亜細亜実の変態スイッチとは……? 秋元羊介さんの演じるマスターとのモノローグにも注目! 夏アニメ『宇崎ちゃんは遊びたい!』声優・竹達彩奈さんインタビュー【連載第3回】
自分のそばでドラマやアニメのような青春を過ごしている子がいたらワクワクする
──亜実を演じる際、特に印象的だったディレクションを教えてください。
竹達:最初のアフレコで、初めて亜実さんを演じた時、微妙な調整はあったのですが、そこまで大きなディレクションはなかったと思います。スイッチが入った時の亜実さん(の芝居)をどこまでやるのか、やって良いのか、みたいなお話はありましたが。
あと、元ネタのあるパロディみたいなセリフもけっこう多くて。台本をチェックする時、そういうセリフの元ネタは自分で調べるのですが、それでも分からない場合があって。そういうセリフについては、現場でどんな風に言うのか確認してから、やらせていただきました。
──ちなみに、初登場した第3話のアフレコでは、亜実をどのように演じたいと意識していたのでしょうか?
竹達:私の中では、変態スイッチみたいなものがオンになっていない時の亜実さんは、普通の人というイメージだったんです。だから最初は、普段はバイト先の先輩であり大学の先輩として、宇崎ちゃんと桜井君を影ながら優しく見守っているお姉さんという役作りをして現場へ行きました。
でも、回が進めば進むほど、どんどんイメージが変わっていきましたね(笑)。亜実さんの変態性みたいなものがダダ漏れになっていき、オンとオフというか、表と裏の差があまりなくなって。ある意味、亜実さんが亜実さんらしくいられるようになってきたのかな、ということを演じていても感じたし、作品を読んでいても思いました。
──亜実は、宇崎と桜井の二人をどのような気持ちで見守っているのだと捉えていますか?
竹達:ただただ、微笑ましく見ているのかなって。自分のすぐそばでドラマやアニメのような青春を過ごしている子たちがいたら、見ていてすごくワクワクすることだと思うんです。それを純粋に楽しんでいるし、応援もしている。その気持ちは、私もすごく分かります。
──自分が二人の関係に関与するのではなく、あくまでも二人を観察しているのが楽しいタイプですよね。
竹達:亜実さんも二人と仲良しだし、きっと、その中に自分が入っても楽しいんでしょうけれど。やっぱり、二人のやりとりを微笑ましく見ている方が楽しいんでしょうね。
亜実さんと榊?くんも、桜井君と宇崎ちゃんを応援したいという気持ちは同じ
──宇崎と桜井のじれったい関係を見ていると「銀シャリが進む」という亜細親子の表現は非常に面白いし、気持ちがすごく伝わってきます。
竹達:面白いですよね。人によっては、お酒が進んだりするのかもしれないですが、亜細親子の場合は銀シャリが進む。きっと、桜井君と宇崎ちゃんには、亜細家や榊?(逸仁)君の何かの感情を刺激するところがあるんだろうなと思います。
──宇崎と桜井のおかげで、亜細親子の毎日は、さらに楽しくなっていそうですよね。
竹達:本当に。お父さんは二人のおかげでますます元気になって、すごく長生きできそう(笑)。
──亜実?と榊?の関係性については、どのように捉えていますか?
竹達:桜井君と宇崎ちゃんを応援したいという純粋な気持ちは、どちらも同じだと思うんです。ただ、応援の仕方というか、価値観の違いみたいなものがあるから、ケンカではないですけれど、反発しちゃったりもするのかなって。まあ、榊?君の方はあまりそんなことは思っていなくて、亜実さんだけが一方的に思っている感じは強いんですけれど(笑)。
その違いさえ分かり合えれば、とても仲の良いコンビになれるんじゃないかなと私は思っています。志というか、桜井君と宇崎ちゃんを応援している気持ちは同じだから。
──今のところ、まだ分かり合えていない感じが強いですね。
竹達:榊?君は、宇崎ちゃんにも「性格、最悪ッスね」と言われていたけれど、一見ちょっと悪そうにも見えちゃうんですよね。でもたぶん、彼は誤解されやすいだけで本当はすごく良い人だと思うんです。心の中はすごくピュアなのに、不器用で言い方が分からなかったりするせいで、周りからは誤解されてしまう。そういう人っていますよね。
あとは、自分の生い立ち、例えば、お金持ちだったりすることで、周りの人の見る目にフィルターがかかってしまったりとか。個人的には?、榊?君のもっと良いところが見たいというか、視聴者さんにも見せてあげたいなって勝手に思っています。きっと、髙木(朋弥)さんのお芝居でも、榊?君の良さは伝わっているとは思うんですけれど。
──たしかに、榊?はいろいろとスペックが高すぎて、それが嫌みな感じに見えたりすることもありそうです。
竹達:ちょっと鼻につく感じに見えてしまうんでしょうね。でも、桜井君への友情は純粋で、桜井君と宇崎ちゃんに関することもすべて、本当に二人のことを心から思っての行動だと思うし、そのことは亜実さんも分かっている気がします。