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劇場版「Fate/stay night [HF]」第三章 下屋則子インタビュー【連載第5回】

劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」 Ⅲ.spring song 下屋則子さんインタビュー|[Fate][UBW][HF]――桜と一緒に歩んだ道筋を振り返って【連載第5回】

凛は越えられない壁

――最初に[HF]を演じた時や、ゲームをプレイしてエンディングを迎えた時は、どのような印象を抱かれましたか?

下屋:原作のゲームだとより細かく桜の過去について描写されていて、私が想像していた以上の壮絶さに衝撃を受けたのを覚えています。テキストの量もすごかったので、収録には本当に時間が掛かりました。

ゲームってひたすら自分のセリフだけを収録するので、変なハイテンションになった記憶があります。当時は桜、黒桜という言い方をよくされていたのもあり、私の中でも別の存在として演じていた部分があって。黒桜のセリフをずっと演じていくと段々気持ちよくなったというか、当時はかなりノリノリで演じていたと思います(笑)。

ただ先程の話にも繋がるんですけど、そこから15年を経て、2面性という考え方はちょっと違っていたのかなとも思うようになりました。それは長い間演じて、私自身の桜への理解度が深まってきたことや、劇場版で須藤監督が、桜の心境をより伝わりやすい形で表現してくださったことが影響しているのかなと。

――第三章では、遠坂凛と桜の関係も重要な要素になっていますが、下屋さんにとって凛というキャラクターはどんな存在でしたか?

下屋:越えられない壁……でしょうか。凛ってちょっとおっちょこちょいなところがあるんですけど、その面は[HF]ではあまり描かれないんですよね。桜が憧れる姉さん像に近い振る舞いが多くて。

結構私自身もいろいろなところが足りていなくて、ちゃんとした大人ってすごいなと日頃から思っていたりするのですが(笑)、やっぱりああいう(凛のような)存在が身近にいたら、敵わないと思ってしまうだろうなと。

だから憧れと同時に、嫉妬を抱いてしまう桜の気持ちはすごく分かるし、それが普通の人間だとも思うんです。桜にとっては姉で、自分のことを助けて欲しい存在でもあるのですが……凛がすごいのは、ただ完璧なだけじゃなくて、女の子としてのかわいらしい一面も持ち合わせていることで。

だってツインテールに絶対領域とか、かわいすぎるじゃないですか!(笑) ものすごく人気あるのも頷けるなって。

――『Fate/Zero』の時は、間桐雁夜が桜を助けるために奮闘していましたが、下屋さんには雁夜の存在はどう映りましたか? 彼もなかなか評価が難しいキャラクターだと思いますが。

下屋:、裏にどんな感情があったにしろ、桜を守ろうと思って命をかけて戦ってくれた人がいたということは、私にとって救いだったんですよね。だから「もし雁夜おじさんが生きててくれていたら……」と、ついさっきまで思っていたんですが……。

――……ということは、今は違うと?(笑)

下屋:先ほど川澄さんと佳奈ちゃんと話していて、「もし雁夜おじさんが逃げずに最初から間桐の当主として聖杯戦争に参加してたら、桜は養子にならなかっただろうから、そもそもは雁夜のせいなんじゃないか」と2人が話しているのを聞いて、なるほど……と納得してしまって(笑)。

一同:(笑)。

下屋:それでも、雁夜おじさんが桜のことを大事に思ってくれていた事実は変わらないので、やっぱりありがたいなという気持ちはあります。

――雁夜と士郎って、ちょっと似ている部分もあるのかなと思っていて。自分のために誰かを救おうとした雁夜と、純粋に誰かのために誰かを救おうとした士郎という意味で違いがあるかもしれないなと。

下屋:そう考えると、一般的にはきっと雁夜の方が人間臭くて、共感できるという方も多いんじゃないかと思うんです。けど、私はずっと桜目線で見てきたのと、士郎の幼少期の経験を知っているので、ああいった考えを持つようになったのは理解できるんですね。自分よりも他人の命を優先する士郎の考えは、たしかに究極すぎるところはあるのですが、幼少期に問題を抱えているという意味では桜も同じなので。

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