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『アベンジャーズIW』トム・ホランドが語るスパイダーマンという存在

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』トム・ホランドさんが語るスパイダーマン/ピーター・パーカーという存在

マーベル・コミックの実写映画作品を、同一の世界観として扱う「マーベル・シネマティック・ユニバース」。トム・ホランドさんは、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』にてスパイダーマン/ピーター・パーカー役を演じ、以降、『スパイダーマン:ホームカミング』、2018年4月27日(金)公開『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』でも同役を務める最新のスパイダーマン俳優です。

本稿では、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の公開を記念して、トム・ホランドさんへのインタビューをお届け。トム・ホランドさんの考えるスパイダーマン/ピーター・パーカーというキャラクターについて、最新作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』について伺いました。

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の見どころは?

――『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は、アイアンマンや、スパイダーマンなどのヒーロー&ヴィランが登場するマーベル・スタジオ10年間の総決算的な作品となっています。撮影現場の様子は如何でしたか?

トム・ホランド(以下、トム):まさしく、クレイジーなほどたくさんの人が関わっている作品だよ。マーベルのファンだった自分があの現場に関われたなんて、思い出してみると少しシュールだよね(笑)。だけど、とても報われる経験をすることが出来たと思っているよ。

――この映画のスケールについてお話ください。

トム:これはアベンジャーズ映画だよ。そこにはオリジナルのアベンジャーズの面々がいる。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々もいる。ブラックパンサーもあの軍隊を引き連れている。ブラックパンサーは一人でやって来るわけじゃないんだ。彼はワカンダから戦闘準備の整った5千人を引き連れてくるよ。

――とても壮大なマーベル映画ですね。

トム:これはマーベル映画だし、『インフィニティ・ウォー』と呼ばれることには、それなりの理由がある。"ウォー"、つまり"戦争"なんだよ。『インフィニティ・スパーリング・マッチ』ではない。『インフィニティ・テニス試合』でもない。『ロード・オブ・ザ・リング』スタイルの戦争が実際に起こるんだ。本気でね。あれの撮影は本当に最高だったよ。

――10年の集大成が絶頂を迎えるわけですが、その感想は?

トム:本当に狂気の沙汰だよ。これらの映画は、人々が激しく出入りする形で作られているんだ。僕も、ここで2日間入って、あそこで1週間入って、という風にね。だから、僕はずっと、ある意味この映画から一定の距離を置くような形でありながらも、この映画のクリエイティブ面に参加して没頭してもいるんだ。だけど、スーツを身に着けたキャプテン・アメリカの姿を見たり、スーツを身に着けたブラックパンサーの姿を見ていると、まさに夢がかなったって感じるね。キングストン出身の子どもだった僕が、突如として、ヒーローを演じるというクレイジーなチャンスをもらったんだよ。しかも、なんとスパイダーマンだよ。小さい頃から大好きだったヒーローだよ。だから、ここまで、まるで大渦巻に巻き込まれたような、信じられないような感じだね。

――観客は何を期待できますか?

トム:観客は、マーベル・サイドが勇敢な決断を下すことを期待できるよ。僕がマーベルに感心させられることの一つが、彼らが勇敢な決断を下せる力を持っていることなんだ。ときには、必ずしもファンからは歓迎されないけど、後になってこれで良かったと思えるような決断だってある。この映画は、とても大胆な決断が下されている映画のひとつだよ。そのスケールやこれに関わる人々の数という意味でも、彼らがこれまで作ってきた他のマーベル映画とは違うね。

2つの映画を組み立ててみせたルッソ兄弟の能力は、ただ見ているだけでも驚愕だよ。60人もの演者が登場し、それぞれに少しずつ演じるべきことを与えている。この映画は史上最大の映画になるだろうね。

――今回の最大の脅威は?

トム:サノスだよ。この映画の興味深いところは、そのほとんどがサノスの視点から描かれているところなんだ。これは、ケヴィン・ファイギとルッソ兄弟による、とても賢明な選択による部分が大きいね。というのも、この悪役がどうしてこういうことをするのかということについて、ある種の正当性を持たせることが必要だからね。彼らはそのインフラストラクチャーを見事に構築して、サノスがどうしてこういうことをするのかということが理解できるバックストーリーを作り上げているんだ。そのせいで、アベンジャーズの味方をして観るのが難しくなってしまうほどだよ。とにかく、悪役の視点から描かれたスーパーヒーロー映画なんて、とても興味深いダイナミズムだよね。

――事物を他とは違う角度から見られるという能力はマーベルの特徴のひとつだと思いますか?

