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『ダリフラ』TVアニメ第17話 PlayBack

『ダーリン・イン・ザ・フランキス』TVアニメ第17話 Play Back:ミツル×ココロの重なる想い、そして動き出す叫竜の姫

2018年1月より放送中のTRIGGER×A-1 Pictures 共同制作によるオリジナル TV アニメーション『ダーリン・イン・ザ・フランキス』(ダリフラ)。本稿では、ミツルとココロがひとつ歩みを進めた第17話「楽園」本編の内容を筆者が感じた印象と共に振り返っていきます。

 

ナインズの来訪が、大きな転機に
イクノのモノローグから始まった17話。ミストルティンでのコドモたちだけ生活も限界に近づこうとしていた。すっかりイクノやミクと仲良くなっているゼロツー。そこでの9’sの突然の来訪は、不穏な音楽とは裏腹に、まだパパたちに見捨てられていなかったと、コドモたちを安堵させるものとなった。オトナへの依存が強いのはゾロメとミクあたりで、それをそこまで望んでいないのがヒロやゼロツー。それぞれが少し違う考え方のもとで共同生活をしていたというのが、前話からも感じたところだがリアルで面白い。

ヒロにツノが生え始めたことをさり気なく描写し、幼少期の影響なのかと思わせてからのココロの本落とし。8話でも落としてミツルにバレたのに、また落として9’sにバレてしまうなんて不注意すぎますよ!ココロさん!と言いたいところだが、この本を肌身離さず持っているということ自体が、ココロの「希望」と「興味」に対する考えの強さの表れだと思う。

お人形を子供代わりにしているココロの口元、ミツルの頭を撫でるときの表情などは、そのあたりのココロの心理的なところを絶妙に表しているなと思った。前回わだかまりがなくなったミツルとヒロ。はっきりと言葉で“記憶を消されていた”とあの約束の話をしていた。

そしてミツルからヒロに相談するというところまで二人の距離が縮まっていたことが微笑ましかった。そこでヒロに、きっとココロのことが好きなんだと言われ、そうなんだとすぐに得心したところで、ミツルにとって今もやっぱりヒロは特別で、憧れの存在なんじゃないかなと感じた。

 
ココロの決意、そしてコドモたちの未来へ
9’sとコドモたちが集まったところで、ココロに『はじめての出産 産まれてくる赤ちゃんのために』という本を何故持っているんだと問いただす9’α。意を決して、ついに「赤ちゃんを作りたい」と宣言してしまうココロ。彼女は彼女で、たった一人でこの世界の秘密について考えていたことになる。それがいかに大変なことだったかは、ここでの演説からも感じられた。それは先程の表情とともに早見沙織さんの演技の力も大きいだろう。

人間がどうやって産まれてきたのか、男女が何で違う作りをしているのか。フランクスで戦うことだけを強いられてきたコドモたちだったが、戦いがなかったこの1ヶ月でココロの気持ちはどんどん膨らんできてしまったのだと予想できる。

戦う以外に、新しい命を宿して未来に残していけるかもしれないという「希望」をみんなに伝えたとき、9’αに「気持ち悪い」とその考えを全否定されてしまう。

生殖機能は人間が進化の過程で捨ててきたもの。捨ててきたことを否定したら再び男と女という性別に縛られてしまう。男と女なんてフランクスを動かすためだけの面倒くさい仕組み。9’αにこれを言われたとき、真っ先にキレたのはイクノだった。

なぜなら、その性別にずっと苦しんできたのはイクノだったのではないだろうか。パートナーシャッフルのときに、イチゴとフランクスを動かそうとして失敗したことがあったが、あそこまでした彼女の気持ちを考えると、9’αの言葉は許せないことだったに違いない。ココロが傷つけられたことに対してキレたと思っていたが、それならばミクが真っ先にキレるはず。彼女は彼女自身のために怒ったと捉えるべきなんだろうなと私は思う。

そしてここでやっと監視をしていたナナとハチが登場。前回あったナナの頭痛の要因。ココロとミツルを見てのいらだちなどを考えると、ナナにココロのような経験があったと考えるのが普通だろう。ナナが言った生殖機能があるということがフランクスに乗るために必要なものだという発言。さらに「新しいナナと交換してもらいな」という9’αの発言など、この1話の中にどれだけの情報を入れてくるんだ!と、かなりいろいろな事実が明らかになり、消化できない感はハンパなかった。

しかもそれだけではない。こちらも前回からの引き続きで、叫竜の姫と交渉に行ったAPEの七賢人の中の2人の場面になる。叫竜の住処で「人類の歩んできた文明とは異なる技術力」とつぶやいている賢人。長きに渡って争ってきた人間と叫竜の争いも終わったと降伏を迫ったものの、交渉は決裂し、全員が姫に惨殺されてしまう。そのあとの「ニンゲンに成りすます者め」という姫の発言。もう何が起こっているのかわからないという感じだ。

