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アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』二宮役・花江夏樹インタビュー

アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』二宮役・花江夏樹さんインタビュー|明石家さんまさんから収録現場で言われたこととは……!?

親になったからこそ感じられるもの

ーー本作は母親が紡ぐ感動のハートフルコメディで、”家族”や“親子の愛情”がテーマになっていますが、花江さん自身、作品をご覧になって心に響いたものはありましたか?

花江:僕自身、子供が生まれたばかりということもあって、今までとは違う感じ方がありました。

親目線になって作品を観たことがなかったので、肉子ちゃんの気持ちにかなり感情移入しましたし、彼女にとってのキクコだったり、キクコから見た肉子ちゃん、どっちの気持ちもすごく分かります。

どちらの気持ちも分かるからこそ、割と序盤からウルッときちゃって。なんでもないシーンでも、親になったからこそ心にくるものがありました。

ーー確かに。親と子供、どちらの目線からでもグッとくるものがありました。

花江:特に、親目線としてはどれだけ一緒にいて愛情を注いだか、気持ちの面での繋がりが大事なんだなと思いましたし、あっという間に大人になっていく中で、少しでも子供に何か残せるもの、伝えられるものは何だろうと考えました。

ーーキクコの女の子ならではの悩みや学校の友達のことなど、“思春期”を感じられるシーンも印象的でした。

花江:本当に女の子の思春期は絶対大変だと思います。作中でのバスケのチームを決めるシーンなど、男子だとあそこまで露骨なことはなかったので、もしかしたらそういう経験もこれからしていくんだろうか……と思うとちょっとドキッとしてしまいます。

ーーまた、舞台も片隅にあるような港町で、少し懐かしさを感じさせられる世界観も魅力的です。

花江:僕の実家は漁港はありませんでしたが海に近い場所でしたので、肉子ちゃんたちが暮らす港町に行ってみたいな、暮らしてみたいなという気持ちになりました。

本当に画が丁寧で、どのカットを見てもすごく芸術的です。すごく作り込まれていることが分かりますし、ひとつひとつが完成された映像だと思いました。

ーー作中でお気に入りの場所やシーンはありますか?

花江:『となりのトトロ』をオマージュしている場所もあったりしますが、僕は少し錆びついているところが好きなので、肉子ちゃんとキクコが暮らしている船の感じだったり、焼き肉屋さんのちょっとベタついた店内の雰囲気だったり、そういうところが好きです。

ーー肉子ちゃんとキクコが暮らしている船での生活を見てると楽しそうですよね。

花江:良いですよね。船の床がガラス張りになっていて魚が見えるところもありましたし、すごく綺麗で秘密基地みたいな感じでワクワクします。でも、実際にずっと暮らすのはキツいので3日ぐらいが限界ですね(笑)。

あと、結構食べ物のシーン全般に気合いが入っているなぁ!と思いました。食べ物を食べているシーンは肉子ちゃんという女性を表現する上で重要なシーンなんだろうな、と。本当にお腹が空く映画だと思います。

ーー作中で花江さんが食べてみたいと思ったメニューはありましたか?

花江:肉子ちゃんとキクコが食べているフレンチトーストがすごく美味しそうで……。肉焼きそばもすごく美味しそうで食べてみたいです。

「噛まないように」とさんまさんから言われました(笑)

ーー大竹しのぶさん、Cocomiさん、吉岡里帆さんなど豪華なキャスト陣が集まっています。花江さん自身、共演者の中で1番驚いた方はいましたか?

花江:やっぱり大竹さんです。大竹さんとはやり取りすることはありませんでしたが、Cocomiさんとは少しだけ一緒に収録させていただきました。

Cocomiさんは声がとても綺麗で、キクコの成長途中で未完成な感じがマッチしていて。昔、声優さんになりたくてレッスンを受けていたことをお伺いしていたので、それを踏まえて聴くと「本当に良かったね」と、別の意味での感動がありました。

ーー一緒に収録されたCocomiさんとは、収録現場で何かやり取りはされましたか?

花江:Cocomiさん演じるキクコはたくさん喋っているので「大変だね」とお話しました(笑)。彼女にとっては声優として初めての作品でしたので。

あと、その場にさんまさんもいらっしゃって、僕がセリフをちょっと噛んじゃったんですよね。そしたら「噛まないように」と言われました(笑)。

一同:(笑)。

ーー下野紘さんもトカゲ、ヤモリ役として本作に出演されていますが、何か作品についてお話はされましたか?

花江:はい。事務所経由で下野さんも出演が決まったとお聞きして、別の現場で会ったときに話をしたことはありました。

ーーまた、下野さん演じるヤモリはキャラクターの心の中を代弁しているという設定もあるそうですね。

花江:ヤモリは要所要所で喋っていて、かなり作品にとっての良いアクセントになっていると思います。

“優しさ”は回り回るもの

ーー『漁港の肉子ちゃん』に参加して良かったと思うことを教えてください。

花江:観た後に「良いものを観たな」と感じるほどすごく良い作品ですので、参加させていただいたことは本当に嬉しいことです。こういう心が動かされる、心が温かくなるような作品は、将来子供と一緒に観ることができたら良いな、と思っています。

ーー“心が動かされたり、温かくなったりした”というシーンは具体的にどこでしょうか?

花江:最後の病院のシーンです。肉子ちゃんの人の良さが実直に出て伝わるシーンで、観ていてすごく良いお母さんだな、と思いました。

ーー先ほど、花江さんがおっしゃったように、気持ちの面での繋がりはとても大事だと感じました。花江さん自身、人と気持ちの面で繋がる際に大切にしていることがあれば教えてください。

花江:当たり前なことですけど、相手の気持ちに立って考えることです。優しさはやっぱり回り回って最後には自分に返ってくると思っているので、相手がされて嫌なことはしないようにしています。

ーー最後に、映画を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。

花江:家族や友達・恋人同士など幅広い世代の方に観ていただきたいですし、観終わった後に自分にとって大切な人を思い浮かべては想いが込み上がってくるような作品です。肉子ちゃんのパワフルさをぜひ映画館で観ていただいて、元気をもらってほしいなと思います。ぜひ楽しみにしていてください。

アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』作品情報

 

あらすじ

食いしん坊で能天気な肉子ちゃんは、情に厚くて惚れっぽいから、すぐ男にだまされる。一方、クールでしっかり者、11歳のキクコは、そんな母・肉子ちゃんが最近ちょっと恥ずかしい。そんな共通点なし、漁港の船に住む訳あり母娘の秘密が明らかになるとき、二人に、最高の奇跡が訪れる――!

 

スタッフ

企画・プロデュース:明石家さんま

出演:大竹しのぶ、Cocomi、花江夏樹、中村育二、石井いづみ、山西惇、八十田勇一、下野紘、マツコ・デラックス、吉岡里帆

原作:西加奈子「漁港の肉子ちゃん」(幻冬舎文庫 刊)
監督:渡辺歩
キャラクターデザイン・総作画監督:小西賢一
美術監督:木村真二、脚本:大島里美
音楽:村松崇継

主題歌:稲垣来泉「イメージの詩」作詞・作曲:吉田拓郎 編曲:武部聡志  サウンドプロデュース:GReeeeN (よしもとミュージック)
エンディングテーマ:GReeeeN「たけてん」(ユニバーサル ミュージック)

アニメーション制作:STUDIO4℃
配給:アスミック・エース
製作:吉本興業株式会社

 
公式サイト
公式twitter(@29kochanmovie)

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