トム:単に建物を爆破したり、ファイトシーンを登場させる目的で大々的なファイトシーンを作ったりしているだけだと、創造の中で簡単に自分たちを見失ってしまうんだ。マーベル映画では、そういうシーンを描くには常にそれなりの理由がある。ハルクだって、その力を示すためだけの目的で建物を破壊したりはしないんだ。人々を救うために必要だから彼はそれをやっている。マーベルは、アベンジャーズの行為に正当性を持たせることに長けていると僕は思っているんだ。

トニー・スタークがウルトロンを創ったという誤りだって、悪意からそうしたわけではないよね。トニーは人類を救い人類の安全を守るためのシステムを作ろうとして、それが悪い方向に進んでしまっただけだよ。地球を救うという正当な理由があって街を破壊している。彼らがやっている行為には必ずそれなりの理由があるんだ。人々がこれらの映画に惹き込まれる理由はそこにあるんじゃないかな。リアルな人々がリアルなタイミングでリアルな決断を下す姿が描かれているからさ。

MCUの悪役の中で僕が大好きな一人はジモなんだ。なぜなら、彼がなぜああいう行動をとるのかという理由が完全に理にかなっているからだよ。彼はアベンジャーズの手にかかって死んだ家族の復讐をしたい。こんなにもパワフルな人たちが、心を決めた平凡な人間によって引き裂かれる姿が見られたのは、とても興味深かったな。だけど、今回は違うんだ。僕らはずっと大きな、身長が8フィート7インチ(約263㎝)もある、パープルのモンスターを相手に戦うんだからね。マーベルがこのチームに今までとは違う困難を投げつけているというのも興味深いよね。

――実際の撮影を経験して、ディズニーやマーベル・スタジオに怒られない範囲で、なにか撮影の思い出を教えてください。

トム:そうだなあ。いろんなクレイジーなことはあったけど、なかでも僕が関わったところだと、トニー・スタークとドクター・ストレンジが話しているシーンかな。僕はその後に逆さ吊りの状態から着地するんだけど、吊るされてるといっても自分の手で捕まっている状態だったんだよ。それが大変で、危うく落ちるところだった。きっとスクリーン上では凄く格好いいシーンになっていると思うけどね(笑)。

ピーター・パーカーというヒーロー

――複数の映画を通して一人のキャラクターの成長を描けることについては、いかがですか?

トム:マーベルがとても得意としていることのひとつは、1作目の映画だけではなく、何年もかけてキャラクターたちを進展させることだね。だから、彼の腕の体毛が総毛だって、未来のことが少し予想できるのも、新しいことだよ。それは彼が以前からずっと出来ていたことではないからね。あれを使って演じられることにワクワクしているんだ。色々なことができそうだからね。もしかしたら、危険だけを察知するのではないかもしれない。可愛い女の子とすれ違うと彼の感覚がクレイジーなほど敏感になるとかさ。あの能力をユニークで新しいものとして描く方法を考えるのは、とても楽しいことになりそうだよ。

――ピーターはどのように進化していますか?

トム:この映画のピーター・パーカーの面白いところは、彼はかなり成長しているというのに、トニー・スタークの方が、彼がそれほど成長することについて、心の準備できていないところなんだ。だからピーターはトニー・スタークにかなりの疑問を呈しているし、前の映画と比べて彼に対して少し生意気になっているかな。スタークは彼を自分の元に置いておくことを喜んでいるし、それはとても楽しいね。僕にとって、ロバートと一緒に、今までとは違う新しいことをできるというのは、とにかく嬉しいことなんだ。本当に面白いよ。

――アベンジャーズにおけるピーターの役割は?

トム:『ホームカミング』の最後で、彼はアベンジャーズの一員として迎えられたけど、彼は自分にはまだその準備が出来ていないと思っている。今まで通り、小者を相手にしていたいと思っているんだ。だけどこの映画では、その選択肢は取り上げられているね。なぜなら、今の彼はこの世界のスーパーヒーローとして何かをしなければならない責務を負っているからなんだ。つまり彼は、そんな経緯でアベンジャーズにデフォルトとして加わったということだね。

――前作と今回の作品の間、ピーター・パーカーは何をしていましたか?

トム:ピーターは、宿題をこなして、この街で、道行く人々を助けたり、小さな犯罪を止めたりしてきたんじゃないかと思うんだ。ティーンエイジャーであることを謳歌して、楽しみ、学校で学び、一生懸命働きながら、自分に出来る範囲で人々を助けているんじゃないかな。だからピーターには、前作で登場した時から劇的な変化はなかったと思うよ。だけど、今後は間違いなく、僕らが探究すべき、楽しくてエキサイティングなストーリーが生まれてくることになると思うけどね。

――トムさんにとって、スパイダーマン/ピーター・パーカーはどんな存在ですか?

