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ロリガ BD-BOX発売記念|小澤亜李×花守ゆみり×むとうやすゆき座談会

『ローリング☆ガールズ』Blu-ray BOX ~5周年記念特装版~発売記念座談会|小澤亜李(森友望未役)×花守ゆみり(御園千綾役)×むとうやすゆき(脚本)【第1弾】

5年の時間を経て、見え方にも変化が? あらためて『ロリガ』の魅力や思い出を語る

――作品を振り返って、好きなシーンや思い出などはありますか?

花守:シーンとかではないんですけど、当時は望未と逢衣ちゃんと結季奈ちゃんが見えるすべてだったんですけど、今になってみると、周りのキャラクターたちがものすごいキャストなんですよ(笑)。そのきらめきがすごいなと思ってしまいました。私たちがモブであった理由は歴然というか。

それと、最終回をよく見ているというのもあるんですけど、お母さん(御園ハルカ/CV.大原さやか)が大好きなんです。千綾が旅に出るのを強い言葉で止めるんですけど、当時は何で分かってくれないんだろうっていう気持ちが強かったんです。でも今は、そんなの心配だからに決まってるじゃん!って思えるんですよね。だからお母さんの気持ちが、今になって染みてしまう。

小澤:早い(笑)!

花守:そう! まだお母さんになってもいないのに(笑)。でも、一番強い壁だと思っていたお母さんが、こんなにも温かいキャラクターだったってようやく気づけたんですよね。

それとむとうさんの書くキャラクターって、悪役が100%悪役ではなく、悪役に見えるところは、人臭いところだったり、愛によるところが多かったりするんですよね。良い人に関しても、譲れないところがあって、優しいだけではないんです。

芯があるからこそ走っていけるという頑固な面もあるので、それも人臭いんですよね。白黒はっきりさせることなく、そのどちらも持っているキャラクターを描いてくださったからこそ、この作品が自分にとって特別なものになっているんだなって、今になって思いました。

――収録当時は、花守さんも17歳ですからね。そういう意味では、成長したということなのかもしれないですね。

花守:だからこそ、今の自分ではあの千綾は演じられないし、あの時期でしか演じられなかったものだと思うんですよね。
 
先程も話したことですけど、当時はいっぱいいっぱいで、どう演じればいいかの正解がわからなくて苦しんでいたんです。そんなときに亜李ちゃんが隣に来てくれて、「私はゆみりちゃんのお芝居が好き」と言ってくれたんです。今の私と同じくらいの年齢だったと思うんですけど、17歳の後輩にそんなことを言える?って思うんですよ。

小澤:だって良かったんだもん。

花守:だからその言葉が、今も私が声優を続けていられている理由なのかなって思います!

――小澤さんは、何か思い出はありますか?

小澤:望未たちって、当時演じていてもそれほど見せ場がなかったですし、台詞もモサ(※今回の主人公たちがモブと呼ばれる、いわゆる普通の人だったのに対して、モサは、特殊な能力を持っている)たちよりも少なかったりしたので、何かをしてやる!と思って現場に行っていたわけではなく、何かができたらいいなぁくらいの気持ちでやっていたんです。とにかく頑張るしかない!と。

でも時が経って見たとき、その感じがちゃんと出ているんですよ(笑)。それで正解ではあるし、主人公っぽくない感じを良さとして見ることができたんです。当時オンエアを見ているときは、カッコつけられていないな、難しいなって思っていたんですけど、今は、監督たちがやりたかったことが見えるようになっていて、それがすごくうれしいなと思いました。

それと同時に、ゆみりちゃんと同じで、作品で描かれている大人たちの良さもわかってくるんですよね。力があるからこそ、悩んだり挫折したりしていて、モサも悩んでたんだなって見えるようにもなってきたんです。普通はヒーローって、パワフルで無敵だけど、そうやって立ち止まるヒーローもいるところが、この作品のいいところだなと思いました。当時はそこまで理解していなかったので、この作品のこういうところが良いんだって、具体的に言葉で言えるようになったことはうれしいですね。

むとう:あらためて、当時の小澤さんと花守さんをキャスティングしてもらったことは幸運だったなと思いました。この作品のターゲットって明確にしていませんけど、気持ち高めの年齢層を想定していたところがあるんです。物語というものに一定量触れてきている人たちに、どこにでもいる少年がロボットに乗っていきなり操縦をするとか、伝説の宝剣になぜか選ばれてしまうとかではなくて、選ばれない子たちもいるよね、っていうのをあえて一度観てみてもらいたかった。

