声優
石川由依×二ノ宮ゆい:Wゆい対談|二人が語る互いのソロ活動

声優・石川由依×二ノ宮ゆい:Wゆい対談が実現|つながりは『アイカツ!』シリーズから――二人が語る互いのソロ活動

 

『UTA-KATA』公演を観た感想、石川由依のすごさとは

――ソロ活動としては、石川さんも朗読と歌を披露する『UTA-KATA』というプロジェクトを進めていますが、その公演を観に行ったそうですね?

二ノ宮:はい。東京公演(2020年1月11日『UTA-KATA Vol.1~夜明けの吟遊詩人~』@ガルバホール)を観させていただきました。

――どうでしたか?

二ノ宮:私の拙い言葉で伝えられるか分からないんですけど、まず会場が素敵で、その雰囲気にすごい!と思いました。始まったら、大好きな由依さんの声で物語が最初から最後まで聞けるんだという喜びがすごくて……。しかも朗読で何役も演じ分けをされていることに感銘を受けましたし、物語自体にもとても感動しました。それと同時に、目指している背中があまりにも遠いなと思った瞬間でもあって、役者さんとしても本当に尊敬する、憧れの方だなと再認識しました。

私は2時間、朗読をして歌って、しかもキャラクターを演じ分けるなんてことはできないので、すごいという言葉しか出てこないんですよね……。しかも由依さんの歌声も、もともと好きで、生で歌われる機会ってなかなかないので、初めて生で歌を聴けて、すっごくうれしかったですし、感動しました。

――やはり、刺激も感じていたんですね。

二ノ宮:そうですね。いちファンとして感動している自分と、役者として「こうなりたい」とか「まだまだだ」っていう気持ちがあったんですけど、苦しいというよりは、頑張らないと!って思いました。

――演じ分けが、本当に素晴らしかったですが、それに対する不安とかはなかったのでしょうか?

石川:アニメでキャラクターの演じ分けはありますけど、同時にいろいろなキャラクターを演じるという経験はなかったんですよね。それに今回は演出家が入っていないんですよ。今までやってきた朗読劇では、演出の方がいることが当たり前だったんですけど、今回はひとりだったので、本番を迎えるまで、本当にこれで大丈夫なのかな?っていう気持ちはずっとありました。

――ますます驚きです。二ノ宮さんから石川さんに聞いてみたいことはありますか?

二ノ宮:会場がかなり小さかったじゃないですか。お客さんと近いことで緊張はしませんでしたか?

石川:緊張は……したねぇ。近いほうが緊張するよね。ゆいちゃんも大きなホールで歌うこともあれば、小さい会場でイベントをすることもあると思うけど、小さいと全部見られちゃうし、息遣いとかもバレてしまうから。しかも今回はひとりで朗読するから気を抜ける時間もなくて、相当緊張していたかなぁ。昼公演なんて、脇が閉まったままになっていたし(笑)。

――先日、有料配信での『UTA-KATA vol.1 ~夜明けの吟遊詩人~』も素晴らしい公演でしたが、いかがでしたか?

石川:もちろん、お客さんの前でできるのが一番いいんですけど、無観客だったからこそできる、会場の雰囲気を活かした素敵な映像の撮り方をしていただきました。そのぶん気をつけなければいけないことは増えたんですけど、物語として素敵なものだし、一度目の公演で足を運べなかった方にも観ていただける機会にはなったと思うので、良かったなぁと思います。

二ノ宮:役者さんが朗読をひとりで完結させることってすごいと思うんです。普段アニメでもたくさんいるキャラクターのひとつなのに、それを全部自分でやるのって大変なんだろうなと思いつつ、それを本当に素敵にやられていたので、もう尊敬でしかないです!

――『UTA-KATA』のパンフレットには、暁佳奈さん(『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』原作)の台本も全部掲載されているので、家でできたりしますよ?

二ノ宮:いやぁ、でも読みながら打ちのめされるかもしれない……(笑)。

 

ニノミヤユイが一番出ている曲は? そして、ふたりが2021年にしたいこと

――そして、二ノ宮さんは、ニノミヤユイとしてミニアルバム『哀情解離(アイジョウカイリ)』をリリースします。デビューして約1年になりますが、いかがでしたか?