トム:彼は人々を助けるために、街のため、国のため、そして地球のために頑張れる男なんだ。それに真面目で頭が良くて、少しオタクっぽいところがある。だけど、それは本当は素晴らしいことなんだよね。僕がもっと若かった頃はあまりそういうのは歓迎されなくて、不真面目なのが格好いいと思われてたことがあったんだけど、そうじゃないんだよ。勉強して良い成績をとるのは素晴らしいことなんだ。ピーターは、それを教えてくれる存在だと思うよ。

――トムさんは、ヒーローにはどんな素質が必要だと思いますか?

トム:ヒーローというのは、所謂スーパーパワーを持っているだけじゃないと思うんだ。超人的な力がなくても、現実の社会で、良い行ないを出来ることが重要なんだよね。医者であったり、教師であったり、親であったり。彼らは私たち日々できるスーパーな出来事ことを体現した存在だと思うよ。

――『インフィニティ・ウォー』でピーターと交わる他のヒーローたちには、誰がいますか?

トム:この映画で描かれている関係性で僕が一番気に入っているのは、ピーターとクリス・プラット演じるピーター・クイルの関係なんだ。クリスと一緒に仕事ができたことは、とにかく本当に楽しかったよ。彼は本当に素敵な男だからね。彼はとても可笑しくて、撮影現場にものすごい活気を吹き込んでくれるんだ。僕は彼と一緒に演じるのが大好きだったよ。

あとは、デイヴ・バウティスタかな。実際に彼が現場であの出で立ちでいるのが楽しみだったんだ。僕はガーディアンズの大ファンだったから、スクリーンではどんな風になっているのか、ワクワクしているよ。

――ロバート・ダウニーJr.(以下、RDJ)さんとは三回目の共演となりましたが、撮影現場ではどのような言葉を交わされましたか。

トム:ロバートは本当に素晴らしい人間だよ。毎回、とても仲良くさせてもらってるんだ。普段は愉快な男だけど、仕事になると才能を爆発させる。一緒に仕事をさせてもらえて、こんなに光栄なことはないと思うね。今回で三回目の共演になるけど、彼の演技は毎回素晴らしいものになっているよ。

――RDJさんの演じるトニー・スタークは『アベンジャーズ』におけるリーダー的な存在ですが、撮影現場でも彼はリーダーシップを発揮しているんでしょうか?

トム:ある意味で彼はみんなのゴットファーザーのような存在だけど、現場のリーダーはやはりアンソニー&ジョー・ルッソかな。監督が僕たちの指揮をしてくれるわけだからね。彼等の指示にロバートも従うし、そんな姿を見ているからこそ、僕たちも若者も常にそうすべきだと自信を持つことが出来るんだ。

――トムさんがインフィニティ・ストーンを手に入れたら、どんな願いを叶えたいですか?

トム:貧困とか、温暖化とか、あらゆる問題がなくなって、みんなが幸せにハッピーになれる世界を創りたいかな(笑)。

――複数の映画でスパイダーマンを演じた今、スパイダーマンであることについて、どう感じていますか?

トム:『スパイダーマン』映画の第2弾が待ちきれないよ。とにかくまたやりたいんだ。あの映画では、ものすごく楽しい時間を過ごしたからね。一生つきあえる友人もできた。自分自身のことについて、役者として、エンターテイナーとして自分に何ができるのかということについて、ものすごく多くのことを学んだよ。あの映画で僕の人生は変わったんだ。良い方向にね。そして多くの扉を開いてくれた。世界中を旅して素晴らしい土地を目にできたし素晴らしい人々に会うこともできたよ。

僕の弟たちは天にも昇るほど喜んでいるんだ。自分の兄貴がスパイダーマンだって言えるんだからね。それって最高だよ。良いこと以外何もないんだ。僕は本当に幸運さ。いかに幸運か分かっているよ。いつも頬をつねっているんだ。この前、アベンジャーズの全員と一緒にテントに座っていたんだ。まるで10年前からの知り合いのようにしてね。それってクレイジーなことだよ。

 

作品情報

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
2018年4月27日(金)全国公開

【STORY】手に入れると全宇宙を滅ぼす無限大の力を得るインフィニティ・ストーン・その究極の力を秘めた石を狙う“最凶”にして最悪の敵<ラスボス>サノスを倒すため、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、スパイダーマンら最強ヒーローチーム“アベンジャーズ”が集結。人類の命運をかけた壮絶なバトルの幕が開ける。果たして、彼らは人類を救えるのか?今、アベンジャーズ全滅へのカウントダウンが始まる!

原題:Avengers: Infinity War
全米公開:4月27
監督:アンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソ
製作:ケヴィン・ファイギ 
出演:ロバート・ダウニーJr./クリス・エヴァンス/ベネディクト・カンバーバッチ/トム・ホランド
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー/マーベル公式サイト

(C)Marvel Studios2018

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