――結構、何にも選ばれずに普通に生きて大人になっていくものですからね(笑)。

むとう:そんな普通の人の夢のために物語の主人公というのはいるんですけどね。はるか昔からあるドラマの常道に自分ごときがあらがうのってどうなんだろう、というのは勿論あったんですが、選ばれなかった非力な子たちが選ばれたヒロイックな人たちのために頑張る話というのが、一定の鑑賞体験や鑑賞眼を持つ人たちにどう響くんだろうと思って作ったのが『ロリガ』なんです。そういうひねくれた作為の部分を、それってどういうことなんだろう?と思いながらお二人に演じてもらったのが、とても良かったんだなと思いました。

こちらの意図を巧みに汲んでくれる経験豊富な役者さんが演じていたら、あるいはこうはならなかったかもしれません。今のお話を聞かせてもらって、そんなふうに思いました。だからこそ『ロリガ』がこういう作品になったんだなって。作為を無垢で自然なものへと昇華してもらえたというか。

小澤:だから歳を重ねるごとに、どんどん好きになっちゃう作品なのかなと思いました。感覚ではなく、良いところがだんだん見えてくるので。

――モブが頑張るところも、すごく良いなと思いながら見ていたんですけど、選ばれた存在であるモサはモサで、小澤さんがおっしゃった通り、悩んだりしてて、そこも人間臭いんですよね。

むとう:そこを観ていただけて、ありがたいです。モサが何らかの理由で機能不全に陥っている状態というのが、モブが役に立つのに必須なんですよね。

――ただ、そんなモサに殴られて、めちゃくちゃ空高く吹っ飛んでしまうモブたちが、必ず生きているというのも面白かったです。

小澤:あはははは(笑)。確かに!

むとう:選ばれていないモブたちも、十分常人離れしてる(笑)。

花守:あくまでフィクションの中のモブっていう体がいいですよね(笑)。

小澤:最初に「吹っ飛ばされるのに慣れてる」とか言ってたからね。

むとう:直前に携わっていたTVアニメ『戦国BASARA』で、メインの武将たちの戦いの余波で足軽たちが吹っ飛ばされていたんです。それを見ていて、こいつらの人生ってどうなのかなって思っていたところから、通行人Aの人生みたいなものを描きたいなって。

――そんな発想の起点があったんですね。でも、キャラコメで、吹っ飛ばされたあとにちゃんと着地しているんだって説明があったのには笑いました。

むとう:そんなくだりもありましたね(笑)。

――ちなみに、当時のプロモーションで覚えていることはありますか?

小澤:まぼろし軒に行きました!

花守:ラーメン食べたね。亜李ちゃんとは別々に行ったんですけど、お店の方と話していたら、「家に帰っても何か食べたいよな、チャーシューいるか?」と言われて、まるごと1本もらったんですよ。

小澤:私もらってないけどー!!!

花守:(笑)。だからまた行きたいです、まぼろし軒。

小澤:今も所沢って地名を聞くだけで、『ロリガ』を思い出して、所沢って良いよね~って思っちゃうことはあります。でも、今まぼろし軒に行っても、私たちのことわからないだろうなぁ。

花守:でもラーメンが美味しかったから、また食べに行きたいな。

――すごく長くお話してもらいましたが、最後に、ファンへメッセージをお願いします。

むとう:小澤さんも花守さんも、あのときだからこその、技術だけでは表現できない演技をやってもらえて良かったなとあらためて思いました。それがこうやってずっと残るわけで、それって奇跡のようなものだなと思います。そんな、5年という時間のもつあれこれも楽しんでいただければと思います。僕は、このあとの対談にも出ることになっているので、控えめに……(笑)。

花守:今日むとうさんや亜李ちゃんの話を聞いて、『ロリガ』って、時間が経ってから観ると、また見え方が変わってくる作品なんだと、あらためて思いました。そういう意味では、本当にTHE BLUE HEARTSの楽曲みたいですよね。聴く年代ごとに、同じ曲でも感じることがどんどん変わってくるというか。だから、『ロリガ』を通して、自分の変化や成長を感じてもらえたらうれしいし、一生モノの作品だと思います! これからもみなさんの人生に寄り添える作品でありますように。明日もがんばれ!

小澤:気持ちは、コメンタリーや今回のインタビューで語らせてもらいました。こうやってみなさんの応援があって、『ロリガ』を思える時間を過ごせたことがすごくうれしいです。やっぱり『ロリガ』って愛だなってすごく思います。スタッフやお客さんと愛を共有できて、作品としても素晴らしいんですけど、それ以外のことも与えてくれる作品だし、幸せをもらえる作品なんですよね。5年経っても応援し続けてくれるみなさんのことが、私は本当に大好きです。これからもみなさんと一緒に『ロリガ』を通して、気持ちの交換ができたら良いなと思います。本当にありがとうございます。今日もがんばれ!

