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TVアニメ『ランウェイで笑って』花守ゆみり×花江夏樹 対談

TVアニメ『ランウェイで笑って』放送記念!花守ゆみりさん×花江夏樹さんインタビュー|花江さんが「ランウェイで待ってて」と伝えた相手とは?

共感できるストーリー

――ありがとうございます。原作も大人気な『ランウェイで笑って』ですが、今回のTVアニメをキッカケにはじめて作品に触れる方も多いと思います。お2人から見た作品の魅力も聞かせて下さい。

花江:ファッション業界のテーマの作品なんですけど、誰にでも当てはまるような苦悩や葛藤、将来に対する不安や希望がメインの作品になっています。ファッションを全然知らない方でも心動かされて、感動できるところは多いと思いますね。

色々なキャラクターが出てくる中で野望や悩みも更に増えていく。それぞれを主人公として見ていただくと、より楽しみが広がる作品です。

――花江さんの中で育人はもちろんですが、共感できるキャラクターとして一人挙げるならばどのキャラが出てきますか?

花江:そうですね……。千雪の生まれ持ったものだけで戦うという姿勢には共感できます。身長が伸びない。それも才能の一つとして取られちゃう世界なので、しょうがないと言ってしまえばそれまでなのですが。でも、パリコレに出るようなモデルになるためには最も大切な部分だったりするので。

僕自身、もっと欲しいものがあるけれど、足りないなって日々思うことがあります。どこかで割り切らなければいけないのか、もしくはそこを武器にできるくらい他の部分で補うのか。そういった千雪の悩みや葛藤に共感していますね。

花守:“ファッション”と聞くと華やかな世界が一番最初に思い浮かぶと思うんです。『ランウェイで笑って』の原作やTVアニメには見ていて楽しくなるようなカットがたくさん、たくさんあります。

ただ、その華やかさを作るために多くの人が苦しんでいる。自分の才能にだって嘆いている。ここが「ランウェイで笑って」に共感いただける部分だなって思います。

(少し間を置いて)これは実際に声をあててみて思ったことなんですけど。

――なんでしょう?

花守:言葉に出してみると、本当に辛いなって思うシーンがたくさんあって。理想と現実のギャップに悩み苦しむ。自分自身に葛藤を覚えることは勿論、他人に対してその感情をぶつけてしまうことがあったり。

キレイなものを作るのってそういうことなんだなって。これが『ランウェイで笑って』の魅力だと私は思います。

――華やかな世界の裏側にある葛藤や人間関係、ぶつかり合い。そうした揺れ動く気持ちに作品の魅力が詰まっているということですね。繰り返しの質問になってしまい恐縮ですが、千雪を演じる花守さんから見て好きだったり、共感できるキャラクターについて教えて下さい。

花守:うーん……。難しい質問ですね。一番最初に共感したのは心ちゃん(長谷川心/CV:茅野愛衣)です。それから千雪に戻り、最近はまた心ちゃんになってきて。

心ちゃんって、自分の歩みたい道と実際に自分が見いだされている才能が違うということに苦しんでいる女の子なんですよね。私は心ちゃんに共感できるというよりも、重ちゃう部分があると思っていて。

例えば、私の演技や声質で求められるものと私がやりたいことにギャップがある。その時って、やっぱり得意なことを伸ばしていく、長所を伸した方が戦い方としては正しいことなのかもしれません。

でも……私はそれ“だけ”で進んで後から後悔するのが嫌だったんです。これはずっとマネージャーさんと話し続けてきたことでもあります。

――そうだったんですね。

花守:「私はこれをやりたいんです」と言った時に、耳を傾けて背中を押してくれた。そんなマネージャーさんがいたから、私は今こうしてお仕事ができています。

でも、私が心ちゃんと同じ状況だったら、育人のような人との出会いがない限り、「これが正しい道なんだ」って、そっちの道に進んでいたかもしれません。

だからですかね……。原作や茅野さんの演じる心ちゃんを見ていると、胸に深く突き刺さっちゃうんです。

 

夢を叶える過程で大切にしてきたこと

――ありがとうございます。『ランウェイで笑って』は才能や環境など、夢を叶たいけど、その前には超えることができないかもしれない壁や守らなくちゃいけないものがあって……という、人の生き方を見せつけられる大作だと思っています。花江さん、花守さんの今のキャリアまで来る過程の中で大切にしてきたことをお聞きしたいです。

花江:大切にしてきたこと……。

――花江さんは声優の養成所に通わずに、事務所の公式ホームページ経由で所属になったんですよね?

