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『ダリフラ』TVアニメ第22話 PlayBack

『ダーリン・イン・ザ・フランキス』TVアニメ第22話 Play Back:コドモたちに牙をむく過酷な現実、そして抜け殻になってしまったゼロツーの意識は――

2018年1月より放送中のTRIGGER×A-1 Pictures 共同制作によるオリジナル TV アニメーション『ダーリン・イン・ザ・フランキス』(ダリフラ)。本稿では、オトナたちの不在による過酷な環境下での生活に疲弊するコドモたち、そして意識を取り戻さないゼロツーを救うため歩み出した、第22話「スターゲイザー」本編の内容を筆者が感じた印象と共に振り返っていきます。

 

コドモたちに本当に必要なものは?
スターゲイザー、星を見つける者というタイトルがSF作品らしくてカッコいい。22話の絵コンテ・演出は高雄統子さん。これまで5話「キミの棘、ボクのしるし」の絵コンテ・演出、13話「まものと王子様」の絵コンテを担当してきた高雄さんだが、何かが大きく動く直前の空気を作ってくれる方という感じだろうか。毎回ヒロとゼロツーにとって大事な回になっている印象だ。

「誰も同じ川に二度入ることはできない」――同じ川に見えても、同じ状態であることはない。常に変わっていっている。それは生きている上では抗えないこと。そんな哲学者の言葉を引用したゴローのモノローグから始まった22話。

VIRMとの戦いが一旦終わり、それを追いかけストレリチア・アパスが宇宙に飛びたったあと、生き残ったコドモたちは自給自足の生活をしていた。イチゴやゴローが中心になって動くが、ヒロは抜け殻のようになってしまったゼロツーの看病で、ほとんど心ここにあらずであった。

そんな中、ココロは検査によって(記憶を操作され身に覚えのないことになっている)自身の妊娠を知り戸惑い混乱する。ミツルも戸惑いヒロに相談するが、ヒロはそれに応えてあげられる精神的余裕はなかった。

そして、何もしていないのに切り傷が増えていくゼロツーは、徘徊し空を見つめる。さらに悪いことは続き、追い打ちをかけるように大事に育てていた食物が枯れてしまう。

――いろいろなところで完全に行き詰まってしまったコドモたち。そんなとき13部隊の前に現れたのは、ハチと以前のナナだった。

完全に八方塞がりになってしまったコドモたちの前に現れたハチとナナ。ハチは博士の遺言によって、オトナたちの記憶と能力不足でガーデンから消えたコドモたちの居場所を知る。人類が変わってしまう前のオトナたちの記憶と知識、それにコドモたちの命が残っていることで、人類存続への希望が生まれたシーンだ。

それを導く役目を博士がハチとナナに託したことになる。博士は叫竜に魅せられた科学者でありながら、その一方で以前の人類を復活させるための計画を着実に進めていたということだろうか。しかもハチとナナの資質を見抜いて、七賢人の支配下にない自分の近くに置いていたのではないか。もともと愛の深いナナはコドモたちの母のようなポジションになるのに適任だと思うし、的確な状況判断ができるハチは父のように頼りがいがある。

「お前達がコドモにとっての大人になれ」

博士がハチに託した言葉だが、これまでのオトナではなく本当の意味での大人になるんだというメッセージ。13部隊に限って言えば、これまで導いてくれる存在はヒロだった。だがヒロですら自分のことでいっぱいいっぱいになってしまっている。今、コドモにとって本当に必要なのは大人の導きである。この作品のテーマの一つでもあったであろう子供と大人の関係に、ひとつの答えが生まれたような気がした。


ヒロは再びゼロツーの元へ
土に食物を育てる生命力が不足しているというハチの言葉に絶望するコドモたちと、過労で倒れてしまうイチゴ。

ヒロはやはりゼロツーのことしか考えられないが、ツノが触れ合ったことで、ゼロツーの精神がまだストレリチア・アパスの中にあって、宇宙でVIRMと戦いを続けていることを知る。それはくしくも王子と別れて空へ旅立った絵本の結末と同じだった。

ハチが戻り、なんでも相談できる頼れる場所ができたことで落ち着きを取り戻していく13部隊のコドモたち。食物を育てることができる土の目処が立ち希望を感じるゴロー。だがヒロは、ゼロツーの元へ行くために「宇宙へ行く」と決断する。

そしてゼロツーばかりを見つめて周りが見えていないヒロに対して、ついにゴローの我慢が限界に達する。「解ってほしい」「みんなには悪いと思っている」と言うヒロに、前を向いて生きようとしているときに「死にに行くような真似をする奴の一体、、、何を解れっていうんだ」と訴え引き止めるゴローに「それでも行くんだ。ゼロツーが笑ってくれないなら、俺は生きてないのと同じだから」と揺るがないヒロの決意。ゴローはイチゴを思って言ったところもあるのだろう。

