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冬アニメ『地縛少年花子くん』緒方恵美×安藤正臣 監督インタビュー

冬アニメ『地縛少年花子くん』緒方恵美さん&安藤正臣監督インタビュー|第1話と最終回のラストシーンから伝わってくる花子くんと寧々ちゃんの変化

緒方さんが楽しいと感じたあまねと土籠先生のシーン

——“あまね”に関しても、何かディスカッションはされたのでしょうか?

緒方:あまねに関しては、あまりディスカッションをしませんでした。花子は自分の本音を喋らないキャラクターですけど、あまねはもう少し素直だったときの花子なので、そのままスッと役に入ることができました。

後で伺ったお話なんですけど、あまねを演じているシーンであいだいろ先生と担当編集者さんがブースの外で泣いていらっしゃった、と。

安藤:あまねと土籠先生の会話のシーンですね。あいだいろ先生が涙を流しながら「良かったです~!」とおっしゃっていたので、ディレクションをする必要は何もないなと思っていました。

花子くんが少しひねくれていた部分、あまねはストレートになっている良いキャラクターでした。

緒方:そうなんです! なので、すごく演じるのが楽でした。たぶん、花子くんが最初に本音を出したのは第5話の「告白の木」で、それまではずっと芝居の中の芝居をやっているような感じでした。

土籠役の津田健次郎さんとのお芝居は本当に楽しかったです。

安藤:土籠のメイン回である第6話「16時の書庫」では、すぐにその場の空気と呼吸を読んであのお芝居をすぐに出していただいたので本当に素晴らしい役者さんだな、と感じます。

緒方:津田さんとはいろいろな作品で関わらせていただきましたが、いつもニアミスで今まで1度も同じスタジオでお芝居をしたことがなかったんです。

第6話のシーンで初めて一緒にお芝居をしましたが、“あっ同じにおいがする人だ!”と(笑)

津田さんも同じことを思ってくれたらしくて、たとえば“今ちょっと顔がゆがんだのは、この間に入りきれなくて嫌だったんだな”など、そういうことが横にいて分かる。

尺が微妙に難しいシーンだったんですけど、2人ともやり直したいと思っているシーンが一緒になることもあって、どちらからでもなく“もう1度いいですか?”と言える良い雰囲気でした。

安藤:お2人とも役者同士のコミュニケーションがちゃんと取れて、呼吸が読み取れるのでしょうね。

緒方:本当にすごく楽しかったです。津田さんはすごく良い人だな、と思いました(笑)。

花子、寧々、光の3人のトリオ感

——花子くんは寧々ちゃんや光と触れ合うことで、少しずつ感情を表に出したり、“人間”だった頃の感情を出し始めたりしたかと思います。この3人は特別な“繋がり”があると感じますが、お二人から見てどのような関係だと思われますか?

安藤:キービジュアルが3人の関係を表していると思います。1番最初に発表したキービジュアルは、花子くんがトイレの向こう側から1人ぼっちでこちらを見ている絵でしたが、次に花子くん、寧々ちゃん、光の3人がいて、周りに『花子くん』をイメージした小物が並んでいるキービジュアルを発表しました。

最初、表情のニュアンスや目線から真ん中にいる寧々ちゃんを左右にいる花子くんと光が引っ張り合っているように見えていたんです。

安藤:でも、編集部から三角関係のようなラブコメに見えないようにしてほしいという要望があったので、“あっ違うんだ”と気づきました。そういう異性に対する感情というよりもっと手前側にある関係性なんだろうな、と。

緒方:特に、光はそういう感じですよね。

安藤:そうですね。恋愛感情より手前の関係だからこそ、居心地の良い3人の空気というのが形成されている。すごく掛け替えのない時間を過ごしている3人なんだろうな、とあいだいろ先生からのディレクションで感じたので、そのあたりを意識していました。

緒方さんは演じられていて、鬼頭さんや千葉くんとのやり取りで何か感じられたことはあります? 結構、3人は目線が一緒ですよね。

緒方:そうです。3人とも割と目線が一緒です。

安藤:あはははは(笑)。

緒方:その空気があるから良いのかな、と思います。

安藤:鬼頭さんも千葉くんも演技に取り組む姿勢の真摯さがあるので。

緒方:2人とも頭が良いので、いろいろなことをキャッチする能力が高いんです。

安藤:3人のトリオ感を出すことができたのは、やっぱり1番最初のオーディションが効いたかな、と思います。

緒方:ドーナツのオーディションですね! 

安藤:はい。寧々ちゃんと光のキャスティングの際、最初のテープオーディションで絞り込みはしましたが、やっぱり花子くん、寧々ちゃん、光の3人の空気感が大事だろうということで、緒方さんとその2人という形でオーディションを行いました。そこで、実際の3人のやり取りとして分かりやすかった“ドーナツ”のシーンを選んだんです。

緒方:「16時の書庫」のシーンでしたよね。土籠先生から好きなものは何だ?と言われて、花子くんが“ドーナツ”と答えたら寧々ちゃんと光からツッコミを入れられるシーンの掛け合いをやらせていただきました。

安藤:そのシーンで鬼頭さんと千葉くんの清さというか、緒方さんに負けないぐらいのものを感じました。

緒方:ということは、私は清くないと……?

安藤:何で自虐的なことを言うんですか(笑)。

緒方:一応、ツッコミを入れておかなければ、と。

一同:(笑)。

緒方:2人はオーディションで一緒の組に入ると、だいたいどちらか一方しか選ばれないらしいんです。なので、2人一緒に決まったときはびっくりしたと話していました。

(C)あいだいろ/SQUARE ENIX・「地縛少年花子くん」製作委員会
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