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『僕のヒーローアカデミア』新垣樽助×上村祐翔×安野希世乃インタビュー

『僕のヒーローアカデミア』新垣樽助(通形ミリオ役)×上村祐翔(天喰環役)×安野希世乃(波動ねじれ役)インタビュー

堀越耕平原作によるTVアニメ『僕のヒーローアカデミア』の第4期が10月12日(土)より読売テレビ・日本テレビ系にて放送開始。第4期の物語は、デクがプロヒーローの下でのインターン活動に挑む「プロヒーローインターン活動編」からスタートします。

アニメイトタイムズでは、今期ストーリーから本格参戦する“雄英ビッグ3”を演じる通形ミリオ役の新垣樽助さん、天喰環役の上村祐翔さん、波動ねじれ役の安野希世乃さんにインタビューを実施。各キャラクターの役づくりのポイントや、アフレコ時のエピソードを語っていただきました。

1年生たちの横に立って、一緒に上へ昇っていく

ーーアニメ第3期のラストに登場した“雄英ビッグ3”ですが、第4期からいよいよ本格参戦となりますね。実際に作品に参加されて、どのような部分に魅力や面白さを感じますか?

新垣樽助:第4期では、デクたち雄英生がインターン制度でプロの現場の前線に立つというお話が中心に描かれていますが、その中で“生きるか死ぬか”というギリギリのところで戦う緊張感が、面白いポイントの一つになっていると思います。

上村祐翔:インターンということで、1年生たちは今まで触れてこなかった世界に足を踏み入れる“怖さや迷い”といった色んな壁にぶつかっていくんです。

僕が演じる天喰環は、切島鋭児郎と関わるシーンが多いんですけど、彼が活躍していくことに対して、同じ1年生の仲間たちが「お前すごいな!良かったな!」というふうに、お互いを鼓舞したり、素直に褒めあったりする関係性が真っ直ぐに見えて。

その熱いハートの中にある温かい優しさは、第1期の頃からアフレコ現場の中にもあったんだろうなと感じましたし、それが『ヒロアカ』の魅力にもつながっているのだと思います。

安野希世乃:『ヒロアカ』には個性豊かで魅力的なヒーローが多数登場しますが、“個性”の違いからだったり、身体の特徴そのものから“みんな同じではないスタート地点”なんですよね。

それゆえに、ここまでに至る過程で自分の個性と向き合い、悩んで、克服して。その先の目標として“ヒーロー”があって。

誰しもに“個性”がある世界でコンプレックスがあっても、それを強みにして“人を救けたい”という少年少女たちだからこそ、みんな志が高くて。そういう部分を含めて『僕のヒーロー“アカデミア”』なのがすごく良いなと感じます。

プロヒーローだけの物語では見られない、成長や葛藤がある“学校”の物語だからこそ切磋琢磨する彼らの姿がすごく好きで。私自身も今回ねじれとして関わらせていただき嬉しく思っています。

ーー各キャラクターの役づくりに際して、音響監督の三間雅文さんからはどのようなアドバイスがありましたか?

新垣:第3期のラストでミリオたちが登場した当初は、「1年生の目標になったり、導いていくような存在になろう」と意識してアフレコに臨んでいたんですけど、三間さんから「1年生たちを引っ張りあげるのではなく、彼らの横に立って、一緒に上へ昇っていくんだ」というアドバイスをいただきました。

ミリオたちは先生ではないので、“導く”という立場ではないし、ミリオ自身も「一緒にやろうよ!」と周りを巻き込んでいくような性格をしている。それを表現すると、三間さんの仰った言葉とつながって。導き方にも色々な方法があるのだと教えていただき、それを毎回意識して演じています。

ーー先輩・後輩というと“縦の関係”をイメージしがちですが、それを“横の関係”として捉えると、確かにデクとミリオの距離感としてしっくりくるものがありますよね。上村さんはいかがでしたか?

上村:環は第3期の最終話で、ミリオと1年生たちが戦っているときに解説的な役割を担っていたんですけど、そのシーンでの先輩感について「環はメンタルが弱くて、ぼそぼそと喋るような自信のなさはありつつも、少なくとも“インターンの先輩として来ている”ということは1年生にわかってもらいたい。彼なりに先輩としての役割を果たしているんだ。」とディレクションしていただきました。

細かいニュアンスでお芝居の見え方は変わってくるのだと気づかされることの多い現場です。

ーーキャラクターの心情や行動の理由を論理的に捉えたうえでお芝居にのせていくというか。安野さんは演出で特に印象深かった言葉はありますか?