その後に流したイチゴの涙に関しては、いろんな受け取り方ができると思うが、ゴローのために流した涙だと思いたい。

そこまでして貫き通すヒロの想いに、13部隊のコドモたちのほうが心を動かし始める。そして宇宙に行こうとするヒロに、13部隊のメンバーも付いていく決断をする。さらに9’sのメンバーもVIRMと一戦交えるために便乗。生きるために最後の戦いの場に赴くことになる。恐らくココロとミツルは地球に留まるのであろう。

最後のミツルの表情は、ヒロに頼らず自分一人で何かを決断した表情をしていた。それぞれがそれぞれの未来に手を伸ばして決断していく。そんなコドモたちの自立が描かれた22話だった。

そして23話。いよいよ最後の決戦の場所・宇宙へコドモたちが羽ばたく。



[文・塚越淳一]

 
作品概要
■放送情報
TOKYO MX:1月13日より毎週土曜23:30~
とちぎテレビ:1月13日より毎週土曜23:30~
群馬テレビ:1月13日より毎週土曜23:30~
BS11:1月13日より毎週土曜23:30~
ABC朝日放送:1月13日より毎週土曜26:29~
メ~テレ:1月13日より毎週土曜26:39~
広島ホームテレビ:1月18日より毎週木曜27:00~
BSS山陰放送:1月19日より毎週金曜26:18~
BBCびわ湖放送:1月22日より毎週月曜26:45~
※放送開始日・放送日時は編成の都合等により変更となる場合がございます。予めご了承ください。

■主題歌情報
・オープニング主題歌
アーティスト:中島美嘉
曲名:KISS OF DEATH(Produced by HYDE)
作詞・作曲:HYDE
編曲:HYDE/Carlos K.

・エンディング主題歌
アーティスト:XX:me(キス・ミー)
作詞・作曲・編曲:杉山勝彦

■スタッフ
原作:Code:000
監督:錦織敦史
副監督:赤井俊文
シリーズ構成:錦織敦史/林直孝(MAGES.)
キャラクターデザイン/総作画監督:田中将賀
メカニックデザイン:コヤマシゲト
アクション監修:今石洋之
ミストルティンデザイン:中村章子
叫竜デザイン:岩崎将大
美術設定:塩澤良憲
美術監督:平柳 悟
色彩設計:中島和子
3Dディレクター:釣井省吾/雲藤隆太
3DCG:スタジオカラー/A-1 Pictures
モニターグラフィックス:座間香代子
撮影監督:佐久間悠也
音楽:橘 麻美
音響監督:はたしょう二
編集:三嶋章紀
制作:TRIGGER/A-1 Pictures

■キャスト
ヒロ:上村祐翔
ゼロツー:戸松遥
イチゴ:市ノ瀬加那
ミツル:市川蒼
ゾロメ:田村睦心
ココロ:早見沙織
フトシ:後藤ヒロキ
ミク:山下七海
ゴロー:梅原裕一郎
イクノ:石上静香
ハチ:小西克幸
ナナ:井上麻里奈
フランクス博士:堀内賢雄

■ストーリー
彼らは夢を見る。
いつの日か大空へはばたく夢を。
ガラスによって遮られたその空が、どれだけ遠いものだと知っていても。
遠い未来。
人類は荒廃した大地に、移動要塞都市“プランテーション”を建設し文明を謳歌していた。
その中に作られたパイロット居住施設“ミストルティン”、通称“鳥かご”。
コドモたちは、そこで暮らしている。
外の世界を知らず。
自由な空を知らず。
教えられた使命は、ただ、戦うことだけだった。
敵は、すべてが謎に包まれた巨大生命体“叫竜”。
まだ見ぬ敵に立ち向かうため、コドモたちは“フランクス”と呼ばれるロボットを駆る。
それに乗ることが、自らの存在を証明するのだと信じて。
かつて神童と呼ばれた少年がいた。
コードナンバーは016。名をヒロ。
けれど今は落ちこぼれ。
必要とされない存在。
フランクスに乗れなければ、居ないのと同じだというのに。
そんなヒロの前に、ある日、ゼロツーと呼ばれる謎の少女が現れる。
彼女の額からは、艶めかしい二本のツノが生えていた。

「――見つけたよ、ボクのダーリン」

●TVアニメ「ダーリン・イン・ザ・フランキス」×「アニメイトタイムズ」コラボページ
https://www.animatetimes.com/darli-fra/

TVアニメ「ダーリン・イン・ザ・フランキス」公式サイト
TVアニメ「ダーリン・イン・ザ・フランキス」公式ツイッター(@DARLI_FRA)

(C)ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会
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