二ノ宮:2020年1月にデビューをさせていただいたんですけど、1年間で17曲くらいリリースさせていただけて、かなり怒涛で、あっという間に駆け抜けた感じでした。

ただ、3月に1stライブをする予定だったんですけど、ご時世的にできなくなり、配信という形ではライブをしたんですけど、まだ直接お客さんに歌を届けることができていないんです。それが1年目から起こったから、なかなか苦しくて。たまに、「がんばってやっているけど、私の音楽は必要とされているのかな?」って自問自答しちゃうこともありました。

でも、事務所に届くお手紙で、私のアーティスト活動について、「好きです」と伝えてくれる人もいて。私がアーティスト活動をすることを楽しんでくれている方がいるんだなと思うと、それがモチベーションになるんですよね。だから、この1年は応援してくださるみなさんと、スタッフさんに支えていただいた1年だったなと思います。

――ファンの方にも、今回のミニアルバムはプレゼントになると思いますが、石川さんはまだ……。

石川:私はまだ聴けてないんです。

――ではせっかくなので、二ノ宮さんから、どんな作品なのかをプレゼンしてもらいましょう。

二ノ宮:今回のコンセプトとしては、私が最近ロックを聴いているので、ロックがメインの作品なっています。しかもこれまでよりもさらに鬱憤というか、マイナスな感情を膨らませているんです。今、みんな我慢しているときだと思うので、その思いを共有するではないですけど、この曲がストレス発散になればいいなっていうアルバムです(笑)。

――ちょっと気分が沈むときに、プラスの言葉を投げかける曲もあるけど、マイナスな言葉をぶつけてスッキリするみたいなこともありますよね。

二ノ宮:私も感情がマイナスになっているときは、マイナスな曲を聴いて、共感じゃないけど浸るタイプなんです。

――今回は浸るよりも、爆発するタイプの曲が多いですけどね。

二ノ宮:そうですね。怒りのロックみたいな感じはあります!

――それと、夢も叶ったそうで。

二ノ宮:私が普通にファンとして好きだったロックバンドのミオヤマザキさんに楽曲を提供していただけたり、小学校の頃からボーカロイドの楽曲を聴いていて、その中でもずっと聴いていたDECO*27さんに曲を作っていただけたことにも本当にビックリして……。憧れの方に曲を書いていただくという夢が叶ったアルバムでした。

石川:それはうれしいよね。

――歌詞の内容についても、作家さんと相談して?

二ノ宮:そうです。私は、毎回作家さんと打ち合わせをして、私の性格とかも知ってもらうんです。そこで歌詞の原案みたいなのをお送りして、それをもとに書いていただくことが多いので、作詞作曲をお任せしていたとしても、結果的に、私がしっくり来る曲になっているんです。

石川:すごい! 本当にアーティストというか、クリエイター気質があるし、将来プロディーサーとかにもなれそうな感じがしちゃう。私も作詞を共作でしたとき(「泡沫の祈り」)、どういうことを書きたいのかというのを伝えるために、歌詞よりも長い文章を送った事があるんだけど、自分で書いてて、暗っ!!!って思った(笑)。

二ノ宮:分かります分かります(笑)。私も暗くなってしまうので。

――文章にすると、結構出ますよね(笑)。

石川:(ミニアルバムの資料を見ながら)ここに書いてあるゆいちゃんのプロフィールも興味深いんですよね。

二ノ宮:どうでもいいことばかり書いてあるんですよ……(笑)。

石川:まず2000年代に生まれていることに驚いたけど、50m走の7.2秒って速くない? なかなか出せないよ。

二ノ宮:中学生の頃、陸上部に入ろうと思ったんですけど、結局、吹奏楽部に入ったんです。

石川:そうだったんだ。フルートも演奏ができて、書道もできるし、すごい才能があるなぁって。歌詞の深読みが趣味というのは、考察する感じ?

二ノ宮:趣味というか、やりがちなんですけど、キャラクターソングとかで、これはこのときのあの感情だ、みたいに考えるのが好きなんです(笑)。

――ミニアルバムのお話に戻ると、中でも石川さんに聴いてほしい曲というと、どの曲になりますか?

石川:どの曲も思い入れは強いんだろうけど、発売したらまず聴いてほしい曲を教えてもらおうかな。

二ノ宮:どうでしょう。選ぶのは難しいですけど、「痛人間讃歌」は、リード曲だけあってパンチの効いた曲ではあります。でも、私が一番共感したというか、苦しくなったのはDECO*27さんに作っていただいた「サイセンタン・コンフュージョン」なんです。この曲を聴くと、あまりにも自分のことが表現されすぎてて苦しくなってくるんです(笑)。なので、苦しみの曲なんだなと思いながら聴いていただけたらと思います。

――どのへんに共感するのですか?

