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春アニメ『MARS RED』原作者・藤沢文翁×畠中祐×諏訪部順一インタビュー

春アニメ『MARS RED』原作者・藤沢文翁さん×畠中祐さん×諏訪部順一さんインタビュー|「共感するセリフばかりだった」、ヴァンパイアと人間を描いた物語に迫る!

初めて見るファンも朗読劇&コミックスファンも新鮮に楽しめる

――今回、原作者である藤沢さんが初めて音響監督も務められていますが、キャストのお2人は、これまでのアニメ作品とのディレクションの違いなどは感じましたか?

諏訪部:何しろ原作者ですから、その時々のキャラクターの心情であったり、ここで何を表現することを求めているのかであったり、細かな質問をしても即答してくださるのがよかったですね。間に人を介さない分、話が早いというか(笑)。

藤沢:でも、業界によって言葉使いが違っていて、舞台の演出だと「二幕目のシーン2から」みたいな言い方をするんですけど、アニメだと話数ごとにAパート・Bパートと分かれていて、カット数で指示を出すんですよね。

もともと僕は舞台人なので、それに慣れるのに第3話まで掛かっていて。ブースの向こうにいる諏訪部さんに「二幕目の2ページ」と言ってしまって、それを諏訪部さんが訂正してくれるということがありました(笑)。

一同:(笑)。

――畠中さんは、藤沢さんとのお仕事は初めてだったわけですが、いかがですか?

畠中:役者さんのパーソナルなところを見て合わせてくださっている部分もあるのか、僕としては演出がわかりやすいというか、役者の気分を乗せてくれるような感じで、演じていてとても楽しかったです。

もちろん生みの親なので質問に対してもすぐ教えてくださるし、役作りにおいてのヒントみたいなものをくれたり。

例えば、普段歩いている東京の街にも大正時代にできた建物などが意外と各所にあって、 そういうのを見に行ったりするだけでも「当時のものに触れることが自分の刺激になるから」と、大正時代にできた建物なんかを教えていただいて。

これまでは素通りしていた風景だったのが、その時代とつながっているんだなというのを肌で感じられるし、普段はそういう経験がなかなかないので面白かったです。

――ちなみに、収録は感染症の拡大より以前にスタートしていたと思いますが、キャスト・スタッフ間のコミュニケーションや収録現場の様子などについて教えてください。

藤沢:(収録話数の途中から)大勢での収録ができなくなって、個別での抜き録りもあったので、お2人の掛け合いは僕の頭の中だけで行われているような感じでしたね。

こういうセリフだと2人の温度感が合わなくなるなとか、諏訪部さんはまだ録ってないけど、きっとこうくるはずだから(畠中さんのセリフは)たぶんこっちだなとか。

間で僕が「こうだ」と決めないと、抜き録りはふらふらしてしまって難しいですよね。

諏訪部:後手で収録する場合は、先に演じた方の音声を聞きながら演じるので、ちゃんと合わせることはできます。ですから、そのシーンの温度は先手次第というか(笑)。

畠中:とにかく、僕が緊張していたイメージですね(苦笑)。

山寺さん演じる山上とは一番掛け合いが多いのですが、一緒に収録できていた時に山寺さんが山上のように場を和ませてくださったり、みなさんの現場での立ち振る舞いがキャラクターたちと重なる部分もあって、世界に入り込みやすかったですし、楽しかったです。

――完成した映像をご覧になっての感想を教えてください。

畠中:第1話はまだ、ヴァンパイアという存在がすごく不気味なものに見えて、言動なり、ちょっと怖いという風に見えちゃったんですよね。

でも、第1話の最後まで見ると切なさにやられるというか……って、これネタバレになりますか?

諏訪部: 放送は4月からなんだからネタバレはダメだって(笑)。

一同:(笑)。

畠中:なんというか、僕はヴァンパイアというものを弱き者として捉えていなかったというか。

今まで、アニメや映画などで映し出されるヴァンパイアの姿から“カッコいい”というイメージが付いてしまっていたので、この作品ではこんなにも繊細で切ない、人間臭い面があるんだなと。

それが物語の中にすごく反映されているので、胸が締め付けられるなというのが最初の感想です。

――畠中さんと同じように、アニメから初めて作品に触れる方へ、作品の魅力や楽しみ方も教えてください。

畠中:すごく遠い世界の話ではないというか、感情という面ではすごく僕らも共感できるところがたくさんあるんじゃないかなと思いました。

寂しさや切なさ、例えば自分が少しでも邪険にされていると感じた瞬間が日常生活の中であったとして、そういったものを抱えている人はすごく共感ができる部分が多いのかもしれないなと。

自分がヴァンパイアになったらどういう気持ちが湧くんだろうと想像しながら見ると、より一層一人ひとりの気持ちと寄り添えて面白いと思いますし、出てくる登場人物一人ひとりにも物語がある作品になっているので、深く楽しめると思います。

むしろ、朗読劇を知らずに見るということを新鮮に楽しめると思います。

――諏訪部さんはいかがでしたか?

諏訪部:完成した作品を観て、空間というか、間というか、独特の空気感を持っている作品だと思いました。

そして音楽がとても良い!藤沢朗読劇の常連コンポーザーでもある村中俊之さんが手掛ける劇伴がとてもハマっていて。出来上がったシーンの映像に合わせて曲を作り込んでいく、映画のような手法も取り入れたりされているそうで。音楽と映像の素晴らしいコラボレーションにもぜひご注目いただきたいですね。

――朗読劇・コミックスなど作品を知っている方へ、アニメの見どころなどをご紹介するとしたら?