安野:「この現場の登場人物に“普通の人”は一人もいない」と仰っていたんですけど、その言葉が一番心に刺さっています。

『ヒロアカ』には個性がなくて悩んでいたデクくんのように、視聴者目線で見れるような“普通の人”はむしろ珍しく、ねじれはとても個性的な部類にいて。普通の人ではないから、普通の本の読み方ではダメなのだと現場で感じました。

学校でもプロの現場でも、ねじれはのびのびしているので、インターンでお茶子たちと一緒になったときも、「先輩として優しく」とか「説明してあげないと!」という真面目な気持ちでセリフを読んでいると、「それは“普通の人”の芝居であって、ねじれはそうじゃない」とご指摘をいただくんです。

例えば、ねじれが心配して「大丈夫?ケガなかった?」と言うセリフがあったんですけど、普通のトーンで心配してはダメで、もっと「大丈夫だったのかどうか」をねじれは“知りたいんだ”と。根っこにはいつも前向きな興味と好奇心がある。

ねじれにはねじれの個性があって、その発露がキャラクター性であり、特技にもつながっている。それを私が持っている“普通”で薄めてしまっては、彼女の馬力が出ない。私自身がねじれのフィールドまで行かないと、彼女がこの作品のなかで活躍できないのだと痛感しました。

キャラクターとして本当の意味で“生きている”ということを求められる現場

ーー他のキャストの皆さんと実際に掛け合ってみていかがでしたか?

新垣:ミリオはサー・ナイトアイやデクとの絡みが多いんですけど、ナイトアイに対しては尊敬の念を持ちつつも、「笑わせなきゃ!」というところがあって。その掛け合いは、僕自身がナイトアイ役の三木眞一郎さんに対して持っている“憧れ”をのせることで、矛盾なく話しかけることができるんですけど、デクに対して接するシーンではいつも悩むんです。

自分が役者として未熟であると思っている内面を捨てて“先輩”を演じようとすると、引っ張っていく存在という単純な方向に行きがちになってしまって。勇気付け方にも“引っ張っていく勇気付け方”と、“包み込んであげるような勇気付け方”があって、微妙な差なんですけど、セリフとして出るときに違ってくるんです。

その差がデクの反応をより魅力的なものにしたり、シーンをより感動的なものにするので、デクへの言葉の掛け方、受け取り方の一つ一つを毎回悩みながらやっています。

ーーセリフ一つを取っても、言葉にのせる感情の細かな部分の違いでシーンに差が出てくるんですね。

新垣:こちらの姿勢が言葉を受け取る相手に対しても大事になってくるので、台本を見て、「デクのセリフに対してミリオはこう答える、だからこの感情になる」という解の出し方をこの作品ではしてはいけないなと。ミリオの根底にある動かない温かみというか、デクへの揺るがない姿勢があって、そのなかで「このセリフを言うにはどうしたら良いのか?」を考えるんです。

普段であれば色んなところからアプローチを試みるんですけど、この現場でそれはできないので、難しかったとしてもその根底から動かずにお芝居を作っていく。そこで毎回苦しみますね。

上村:お互いの関係性という土台の部分がしっかりしていないといけないので、自分の演じるキャラクターがセリフを喋っていないときも、どのように考えているのか理解することがすごく大事なんだと感じます。

安野:キャラクターとして本当の意味で“生きている”ということを求められる現場だなと思いますね。戦闘シーンも多いので、色んな危機に直面したりするなかで、それぞれのキャラクターが根っこの部分で「自分は何をしたいヒーローでありたいのか」という気持ちを演者のみなさんが考え続けて、理解したうえで全部のセリフを言っていて。

シチュエーションのなかで考えるのではなく、“どんな人間であるか”に重きを置いている現場だと感じますね。

ーー深い現場ですよね。最後に各キャラクターの目線からファンのみなさんに注目して欲しいポイントを教えてください。

新垣:ミリオとしては、壊理(エリ)ちゃんという少女と出会い、そこでデクと共に一度挫折を味わって、そこからまた決意を以って戦っていきます。そこをしっかりと演じきりたいと思っているので、注目していただければと思います。

