い作品ができたのではないかと自負しています。

上田燿司さん(パズ役)
 僕がパズという役に受かった際には他のキャストの情報は全く知らなかったのですが、発表になった時キャスト・スタッフの名前を見て、このメンバーなら戦えるなと確信しました。しかし、関わってきた全ての方がどこかで不安を感じてきたのではないかと思います。ですが、今日劇場版を見させてもらい9課が出来上がってチームになったことを思い出し、涙が出そうになりました。
 本当にこの作品がここに着地でき、この作品に参加できて本当に良かったなと思います。


■スペシャルゲストNAOTOさん(EXILE/三代目J Soul Brothers)が坂本さんに25本の青いバラを贈呈!
 ここで、スペシャルゲストとして、NAOTOさん(EXILE/三代目J Soul Brothers)が壇上へ。自身が元々ファンだった作品に参加できた喜び、作品への思い入れを語ると、『攻殻機動隊』25周年に合わせ25本の青いバラの花束がNAOTOさんから坂本さんに贈呈された。
 青いバラには"夢が叶った"という花言葉があり、自分自身が声優として『攻殻機動隊』に参加できたという意味合いも込めたとのことで、会場から大きな拍手が巻き起こった。

 つづいて石川さんが、シリーズ25年を迎えた今、本作『攻殻機動隊 新劇場版』を見て、「どんなに時代が変わっても、変えてはいけないものがある。それが『攻殻機動隊』だった」とコメント。スタッフたちへの感謝、シリーズのこれからへと思いを馳せ、 被せになってしまった事を他の登壇者に弄られながらも、石川さんが再び坂本さんに青い薔薇の花束をプレゼントした。

 最後は坂本さんが「アフレコが始まる際の黄瀬監督の「私がオーディションで選んだ皆さんですから、自由にやってください。僕が責任を取ります」と言う言葉を、生涯忘れないであろう心強い一言だった」、「キャスト・スタッフの愛情がこもったフィルムが完成して嬉しいです」と作品に関わった人たちとの絆を感じさせる言葉を残しイベントは幕を閉じた。

■映画『攻殻機動隊 新劇場版』本編映像12分が解禁!
 遂に公開となる映画『攻殻機動隊 新劇場版』の本編映像12分が、解禁!
気になる映像はコチラ!
 公開までもう間もなく。こちらの映像で一足先にその高い完成度を目にしてほしい。

■解説
 1989年、士郎正宗先生による原作「攻殻機動隊」が誕生。1995年、押井守監督による映画『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』が公開され、その圧倒的な作品世界と映像表現により、ウォシャウスキー姉弟(『マトリックス』)やジェームズ・キャメロン(『タイタニック』『アバタ―』)をはじめとする世界中のクリエイターに影響を与え、後のSF映画の映像表現に革命を起こした―。そして、原作誕生より四半世紀を経た2015年。完全新作の長編アニメーション映画『攻殻機動隊 新劇場版』が6月20日(土)より公開となる。
 EXILE/三代目J Soul BrothersのNAOTOさんは、本作の新キャラクター・藤本修(ふじもとおさむ)役として声優に初挑戦。NAOTOさんが演じるのは、首相補佐官・藤本修役。父である首相の補佐を務めながら国の未来のために主人公・草薙素子に特務権限を与え、攻殻機動隊部隊設立に寄与する重要な役どころ。兄の影響で子どもの頃から攻殻機動隊が「大好き」というNAOTOさんは、まさか出演オファーを受けるとは夢にも思っていなかったため「ひとつ夢がなかった」と喜びのコメントを発表した。
 さらにウォルト・ディズニー・スタジオが、スカーレット・ヨハンソンさん主演で実写版「攻殻機動隊」を正式に発表するなど、国内外で盛り上がりを見せている。

■キャスト
坂本真綾、塾一久、松田健一郎、新垣樽助、咲野俊介、中國卓郎、上田燿司、中井和哉、沢城みゆき、野島健児、浅野まゆみ、潘めぐみ、麦人、宮内敦士、NAOTO(EXILE/三代目J Soul Brothers)

■スタッフ
原作:士郎正宗
総監督・キャラクターデザイン:黄瀬和哉
脚本:冲方丁
音楽:コーネリアス
監督:野村和也
総作画監督・サブキャラクターデザイン:大久保 徹
美術監督:竹田悠介・益城貴昌
撮影監督:田中宏侍
3DCG監督:井野元英二
音響監督:岩浪美和
色彩設計:広瀬いづみ
メカニックデザイン:柳瀬敬之・竹内敦志
モーショングラフィック:荒木宏文
特殊効果:村上正博
編集:植松淳一
主題歌:坂本真綾
コーネリアス「まだうごく」
サウンドトラック:フライングドッグ
攻殻機動隊25周年記念作品
ヤングマガジン創刊35周年記念作品
アニメーション制作:Production I.G
製作:『攻殻機動隊 新劇場版』製作委員会
配給:東宝映像事業部

>>公式サイト
>>攻殻機動隊25周年記念サイト

(C)士郎正宗・Production I.G/講談社・「攻殻機動隊 新劇場版」製作委員会
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