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『ゲゲゲの鬼太郎』西洋妖怪編:ゆかな&山村響インタビュー

『ゲゲゲの鬼太郎』新章「西洋妖怪編」ゆかなさん&山村響さんインタビュー ――正体が分からないものを見てみたいという子供心は、今も昔も変わらない

2018年4月より放送中のTVアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』(第6期)は、10月から新章「西洋妖怪編」に突入! 歴代シリーズでも敵キャラクターとして強烈な存在感を誇るバックベアード率いる西洋妖怪軍団と、おなじみ鬼太郎ファミリーとの“妖怪大戦争”が始まります。

新章からは田中秀幸さん・草尾毅さん・白石涼子さん・井澤詩織さんらが加わり、さらなる盛り上がりをみせる本作について、今回はアデル役のゆかなさんとアニエス役の山村響さんにインタビューを実施!

本作の出演が決まった時のエピソードやキャラクターへの思い、“レジェンド声優”の集うアフレコ現場の雰囲気など、作品に関するアレコレを語っていただきました。

▲左から山村響さん、ゆかなさん

▲左から山村響さん、ゆかなさん

本章からの新キャラクター・アデル&アニエス姉妹の魅力とは

――まずは、『ゲゲゲの鬼太郎』に出演が決まった感想を教えてください

山村響さん(以下、山村):出演のお話をいただいて、どんな役なのかと思っていたら……。キービジュアルが出た時に自分の役がすごく大きく写っていたので、「これで私がやらせていただく役なんだ!」とすごくビックリしました(笑)。

嬉しい思いとともに、どんなふうに鬼太郎たちと関わっていくんだろうというワクワク感があって、収録をずっと楽しみに待っていました。

ゆかなさん(以下、ゆかな):以前お任せいただいた(6期の15話)房野きららという役も、悩み多き少女で波乱の人生でしたが、今回の西洋妖怪編では、魔女かつ姉かつ将軍ということで、全く違ったタイプの役柄をお任せいただき嬉しかったです。

――キャラクターのデザインを見て、どういった印象を抱かれましたでしょうか?

山村:アニエスは由緒正しい魔女の姿をしていて、すごく可愛いなと。髪型がおしゃれだったりミニスカートでブーツだったりとか、今風な要素も入っていますし、「こんなに可愛い子を私がやらせていただけるなんて信じられない!」という気持ちが最初は大きかったですね。

――台本をお読みになられて、どのような演技をしようと思いましたか?

山村:見た目は可愛い印象の女の子なんですけれども、すごく真面目な性格で。自分がやらなくちゃと思ったことに対しては、周りが見えなくなるぐらい、真っ直ぐ突っ走っちゃう。自分の信念を曲げない所を、しっかり出していきたいと思いました。

最初は幼い女の子の感じでアフレコを望んだんですけど、もっと真面目さやクールさを出して欲しいというディレクションもあって。自分の考えていたものから軌道修正しつつ、役を演じました。

――ゆかなさんはいかがでしょうか。

ゆかな:私が演じるアデルは、責任感や使命感が服を着ているような人だと感じました。妹への個人的な愛情や出自からの使命感、責任ある立場での振る舞いなど、全てを飲み込もうと努力しているキャラクターなのではないでしょうか。

その狭間で悩んでいるさまは、きっと社会人の皆さまにも共感していただけるポイントだと思います。弱さに見えないように見せないようにたった1人で戦ってきたような彼女の強さや弱さ、葛藤を表現できればいいなと考えています。

ゆかなさんと山村さんはプライベートでも姉妹のような関係だった

――アフレコ現場の雰囲気を教えてください。

ゆかな:響ちゃんとは他のシリーズ作品でも共演していて思い出もたくさんあるのですが、その時とは別人なのかと思うぐらい今回は緊張なさっていて……

山村:1話目の収録の時は、前の日から緊張してしまっていて(笑)。ちょっと早めに行こうとか、どの辺りに座るのが一番いいかを考えていたんです。最初は皆さんがお揃いになるまで、体がこわばった状態でずっと座っていましたね(笑)。

現場の皆さんはすごく優しく、温かかったので安心しました。野沢雅子さんがスタジオの中でいい雰囲気を作ってくださって、いつも笑いが絶えないです。

私はまだちょっと緊張しているので、なかなか中に入っていけないんですけど(笑)。「ここにいられて幸せだなぁ」と思いながら、毎回アフレコに臨んでします。

ゆかな:最近直接会う機会が少なかったのですが、もしかしたらすごく緊張しているかもしれないと思って何か私にできることはないだろうかと…でもかえってプレッシャーにもなりたくないし…私なりに悩んで収録の前の日にシンプルなメッセージ送ったりして。あとは当日、できるだけ早くスタジオに行きました。知ってる顔があるといいかなと思って。たまたま席が遠かったので、ずっと傍にいてあげることはできなかったのですけれど。

山村:ずっとゆかなさんは向かいにいてくださったので、嬉しかったです(笑)。試写会のアフレコが終わった後も一緒にお茶を連れて行ってくださって。おしゃべりしたら、すっかり緊張がほぐれました。

ゆかな:私にとっては『ゲゲゲの鬼太郎』のレギュラーの皆さんはお仕事でも個人的にも仲良くしていただいている方が多く、番組で旅行に行ったりしたような方もいらして、本当に何も不安になる要素がないんです。私にとっては安心して、私が私のできることをやればいいと思えるような場所なんですね。