上村:環を演じるときは基本的に一度自分のテンションをガクッと下げるところから始まるんですけど、その下がったところからさらに下がるというシーンがあるんです。

環は切島やファットガムと一緒にいることが多いんですけど、ファットガムは環をいじることが当たり前になっていて、それに対して毎回ちゃんとヘコむ環がいて。そういったマイナスの振り幅をまずは楽しんでいただきたいです。

あとは環の個性が食べた物の性質が発現するというもので、今後の戦いにおいても大事な鍵となっています。「あ、これを食べたんだな」と微笑ましく見守ってください(笑)。

安野:第3期のラストでは「なんだこのお姉さんは!?」という感じだったんですけど、戦闘シーンでは外見に見合わずダイナミックな技を使います。その一撃をぜひ見てください。髪の毛がツノのように見えるヒーローコスチューム姿も可愛いので、刮目していただければと思います!

インタビュー・文・撮影:吉野庫之介

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『僕のヒーローアカデミア』TVアニメ第4期

放送情報

2019年10月12日(土)より、毎週土曜17:30~読売テレビ・日本テレビ系全国29局ネットにて放送

イントロダクション

コミックスのシリーズ累計発行部数は2300万部を突破! 週刊少年ジャンプ(集英社刊)で連載中の堀越耕平による大人気コミックを原作としたTVアニメ『僕のヒーローアカデミア』。舞台は総人口の約8割が何らかの超常能力“個性”を持つ世界。事故や災害、そして“個性”を悪用する犯罪者・敵<ヴィラン>から人々と社会を守る職業・ヒーローになることを目指し、雄英校に通う高校生・緑谷出久とそのクラスメイトたちの成長、戦い、友情のストーリーが繰り広げられていく!

ストーリー

超常能力“個性”を持つ人間が当たり前の世界。憧れのNo.1ヒーロー・オールマイトと出会った“無個性”の少年・緑谷出久、通称「デク」は、その内に秘めるヒーローの資質を見出され、オールマイトから“個性”ワン・フォー・オールを受け継いだ。デクはヒーロー輩出の名門・雄英高校に入学し、“個性”で社会や人々を救ける“ヒーロー”になることを目指して、クラスメイトたちと試練の毎日を過ごしていた。

宿敵オール・フォー・ワンを倒したものの力を使い果たしたオールマイトはプロヒーローを引退。彼の意志を継いだデクは「プロヒーロー仮免許」を取得し、“最高のヒーロー”にまた一歩近づいた。そんな中、デクは雄英ビッグ3のひとりであり、プロヒーローのサー・ナイトアイの下で「インターン活動」をしている3年生・通形ミリオと出会う。

その圧倒的な実力から、デクはプロヒーローの事務所で実際にヒーロー活動を行うインターン活動への意欲を高まらせる。一方、不穏な動きを見せる指定敵<ヴィラン>団体・死穢八斎會の若頭オーバーホールが、オール・フォー・ワンの意志を継ぐ敵<ヴィラン>連合のリーダー死柄木弔と接触。そして、オーバーホールの傍らには、ひとりの少女の姿があった―。

デクの、ヒーロー候補生たちの、新たな“脅威”との戦い、そして“使命”への挑戦が始まる!!

スタッフ

原作:堀越耕平(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
総監督:長崎健司
監督:向井雅浩
シリーズ構成・脚本:黒田洋介(スタジオオルフェ)
キャラクターデザイン:馬越嘉彦
音楽:林ゆうき
アニメーション制作:ボンズ
オープニングテーマ:「ポラリス」BLUE ENCOUNT
エンディングテーマ:「航海の唄」さユり

キャスト

緑谷出久:山下大輝
通形ミリオ:新垣樽助
爆豪勝己:岡本信彦
麗日お茶子:佐倉綾音
飯田天哉:石川界人
轟焦凍:梶裕貴
切島鋭児郎:増田俊樹
蛙吹梅雨:悠木碧
八百万百:井上麻里奈
天喰環:上村祐翔
波動ねじれ:安野希世乃
オールマイト:三宅健太
サー・ナイトアイ:三木眞一郎
ファットガム:興津和幸
死柄木弔:内山昂輝
オーバーホール:津田健次郎
壊理:小林星蘭

(C)堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
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