花江:そうですね。当時は特に行動力があった方だと思います。“誰もやったことのないことをやろう”っていう気持ちが小学生の頃からあって。その結果、うまくいくことも多かった気がします。

さっき、ゆみりちゃんの話でもありましたけど、僕は全く逆で。「長所を伸ばす」道を選んで、別の道を進めばよかったって思わないタイプなんです。

以前、先輩に相談したことがあって。その時に先輩はこうアドバイスをくれたんです。

「長所から伸ばしていったら、最終的に他のところでも活躍できるようになる。自分が得意だと思っていることをまずやりなさい」この言葉の通りに僕は実践してきました。だからこそ、今があります。

――花江さんの得意なところについて詳しく聞かせて下さい。

花江:役で言えば、ライバルだったり黒幕っぽいキャラとか。そういった大人っぽい役に憧れていました。当時から声が高めだったのに。

「そういったところを狙っても第一線で演じている役者には勝てない。自分の等身大でできる役をやりなさい」とも先輩に言われて。それからですね、考え方が変わったのは。

――僕、『アクティヴレイド -機動強襲室第八係-』がすごく好きで。

花江:ミュトスですね。あぁいった役も次第にいただけるようになりました。本当に先輩のアドバイス通りだったなって思います。

――声優として長所を伸ばした結果、今の花江さんがあるということですね。花守さんはいかがですか?

花守:先輩のありがたい話の後に恐縮ですが……。なんだかんだ結局最後は自分で決めちゃうところがあって。本当にすごく悩んだりするんですけど、最後には直感を信じてしまうタイプなんです。

ずっと男の子を演じたくって。そういったお仕事ができるようにマネージャーさんがたくさん動いてくれたんですけど、それって絶対簡単なことじゃないなって思うんです。

私を選んでくださったスタッフの皆さんもそう。こうした人に恵まれていることを絶対に忘れちゃいけないなって。

――夢を応援してくれる人々への感謝の気持ちを忘れないことが大切、と。

花守:はい。直感を信じた結果、地獄に落ちちゃっても構わないと思うこと(笑)。そうやって私は生きてきました。

――ありがとうございます。ちなみにもう一つ伺いたいのですが、夢を追っていたとしても折れてしまったり、諦めようかなって思う時もあると思うんです。『ランウェイで笑って』。のキャラクターたちも胸の内ではそういった想いと戦い続けています。その点についてはどう思われますか?

花江:僕は諦めたことはないです。意味や根拠のない自信がずっとあったんですよ。

花守:カッコいい!

花江:「売れろ、売れろ」ってずっと思ってましたから。仕事についてはネガティブなことはほぼなかったです。だって、ポジティブの方が気持ち的にもいいじゃないですか?その時を楽しもうって気持ちで仕事を続けてきたような気がしますね。

――本格的にデザイナーを目指しはじめた育人も常にポジティブですよね。そういった意味では花江さんと育人は似ているのかもしれません。花守さんはいかがでしょう?

花守:私も千雪と似ていて。常に理想と違うというギャップに打ちのめされているんです。でも、私も諦めたことはありません。悔しい、次は絶対勝つって。生まれつき心にバネが組み込まれているのかも(笑)。

負けを無駄にしたくない。負けた分倍返しで頑張る。オーディションや普段の現場もでもそう思っています。私、自分に自信がないので、その代わりに自分に負けない闘争心を持って戦っています。

私、周りの人から「生きにくいでしょ?」って言われるんですよ(笑)。

――生きにくいとはすごいですね(笑)。

花守:そうなんです(笑)。これからも私はこうやって自分と戦っていくんだろうなって。繰り返しになりますけど、私を支えてくれる人に恩返しができるような生き方がしたい。その気持ちは大切に持ち続けていきたいです。

――貴重なお話をありがとうございます。最後にTVアニメ『ランウェイで笑って』を楽しみに待っているファンの方へメッセージをお願いいたします。

花江:色と音。色ってファッションにとってすごく大切な要素だと思っていて。『ランウェイで笑って』がアニメ化することにより、この2つが組み合わさることがまず、魅力的に感じていただけるところだと思います。

