舞台『BLEACH』の市丸ギン役・遊馬晃祐さんインタビュー

主人公に「ここは俺に任せてお前は先に行け」と言いたい──新進気鋭の俳優・遊馬晃祐さんインタビュー

 週刊少年ジャンプに掲載され、多くの人を虜にした漫画『BLEACH』。その舞台『「ROCK MUSICAL BLEACH」 ~もうひとつの地上~』東京公演が終了し、京都公演が開幕しました。アニメイトタイムスではそんな舞台『「ROCK MUSICAL BLEACH」 ~もうひとつの地上~』で市丸ギン役を演じる遊馬晃祐さんにインタビュー。これまでのキャリアや市丸ギン役への意気込みを語っていただきました。

──デビューのきっかけを教えて下さい。

オーディションを受けたことがきっかけです。もともとはモデルに興味があって、雑誌を読んでいるときにオーディションの告知を見つけて、応募したのが始まりです。

ただ、雑誌がどんどん廃刊されるなかで男性モデルのニーズが少なくなってきているし、僕の事務所は役者の養成に力を入れている。それに加えて元来のアニメ好きが高じて、2.5次元舞台に興味を抱いたんですね。

でも、これまでに演技をした経験はありませんでした。だから、事務所に入ったあとはひたすら演技レッスンの日々です。僕のデビュー作演劇「ハイキュー!!」の舞台がきまったとき、僕はちょうど20歳。始まりはモデルへのあこがれがきっかけでも、役者として、プロとしてお金をもらうことを実感し、これまでより一層強い責任感を抱きました。

──実際演技をしてみての難しさを教えてください。

自然な演技の難しさを知りました。稽古場に入ると、緊張して固くなってしまう。普段はできていることなのに、急に不自然な演技になってしまって……。それがすごく悔しかった。

舞台『「ROCK MUSICAL BLEACH」~もうひとつの地上~』は3本目の出演作になりますが、慣れることはありません。本番ではたくさん稽古したにも関わらず、何度も舞台袖でセリフや段取りを確認しました。

あと、舞台に立つと自分の声が埋もれてしまうことも初めて知りました。お客さんが入ると音が吸収されてしまい、自分の声を聞き取れなくなってしまう。それを感じたのが、歌劇『明治東亰恋伽』でした。自分の声が聞こえないので、音程やリズムを取れなくなってしまって……。不安と焦りで、頭が真っ白になってしまったんです。でも、先輩にフォローしてもらえたおかげで事なきを得て、改めて、先輩の存在は大きいと感じた舞台でした。

──先輩から学んだことで、一番活かされていることは何でしょうか。

僕は考えすぎてしまう節があります。煮詰まると視野が狭くなって、ドツボにハマってしまうんです。だから、色々なアプローチ方法はいったん捨てて、伝えたいことに集中して表現することが大事だとアドバイスをいただき、道が開けました。

──視野の狭さを感じたら、どう打開しますか。

リフレッシュして、一度忘れてしまうことが大事だと思います。以前、稽古中に煮詰まってしまったことがあって、その時は先輩から「何も考ず、カラオケに行って来い」とアドバイスされました。素直にカラオケに行き声を出すことで、抱えていた「もやもや」が消えた。次の日は新鮮な気持ちで稽古に挑めました。

──カラオケ以外のリフレッシュ方法は何かありますか?

美味しいものを食べることです。僕は焼き肉やしゃぶしゃぶがすごく大好きで、よくひとりで行きます。舞台中はたくさんのひとがいて、先輩後輩に囲まれているので、気が抜けません。だから、誰にも気を遣わずにいられる時間がほしいんですよね。

ひとり焼き肉なら自分のペースで楽しめるじゃないですか。特に、僕はひたすら牛タンを食べ続けたい(笑)。誰かいると、そういう風に気ままにオーダーできないじゃないですか。上京したてのときは、週2回くらいのペースでひとり焼き肉に行ってたので、ついには店員さんと友達になったりしました(笑)。

ただ、ひとり暮らしをしていると肉ばっかり食べて食生活が偏ってしまう。体調管理も課題に感じていますね。

──では作品の話も伺っていきたいのですが、市丸ギンに出演が決まったときの心境を教えてください。

もともとアニメが好きで、『BLEACH』も大好きです。中でも僕の演じる市丸ギンは特に人気のキャラクター。嬉しい半面、すごくプレッシャーを感じました。ただ、実際に稽古を始めるとそういう気持ちも吹き飛び、今は楽しく、全力を尽くしていこうと思っています。

──市丸ギンを演じるにあたり、気をつけている点などありますか?

市丸ギンは死神なので、不気味な雰囲気を漂わせています。今までは爽やかな役をいただくことが多かったので、その切り替えには苦労しました。

また、彼は京都弁で会話するのですが、僕は岐阜県の出身だけど、京都弁はさっぱりなので勉強中になります。ちょうど、アニメ版『BLEACH』で市丸ギンを演じた声優さんが京都出身の方なので、アニメを見ながら京都弁を学ばせてもらっています。

──特に表現したいところはありますか?

『BLEACH』はとてもアツい物語です。クールに見える市丸ギンも、実はとてもアツい奴で。彼は表には出さないけど、心のなかでは乱菊というキャラクターを愛していて、彼女のために動いている。その、内に秘めた情熱を表現していきたいと思います。

──自分と似ていると思うところはありますか?

僕はこんなにかっこよくないです(笑)。……似ているといったら、笑ったときの顔ですかね? こう、口角が上がるところ。

──今後やってみたい役はありますか?

僕、男臭い人がすごく好きなんです。たとえば、喧嘩のシーン。主人公と悪役が対峙している。悪役は人数が多く、どうみても勝てない、でも主人公は先にいかなきゃいけない。そんなときに僕が駆けつけて、主人公に「ここは俺に任せてお前は先に行け」と言いたい。どうみても勝てない人数だから、きっとボコボコにやられるでしょう。それでも、そういう……男前な役をやりたいですね。

──楽しみです。ありがとうございました。

【公演情報】
「ROCK MUSICAL BLEACH」~もうひとつの地上~

京都公演
期間:2016年8月24日(水)~28日(日)
劇場:京都劇場

©久保帯人/集英社・RMBLEACH製作委員会2016

©久保帯人/集英社・RMBLEACH製作委員会2016

原作:久保帯人「BLEACH」 (集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
脚本・演出:堤 泰之

出演:高野 洸、甲斐千尋、崎山つばさ、遊馬晃祐、健人、平田裕香、橋本真一、
馬場良馬、美山加恋、猪野広樹、本田昂也、橋本全一、永田崇人、高橋ユウ、
川上将大、塩田康平、松林篤美、倉知あゆか ほか

>>公式サイト

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