ですから尚更、私が守るべきは妹だなと。私の方がたまたま先輩方と触れ合った時間が長いのであれば、私ができることは自ずと見えてきますから。適度な緊張は必要ですけれど、緊張し過ぎずに響ちゃんの良さを伸び伸びと発揮して欲しいなという気持ちでいっぱいです。

山村:お姉さん役がゆかなさんと聞いて、すごく嬉しかったです(笑)。

『ゲゲゲの鬼太郎』は観る人によって見方が変わる“多面体”の作品

――山村さんのコメントの中に、小さい頃に鬼太郎に恋をしていた時期があったとありました。昔から本作のことが大好きだったんですね。

山村:3、4歳ぐらいの時期に本作を観て、鬼太郎がすごくかっこいいと思って。お母さんに鬼太郎役をやってもらい、私は猫娘役でごっこ遊びをやっていた思い出があります(笑)。アフレコをしている時にアニエスとして鬼太郎と関わっていくんですけれども、ふとした時に「鬼太郎かっこいいな」って思っちゃうんですよね。

大人になってから鬼太郎を見てみると、ちょっと抜けているところもあったり、ほわほわしていたり、そういうところも見えてくるんですけど。「鬼太郎ってこういう可愛いところもあったんだ」と思いながら、そこも含めてやっぱりいいなと、小さい頃の恋心を思い出しちゃいました(笑)。

――(笑)。ゆかなさんは『ゲゲゲの鬼太郎』に関する思い出はありますか?

ゆかな:私はド、がつくような新人の頃、『ゲゲゲの鬼太郎』4期(1996)のゲストキャラクター(清滝涼子)として出演させていただいたことがあったんです。知り合いも誰もいなくて、スタジオでのお作法も教えてもらえる人がいなくてすごく緊張して戸惑った思い出があります。

そのときのスタジオの収録は、映写機にかけるフィルムでのアフレコだったんです。NGを出すと同じ時間をかけて戻さないといけないんですよ。そういう基本的なことすら知らなくて、あのいたたまれない感じだけを覚えているといっても過言ではないほどの経験でした。当時でも既に他では経験できないことでしたので、凄く貴重なプレッシャーだったと思います。NGを出すことの重さに、早くから気づけたわけですし。

気がつけば『ゲゲゲの鬼太郎』には4、5、6期と参加させていただいているのだと思うと、驚きも嬉しさもひとしおです。

――50年愛され続けている『ゲゲゲの鬼太郎』ですが、お二人は本作のどういったところに魅力を感じていますか?

山村:幼い頃に『ゲゲゲの鬼太郎』は怖い作品だというのが第一にあったんです。怖いなら観なければいいという話なんですけど、目を覆いながらも鬼太郎を観ていて。やはり子供には怖いもの見たさ的な感覚がすごいあると思って。

正体が分からないものを見てみたいという子供心は、今も昔も変わらないのかなという風に思っています。第6期の『鬼太郎』も昔とはまた違う今の時代だからこそ生まれる問題や起こりうるトラブルとかが描かれていて、大人の私が見ても怖いですし。

『鬼太郎』にユーチューバーが出るというのも驚くというか、目を引くところだったりするので。今の時代に合わせつつ、つかみどころのない怖さやドキドキ感を味わいたいという気持ちを惹きつけるところが魅力なのかなと思います。

ゆかな:私は本作が、多様性が重視されている現代にこそふさわしい作品のひとつだと感じていて。それは人間と妖怪、西洋妖怪と日本妖怪の関係だったり、違う習慣や思想を持った者同士がどういう形で理解し合えるのか共存しうるのかなど。子供の頃にも社会人になっても共通するところがあるのではないでしょうか。

犬山まなちゃんがいるから人間と仲良くなれるとか、鬼太郎がああいう性格のリーダーだから対話路線を試みるとか。それぞれの世代で見えてくる部分がきっと違う、“多面体”みたいな形の仕上がりになっているかなと。

これから社会に出る方々にとっても、本作がひとつの価値観になれればいいなと個人的に思っています。アデルさんも様々な面を持っているキャラクターなので、私もその一助となるべく頑張ります。

――ありがとうございました。

[インタビュー・文/島中一郎]

作品情報

TVアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』

毎週日曜午前9時~9時30分(一部地域を除く)

<STORY>
21世紀も20年近くが経ち人々が妖怪の存在を忘れた現代。科学では解明が出来ない現象が頻発、流言飛語が飛び交い大人たちは右往左往するばかり。そんな状況をなんとかしようと妖怪ポストに手紙を書いた13歳の少女・まなの前にカランコロンと下駄の音を響かせてゲゲゲの鬼太郎がやってきた…。

<CAST>
沢城みゆき/鬼太郎
野沢雅子/目玉おやじ
古川登志夫/ねずみ男
庄司宇芽香/ねこ娘
藤井ゆきよ/犬山まな
田中真弓/砂かけばばあ
島田 敏/子泣きじじい
島田 敏/ぬりかべ
山口勝平/一反もめん

<STAFF>
・原作:水木しげる
・プロデューサー:
狩野雄太(フジテレビ編成部)
佐川直子(読売広告社)
永富大地(東映アニメーション)
・シリーズディレクター:小川孝治
・シリーズ構成:大野木寛
・キャラクターデザイン・総作画監督:清水空翔
・音楽:高梨康治、刃-yaiba-
・制作:フジテレビ・読売広告社・東映アニメーション

TVアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』公式サイト
TVアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』公式Twitter(@kitaroanime50th)

(C)水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション
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