諏訪部:テレビアニメ『MARS RED』は、音楽朗読劇で描かれた物語をそのままアニメにしたというわけではなく、新たな要素がふんだんに盛り込まれ、作品としてよりスケールアップしたものになっていると思います。既知の皆さんにも新鮮な感覚でお楽しみいただけるはずですよ。もちろん良い意味で!

――最後に、藤沢さんからお願いします。

藤沢:まず、よくもまあ朗読劇がアニメになったなというのが感慨深いポイントです。

第1話・第2話の先行上映会を見ていただいたらわかるんですけど、噛めば噛むほど味がするスルメ味みたいな部分があって。

作中で上演されている演目や、説明がされないまま流されちゃっている部分の豆知識、演目・舞台のセリフなどが色々なメタファーになっていたりして、それを全部説明しないまま進んでいったりもするんですよね。

そういうのを1回見るだけじゃなくて、調べてみて「なるほど、こことここはつながっているんだ」とか、「この人のこういう心情ってこのセリフに出てた」とか、「この舞台ってあのメタファーなのか」みたいに、調べてもらいながら楽しんでいただけたらいいなと思います。

あと……僕、ガヤで出演しています(苦笑)。

役者さんにお願いしていたのを録り忘れてしまって、演劇を専攻しているのが僕だけということで、全力で拒否したんですけど、どこかの話数で登場していて、クレジットにも名前があるので探してみてください(笑)。

TVアニメ『MARS RED』作品情報

ⓒ 藤沢文翁/SIGNAL.MD/MARS RED製作委員会

■放送情報
読売テレビ 2021年4月5日より毎週月曜日25:59~
TOKYO MX  2021年4月7日より毎週水曜日22:00~
中京テレビ 2021年4月8日より毎週木曜日25:37~
BSフジ   2021年4月7日より毎週水曜日24:30~
CSファミリー劇場 2021年4月11日より 毎週日曜日 23:30〜
※放送時間は変更になる可能性があります

■あらすじ
大正十二年、夜の東京に現れた「吸血鬼」たち。
古の時代からこの世界に隠れ住み、
闇に紛れて人の生き血をすする彼らを
勧誘または捕縛のため陸軍内部にヴァンパイアを中心に創設されたのが
第十六特務隊、通称『零機関』。
前田義信(CV: 諏訪部順一)、栗栖秀太郎(CV:畠中祐)、山上徳一(CV:山寺宏一)、スワ(CV:鈴村健一)、タケウチ(CV:石田彰)たちは、中島宗之助中将(CV:家中宏)に率いられ、今宵も彷徨える吸血鬼と対峙するのだった・・・。

■スタッフ
原作:藤沢文翁
監督:羽多野浩平
シリーズ構成・脚本:藤咲 淳一(「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」脚本、「BLOOD+」監督・シリーズ構成・演出・脚本)
キャラクター原案:唐々煙(「曇天に笑う」「煉獄に笑う」)
キャラクターデザイン:竹内由香里(「ノルン+ノネット」キャラクターデザイン、「鬼滅の刃」各話・作画監督)
デザインワークス:新妻大輔、雪駄
美術監督:加藤浩(ととにゃん)、坂上裕文(ととにゃん)
色彩設計:関本美津子
撮影監督:間中秀典(J.C.STAFF)
CGディレクター:五島卓二(トライスラッシュ)
編集:松原理恵
音響監督:藤沢文翁
音楽:村中宗之助
演出チーフ:貞光紳也
アニメーション制作:SIGNAL.MD

■テーマ曲
オープニング・テーマ:「生命のアリア」/和楽器バンド(ユニバ―サル シグマ)
エンディング・テーマ:「ON MY OWN」/HYDE(Virgin Music)

■キャスト
栗栖秀太郎(CV:畠中祐)
前田義信(CV:諏訪部順一)
山上徳一(CV:山寺宏一)
タケウチ(CV:石田彰)
スワ(CV:鈴村健一)
中島 宗之助(CV:家中宏)
白瀬 葵(CV:折笠富美子)
デフロット(CV:沢城みゆき)
岬(CV:高垣彩陽)
ルーファス・グレン(CV:古川慎)
天満屋慎之助(CV:國立幸)

アニメ公式サイト
公式プロジェクトポータルサイト
アニメ公式ツイッター(@marsredtv)

コミックス2巻4月14日発売 1巻発売中

月刊「コミックガーデン」連載中の漫画「MARS RED」(原作:藤沢文翁、漫画:唐々煙)
コミックス第1巻(マッグガーデンより)発売中。版型:B6型 価格:620円+税
コミックス第2巻 電子版発売:4月5日/単行本コミック:4月14日発売。

 

 

ミュージカル

ロックミュージカル『MARS RED』 2021年6月24日(木)~7月1日(木)
天王洲 銀河劇場にて。

◆詳細はこちらから!

ゲーム

スマートフォン向けゲームアプリ『MARS RED~彼ハ誰時ノ詩~』
(マーズレッド かわたれどきのうた) 

◆公式サイトはこちらから!

プロジェクトファンクラブ

・「MARS REDプロジェクト」のファンクラブ「第十六特務隊」を設立。入隊は無料(メルマガ)で隊員番号や隊員証を付与され、特典や最新情報が優先的に送られる。アニメ公式サイトもしくは公式プロジェクトサイトより入隊できる。

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