そして再びミストルティンでの話になり、ココロの気持ちを受け入れるミツル。あのコックピットの形状、そして7話であの本をココロが拾ったときから、この展開は避けられなかったというか、かなりゆっくりと積み上げていった感じすらする。これを未来にどうつなげていくのかが今後大事になってくるだろうなと思った。

最後は、七賢人の主席と副主席の「自分たちが生み出した子により、地上が焼かれる痛みを味わうことになろうとは」という意味深な言葉で終わる。ゼロツーとヒロの話が終わり、1話置いて、物語が再び一気に動き出した感じがする17話。冷静な9’sが嫌悪感を露わにしたココロの思想。それがどうなっていくのかが次回の楽しみになるだろう。

ほとんど兵器として扱われてきたコドモたちが、ココロによって違う価値観を見い出されたというのは大きい。逆にヒロは、幼少期からパパへ疑問を持っていたし、外の世界への憧れもあったという、あくまで特殊ケースだった。ココロはそれとはまったく違う方向から世界の疑問にたどり着いたというところで、本当に重要な回だったと思う。



[文/塚越淳一]

 
作品概要
■放送情報
TOKYO MX:1月13日より毎週土曜23:30~
とちぎテレビ:1月13日より毎週土曜23:30~
群馬テレビ:1月13日より毎週土曜23:30~
BS11:1月13日より毎週土曜23:30~
ABC朝日放送:1月13日より毎週土曜26:29~
メ~テレ:1月13日より毎週土曜26:39~
広島ホームテレビ:1月18日より毎週木曜27:00~
BSS山陰放送:1月19日より毎週金曜26:18~
BBCびわ湖放送:1月22日より毎週月曜26:45~
※放送開始日・放送日時は編成の都合等により変更となる場合がございます。予めご了承ください。

■主題歌情報
・オープニング主題歌
アーティスト:中島美嘉
曲名:KISS OF DEATH(Produced by HYDE)
作詞・作曲:HYDE
編曲:HYDE/Carlos K.

・エンディング主題歌
アーティスト:XX:me(キス・ミー)
作詞・作曲・編曲:杉山勝彦

■スタッフ
原作:Code:000
監督:錦織敦史
副監督:赤井俊文
シリーズ構成:錦織敦史/林直孝(MAGES.)
キャラクターデザイン/総作画監督:田中将賀
メカニックデザイン:コヤマシゲト
アクション監修:今石洋之
ミストルティンデザイン:中村章子
叫竜デザイン:岩崎将大
美術設定:塩澤良憲
美術監督:平柳 悟
色彩設計:中島和子
3Dディレクター:釣井省吾/雲藤隆太
3DCG:スタジオカラー/A-1 Pictures
モニターグラフィックス:座間香代子
撮影監督:佐久間悠也
音楽:橘 麻美
音響監督:はたしょう二
編集:三嶋章紀
制作:TRIGGER/A-1 Pictures

■キャスト
ヒロ:上村祐翔
ゼロツー:戸松遥
イチゴ:市ノ瀬加那
ミツル:市川蒼
ゾロメ:田村睦心
ココロ:早見沙織
フトシ:後藤ヒロキ
ミク:山下七海
ゴロー:梅原裕一郎
イクノ:石上静香
ハチ:小西克幸
ナナ:井上麻里奈
フランクス博士:堀内賢雄

■ストーリー
彼らは夢を見る。
いつの日か大空へはばたく夢を。
ガラスによって遮られたその空が、どれだけ遠いものだと知っていても。
遠い未来。
人類は荒廃した大地に、移動要塞都市“プランテーション”を建設し文明を謳歌していた。
その中に作られたパイロット居住施設“ミストルティン”、通称“鳥かご”。
コドモたちは、そこで暮らしている。
外の世界を知らず。
自由な空を知らず。
教えられた使命は、ただ、戦うことだけだった。
敵は、すべてが謎に包まれた巨大生命体“叫竜”。
まだ見ぬ敵に立ち向かうため、コドモたちは“フランクス”と呼ばれるロボットを駆る。
それに乗ることが、自らの存在を証明するのだと信じて。
かつて神童と呼ばれた少年がいた。
コードナンバーは016。名をヒロ。
けれど今は落ちこぼれ。
必要とされない存在。
フランクスに乗れなければ、居ないのと同じだというのに。
そんなヒロの前に、ある日、ゼロツーと呼ばれる謎の少女が現れる。
彼女の額からは、艶めかしい二本のツノが生えていた。

「――見つけたよ、ボクのダーリン」

●TVアニメ「ダーリン・イン・ザ・フランキス」×「アニメイトタイムズ」コラボページ
https://www.animatetimes.com/darli-fra/

TVアニメ「ダーリン・イン・ザ・フランキス」公式サイト
TVアニメ「ダーリン・イン・ザ・フランキス」公式ツイッター(@DARLI_FRA)

(C)ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会
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