そして、声がつくことにより感情移入できるようにもなるし、モデルさんのウォーキングを見ても率直に綺麗だなって思いました。素敵なストーリーと共に楽しんでいただければと思います。

花守:原作を読んでくださっている方々の期待が大きい作品であることは重々理解していてて。その期待に応えられるよう役者、スタッフ全員で全力を尽くしています。その根底にあるのは『ランウェイで笑って』がすごく素敵な作品だという想いなんです。

キャラクターたちが夢を失わずに生きる走り続けることに凄いなって思いつつ、自分もそうありたいと考えさせられる作品になっています。最後まで見ていただけると嬉しいです。

〔文&写真・川野優希〕
 

 

TVアニメ『ランウェイで笑って』作品情報

2020年1月10日よりMBS・TBS・BS-TBS“アニメイズム”枠にて放送開始!

イントロダクション

身長158cmの藤戸千雪の夢は、パリコレモデル。モデルとして致命的な低身長を理由に、周囲は「諦めろ」と言うが、それでも折れない。

そんなとき、家族を養うためにファッションデザイナーの夢を諦めようとする都村育人に出会う。

――これは一途に夢を追って走り続ける、2人の物語。
 

放送情報

1月10日よりMBS・TBS・BS-TBS“アニメイズム”枠にて放送中!
・MBS 1/10(金) 26:25~
・TBS 1/10(金) 26:25~
・BS-TBS 1/11(土) 25:30~
・AT-X 1/13(月) 22:30~
・リピート放送:毎週(水)14:30/(土)6:30
・BS 1/24(金) 25:55~
・SBS 1/28(火) 26:25~
 

配信情報

dアニメストア :1/10より 毎週金曜26:55
U-NEXT :1/10より 毎週金曜26:55
Amazonプライムビデオ:1/13より 毎週月曜26:55
Netflix :1/13より 毎週月曜26:55
dTV :1/13より 毎週月曜26:55
アニメ放題 :1/14より 毎週火曜12:00
FOD :1/13より 毎週月曜26:55
ひかりTV :1/13より 毎週月曜26:55
Tver :1/13より 毎週月曜26:55
MBS動画イズム :1/13より 毎週月曜26:55
ニコニコチャンネル :1/13より 毎週月曜26:55
ビデオマーケット :1/13より 毎週月曜26:55
music.jp :1/13より 毎週月曜26:55
クランクイン!ビデオ:1/13より 毎週月曜26:55
GYAO! :1/13より 毎週月曜27:00
DMM.com :1/14より 毎週火曜10:00
Hulu :1/14より 毎週火曜12:00
ビデオパス :1/14より 毎週火曜12:00
J:COMオンデマンド :1/14より 毎週火曜12:00
バンダイチャンネル :1/14より 毎週火曜12:00
ニコニコ生放送 :1/14より 毎週火曜22:30
 

STAFF

原作:猪ノ谷言葉『ランウェイで笑って』(講談社「週刊少年マガジン」連載)
監督:長山延好 / 脚本・シリーズ構成:待田堂子
キャラクターデザイン:金子美咲
チーフディレクター:渋谷亮介
コスチュームデザイン:柴田裕介
プロップデザイン:佐藤玲子
色彩設定:林 由稀
美術監督:林 雅巳
撮影監督:伊藤康行
編集:岡 祐司
音楽:片山修志(Team-MAX)、鈴木暁也(Team-MAX)
音響監督:田中 亮
音響制作:ビットプロモーション
アニメーション制作:Ezo'la
 

CAST

藤戸千雪:花守ゆみり
都村育人:花江夏樹
長谷川 心:茅野愛衣
綾野 遠:木村良平
柳田 一:諏訪部順一
都村ほのか:石川由依
都村 葵:山村響
都村いち花:赤尾ひかる
木崎香留:福原綾香
江田龍之介:天﨑滉平
高岡祥子:潘恵子
セイラ:牧野由依
綾野麻衣:浅野まゆみ
 

MUSIC

オープニングテーマ:坂口有望『LION』
エンディングテーマ:ジェジュン『Ray of Light』

公式サイト
公式Twitter(@runway_anime)
 

原作情報

◆『ランウェイで笑って』
著者:猪ノ谷言葉(講談社「週刊少年マガジン」連載)

累計170万部、単行本第1巻~第13巻も好評発売中!

 
最新14巻、1月17日発売!

(C)猪ノ谷言葉・講談社/ランウェイで笑って製作委員会
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