二ノ宮:散りばめられすぎているんですけど、最初に〈劣等感と手を繋いで〉ってあって、私も学生時代は劣等感をずっと感じていたんです。それと〈主人公にはなりたいけれど〉というところもそうですね。2番や3番でもいいじゃんって思っている自分もいるけど、やっぱり主人公になりたいんだっていう気持ちが乗っかってくるのが苦しくて。そういう部分がたくさんある曲なので、自分で“うわーー”ってなりながら歌っているんです。

石川:なれるものならなりたいけれどっていうね。

――声優さんも、一番手にならないと、その役になれないということもありますしね。

石川:確かに。その役の中では一番にならないといけないですからね。

――だから主人公になりたいと思える気持ちがあるところがいいなと思いました。でも、この「サイセンタン・コンフュージョン」も踊れる感じの曲ですし、「No attention」のようなピアノロックもカッコいいですし、刺さる歌詞が多いですけど、音楽的にも楽しめる楽曲ばかりのミニアルバムなので、ぜひ石川さんに届けてあげてください。

二ノ宮:CDが完成したら、すぐにお渡ししに行きます(笑)!

――では最後に、2021年はどんなことをしたいですか?

二ノ宮:1年間、いろいろな作品をリリースしてきて、ニノミヤユイってこういうアーティストなんだという自己紹介的な音楽はできたと思うので、それを締めくくるライブだったり、みなさんに発表できる機会があればいいなと思っています。

石川:私は来年、何をしましょうかね(笑)。

――『UTA-KATA 旋律集 Vol.1~夜明けの吟遊詩人~』が1月13日に全国のアニメイトでリリースされますよ。

石川:でも、発売イベントがあるわけでもないんですよねぇ(笑)。ただ、このCDからでも知っていただけたらと思いますね。せっかく始めたからには、私もみんなに幸せになってほしいので、たくさんの方に見てもらって、それがその次に繋がって、関わってくださった方も幸せになれればいいなと思います。なのでまずは、お手にとっていただけるとうれしいです。

二ノ宮:私は幸せにならせていただけたので、アルバムも楽しみにしていますし、また新しいものがあるのならば、見に行きたいです!

[取材&文&写真 塚越淳一]
 

石川由依 関連商品

石川由依 1stアルバム「UTA-KATA 旋律集 Vol.1 ~夜明けの吟遊詩人~」

発売日:2021年1月13日
価格:
【初回限定盤】6,050円(税込)
【通常盤】4,950円(税込)
レーベル:Harmonic Force
取扱店舗:全国アニメイト・アニメイト通販 ※アニメイト独占販売

<石川由依さんプロフィール>
8歳で初舞台を踏み、幼少の頃から舞台・ミュージカルで主演を数多く務める。声優としては、2007 年にTV アニメ「ヒロイック・エイジ」ディアネイラ役でデビュー。

主な出演作に「進撃の巨人」ミカサ・アッカーマン役、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」ヴァイオレット・エヴァーガーデン役、 ゲーム「NieR:Automata」2B役他多数。

石川由依Official (@YUI_STAFF) Twitter
 

ニノミヤユイ関連商品

ニノミヤユイ ミニアルバム「哀情解離」

発売日:2020年12月23日(水)
価格:2,200円+税

<ニノミヤユイさんプロフィール>
2001年9月6日生まれ・神奈川県出身のA型。ホリプロインターナショナル所属。2017年に開催された「次世代声優☆ミラクルオーディション」で特別賞を受賞すると、2018年4月より放送が開始されたTVアニメ『アイカツフレンズ!』の日向エマ役で声優デビューを果たした。同作品では歌唱も担当している。

声優時は「二ノ宮ゆい」、アーティスト時には「ニノミヤユイ」として表記を変えて活動。2020年1月15日に、デビューアルバム「愛とか感情」でランティスレーベルよりアーティストデビュー。趣味はカラオケ・本屋巡り・リズムゲーム・朗読・歌詞の深読み。

特技は楽器演奏(フルート)・書道(毛筆初段/硬筆3段)・立ち幅跳び・50m走(7.2秒)。座右の銘は「思っているより人間は強い」。

ニノミヤユイ Lantisアーティストページ
二ノ宮ゆい/ニノミヤユイ Official Twitter

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