[取材&文・塚越淳一]

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Blu-ray BOX ~5周年記念特装版~ 初回限定生産

価格:19,800円(税込)
発売日:2020/12/16 発売

ストーリー

地方自治をめぐる「東京大決戦」の終結から10年がたち、都道府県がすべて独立国家となった列島。
ご当地色をテーマパークのように肥大化させた各地域では
「モサ」と呼ばれる能力者が自警団を率いて統治、あるいはその一翼を担っていた。
そんな中、あちこちで巻き起こるご当地トラブル!
戦禍うずまく国から国を、なぜか平和請負人代行(世直し)を務めることになった4人の女の子たちがゆく。
世のため、人助けのため、そして「月明かりの石」を探すため、
よそ者の「モブ」とそしられつつも、4人はがんばり、ふんばって、今日もバイクで旅をする・・・!

収録内容

◆本編(TVアニメ全12話)

◆映像特典
☆PV No.01~04
☆Blu-ray BOX 発売記念CM
☆ロリガ・ロック・エクスプロージョン!OPムービー
☆ロリガ・ロック・エクスプロージョン!EDムービー「振り返り映像 ~旅の思い出~」
☆Yell from THE ROLLING GIRLS(小澤亜李ver.)
☆Yell from THE ROLLING GIRLS(日高里菜ver.)
☆Yell from THE ROLLING GIRLS(種田梨沙ver.)
☆Yell from THE ROLLING GIRLS(花守ゆみりver.)

※「Yell from THE ROLLING GIRLS」はメインキャストによる新規収録音声を使った特典です。
※「Yell from THE ROLLING GIRLS」の映像は本人映像ではありません。

◆音声特典
☆完全生中継!ロリガトーク!(全12話分)
<望未・結季奈・逢衣・千綾によるキャラクターコメンタリー>
※過去のBlu-ray商品に収録されていたものと同一の音声特典です。

☆完全生中継!匠トーク!(全12話分)
<新規録り下ろしのスタッフ&キャストによるコメンタリー>

<出演>
1~2話:出合小都美(監督)、中武哲也(アニメーションプロデューサー)、むとうやすゆき(脚本)
3~4話:出合小都美(監督)、中武哲也(アニメーションプロデューサー)、むとうやすゆき(脚本)、「ローリング☆ガールズ」公式Twitter担当
5~8話:日高里菜(小坂結季奈 役)、種田梨沙(響逢衣 役)、むとうやすゆき(脚本)
9~12話:小澤亜李(森友望未 役)、花守ゆみり(御園千綾 役)、むとうやすゆき(脚本)

キャスト

森友望未:小澤亜李
小坂結季奈:日高里菜
響逢衣:種田梨沙
御園千綾:花守ゆみり

宇徳真茶未:藤村歩
執行玖仁子:大浦冬華
音無ゆかり:古木のぞみ
御園ハルカ:大原さやか
羽原アキ:かないみか
鈴本のり子:真堂圭
鈴本文:水谷優子
魚虎姫子:五十嵐裕美
鈴鹿友亀:細谷佳正
ダンディ:大塚明夫
一条美沙:中原麻衣
豆千代:早見沙織
酒呑童子:小西克幸
菊志乃:久川綾
名余竹輝夜:伊藤静
石作志麻:勝生真沙子
藤原春:田中敦子
藤原桃:上田麗奈
九鬼温羅:横山智佐

ばん子:あゆか
籾山蔵之介:関智一

ほか

※商品仕様・特典内容等は都合により変更になる可能性がございます。

封入特典

☆1st SINGLE CD「夢」/THE ROLLING GIRLS

※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。

≪収録曲≫
01. 夢(THE ROLLING GIRLS)
02. 夢(森友望未 CV:小澤亜李 ソロver.)
03. 夢(小坂結季奈 CV:日高里菜 ソロver.)
04. 夢(響 逢衣 CV:種田梨沙 ソロver.)
05. 夢(御園千綾 CV:花守ゆみり ソロver.)
06. 夢[inst.]

-Bonus Track-
07. 月の爆撃機(森友望未 CV:小澤亜李 ソロver.)
08. 月の爆撃機(小坂結季奈 CV:日高里菜 ソロver.)
09. 月の爆撃機(響 逢衣 CV:種田梨沙 ソロver.)
10. 月の爆撃機(御園千綾 CV:花守ゆみり ソロver.)

※01~06新規収録楽曲/07~10は再収録楽曲です。

☆特製メモリアルボックス※キャラクター原案・tanu描き下ろしイラスト「THE ROLLING GIRLS」使用(初回)

※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。

関連リンク

公式サイト
公式Twitter(@therollinggirls)

(C)2015 The Rolling Girls 製作委員会
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